小説ヲタクがおすすめするオールタイムベスト83冊

空海をよく知れるおすすめ本8選【漫画や小説、思想まで】

「空海って名前は聞いたことがあるけれど、どんな人だったのかなあ?」
「空海の教えや歴史的な背景を知ることができるような、内容の濃い本はないかな?」

空海は非常に人気のある歴史上の人物で、その人柄や才能に魅了される作家や研究者も多く、空海の名前がつく本は世の中に溢れています。Amazonで検索すると難しい題名も多く並び、何を手に取ればいいのか途方に暮れてしまいますよね。

中学生の時、祖母の観光の付き添いで行った高野山に衝撃を受け、それ以来空海に関する本を読み漁っている筆者が、特におすすめする空海の本を、「写真・漫画編」「著名作家による小説編」「空海の思想編」という3つのカテゴリーに分け、全部で8冊ご紹介します。

写真・漫画編

KUKAI 空海密教の宇宙 (MUSASHI MOOK)

読んでみて

空海は言葉ではなく、仏像や曼荼羅などを見たり感じることで教えを直感的に理解してもらおうと考えていました。そこで、空海に関心を持つには、空海が金剛峰寺を開いた高野山を見るのが一番手っ取り早いです。この本は高野山へ行かずともその雰囲気を知ることができます。

特に、一般未公開の西塔の写真は圧巻です。真言密教の世界を可視化した立体曼荼羅は、何の知識がなくても惹きこまれる凄さがあります。

みんなのレビュー

発行元が高野山 総本山金剛峯寺なので内容がむっちゃくちゃ豪華!高野山への興味が何倍も増しました!
私が感じるこの本の最大の魅力は、神社仏閣の撮影で有名な写真家・Kankanさんが撮影した写真がたくさん載っていること!スゴイ迫力で生で見る以上に心に響いてきます!

引用元:goo blog

阿・吽(3)

読んでみて

日本仏教の基礎を築いた空海と最澄の物語。3巻は過酷な修行の果てに真魚という一人の青年が空海として覚醒する話です。

天才肌の空海は、マンガで描かれると画の力でさらに危うく、吸い込まれるような人間的魅力を感じます。空海と最澄がまさに「阿・吽」の呼吸で唐へと向かっていくラストシーンには、鳥肌が立ちました。

みんなのレビュー

“何”かを追い求め、決死の思いでの修行を積んでも尚、“無常”な世の中。読みながら込み上げてくる感情はあれど、上手く言葉にならない。こんな作品は唯一無二ですね。毎巻、ただただ圧倒されます。
ストーリーもですが、おかざきさんの画が本当に凄い。読まずとも、ずっと眺めていたい気持ちになります。お子さんを3人育てながらこの画のクオリティ、そしてこのストーリー(しかも別雑誌のお仕事もあり…)。おかざきさん自身も空海や最澄と並び立つ超人のような気がしてなりません。。。

引用元:読書メーター

著名作家による小説編

空海

読んでみて

芥川賞作家の三田誠広による小説です。空海をテーマにしていますが、『いちご同盟』など青春小説も手がける三田誠広のストーリーテラーとしての手腕が発揮されていて、史実には忠実に、かつフィクションも程よく交えて読みやすく仕上がっています。

時代背景や密教についての解説がわかりやすく、小説ではあるものの空海入門書のような一冊でした。

みんなのレビュー

ふと空海に興味が湧き読み始めた一冊。空海が自身をを振り返りながら波乱万丈な人生を弟子たちに語ると言う形式で、すんなり入り込むことが出来た。
“天才”とうたわれている空海の超人的な人物としてエピソードの数々。どこまでが真実なのかわからないけれど、魅力的な人物で難しい部分もありながら最後まで面白く読めた。
真言密教の宇宙観、などかなり入り込んだ仏教についても知ることが出来、小説以上の読み応えがあった。

引用元:ブクログ

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一

読んでみて

夢枕獏による中国伝奇小説です。空海と橘逸勢のやりとりが、まるで自分もその場で見ているかのようにリアルでテンポが良く、長い小説ですが時間を忘れて読みふけってしまいます。この二人のバディ感は最高です。

この本がどれだけ魅力的な作品であるかは、2016年には歌舞伎化、2018年には「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」というタイトルで映画化もされていることからもわかります。映画では染谷将太が空海を熱演していましたが、原作とセットで楽しむのもオススメです。

みんなのレビュー

夢枕獏さんの著作を最初から最後まで一気に読むというのはなかなか新鮮な経験だった。。なんといっても、著者の作品は長い。新魔獣狩りにしても、餓狼伝にしても、ずーっと続いている。なので今回、文庫4冊というかたちで「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を読むことができたのは嬉しかった。
個人的にはこの小説の内容に関しては大満足である。
もちろん、陰陽師と似た設定に関しては異論があると思う。陰陽師を読んでいると少し新鮮味にかけるきらいがあるのは否めない。だが、それを凌駕するスケールの大きさとストーリー展開の巧みさは、さすがだと思う。

引用元:くろちぬのブログ

空海

読んでみて

『マークスの山』など、推理作家として知られる高村薫による、空海についての評論のような紀行文です。空海に関する著作は、作者の空海に対する思い入れが強すぎてヒートアップしているものも多いのですが、高村薫は非常にフラットな視点で捉えていて、そこが逆に新鮮でした。

高村薫はこの作品を、阪神淡路大震災をきっかけに書き上げたとのことですが、大災害を経験したことで命について向き合う経験があったからこそ、見えてくる空海の世界があるように感じました。

みんなのレビュー

空海の人生を辿りながら、密教と顕教の違い、真言宗と天台宗の違いなどを概説。そして日本人にとっての宗教の在り方についての考察。
ふんだんに収録された絢爛たる寺院、仏具、曼荼羅、忘我を誘うほど美しい山、空、海の写真に助けられ、古代の人々が空海によってもたらされた宗教的高揚感や幸福感に思いを馳せた。
圧倒的な宗教的オーラを放つ空海が現代に蘇ったら、私たち民衆は千二百年前と同じように熱狂するのだろうか…

引用元:読書メーター

空海の風景

読んでみて

歴史小説の大家、司馬遼太郎の作品です。題名の通り、空海の周りのことを丁寧に描くことで空海自身を浮き彫りにしています。空海は確かに偉大な人であったけれども、生身の人間でもあったという視点を忘れてはならないと、司馬遼太郎は伝えてくれているように感じました。

司馬遼太郎の小説は背景説明が詳しいものが多いですが、とりわけこの作品はそれが顕著で、特に前半は難しいかもしれません。ただ後半は読み易いです。司馬遼太郎が執筆の際、どのような思考回路で歴史上の人物を蘇らせているのかが垣間見えるという意味でも、興味深い作品でした。

みんなのレビュー

他者の作品で様々に描かれている魅力ある人物・空海。司馬氏にはどう見えるのか?沢山の資料から紐解き組み立て、根気の要る作業を経て史実に忠実であろうとする氏の研究資料ともみえる作品。
破天荒で掴みどころのない空海を幼少の頃より想像するあたりから遣唐使として唐へ渡るまで。今まで漠然と運と時代とに恵まれた怪物として認識していたが、それだけではなかった事もわかってきた。難しいが読んでいくとなかなかに楽しい。

引用元:読書メーター

空海の思想編

空海の思想について

読んでみて

真言密教は言葉で理解するのは難しいとはいえ、それでも言葉をかき集めて説明してしまおうとする梅原猛の熱量に圧倒されました。空海の日本仏教史における位置付けの話は、「日本学」を追求する梅原猛らしい視点で書かれ、興味深かったです。

正直、読み易い本ではないですが、空海や真言密教について知識が増えていくとこの内容にピンとくる部分があって、その度に再読したくなる一冊です。

みんなのレビュー

わずか100ページほどの小著ながら、空海の人物、密教哲学、主要著作と幅広く網羅され、そのアプローチは深い。
後半、主要三著作の解説は難解で、一読して理解するのは難しいけれども(深甚微妙とはよく言ったもの)、それでも、本書の白眉である密教とは肯定の思想(哲学)であるという主張は読んでいて元気がでる。
「世界というものはすばらしい。それは無限の宝を宿している。無限の宝はお前自身の中にある。汝自身の中にある、世界の無限の宝を開拓せよ」

引用元:読書メーター

空海「三教指帰」ビギナーズ 日本の思想

読んでみて

空海が唐に渡る前に書いた、仏教が最も優れた教えであるということを伝えるための、日本初の戯曲です。つまり、おとぎ話のような形態なので、難解な教義の説明ではありません。原文は漢文で訓み下しても理解は難しいのですが、本書はかなり意訳されているので読み易いです。

これを読むと、空海が天才だと言われる所以が理解できます。こんな作品を20代で生み出すなんて、やはりこの人は只者ではないです。

みんなのレビュー

日本における古代の天才空海著作の三教指帰。この本を読むと自分の努力はまだまだであるなーと感じさせられる。
薄い本であるが内容は濃く、学ぶことの重要性、生き方を戯曲で説明しているため読みやすい。 古典の中では読みやすい部類なので、古典は苦手という方にもオススメの本である。

引用元:読書メーター

まとめ

読んでみたい本は見つかりましたか?

親しみがある作家がいれば、まずはその人の著作から読んでみるといいでしょう。作家によって文体やリズムに特徴があるので、慣れ親しんでいるものが一番読みやすいです。

旅行が好きな方はぜひ「KUKAI 空海密教の宇宙 (MUSASHI MOOK)」を手に取ってみてください。歴史はあまり得意でないという人には、マンガ「阿・吽」が読みやすいです。「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を映画から観てみるのも良いですね。

空海に関する本はたくさん出版されている分、間口が広いので、誰にでもぴったりの入口が見つかるはずです。この中から、空海の魅力を知るきっかけを見つけてもらえたら嬉しいです。以上、空海の本のご紹介でした。