「日本神話に興味があるけど、難しそうで手が出せない…」
「日本神話を読んでみたいけど、本の数が多すぎてどれを読んだらいいのか分からない」
このように悩んでしまってなかなか日本神話に手が出せない人が多いのではないかと思います。日本神話といえば何となく難しいイメージがあるので、読みやすいものを選びたいですよね。
今回の記事では大学時代に日本神話の研究をしていた筆者が、日本神話に関するさまざまな漫画や絵本、神話の現代語訳や解説書などの書籍を12冊、ランキング形式で紹介していきます。
日本神話に興味がある人はぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
12位:ラノベ古事記 日本の神様とはじまりの物語
読んでみて
こちらは『古事記』の日本神話をライトノベル風に現代語訳した書籍です。神話に登場する神様たちを個性的にキャラクター化し、ギャグ満載の楽しいストーリーに仕上げています。
日本神話のおおよそのストーリーを楽しく追うのが目的なので、学術的に正しい書籍を求めている人には不向きです。ライトノベルの作風に理解があり、日本神話を楽しみながら知りたい人にオススメです。
みんなのレビュー
ネットで読んでいたら書籍も出していることを知った。ネットはセリフやイラストなどリズムがあって楽しいが書籍はそうなる理由や気持ちなども書いてあってよりわかりやすく、どちらもおすすめ。ネットでは神武天皇以降の中・下巻も連載してくれる様子。ラノベ風なのでふざけているのだが悔しいくらいすんなり相関関係が頭に入るので私のような初心者にはうってつけだと思う。ただ、これだけで終わると神様達の人格(神格?)が崩壊してしまうのでマジメな本も別に読もうとは思う(笑)
引用元:BookLive
11位:絵本古事記 よみがえり―イザナギとイザナミ
読んでみて
「絵本古事記 よみがえり」は、泉鏡花文学賞を受賞した作家・寮美千子と独特な美しさをもつ絵を描く画家・山本じんが作り上げた、まったく新しいタイプの「イザナギ・イザナミ神話」の絵本です。寮美千子は日本の古典に造詣の深い作家で、このほかにも古典文学や絵巻をもとにした作品がいくつもあります。
「イザナギ・イザナミ神話」といえば、国生みと黄泉の国の物語ですよね。この絵本では神話の幻想的な世界観を、官能的なほどこまやかな絵で表現しています。大人が日本神話に触れたいときにおすすめの作品です。
みんなのレビュー
10位:風土記 現代語訳付き
読んでみて
日本神話、というと古事記を連想する人が多いでしょうが、8世紀に元明天皇の詔によって作られた「風土記」も日本神話のうちに入ります。元々はすべての地方にそれぞれの風土記があったとされていますが、現代まで残っているものはそう多くありません。こちらの『風土記 上』には常陸国、出雲国、播磨国の3つの国の風土記が収録されています。
風土記にはそれぞれの国の産物や伝説、地名の由来などが記されています。現代語訳のほか原文や解説、さらに解説や地図まで収録されているので、読み込めば読み込みほど理解を深められます。下巻は豊後国と肥前国、さらに後世の文献から集められた文章が収められています。
みんなのレビュー
常陸の国と出雲の国の記載の違いには大いに驚かされる。出雲の国に関する記載の詳細さには目を見張るものがあり、生涯にわたって研究をおこなう価値のある書物。
引用元:読書メーター
9位:解説出雲国風土記
読んでみて
島根県古代文化センターが発行したこちらの本では、全国でも唯一完全な形で残っている「出雲国風土記」を解説しています。こちらにも現代語訳が収録されているうえ、難しい用語の解説や写真資料も豊富です。
注目は出雲国風土記に登場した場所を現代の地図に記した資料です。風土記が作られたのは今から1200年以上前ですが、現代の地図と重ね合わせることで確かに歴史が続いてきていることが実感できます。
みんなのレビュー
8位:日本神話の「謎」を歩く
読んでみて
日本神話は、神々が日本を作り上げるストーリーが主軸となっています。そのため日本の各地には神々の神話が語り継がれる伝承地があるのです。こちらの書籍では、そんな全国各地に点在する伝承地を紹介しています。
日本のはじまりである淡路島、天孫降臨の舞台である宮崎の高千穂、桃太郎伝説の生まれた岡山……などなど、全国約450ヶ所の伝承地が紹介されています。日本神話の舞台を実際に訪問して探索を楽しむためのガイドブックに最適です。
みんなのレビュー
遺跡や神社、周りや地域の風景写真などは楽しめた。歴史好きの人のための、旅行ガイドブックだと思えば納得。
引用元:honto
7位:古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)
読んでみて
小説家・池澤夏樹が編集している日本文学全集のスタートを飾るのが、この『古事記』です。池澤が現代語訳をしていて、そのストレートで斬新な訳が人気を呼んでいます。
「古事記」原文はもちろん古語で書かれていますし、つらつらと神々や天皇の名前が列挙されている部分もあって読みにくく感じられます。この現代語訳は、改行や一字下げを駆使して読みやすさにこだわって作られたものなので、古事記全体を知りたい人にまずおすすめしたい1冊です。ちなみに池澤の父・福永武彦も古事記を訳していて、こちらもまたおすすめです。
みんなのレビュー
6位:いきもので読む、日本の神話
読んでみて
こちらは「生き物」に焦点を当てて日本神話を紹介している一風変わった書籍です。『古事記』『日本書紀』『風土記』の中から生き物が登場するストーリーだけを紹介しています。
有名なところだと因幡の白兎やヤマタノオロチの神話、また、浦島太郎伝説のベースとなったストーリーなど、生き物たちが登場する日本神話を面白おかしく描いています。
みんなのレビュー
神話には、忠義の犬に鬼にと多様ないきものが登場します。蛇男が美女を射止め、鹿が浮気し、芋虫が信者を集める―神話が伝える日本は、まさに奇想天外!(帯)まず、着眼点が面白い。
引用元:honto
『記紀』及び『風土記』を通しで読んだことはないけれど、こんなに動物が出てくるんだと確認したくなる。
加えて、語られるエピソードも豊富で、解説もわかりやすい。
確かに猫の神話って日本のじゃ聞かないもんなぁ。
5位:日本の神話(全6巻)
読んでみて
名作絵本『スーホの白い馬』などの挿絵など、民話や昔話の絵本を多く残した赤羽末吉(あかば すえきち)。こちらの『日本の神話』シリーズは、舟崎克彦の文章に赤羽が絵をつけたものです。
「国の始まり」「天岩戸」「ヤマタノオロチ」など、日本神話のなかでも有名なエピソードを絵本にしています。絵も文章もシンプルで、初めて日本神話に触れる人におすすめです。子どもたちへの読み聞かせなどにもいいでしょう。
みんなのレビュー
数多い日本神話の絵本のうち、これが最高かと思われる。6冊、丁度いい分量の仕上がり。天照系と大国主系の国争いについては注意深く避けているなど、神権、天皇王権的な要素を排し、神話を神話として楽しめる仕上がり。
引用元:読書メーター
4位:日本の神様 解剖図鑑
読んでみて
日本神話に登場する神様の名前はややこしいものが多いため、なかなかすんなり頭に入ってきません。そこでオススメなのが、図解付きで神様の紹介をしているこちらの書籍です。
日本神話を読んで神様のことがもっと知りたくなった人や、日本神話を読んでいて神様の名前で挫折してしまった人などはぜひ手に取ってみてください。
みんなのレビュー
メジャーな古事記とかに出てくる神様から、土地土地の神様まで、分かりやすく説明。そもそも神様って、いつからいるの?というか、昔の日本では何を信じていたの?とか、歴史の変遷によって、仏教と合わさったり離れたりもしている。あと、中国だけじゃなくて、インドからの神様が和風にアレンジしていたり。図は全部イラストだけどイメージしやすい。全体的に堅すぎないし、一般向けに軽すぎることもなく、丁度よい。国宝図鑑に続いて面白かった。
引用元:honto
3位:現代語古事記
読んでみて
こちらは『古事記』の正統派な現代語訳本です。神々が国を作り上げる日本神話から、天皇が国をおさめる天皇記までの全文が記されています。
初めて日本神話に触れるには少し難しい部分もありますが、本文の合間に解説をはさんでいるおかげで読みやすさがぐっと上がっています。
みんなのレビュー
2位:愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記
読んでみて
こちらは『古事記』の日本神話の物語を漫画で描いた1冊です。デフォルメされた神様たちのキャラクターが可愛く元気に動き回ります。
日本神話の知識が無くても楽しく読めるように工夫されているため、日本神話の入門書にぴったりの一冊です。読みやすいので子供へのプレゼントにもオススメです。
みんなのレビュー
モンストをしていたらイザナミやクシナダといった強力なモンスターが登場する。そこから調べてみると古事記の中に出てくる人物?(正式名称は本に記載あり)ということがわかった。古事記という言葉は学生時代に聞いた覚えがあり、今回まんがであることから理解しやすいと思い手に取った。
引用元:BookLive
非常にわかりやすく、神様達にもそれぞれ感情があり人間味あふれている。これのお陰で神社への見方が変わったのは自分にとって+になるいい作品。
1時間半程で読める秀作
1位:絵物語 古事記
読んでみて
全ページ挿絵付きで、昔話のような語り口で日本神話の物語が描かれています。詳細な部分は省いてあるものの、「国生み」から「海幸彦と山幸彦」の話まで日本神話の全てが収録されている絵本は珍しいです。
「因幡の白兎」や「ヤマタノオロチ」など、昔話で馴染みのある神話を挿絵付きで見られるのは面白いのではないでしょうか。子供への読み聞かせや、日本神話の入門に最適な1冊です。
みんなのレビュー
日本人として知っておきたい日本神話、古事記。
引用元:EhonNavi
上・中・下巻の上巻部分を、あの富安陽子さんがまとめてくださっています。
監修は、古事記研究の第一人者、三浦祐之さんで、
クオリティの高さも申し分なしです。
国生み、天の岩屋、稲羽の白うさぎ、国ゆずり、海幸彦と山幸彦など、
有名なエピソードが、語り口調でわかりやすく綴られています。
しかも、全ページ半分を割いての絵が添えられ、場面が可視化されているので、理解しやすいです。
神々の話とはいえ、とても原始的なエネルギーを感じさせるエピソードです。
まさに古代人の魂に触れることができると思います。
実際に、三種の神器や、各地に残る地名など、伝承の痕跡も実感してほしいですね。
小学生くらいから大人まで、一押しです。
まとめ
日本神話は国語の教科書にも一部登場するので、内容を全く知らないという人は少ないと思います。ですが、内容を詳しく知ろうと思ったら『古事記』や『日本書紀』などに関する書籍を読む必要があります。
日本神話は難しいイメージがあるため敬遠されがちですが、馴染みの深い昔話や聞いたことのある神様の名前などが多数登場します。昔話は日本神話の一部分が抜粋されたものですが、日本神話は最初から最後まで全て繋がりのある1つの物語です。
自分の知っている昔話が日本神話の中でどのような影響を与えているのか?と考えて見てみると新たな発見があるかもしれませんね。また、神様同士の意外な関係性も必見です。
今回の記事では絵本や漫画も含め、日本神話の入門にぴったりの本を紹介させてもらいました。特にイラスト付きの本は読みやすいので、完全に初めての人や子供さんにもオススメできます。漫画や絵本などで概要を掴んでから現代語訳の全文を読んでみると、すんなり内容が頭に入ってきます。
この記事があなたの日本神話に触れるきっかけになれば幸いです。