いくつ答えられる?ダヴィンチクイズ

マルクスをよく知れるおすすめ本6選【入門から上級まで】

「教養としてマルクスを知っておきたいけど難しそう」
「資本主義を否定する面倒な思想という感じがして取っ付きにくい」

マルクスに対して、そんなイメージや苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか?

「社会主義を主張したマルクスなんてもう古いんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。しかし、マルクスを読むということは、私たちが所属する資本主義という経済を写しだす合わせ鏡でもあります。

資本主義の根幹には「私的所有」という概念がありますが、この数年ブームになっているシェアリングエコノミーの浸透は、所有という概念を大きく変えつつあります。服や車も自分のものとして「所有」する時代から、他人と「共有」する時代に変わリつつあります。この状況は、私的所有から社会的所有を目指したマルクスの考え方と似ています。

20世紀までの歴史は社会主義の失敗を証明したかのようでしたが、インターネットがインフラとして整った今、資本主義を支えてきた「私的所有」の概念揺らぎ、次の時代が準備されつつあります。そんな空気を感じるいまだからこそ、マルクスを読んでみたいものです。でも、いきなり長大な「資本論」を読むというのはちょっと難しいですね。

そこで、まずはマルクスを読むための的確なガイダンス本を読むことをおすすめします。哲学・思想超初心者の方でも気軽に読めるもの、そしてちょっと深く考えてみたい人にまでおすすめの本をご案内します。

マルクスる?世界一簡単なマルクス経済学の本

読んでみて

超入門編としてオススメします。こんなにわかりやすくマルクスを解説した本は他には見当たらないでしょう。

「マルクスる?」という軽いノリで読める本なのに、かなり適確にマルクスをまとめあげています。本来はもっと複雑な思想なのに単純に図式化しすぎているかな?という部分もありますが、そのおかげで、初心者としては、すっと入りやすいです。

難解な経済学思想もこんなガイダンスがあれば、もっと深掘りして読んで行きたくなる、そんな気分にさせられる一冊です。

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カール・マルクス入門

読んでみて

いきなり難解な思想に触れるより、偉大な思想を構築した思想家の人物像を知ると、親近感が湧いて興味も増すのではないでしょうか?またマルクスが生きた時代を理解することは、彼の思想をよりよく知るための第一歩になるでしょう。

この本は、まず第1部において、マルクスが生きた足跡を追い、マルクスの人物像とその時代を浮かび上がらせます。そして第2部において、マルクスの思想と著作に迫ります。年表や家系図、文献目録もついているので、マルクスという思想家をこれから知ろうという人には大変役立つ一冊だと思います。

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的場先生のマルクス愛にあふれた一冊。入門書とはいえ、読み終えるのに時間を要した。これまで発表した論文をあつめたものだが、構成がよくできている。マルクスが生きた19世紀の世界とはどんな時代だったかを再現することで、マルクスの生活の場を追体験しようと試みる。マルクスにまつわるエピソードも満載。

引用元:読書メーター

マルクスを再読する―「帝国」とどう闘うか

読んでみて

マルクスの主要な著作をピックアップし、解説を加えて紹介しているので、これを通じてマルクス経済学、思想の概観が把握できます。

近代資本主義の矛盾が明確になりつつある現代、資本主義国家が外部から収奪できなくなったなら、資本主義は果たしてどうなるのか?という疑問の下にマルクスの著作を解読した本です。

アルチュセールやネグリなど現代思想が登場する前半は、決して簡単にサクサク読めるようなものではありませんが、過去の遺物としてでなく、現代的な視座からマルクスを再読する後半は、単に知識としてマルクスを知りたいというところから一歩踏み出したい人にはオススメです。

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的場氏は、もともと一橋大学社会科学古典資料センターのアーカイビストで、現在は神奈川大学教授。最近、『マルクスだったらこう考える』(光文社新書)も刊行されていますが、内容はほぼ同じ。でも、『再読する』の方が何を考えているかがよく分かると思います。

引用元:http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2005/03/06002404/

高校生からわかる「資本論」

読んでみて

ジャーナリストの池上彰氏が、実際に高校生に講義した内容を書籍化したものです。時事問題をテレビでわかりやすく解説する池上氏らしく、難解な「資本論」をとてもわかりやすく噛み砕いて説明しています。池上氏のナビで「資本論」のエッセンスを読むことができるので、「資本論」およびマルクスの入門編として最適です。わかりやすい入門書ですが、19世紀の資本主義を対象にしたマルクスの分析が、今の日本の社会の問題点を読み解く鍵になることを示していて興味深い一冊です。

またこの本には、「資本論」の原文自体も多く引用されているのも魅力です。解説者による解釈のフィルターを通さない原文そのままに触れ、自分でじっくり考えて見るのも良いですね。

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「貨幣論」

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マルクスの『資本論』第一巻・第一章~第三章で扱われる「価値形態論」、「商品交換論」、「貨幣論」を解説しながら、貨幣とは何か、その本質を明らかにしていきます。大学の国語の入試問題に選ばれることがあるくらい、論理構造が明確で文章も読みやすく、マルクスに対する予備知識なしでも楽しめます。

改めて貨幣とは何か、価値とは何かという本質的な問題を考えることができるとともに、なかなか通読が難しいマルクスの「資本論」の解説書・入門書としても最適です。

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マルクスその可能性の中心

読んでみて

日本を代表する批評家の一人柄谷行人が批評するマルクスは、マルクスを知らなくても知的興奮を覚える一冊です。もちろんマルクスの思想を読み解くという点でも示唆に溢れています。

この本は、マルクスの思想の概略だけを知りたいという初級者にはおすすめしません。柄谷氏は既存の文脈でマルクスを説明するのではなく、マルクスのいまだに「思惟されていない」部分を読み取り、マルクスが持つ「可能性」を掘り出して行きます。そのため、マルクスを読み解くガイダンスとしてより、マルクスの現代的な可能性に迫ってみたいという中級者以上におすすめです。

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ポール・ヴァレリーをヨーロッパ最高のインテリと呼ぶことに反対する人はいないと思うが、彼は第一次大戦直後の講演でヨーロッパの優位はテクノロジーの独占の結果にすぎず、独占がくずれたら地理上の一小地域(アジア大陸から突き出した一つの岬)の地位に転落するだろうと語っている。…

引用元:http://www.horagai.com/www/book/rev/rev003.htm

まとめ

マルクスの思想は、政治的な背景が影響して、その可能性が正しく理解されなかった時代がありました。しかし、今では様々な形で再評価を受けています。とても難解な著作が多い上、翻訳のためにどうしても読みにくさが増し、原著をそのまま読むのは、なかなかハードルが高いのも事実でしょう。

今回ご紹介したマルクス関連の本は、経済思想や哲学などの専門家が、マルクスを深く読み込んだ上で、それをわかりやすい形に調理し、独自の作品化を果たした著作です。マルクス初学者・初級者の私たちは、そうした専門家をガイドに、マルクスという壮大で深い森の中に分入って行くのが良いと思います。深い森で迷子にならないためにも。