岡潔をよく知れるおすすめ本6選【エッセイから自伝まで】

「岡潔を知ったけどどんな人物かよく知らない」
「岡潔の思想があまりよくわかっていない」

岡潔といえば京都大学や奈良女子大学の教授を務め、湯川秀樹などのノーベル賞受賞者に対しても講義を行なったほどの天才数学者として知られている一方で、日本独自の文化を教育に生かそうとしていたことでも知られています。

しかし、その岡潔の理念や思想は一般の人からすればかなり難解であり、難しいと思うかもしれません。

ここではそんな天才数学者であった岡潔に関する本からエッセイ集、そして評論など様々な本からおすすめの6冊をしょうかいしていきたいとおもいます。

春宵十話 随筆集

読んでみて

「数学とはいかにして学ばれるべきか、そして教育とは何なのか」ということを題材にしており、岡潔が考えている教育問題のあり方についてまとめた本となっています。

特にこの本にて強く語られているのが「発見の喜び」ということ。

岡潔が体験した勉強のありかについて発見することが勉強のすべてということがわかり、何かを勉強したくなる魅力的な一冊となっています。

みんなのレビュー

約50年前に書かれた書物であるが、内容は今でも全く色あせていない。

「人の心には情緒がある」

著者は、日本文化の特性がこの情緒を土台に組み立てられていることや、それがいかに美しい情緒を生み出してきたかを、様々な側面から論じている。

また、戦後の新教育制度の中で、いかにこの情緒的中心が教育の現場から排除されてしまっているか、それによっていかいに子どもたちの創造性が阻害されたかを示して、警笛を鳴らした。

引用元:BookLive

数学を志す人に

読んでみて

岡潔が幅広い世代に向けて記したエッセイ集となっています。

題名を見れば数学を志している人向けに見えますが、実際には日本人の心性や情緒に洞察した内容になっており、日本人に対して純粋な視点で洞察を深めることが数学を学ぶ上での根幹であると記しているのです。

岡潔を思想を学ぶのであればとてもぴったりな内容となっています。

みんなのレビュー

初めて岡氏の著作を読むにはとても入りやすい本だと思います。センテンス毎に著作時の年齢があるのも嬉しい。もちろん巻末には著者についての解説と著作紹介があります。

引用元:BookLive

人間の建設

読んでみて

この本は岡潔と文芸評論家である小林秀雄の対談をまとめた本となっています。

対談という形となっていますが、実際には対談というよりも雑談という方が正しいといいたいぐらい軽快なトーンで続いていきます。

しかし、その内容は学識者らしい知的な視点や論点でまとめられており、知識人がどのようにして物事を見つめているのかということが率直にわかる面白い一冊となっています。

みんなのレビュー

https://twitter.com/satorera2/status/1211730692368814081

情緒と日本人

読んでみて

「心で感じること」が数学の分野で活かされるいうことを主張した彼が日本人の中にある「情緒」の重要性を訴えて日本の未来に警鐘を鳴らす作品となっています。

昭和時代の若者に向けての言葉が多いですが、彼の教育に対する考えはいつの時代にも通じる普遍性を持っているとてもためになる本となっています。

みんなのレビュー

天上の歌―岡潔の生涯

読んでみて

岡潔の生涯を綴った本であり、彼がどのようにしてあの思想にたどり着いたのかについて学べることができる本となっています。

奈良女子大学の教授を務め、日本屈指の天才数学者でありながらお金儲けや出世への欲望とは無縁の生活を送った彼はいったい何を思ったのか?この本には作者が思う岡潔の人生の在り方について学べます。

みんなのレビュー

残念ながら、もうこんな人は出ないだろうなと思いながら読んでいた。筆者と同じくらいの年代なので、岡潔さんを知ったのも同じような経緯だった。対極にあるブルバキも一斉を風靡していた時代だった。ある意味、昔懐かしく読ませてもらいました。いつかは、多変数解析を学びたいとの思いを新たにした。

引用元:読書メーター

数学する人生

読んでみて

『数学する身体』の作者である森田真生による編集と渾身の解説で研究に没頭した孤高の天才数学者であった岡潔の魅力を追及する本となっています。

岡潔の人柄やエピソードを交えながら綴られている彼の中身は今の日本人に足りないものを教えてくれているのでは無いかと思うほどの素晴らしい内容となっています。

みんなのレビュー

寺田寅彦さん、湯川秀樹さん、最近では福岡伸一さん等々、科学の世界で超一流の方々で思索的な文章の達人は数多くいらっしゃいますね。岡潔さんの著作(もちろん数学の専門書ではなく)にはとても関心があって、以前も、小林秀雄さんとの対談「人間の建設」を読んでみています。しかし、ダメですね。「人間の建設」のときもそうだったのですが、私の場合、理解するに必要な最低限の知識がないことに加え、論旨を辿る理解力も決定的に欠けているんですね。折角の名著なのに申し訳ないことです。

引用元:BookLive

まとめ

いかがだったでしょうか?岡潔は日本ではまだまだマイナーですが、その思想の多くは今の日本人にとって必要なものばかりだと思います。

全てが分からなくとも、重要なところだけを押さえておけば、自分が生きている上での道標となってくれると思っています。

是非気になった人は岡潔の思想や哲学を感じ取って見てはいかがでしょうか?