【24年1月最新】徳川慶喜をよく知れるおすすめ本ランキングTOP7

「徳川慶喜について詳しく知りたい…!」
「徳川慶喜を知るのにオススメの本を教えて欲しい…!」

この記事をご覧になる方々は、徳川慶喜という人間の謎に興味をお持ちなのではないでしょうか。幕末維新の大きな謎ともいうべき「徳川慶喜」。彼が果たした最後の将軍という役割は、非常に大きなものがありました。反面、明治時代に入ると、歴史の表舞台からは消えてしまったかのようで、ギャップが非常に興味深いですよね。

そんな歴史ファンの心をくすぐる徳川慶喜、じつは近しい人からは「ケイキ様」と呼ばれていたとのこと。かくいう私も、幕末最もミステリアスな男といっていい徳川慶喜に魅せられ、書店巡りをしてしまった一人です。

今回はそんな徳川慶喜をより深く知ることができる7冊の書籍を厳選し、おすすめ順のランキングにしてご紹介します。最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

7位:徳川最後の将軍 慶喜の本心

読んでみて

歴史小説家・植松三十里が2021年に出版した小説です。開国を迫ってくる諸外国から日本を護るため、最良の選択を考え続けた最後の将軍・慶喜の姿が描かれています。

徳川慶喜を描いた小説はほかにもありますが、こちらの小説に描かれた慶喜像が最も本人に近かったのではないか?と感じる読者が多いようです。一橋家の養子となった後、次の将軍に推されながらもあまり出世欲のなかった慶喜の葛藤がよくわかります。

みんなのレビュー

大河ドラマで、まだまだ、徳川慶喜が活躍(?)している間に何か慶喜のことが書かれている本を読みたいと思い手に取る。 大河ドラマの中であっという間の出来事が、この本で、分かりやすく書かれていて、なるほどと思うことが多かった。 脳内では登場人物が全部、大河ドラマのキャストに変換されて面白く読めた。

引用元:読書メーター

6位:その後の慶喜: 大正まで生きた将軍

読んでみて

将軍をやめた徳川慶喜が、その後どのような人生を送ったのかという点にスポットをあてた一冊です。淡々とした文章はバイアスを感じさせず、読みやすいです。

不自由なく、趣味に没頭して余生を過ごしたことが分かりますが、その間、慶喜の心中にはどのような感情が渦巻いていたのでしょうか。「朝敵」「卑怯者」……新政府側からも旧幕府側からも蔑まれていることを誰よりも自覚したからこそ、趣味という真空地帯に心の安寧を得ていたようにも感じられます。

ただ、やはり殿様。いわゆる世間で揉まれるような経験もないわけです。幕末は、身分の低かった者が多数活躍をした時代でしたけれども、例えば西郷隆盛や大久保利通、桂小五郎、坂本龍馬などと並べて論じるには、環境が違いすぎるだろうと思われます。

みんなのレビュー

歴史上の重要人物の位置から32歳くらいで降りて、亡くなるまで、当然ながら彼の「人生」があったのを丁寧に「普通列車で」語る口調が良かった。この作者が慶喜の擁護はせず、でも非難するようには書かず、そういう性格の人にすぎなかったんじゃないんですかね、文献を読み解いての感じだけですけどね、と言っているかのような書き方に好感が持てたので、この方の別の維新関係のご著作も読んでみたいと思った。しかし、慶喜、他の人たちが命をかけるに値したような対象では決してなかった人だったことには違いない。。

引用元:BOOK WALKER

5位:将軍が撮った明治―徳川慶喜公撮影写真集

読んでみて

標題のとおり、徳川慶喜が撮影した写真を取りまとめた本です。最後の将軍・慶喜が趣味人・慶喜だったからこそ、刊行された一冊であるように思われます。14代までのどの将軍でも、こういう本は出せなかっただろうなぁと……。

写真そのものは、特に奇抜さや特徴があるというふうでもなく、至ってシンプルなものが多いです。謹慎中とはいえ、大好きな趣味に没頭する日々に、心の安寧を得ていたかのようでもあります。

そう思い、改めて写真を眺めていくと、それぞれの被写体がなにやら特別なもののようにも思われてきます。いったい、この被写体のどこに慶喜は心を動かされ、シャッターを切ったのか。どこかメッセージ性があるようでもあり、翻って考えれば、それは慶喜から出されたなぞなぞのようでもあります。

みんなのレビュー

大激動の中、若年で多くの苦渋の大決断を下した人とは思えないほど対象的な、静かな余生を過ごしていたことが読み取れる。あれだけの出来事の渦中で将軍職を務めた人が、辺りを歩き、三脚を立てて静岡の農民の姿や景色を写真に収めている、ということは驚くべき姿だ。この人はきっと、無駄な欲をかかない、好奇心溢れた平和主義者であり、故に徳川幕府をああいう形で終わらせることができたんだろう。慶喜公の人柄がすごく感じられる写真集だ。

引用元:読書メーター

4位:幕末の天才 徳川慶喜の孤独―平和な「議会の時代」を目指した文治路線の挫折

読んでみて

徳川慶喜の政治思想を詳らかに解説してくれる本書は、徳川慶喜の行動を理解する上で必携の一冊といえます。徳川慶喜の謎のひとつである「大坂城からの逃亡劇」についても、これまでは「徳川慶喜=水戸藩=水戸学(尊王攘夷)」という図式で理解していました。

しかし、この本を読むことで、水戸藩の中にも思想的対立があり(その相克から薩長に後れをとってしまったわけですが)、慶喜の拠っていたのは穏健派であったということを理解することができました。

もし慶喜が、何かをきっかけとして思想的背景を違えていたとしたらと仮定してみると、またちがった歴史が見えてくるようにも感じられます。非常に興味深い一冊でした。

みんなのレビュー

ペリー来航をきっかけにあらゆる考えがぶつかり合い、日本を変えていく内容。タイトルに徳川慶喜の名があるわりには登場回数が少なくて呆気にとられたが、「革命は暴力を要する」という古来の考えと「革命は対話を要する」という近代的な考えがぶつかる点においてはすごく興味深かった。皇道派と統制派の考えはここから始まったのかもしれない。

引用元:読書メーター

3位:徳川慶喜(山岡荘八歴史文庫)

読んでみて

山岡荘八による小説「徳川慶喜」(全6巻)も定番の一冊です。本書のシリーズでは、慶喜が表舞台に現れる前の時代、桜田門外の変に至る歴史についても丁寧に描かれています。

なかなか主人公が主人公として登場してくれない点は、賛否あるようですが、歴史というのは微細に見れば小さな必然の繰り返しですから、徳川慶喜という男が歴史の表舞台に現れる背景を知ることができて良いのではないかと感じます。ただ、やはり少々じれったくはあります。

本書でも慶喜の数奇な運命、他に理解されがたい聡明さがよく描かれています。時代が下り、晩年の再評価を受けるところが救いといえば救いなのですが、徳川700万石ともいえる大政を奉還して明治時代を迎えたことを思えば、もっと報われてもいいのに…と感じてしまいます。

みんなのレビュー

幕末における、水戸藩の特殊な立場や存在感が理解出来ました。水戸黄門の意味も、これで理解できたかな。 しかし安政の大地震で参謀二人を失なわなければ、幕末の歴史は違う方向に向かっていたかもしれませんね。

引用元:読書メーター

2位:幕末・維新人物伝 徳川慶喜

読んでみて

徳川慶喜の激動の生涯を描いたマンガです。コミック版のメリットとして、これまで徳川慶喜をよく知らなかった人でも、抵抗なく読むことができるという点があります。また、すでに徳川慶喜に関する作品を読んだことがある場合でも、歴史を時系列で追えるのでよい復習にもなります。

絵については、少し慶喜が美男すぎはしないかと思う反面、それぞれの登場人物のキャラが立っているので、ストーリーを捕まえるには良かったかなと感じています。

水戸徳川家に生まれてしまったがゆえに、一橋家の当主となり、やがては将軍にまで昇りつめてしまう慶喜の巻き込まれた感や、聡明ゆえに他者に理解されにくい苦労などが伝わってくる内容に、おもわず同情せずにはいられません。

みんなのレビュー

慶喜のことを前々から気になっていて、やっと慶喜に関する本を読んだ。やっぱり慶喜は聡明で先見の明があるなー慶喜が最後の将軍じゃなければ、日本は内戦が長引き、そこを諸外国につけ込まれ、日本という国は滅びていたかもしれない。もっと他の本も読んでみたくなった。

引用元:読書メーター

1位:新装版 最後の将軍 徳川慶喜

読んでみて

司馬遼太郎が描いた「徳川慶喜」作品である本書は、おそらく慶喜を扱った小説の中では定番中の定番だろうと思われます。司馬作品らしく、丁寧な考証と緻密な描写が、まず読み物として秀逸な作品に仕上がっています。安心して読むことができます。

しかし、読んでいて考えさせられるのは、この徳川慶喜という人物を巻き込んだ歴史の歯車とは、いったい何だろうかということです。過去のできごとであるため、むろんその謎が氷解することはありません。

維新志士側から見た場合、幕府側から見た場合とで慶喜の評価は一定しないものの、本作を読んだあとでは「やはり同時代の俊傑」にちがいないということです。それゆえの悲しみ、痛快さを感じることができる一冊です。

みんなのレビュー

徳川幕府最後の将軍である「慶喜」の生涯を描いた小説。幕末の時勢を薩長や新選組の視点から描いた作品はいくつか読んだことはあったが、対する幕府視点の作品は未読であったため、本作は新鮮な気持ちで読めた。300年続く大組織の存亡を背負わされた慶喜が、幕府内外から疎まれながらも、起死回生の一手を探しもがき続ける姿を追ううち、無意識に自分が幕府側に感情移入している事に気がつく。どんな本にも言えることだが、同じ事実も、切り取り方次第で相手に与える印象をガラリと変えられる事がよくわかる。

引用元:読書メーター

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、徳川慶喜に関する書籍を7冊、ランキングにしてご紹介いたしました。

徳川慶喜の名は、幕末史にはかならず登場します。「大政奉還をしたこと」「鳥羽・伏見の戦いにおいて大坂城を抜け出し江戸に戻り、恭順したこと」から冷酷な人、裏切り者と揶揄されることも少なくありません。

それでも慶喜は、あくまで自分らしく生きることに専念しました。なぜ幕府を守るために戦わなかったのか、といった疑問も、その後の日々に答えがあるように思われます。つまるところ徳川慶喜とは、類まれな合理主義者であり、かつ現実主義者だったのではないかと考えています。

この記事を読まれた方が、それぞれに徳川慶喜の関連書籍を通して、幕末の謎・徳川慶喜に挑んでいただければ幸いです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!