【24年1月最新】アートのおすすめ本ランキングTOP16

「アートとは何だろう?」
「アートがよくわからない・・」
「どうやって鑑賞すればいいの?」
「最近『アートは教養』と聞くけど、さくっと学べる本ない?」

昨今アートに関心が寄せられていますよね。この流れは「アートがわからなければグローバルで通用しない」という欧米での常識や、大量生産がよしとされた時代から「個」を重要視する価値観への変化などからきているといわれています。

そんななか、「アートっていったい何?」という、冒頭に書いたような思いを抱く人も多いのではないでしょうか?

そんなクエスチョンに解答してくれるような数々のアート関連書籍のなかから、小学生からアートに慣れ親しんで読んできた筆者がおすすめする16冊をランキング形式でご紹介していきます。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

16位:バンクシー アート・テロリスト

読んでみて

バンクシーは、どのような人物なのかいまだに謎に包まれているストリート・アーティストです。世界中に出没して、壁にステンシルという手法を用いて絵を残していきます。こちらの本は、筆者も購入し現在読んでいる本です。

バンクシーをアーティストと呼べばいいのか、反権力活動家と呼べばいいのかわかりませんが、ファンが世界中にたくさんいます。バンクシーを知るには、彼(もしくは彼女)がどのような絵を各地に残してきたのか、またどのような活動を展開しているのかを知るのが1番です。活動を細かく知ることで見えてくるものがある、と感じています。

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15位:アート思考―ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

読んでみて

東京藝術大学の大学美術館館長・教授であり練馬美術館館長としても活動する秋元雄史氏の書籍です。香川県の直島アートプロジェクトや石川県の金沢21世紀美術館などを成功に導いてきた人物でもあり、アートとビジネスの関係性を知り尽くしたプロフェッショナルです。

アートというよりはビジネスよりの書籍なので、そのような視点で本を探してる人におすすめの1冊です。この記事を書いている私も、ビジネスという観点からアートを考える機会は多いのですが、秋元氏の視点は実体験をともなっているので説得力がありました。

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14位:西洋美術の歴史

読んでみて

入門書としてはレベルが高くなってしまいますが、古代から現代までの西洋美術史を網羅している本です。著者は美術史の世界で有名な親子であり、何より特徴的なのが作品に対しての的確な文章です。読んでいて説得力があります。

ただ注意点として、写真によっては変色している部分もあるので実際の色使いを知りたい場合は他の本を開いた方がいいでしょう。しかし、西洋美術史でも絵画だけではなく建築・写真などのジャンルも解説されているので、本当の意味で西洋美術を学べる1冊です。

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13位:アート鑑賞BOOK この1冊で《見る、知る、深まる》

読んでみて

「芸術家が何を考えて作品を創作したのか?」作品だけを見ても、作者の意図が分からないことが多いでしょう。こちらの本では、美術史をさらっと紹介してそこからどのような視点で作品を見ていけばいいのかを解説してくれています。

初心者には敷居が高く感じてしまうアートの世界への入門書にピッタリな1冊といえます。この本を皮切りに、アートをより詳しく掘り下げて鑑賞できるようになれば自分の視野も広がること間違いありません。

みんなのレビュー

【アートビギナーにおすすめの一冊】を教えてと言われたら、本書を挙げるかもしれない。アートディーラーを営む著者は、大学教授などアカデミックな専門家とは一味違う着眼でアートの世界へ誘う。本書を読んだ私は、特に現代アートに興味を持ち、先日はジュリアン・オピー(100頁掲載)の個展に足を運んだ。

引用元:読書メーター

12位:切り絵アート2 暮らしを彩るアレンジ集

読んでみて

紙に描くだけが絵ではなく、切り抜いて描き出す絵もあります。それが切り絵です。こちらの本は作者が考案したデザイン集となっていて、自分がアレンジを加えて世界に1つのオリジナル切り絵を作ることができます。

幼いころに折り紙を切ったり貼ったりした経験は誰もがあるでしょう。切り絵にはそのような童心に戻れる作用があります。自分の創造性を発揮してみたら、才能が開花するかもしれません。

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新しいタイプの切り絵作品が美しかったです。動物キャラクターから幾何学模様までバリエーション豊富で良かったです。

引用元:honto

11位:名画の読み方 世界のビジネスエリートが身につける教養

読んでみて

アートを鑑賞していて戸惑うことの1つに、ジャンルや表現されていることの幅広さがあります。先ほどご紹介した現代アートとダヴィンチの「モナリザ」では、見方を変えないと存分に作品を楽しめません。『名画の読み方 世界のビジネスエリートが身につける教養』は、近代以前の美術作品の見方を教えてくれるアート本です。

近代以前の西洋絵画といえば、宗教画や神話画、肖像画や風景画が主でした。特に宗教画や神話画、そして描かれるモチーフに意味が込められている「寓意画」は、基本的な知識がないと面白さが半減してしまいます。こういった知識を教養として身につけておくのも、ビジネスマンのたしなみの1つかもしれません。

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10位:教養としてのアート 投資としてのアート

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アートは鑑賞するだけではなく、投資の対象にもなるということを教えてくれます。確かに無名の芸術家の作品を初期のころから所有していれば、後に有名になったとき価値が上がって立派な資産となるでしょう。ビジネス視点からアートを見た本となっています。

著者がアート売買の専門家なので、ノウハウがふんだんに掲載されています。これからアート作品を買いたい人にはぜひ読んでほしい1冊です。入門書としておすすめであり、この本を読めばアートに対する視線が変わるでしょう。

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9位:恋する西洋美術史

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どの時代でも人々の最大の関心事は「恋愛」で、それはアート作品にもよく表れています。『恋する西洋美術史』は、絵画を「メディア」としてとらえ、その表現から芸術家の心情や当時の社会背景などを読み解いていくアート本です。著者の池上英洋はレオナルド・ダヴィンチなど中世のヨーロッパ美術を研究している美術史家です。

神話を描いた絵画、というと神々しいまでに美しい、とイメージする人が多いでしょう。けれども神話には神々の奔放な性生活が描かれていることも多く、絵画はそれをダイレクトに表現したり、いろいろなモチーフを使って暗示したりしています。『恋する西洋美術史』は、画家たちの恋愛事情から絵画のエロティックな読み解きまで、恋愛のさまざまな側面をとらえた新しいタイプの美術史の本です。

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美術館来訪に向けて。 あらゆる恋をテーマにした作品が作者、時代の説明とともに解説される。ただ素敵な絵だなでは終わらない絵画の鑑賞ができるようになる。高校時代に世界史を履修していない私はさっぱりな所も多々存在したが、モネピカソ、ラファエル……名前は聞いたことのある画家が出てくるので楽しんで読める。

引用元:読書メーター

8位:大人の教養としての アート入門

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『大人の教養としてのアート入門』は、アートコンシェルジュでアートライターの山内宏康が日本とヨーロッパの美術の全体像を解説している本です。名画の図版もオールカラーで収録されています。

ピカソが偉大な画家であることは誰もが知っているところですが、なぜ偉大なのかを理解している人は少ないのではないでしょうか?この本では、ピカソをはじめゴッホ葛飾北斎など、誰でも知っているアーティストの美術史上の意義や、「印象派」などの流派の意味をわかりやすく解説しています。この本を読めば「そういえば知らなかった!」ということがきっとあるはずです。

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7位:めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード

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「現代アートってなんだか難しくて、なんとなく避けちゃう…」そのような人は、ぜひ『めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード』を読んでみてください。あなたも現代アートの世界に夢中になってしまうはずです。

こちらの本には、知っておきたい現代アートのアーティストやキーワードが78項目掲載されていて、どれにもカラフルでキャッチ―なイラストがついています。アーティストの名言やエピソードもたくさん収録されているので、作家や作品の理解を深めるのにもいいでしょう。現代アートは特に専門用語が難しいと思われがちですが、こちらの本は分かりやすく説明してくれている良書です。

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https://twitter.com/na_ho87/status/1202167361635155968?s=20

6位:ヘンな日本美術史

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『ヘンな日本美術史』は、画家・山下晃が絵描きの視点から書いた日本美術史の本です。山下はやまと絵や浮世絵を思わせる作風で人気の画家で、この本の表紙も描いています。

人物も文字もデザイン化された「白描画」の大胆な余白、「洛中洛外図屏風」の時空間表現の独特さ。そして開国を迎え、ヨーロッパの美術に触れた日本の芸術家たちの悪戦苦闘。西洋絵画に慣れた私たちの視点から日本美術をよく見てみると、なかなかアバンギャルドで面白いものです。

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5位:世界アート鑑賞図鑑

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「アートはどのような歴史を辿ってきたのか?」「現代までにどのようなアートが創り出されてきたのか?」こちらの本は、始まりから現代に至るまでのアートを幅広く紹介している本です。

写真を掲載して、時系列に沿ってアート作品を紹介しているので非常に分かりやすい構成です。これから美術を知りたい、アートに触れていきたいという人は、ページをめくるたびに歴史を紐解く気分になれるでしょう。自分の見たい絵を探すときにも役に立つ1冊です。

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4位:最高の教養を身につける 世界に誇る日本美術史

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アートについて考えたとき私たちは西洋のアートを思い浮かべがちですが、日本美術も引けを取りません。日本は西洋からの交易路・シルクロードの終着点でもありました。ヨーロッパ由来の美術的な視点を日本で独自に発展させ、現代にまで残るアート作品となっています。

シルクロードを通って日本の正倉院に納められた作品や、日本で独自に発展した技法などがふんだんに紹介されています。日本のアートを見つめなおす意味でもおすすめの1冊です。日本を知り、西洋を知ることでアートの全体像をつかむことにつながるでしょう。

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3位:これならわかるアートの歴史 普及版: 洞窟壁画から現代美術まで

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アートはいつ生まれたのでしょう?一般的にアートと呼ばれるのは絵画ですが、人によってその見方は変わります。こちらの本は、洞窟の壁画から現代アートまでの歴史を辿った美術史の本です。

こう書くと「小難しいことが書いてあるんじゃないか」と思われがちですが、著者は自分で偏屈男だと言ってしまうユーモアのある方で、面白おかしく美術史を語ってくれます。堅苦しさを抜きにして読み進められる1冊です。

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2位:怖い絵

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『怖い絵』は、早稲田大学で講師を務めている中野京子が絵画に込められた恐怖のストーリーを解説してくれる本です。大人気シリーズで、文庫本では現在4冊目の『新 怖い絵』が出版されています。また、著者の監修のもと「『怖い絵』展」も開かれていて、こちらも大盛況です。

特に19世紀以前の絵画を鑑賞するときには、神話や聖書の知識や、作品が描かれた時代の常識などを知っているとますます絵を楽しめます。『怖い絵』の単行本版では、22点の作品のカラー図版が掲載されていて、著者の解説を読みながらその絵を見ることができます。解説を読む前と後では、絵の見え方がまったく違ってくるのが面白いです。

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1位:いちばんやさしい美術鑑賞

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美術ブログ「青い日記帳」を運営するTak(タケ)さん。1年に300以上もの展覧会に訪れ、その感想を書いたブログはアート好きの人たちに人気があります。『いちばんやさしい美術鑑賞』はそんなカリスマアートブロガーが「美術館で何を見たらいいかわからない…」という人たちに贈るアート鑑賞法の本です。

「プレートは必ず読む」「画家の上手さは手に表れる」など、アート初心者の人でも簡単に試せる鑑賞術が具体的に書かれています。絵画のほか、素人にはわかりにくい茶碗などの工芸品の鑑賞法も教えてくれるので、読めば展覧会に行くのがますます楽しくなりますよ。

みんなのレビュー

美術専門家ではない美術愛好家としてのスタンスで書かれていてとても読みやすかった本。上村松園とか、見かけるとすごく好き!って思う絵のわりに全然背景勉強していなかったので、もうちょっと調べてみようと思いました。

引用元:読書メーター

まとめ

アートは、作者の個性が表現されていなければ作品とは呼べません。大量生産されている商品とは違うのです。1点もののオリジナル、他にないからこそ価値があります。

たとえば現代アートの書籍紹介で触れたバンクシーですが、筆者は20代前半からその作品に惹かれて携帯の待ち受けにしていました。ストリートアーティストはほとんどの国で犯罪者になってしまいます。だからこそ匿名であり、正体が分からないように配慮しているのです。

作品からあふれる個性にも惹かれたというのもありますが、単純に面白い存在だからこそ興味が尽きません。

この記事でご紹介した本にはそれぞれにコンセプトがあり、「アートの見方がわかる」「アートの歴史」「現代アート」「教養としてのアート」に分かれています。全て読むのもよし、気になるテーマの本を読むのもよいでしょう。

ご紹介した本が、読んでくださった人にとって最良の本となりますように願っています。活字離れが進んでいますが、本をめくる喜び、ドキドキを体験していただきたいです。本好きな筆者は、その人にとって得るものがあってプラスになってくれれば…と願っています。