イギリスのロンドンにあるウィンブルドンで、6月26日から7月16日にかけて開催された今年のウィンブルドン選手権。毎年数々のドラマが生み出されるテニスの聖地で、今年も新たな王者が誕生しました。『ビッグ4』の一人として、長きに渡って君臨し続けたジョコビッチ選手を下して、ウィンブルドンで初優勝を果たした、弱冠20歳のアルカラス選手。世代交代の象徴としても注目を集めています。
最近ではスポーツ観戦の方法も種類豊富になり、ブックメーカーでベッティングしながら楽しむファンも増えてきていると言われています。ライブで試合状況をチェックしながらベットできたりと、リアルタイムでも楽しめるのですから、夢中になるのもうなずけますよね。ここではウィンブルドンの歴史をはじめ、今大会の男子シングルスで新王者に輝いたアルカラスについて簡単にご紹介していきます。
テニスの聖地・ウィンブルドン
ウィンブルドン選手権(The Championships, Wimbledon)は、毎年6月の最終月曜日から2週間に渡り、イギリス・ロンドンのウィンブルドンで開催されるテニスの4大国際大会(グランドスラム)の一つです。1877年からはじまった世界最古のテニストーナメントとしても知られており、現在でも最も格式高い大会とされています。当然ながら、グランドスラムの中でも最も歴史のある大会で、唯一グラス(芝)コートで行われることでも有名です。
第1回大会は男子シングルスのみが開催され、出場選手は22名。全員がアマチュア選手でした。それから7年後には女子シングルスと男子ダブルスが、1913年には女子ダブルスと混合ダブルスがスタートしました。なお、1922年までは、前年の優勝者は決勝まで出場せず、勝ち上がってきた選手とタイトルを懸けて決勝を戦うという形式が採用されていました。その1922年には、開催地がチャーチ・ロードに移転。1968年にはプロ選手の参加も認められるようになり、オープン化されました。また、ウィンブルドンを語る上で欠かすことができないのが『プレドミネンタリー・ホワイト』と呼ばれる、白のウェア着用を義務付けている規則です。選手たちが着用するウェアはもちろんのこと、リストバンドや帽子、ソックス、シューズに至るまで、すべてを白で着用することが求められており、練習の場であってもこの規則が適用されます。
ビッグ4の時代
テニスに少しでも興味を持ったことがある方なら必ず耳にしたことがある言葉『ビッグ4』。それは、男子プロテニス界の中で最強とされている、フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレーの4選手を指して使われています。もちろん過去にも、その時代に大活躍したテニス選手というのは存在しました。しかし、歴代のグランドスラム最多優勝記録の1、2、3位がいまだ現役選手であるビッグ4のうちの3人が独占し、またグランドスラムのベスト4では度々ビッグ4が勝ち残るという偉業を達成しており、歴史的に見ても偉大な4人なのです。残念ながらビッグ4のうち、最年長であるフェデラー選手は数々の記録を塗り替えて伝説を築き上げたものの、2022年に41歳を迎えるまでに引退しましたが、残る『ビッグ3』は今も現役で男子テニス界のトップを走り続けています。中でも今年36歳になるジョコビッチ選手は、ウィンブルドン開催前は5連覇を成し遂げるのではないかと注目を集めていました。そんな彼の前に立ちはだかったのが、昨年、最年少記録である19歳でATPテニスランキング世界1位に躍り出た新星、アルカラスでした。
スペインの新星
スペイン出身の天才テニスプレイヤーといえば一番にナダル選手が思い出されますが、その大先輩を追い越す勢いで頭角を表したのが、アルカラス選手です。4歳ではじめてテニスのラケットを手にした彼は、15歳の時に見いだされ、元全仏王者のカルロス・フェレーロのコーチのもと、才能を開花させていきます。初出場した2021年の全米オープンでベスト8に入る快挙を成し遂げたのにはじまり、2022年のマスターズでは初優勝、続く全米オープンでも優勝を飾り、テニスランキング世界1位に輝きます。そして迎えた今年のウィンブルドン選手権では。決勝でビッグ4のひとりであるジョコビッチ選手を、5時間近くに及ぶ激戦の末に下し、初めての優勝を飾ります。ビッグ4以外の選手が優勝したのは、実に21年ぶりの快挙でした。