「お金を稼ぎたい!でもお金の仕組みをよく知らない …」
「お金ってそもそもいつ・誰が作ったんだろう?」
生活する上で必需品とも言える「お金」。ですが、案外その本質的な仕組みや成立ちを知っている人は少ないのではないでしょうか。
お金がなぜ、どうやって生まれたのか。その歴史を知ることでお金に対する見方が変わるはずです。お金の見方が変わるとお金の使い方にも変化があり、無駄使いが減ったりもします。
実際にお金についての歴史を知ったことで、お金の無駄使いが減った筆者がお金の歴史を知ることができるおすすめ書籍6冊を日本史と世界史に分けて紹介します。
お金の歴史:日本史編
貨幣の日本史
読んでみて
貨幣を軸に日本史とあわせて解説されているため時代の流れをイメージしやすい内容。貨幣の歴史だけでなく日本史も学べて一石二鳥な本です。貨幣の写真や図も多く、文章も読みやすい文章で書かれています。
「日本史」というタイトルの通り日本を軸にした解説にはなっていますが、貨幣とは世界からの影響も多く影響を受けるため世界の流れや、世界と日本の文化の違いなども学ぶことができる本です。
みんなのレビュー
貨幣史の分野で最初に読んだ本だったためもあるが、様々な知識を吸収できた。読みやすくて図版も豊富な好著。厭勝銭としての富本銭、中世における銅銭輸入が近世にかけての銅輸出と銅貨の自鋳に変化する経緯、中国での銅不足と紙幣の誕生など、興味深い話題もたくさん。貨幣収集マニアが江戸時代に堂々とキリスト教の聖母子像の絵付きの本を著しているなど、面白いネタも多かった。
引用元:読書メーター
日本史に学ぶマネーの論理
読んでみて
貨幣の代わりに絹・織物が使われていた時代から無文銭や富本銭が生まれたかと思ったら衰退して絹・織物が再度使われ始めたり、江戸時代の貨幣改鋳(貨幣の金銀含有量を減らすこと)が現代でいうところの金融緩和のために行われたり。そんな日本史の中での貨幣のダイナミズムについて詳しく解説されています。
少し堅い書きぶりのため最初は読むのに抵抗があるかもしれませんが、貨幣の歴史の魅力・面白さを十二分に伝えてくれる書籍で、かつ貨幣の本質を理解することができる本です。
みんなのレビュー
“貨幣とは何か”を日本史の視点から論じた一冊。日本における貨幣の歴史が年代順に説明されており、とても面白かった。物々交換の経済から貨幣経済への移行は一筋縄ではいかなかったようである。貨幣を浸透させようとする国家の苦労と、損はしたくない民の知恵が絡み合って成り立ってきた貨幣。結局、貨幣は信用で成り立っているのだとあらためて知る。最後にビットコインに代表される暗号通貨にも言及。著者は無政府状態の地域を除き、ビットコインの未来にやや懐疑的。たしかに暗号通貨は決済機能としては便利だが、それ以上ではない気がする。
引用元:ダ・ヴィンチニュース
お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生
読んでみて
幕末から明治前半に作られた様々な通貨の誕生と背景を紹介しながら現代の経済がどのようにできたのかを解説していく本書。とくに明治政府が財政破綻からのスタートだったり、地域によって利用さ
れる貨幣が違っていたことには驚きでした。当時の人たちがどれだけの苦労で現在のシステムを作り上げたのかが分かります。
視点は幕末から明治前半に限られますが現在のお金、円の成り立ちなどを知ることができ、成り立ちを知ることでお金の見方が変わります。そんな変化をもたらしてくれる本です。
みんなのレビュー
明治政府によって、新しい「円」という通貨制度がスムーズに導入されたというイメージがあったので、かなり興味深い内容。
太政官札は、発行当初は明治政府の信認も低かったため、額面より大幅に安い状態で流通していたが、政府の信認が高まるにつれて、額面での取引が出来るようになっていったとか、
引用元:bayashi’s blog
小判や二朱銀などからの円への交換レートも、金、銀の含有量を精密に測定して交換レートを決めたとか、
各藩の藩札は、実勢レートに基づいて交換されたとか。なかなか興味深く。
お金の歴史:世界史編
貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで
読んでみて
お金(貨幣)についての話に終始するかと思いきや、生物学の話がでてきたりと幅広い視点で貨幣を語っている本書。ビットコインやこれからAI化が進んだ未来についても言及されていて、お金についての思考の幅を一気に広げてくれます。
お金の歴史を正確に知る、学ぶというよりは、お金の本質を考える、理解するのを促してくれる本なので、これからお金について学ぼう・考えようとしている人は、まずこの本でお金について考える土台を作ってから歴史について詳しく書かれている本を読むことをおすすめします。
みんなのレビュー
貨幣の歴史について、歴史的なまとめになっているのはもちろんのこと、生物学、神経科学、経済学、宗教学など様々な分野から「お金ってなんなんだ?」ということを探っている。もちろんその答えが本書に書いてあるわけではないが、お金というものを理解する上でのヒントはふんだんに盛り込まれている。分野が様々なのでどこかしらに自分が興味のある部分が必ずあると思う。
引用元:https://note.com/omjn/n/nf5360185ebda
お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」
読んでみて
古代エジプト時代から現代まで、中国やモンゴル帝国、イスラム世界などさまざまな時代におけるさまざまな国家の繁栄と衰退とお金がどのようにして関わっていたのかを紐解いていく本書。お金と権力の関係性を知ることができます。
文体は口語的で読みやすく、また世界の歴史を学ぶときの本書に書かれているようなことを知っているとより歴史の勉強が面白くなるはずの内容なので、歴史を学ぶ入門書としてもオススメです。
みんなのレビュー
世界史にあまり詳しくない僕でも、お金の流れ(経済)を指標にすることで全体の流れをざっくり把握することができて、非常に有意義な学びになりました。
学生にとっては、年号で覚えるだけの勉強ではなく、お金の動きから歴史を予想できるようになる良い教材なのではないかと思います。
また、社会人の方にとっても、歴史を経済的に分析することでビジネスにも活かすことのできるヒントが多く見つかる書籍です。
本当に面白いので、ぜひ手にとって読んでみてください!
引用元:https://ryokan1123.com
マネーの進化史
読んでみて
もともと金融史の専門家であり歴史家でもあるファーガソンが書いているだけあって、お金の誕生からサブプライムローンまで、歴史的な出来事を絡めたお金についてが分かりやすく解説されています。
翻訳のせいか読みづらくなっている部分はあるものの、全体的に語り口調で随所にユーモアも散りばめられているため、入門者にも読みやすくもなっています。お金を学ぶ際には必ず読んでおくべき一冊です。
みんなのレビュー
この本の良いところは、教科書だと飛ばすような論理もしっかりと説明してあるところ。
引用元:物語の地図
小学校の授業なんかだと、物々交換だと非効率だから貨幣が発明されました、貨幣にはキラキラピカピカでみんなが欲しがる金や銀や銅が使われました、みたいな説明をされた覚えがあって、キラキラピカピカがあまり好きではない自分は腑に落ちなかった覚えがある。
本では貨幣の材質に金や銀が使われた理由を「信用」の側面から説明していて、錆びもせず風化もしないから価値が恒久的に不変で、「信用」を示すのに理想的な材質であったから採用されたとのこと。キラキラピカピカよりも納得のいく説明で、長年の疑問が腑に落ちた。貨幣とは「信用」を表すものだから、ドルが兌換紙幣の役目を終えることも可能だったわけである。
(中略)
その他、お金や金融、経済にまつわるエピソードがこの本では紹介されている。 「市場はランダムに動く」という前提のもと打ち立てられた株価予測方程式が市場に浸透するにつれ、市場のランダム性という前提がなくなって方程式が働かなくなった話というのが、イソップ童話じみていて個人的にお気に入り。
まとめ
お金の歴史を知ることができる本6冊紹介しましたが、どれも歴史だけでなく、その本質の理解を助けてくれるものばかりです。お金の本質を理解すると、まずお金の見方が変わります。見方が変わると使い方が変わり、無駄遣いが減ったりもします。
また、お金は個人から国家にまで浸透している共通言語のようなものです。なので、その見方が変わるということは世界の見方が変わるくらいの影響力がありますし、お金の歴史を学ぶことで世界や歴史の見え方が格段に変わるはずです。
この記事で一人でも多くの人が新しい世界の見え方を楽しめるようになると幸いです。