【24年1月最新】山本五十六をよく知れるおすすめ本ランキングTOP12

「山本五十六について知りたいけど、どの本がおすすめなのか分からない」
「山本五十六って軍人なのに、どうして戦争反対だったの?」

せっかく興味を持っても、たくさん本がありすぎると何から読んだらいいのか迷ってしまいますよね。特に、最初に読む本で失敗してしまうと、なかなか2冊目の本に手が伸びないかもかもしれません。

ここでは、「軍人として」「1人の人間として」さらに名言を集めたものまで、山本五十六に関する書籍をランキング形式で12冊ご紹介します。

山本五十六の魅力にはまり、あらゆる本や映画を見漁った著者が、五十六について分かりやすく書いてあるおすすめの本をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

12位:白い旗

読んでみて

この漫画は、硫黄島の戦いを描いた「白い旗」、山本五十六の死を描いた「ブーゲンビル上空涙あり」、ガダルカナル島の戦いを描いた「田中頼三」、一飛行士と特攻を志願している弟との交流を描いた「特攻」の四つの章からなっています。戦争を体験した著者だから書ける戦争の悲惨さが、迫力あります。

「ブーゲンビル上空涙あり」では、五十六が乗った飛行機が撃墜された真相を、アメリカ側の資料に基づいて描いています。日本側の暗号が筒抜け状態だったことに驚きます。当時の南国の島の風景や戦争の風景、アメリカの怒りなどよく理解できる内容となっています。

みんなのレビュー

この著はあとがきで水木しげるさんご本人が語られておられるが、30年前以上の貸本屋時代のもので、原稿はなかったが本の存在があった故、こうやって日の目を見ることとなったらしい。
当然、貸本時代のブツはざらにプレミアが付きまくりなんて世界ではないので、こうして気軽に当時の作品に触れることが出来るのは何とも嬉しい限りである。
さて、内容としてはゲゲゲの鬼太郎前後に絵柄にしか馴染みがない方に取っては些か当惑されるかもしれないが、この当時は紙芝居絵師→ 貸本漫画家と転身しても食うや食わずの生活をされておられた時代であるので、必然的にアシスタントはおらず、作風はかなり異なっている。
ただ、戦争経験者であるが所以か、戦艦・戦闘機などの描写は緻密で、劇画調のタッチや迫力には今読んでもなお古くささを感じさせないところが凄いところである。また、流れもとんでもなくスムーズで一気にその世界に引き込まれてしまう感じであった。
内容としては、どれも過激な戦火の中、勇敢に戦うも人道的な考えを有する登場人物の逸話が多く、ついつい目頭が熱くなることもあった。
水木しげる氏の著を初めて手にする方には余りお勧めは出来ないかもしれないが、妖怪ものに限らず、蒐集が進めば伝記物・自伝ものに加えながら手にとって欲しい書である。
尚、蛇足であるが、「昭和史」での山本五十六の死は描き直しはされておりますが、本編の「ブーゲンビル上空涙あり」と内容・構成がかなり酷似しているものとなっておりました。

引用元:rakuten

11位:山本五十六(平凡社ライブラリー)

読んでみて

日米開戦がいかに無謀かを知り、最後まで反対していた山本五十六が、時代の流れに逆らうこと叶わず、自らが日米開戦のきっかけとなる真珠湾攻撃の指揮官となってしまった苦悩、葛藤などがよく伝わってきます。三国同盟問題などの開戦前、ミッドウェー海戦、ガダルカナルを巡る戦いの3つが重点的に書かれています。

幼少期やプライベートでの山本五十六については触れておらず、あくまで軍人とてしての山本五十六について書かれています。しかし、山本五十六の人間性を出身地である長岡の地域性と結びつけている部分は興味深いです。

みんなのレビュー

山本五十六の故郷・長岡の歴史~五十六の戦死までを綴った史伝文学。対英米戦争に反対の立場にありながら、太平洋戦争の指揮を執るという悲痛な立場にあった五十六の苦悩が伝わってくる。 真珠湾から、ミッドウェー、ガダルカナル島の戦いまでの流れがよく分かる。最近、戦争に関する様々な本を読んでいるが、ミッドウェーに負けたのが痛恨だったと思う。本書にもあったが、もしミッドウェーに勝っていたら歴史はどう変わっていただろうか。

引用元:booklive

10位:勝つ司令部 負ける司令部

読んでみて

海軍兵学校出身の筆者が、大戦時の帝国海軍の上層部の事情、ガバナンスが働かない、作戦立案者が横暴、村社会のような内情について書いています。東郷平八郎と比べ、山本五十六は指揮官として能力があったのか、本当に「名将」だったのかについて解説しています。

この本では、山本五十六の良い面だけでなく悪い面や問題点について書いていますので、五十六について既に何冊か本を読まれている方におすすめの一冊といえます。

みんなのレビュー

東郷平八郎と山本五十六、この二人は良く比較されますね。個人的には東郷平八郎の生き方が好きですし、憧れて今日まで生きて来ました。書かれていることが事実だとしたら山本五十六を司令長官に任命した時点で日本の敗北は決まっていましたね…情けないことです。

引用元:rakuten

9位:戦場の名言集 いま胸を打つ遺言

読んでみて

太平洋戦争下において残された指揮官から一兵士までの数々の言葉を集めています。戦争という極限の状況に置かれた人達が残した言葉たちはとても重く、今の平和な時代が当たり前の私たちが忘れている「大切な何か」を気づかせてくれます。

この本は、五十六の名言集というのではなく、太平洋戦争に赴いた日本人たちの言葉の中に五十六の言葉も含まれています。そのため、五十六のみの言葉を求めている方にとっては不向きですが、戦争に赴いた日本人たちの想いを理解したい方におすすめです。

みんなのレビュー

大東亜戦争の戦時下に残された言葉を集めたもの。毎年8月には『戦争に関連した本を読む』ことを自分への課題としている。私自身、祖父が戦死したので、戦争を忘れないため、平和を考えるためである。大東亜戦争の時代に生きた方々の思いに触れ、身の引き締まる思いがしました。国のため、家族のために散った方々のために合掌。如何なる理由があっても戦争は駄目。

引用元:bookwalker

8位:山本五十六のことば

読んでみて

山本五十六の言葉を集め、そこに時代の解説を加えて解釈した本です。とても読みやすく、落ち込んだ時、誰かを励ましたい時などに役に立ちそうな、ある意味自己啓発的な意味合いもある一冊です。戦前、戦中の日本男児は、このような言葉を発するのか、と改めて昔の日本男性の男らしさを感じることができます。

ただ、言葉(名言)だけを集めているため、その言葉の前後の様子、言葉を発した場面などが分かりずらく、歴史的なものを求めるとがっかりするかもしれません。あくまでも、山本五十六の名言集として楽しむのがおすすめです。落ち込んでいる時などに元気をもらえる一冊です。

みんなのレビュー

『やって見せ 説いて聞かせて やらせてみ 褒めてやらねば 人は動かぬ』の言葉の重みを感じてから、山本五十六について、詳しく知りたいと思っていた。この一冊の中で、彼の言葉から、偉大さを味わいました。

引用元:booklive

7位:凡将山本五十六 その劇的な生涯を客観的にとらえる

読んでみて

山本五十六に関する本は、そのほとんどが「いかに山本五十六がすぐれた軍人で、素晴らしい人であったか」について書かれています。しかし、この本では、五十六が決してすぐれた軍人とはいえなかった、様々なエピソードをとりあげています。

五十六が苦悩したといわれる真珠湾攻撃も、この攻撃自体確信犯だ、という見方をしています。五十六を褒めたたえる多くの本を読んできた方で、違った切り口から山本五十六を知りたいと思う方におすすめの一冊です。

みんなのレビュー

真珠湾攻撃の成功をもって名将と考えられがちな山本五十六だが、実際のところは凡将ではないかという説。
確かに指摘には日米の大砲の命中率の差など単なる山本の毀誉褒貶とは言えない面がある。
山本を海軍大臣ではなく聯合艦隊司令長官にしてしまった人事、超合理的なものを好み、一回決めると他者の意見を聞かない性格、戦艦も含めてうまく編成すればもっといい戦いができたはずの航空偏重、司令部での振る舞いや愛人、隙だらけでの戦死といったことについて。

引用元:rakuten

6位:山本五十六(上)

読んでみて

山本五十六の伝記小説の上巻です。ロンドン海軍軍縮会議から聯合艦隊司令長官に就任し、真珠湾攻撃をするまでが書かれています。駐米大使付武官としてアメリカ、メキシコなどに行ったことから海外について広い見識があり、日米開戦に反対したのも当然だと納得させられます。

他にも、女性関係を含めた山本五十六の人間臭いエピソードや、庶民的なエピソード、そして男くさい部分などにも触れられていて楽しめます。軍人としての五十六だけでなく、一人の人間としての五十六がわかりますので、山本五十六について知りたい方におすすめの伝記小説です。

みんなのレビュー

稀代の海軍元帥、山本五十六。
これからは航空機の時代と先を読み、航空本部長時代には飛躍的とも言える技術推進。海軍次官時代にはアメリカとの戦争を避けるために三国同盟に命がけで反対。しかし、中央に残ろうとするも命の危険を避けるため連合艦隊司令長官へ。そして三国同盟が締結される。
戦争やむなしの中、周到に戦闘準備を行いながらも最後まで戦争を避けようとした姿勢。
頑固者で肝が座っており、しかし茶目っ気があって。そういった人間的な部分も克明に記した良書である。

引用元:booklive

5位:山本五十六(下)

読んでみて

聯合艦隊司令長官に就任した山本五十六が、本心では望んでいない真珠湾攻撃を立案し、ブーゲンビル島上空で敵機の襲撃を受けて亡くなるまでを書いています。上巻では、自由奔放で人間臭く、時にお茶目な様子が描かれていますが、下巻では、勝利を望めない日米開戦、悲惨な戦局、知り合いが戦死していく現実に苦悩し悲しむ様子が描かれています。

当時の日本で誰よりもアメリカの経済力、工業力、軍事力などを知っていて、勝ち目のない日米開戦へ反対しながら戦争へと進んでいく日本で、生き場所をなくなってしまったのではないか、と考えさせられます。五十六の思想や、どのように生きたのか知りたい方におすすめです。

みんなのレビュー

下巻は真珠湾攻撃以降だが、山本の当初の見通し通り開戦後1年半が経過したあたりから戦局に翳りが見え始める・・・・こうなると(対英米戦争に誰よりも反対していただけあって)「やっぱりな」という諦めにも似た思いが出始め次第に死に場所を求めていたのでは・・・と思ってしまいます。勝てない戦でのトップの苦悩が垣間見えるような気がしました。

引用元:booklive

4位:山本五十六の生涯

読んでみて

この本は2004年に刊行され、当時まだ存命だった山本五十六の長男である山本義正氏や、山本家のお手伝いさん、奥さんの実家など、山本五十六を知る人達の証言や残された資料などを集め、分析して書かれています。今までの伝記にはなかった山本五十六の新しい一面をみることができます。

全体的に、山本五十六が日米開戦を避けるためにいかに力を注いだかに焦点をあてていますが、日常のちょっとしたエピソードもあり、楽しめます。既に五十六についての本を何冊か読んでいる方にも、十分楽しんでいただけるおすすめの一冊です。

みんなのレビュー

友人の先祖であるという山本五十六。その生涯を息子である義正氏を初めとする生証人の証言をもとに綴られた一冊。過去になされた批判や評価を再検討しているなど神格化されることが多い五十六を中立的な立場から考察している点など評価できる点は多い。ただ太平洋戦争以前でのエピソードは若干偏っているかなぁという印象。
五十六の人となりについて印象的だったのは、太平洋戦争開始後大本営が戦果について過大に報道し始めた時放った「人は真剣になると自然に口数が少なくなるものだ。・・・中略・・・国の中でも同じこと、報道など静かに真相を伝えればそれで十分だ。太鼓を叩いて浮き立たせる必要はない。・・・中略・・・与論指導とか国民の士気振作とか口はばったいことだ・・・。」という言葉。日本人の美学としては「勝って兜の緒を締めよ」であって過大に国民感情を刺激し始めたことは日本軍の陰りを象徴してたんだなぁと思う。

引用元:booklive

3位:聯合艦隊司令長官 山本五十六 上

読んでみて

太平洋戦争が始まるまでの流れを、五十六に焦点をあてながら描いています。カジノが好きだったり、甘いものが好きというような一面も見れて面白いです。資源が少ない日本がアメリカに勝つ見込みはないと分かった上で、開戦の先陣を切らなければならなかった苦悩が分かりやすく書かれています。

山本五十六の望み通り日米開戦をしなかったなら、また、早くに戦争を終わらせていたら、あれほどの犠牲者はでなかったのか、と考えさせられます。

みんなのレビュー

山本五十六という人物に少し興味がわいた。

引用元:sukima

2位:父 山本五十六

読んでみて

この本は、五十六の長男である山本義正氏が書いたもので、「阿川弘之さんの「山本五十六」で描かれた父のイメージを正したい」という動機のもとに書かれたようです。「家族から見た山本五十六、息子から見た父親としての五十六」が息子の目線で描かれています。

家族思いで子供達にクリスマスカードを送ったり、おむつをたたんだりといった父親としての姿や、殉死した部下の実家を必ず訪れていたなど、人としても魅力的な人物だったのがよく分かります。軍人としてではなく、プライベートの五十六を知りたい方におすすめの一冊。

みんなのレビュー

山本五十六といえば、あの真珠湾攻撃やミッドウェー海戦を指揮した、言わずと知れた連合艦隊司令長官である。本書では映画やドラマであまり紹介されることのない、父親としての山本五十六像が描かれている。

海軍という職業柄か海外赴任経験が豊富で、赴任先の外国からは息子や娘宛てに、クリスマスカードを送っていたらしい。また普段は粗食好んだようだが、当時では珍しいブルーチーズやマンゴーを食し、時には葉巻もたしなむという、なかなか国際的な人物だったそうだ。

長男が生まれたばかりの頃には、洗濯されたおしめを丁寧にたたんだり、海軍中将になってからも近所の酒屋や下駄屋の店員さんと、路上で談笑するような気さくな人柄。
いつも軍刀を握り締め、背く者には鉄拳制裁・・・と勝手に恐ろしい軍人姿を想像していたが、どうやら本書を読む限りではそんなイメージとは真逆だったようだ。

海軍の司令官として、戦闘や訓練で多くの部下を失っているが、出張の折には必ず戦死した部下の実家を訪ね、仏前に線香をあげていたというエピソードが印象であった。

引用元:booklive

1位:山本五十六 戦後70年の真実

読んでみて

「NHK BS1スペシャル 山本五十六の真実」が書籍化されたものです。連合艦隊司令長官だった五十六の親友、堀悌吉と真珠湾攻撃の直前までやりとりをしていた書簡など、比較的最近見つかった新しい資料を元に書かれています。番組で伝えられていない部分など、さらに深い内容になっています。

ワシントン条約、ロンドン条約、三国同盟、日米英開戦など、さきの大戦を中心に、昭和の海軍の真実について知ることができ、分かりやすく読みやすいです。山本五十六がどのような人であったのかよりも、提督という軍人としての山本五十六に焦点をあてています。現代の日米の専門家による評価も盛り込み、史実を正確に記録した内容です。

みんなのレビュー

NHKのドキュメンタリーを書籍化したものらしいが、近代史に疎い私には丁度よい簡素さで、五十六や盟友堀悌吉の生きた時代を学べた。

引用元:honto

まとめ

山本五十六について、おすすめの本をご紹介しましたが、いかがでしたか?

本が多くて迷ってしまいますが、軍人として、また、私人としての山本五十六を知るのも良いですし、彼の言葉から山本五十六を知るのも面白いのではないでしょうか。

この記事をきっかけに、山本五十六に興味を持っていただけたら幸いです。