日本史の中で最も人気がある人物の一人、坂本龍馬。その誠実で愛嬌のある人柄と、後世に語り継がれるほどの偉大な功績が彼が人気を集める理由ではないでしょうか。
そんな坂本龍馬は、生涯で数多くの名言を残しています。この記事では、坂本龍馬が残した下記15の名言をその意図や背景も交えてご紹介します。
- 日本を今一度 洗濯いたし申候
- 我が成す事は我のみぞ知る
- ぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり
- 義理などは夢にも思ふことなかれ
- 恥といふことを打ち捨てて 世のことは成るべし
- 議論に勝っても、人の生き方は変えられぬ
- 人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある
- 万事、見にゃわからん
- 時勢に応じて自分を変革しろ
- 世界の海援隊でもやりますかな
- 業なかばで倒れてもよい
- 世の既成概念を破るというのが、真の仕事である
- 偏見を持つな
- 知恵や知識が、この時勢に何になるか
- 人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ
この記事を読み、坂本龍馬の言葉に込められた意味を理解すれば、彼の人柄に一層引き込まれることでしょう。
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坂本龍馬の名言と意図、背景
日本を今一度 洗濯いたし申候
日本を今一度 洗濯いたし申候
「腐敗しきった幕府を打ち倒して、新しく日本を立て直していきたい」といった高い志を表した名言です。坂本龍馬の姉・乙女に送った手紙の一節であり、家族に送る手紙として穏やかな内容ではありませんが、それほどまでに龍馬の倒幕の意思が強かったことが伺えます。
我が成す事は我のみぞ知る
世の人は我を何とも言わば言え 我が成す事は我のみぞ知る
「世の中の人が自分のことをなんと言おうが、自分がしようと思っていることは自分がわかっていればいい」という意味の名言です。龍馬のしようとしていたことは、歴史ある幕府に立ち向かうことだったため、強い信念が不可欠でした。自分のしようとしていることに自信を持ち、堂々としている様子が目に浮かびます。
ぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり
何の志も無きところに、ぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり
「何も志を持たず、日々を何もせず過ごしている者は大馬鹿者だ」というわかりやすい意味の名言です。龍馬はエネルギッシュで、自分のやりたいことに使命感をもって過ごしていました。志を持つこと、志を持ったらそれを実行に移すことの大切さを教えてくれます。
義理などは夢にも思ふことなかれ
義理などは夢にも思ふことなかれ 身をしばらるるものなり
「義理や人情だけに囚われ、縛られていると、偉業を果たすことはできない」という意図で、龍馬はこの名言を残しました。当時、武士の世界においては「義理」は美徳であり、男なら誰もが持っているべきとされていたものでした。しかし、それらを「束縛するもの」として考えようとしていたあたり、偉業を成し遂げようとしている時に感情だけを優先させてはならないと、自戒を込めていたのではないでしょうか。
恥といふことを打ち捨てて 世のことは成るべし
恥といふことを打ち捨てて 世のことは成るべし
龍馬にとって、日本の「恥」という文化は邪魔なものでしかなかったのでしょう。「周りの目を気にしたり、自分が浮いているのではと心配したりなど、そのような恥ずかしいという気持ちは捨てて、世を動かすべきだ」という意味の名言です。
議論に勝っても、人の生き方は変えられぬ
俺は議論はしない、議論に勝っても、人の生き方は変えられぬ
「議論で自分の意見を押し通して勝ったとしても、相手の心まで変えることはできない」という名言です。それぞれが自分の考えや理想がある中で、あえて自分の考えを押し付けることはしたくないという意味にもとらえることができます。龍馬が他人の考えを尊重していることが伺える言葉です。
人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある
人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある
「人には選択肢が無限にあって、選び方次第で道はいくらでも広がる」という名言です。倒幕するという大きな野望を持った龍馬のセリフだからこそ、深みが出る言葉です。自分が進みたいと思っている道は、実はたくさんあるから、視野を広げてみてほしいということを示してくれます。
万事、見にゃわからん
万事、見にゃわからん。
これは言葉の通り、「あらゆることは自分の目で確認してみないとわからない」という言葉です。いくら他人から話を伝聞の形で聞いたところで、そこにはその人の主観が入り込むことも多々あるので、実際に自分の目で見てみなければ判断できないという「百聞は一見に如かず」ということわざと同じ意味でしょう。
時勢に応じて自分を変革しろ
時勢に応じて自分を変革しろ
「その場の状況に応じて自分を変えられる柔軟性を持て」という名言です。たとえどのような予想外な出来事があっても、適応力を発揮して臨機応変に対応することの大切さを説いています。龍馬のように「日本を変える」などの大きなことでなくても、日常の中で起こりうる出来事を先に見据え、フレキシブルに対応することは私たちにもできるのではないでしょうか。
世界の海援隊でもやりますかな
世界の海援隊でもやりますかな
1867年に行われた大政奉還の後、新政府が樹立された時に発言したとされている名言です。日本を大きく変えた一番の功労者が、役職や肩書には興味を示さず、世界を見て回りたいという、これまた夢のある気持ちを吐露したのです。龍馬ならではの名言といえるでしょう。
業なかばで倒れてもよい
業なかばで倒れてもよい。そのときは、目標の方角にむかい、その姿勢で倒れよ
「自分が何かを成し遂げようとした時、その道半ばで挫折したとしても、その目標に対する気持ちはなくすべきではない」という名言です。目標を見失うことがもっとも愚かなことだと信じていた龍馬らしい、励みになる言葉です。
世の既成概念を破るというのが、真の仕事である
世の既成概念を破るというのが、真の仕事である
265年も長く続いた歴史ある江戸幕府を終わらせるきっかけを作った、まさに龍馬が発言すべき名言です。この世の中の既成概念を壊すことこそが、自分の使命だと深く信じていました。生まれ落ちた世界に根付いている既成概念に疑いもせず、ただ仕方ないと諦めて生きることは、龍馬にとって「生きた」とは言わなかったのでしょう。
偏見を持つな
偏見を持つな。相手が幕臣であろうと乞食であろうと、教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい。
「相手が敵であろうと立場が自分より下の人であろうと、教えを受けるべき人であれば敬意を払う。そのためにも、人をひと目で判断してしまう偏見は持つべきではない」という意味の名言です。現代の生活においても、人は必ずなにかしらの偏見やフィルターを通して物事を判断しています。しかし、その偏見を取っ払った先には、たくさんの気づきや学びがあると龍馬は説いているのです。
知恵や知識が、この時勢に何になるか
わずかに他人より優れているというだけの知恵や知識が、この時勢に何になるか。そういう頼りにならぬものにうぬぼれるだけで、それだけで歴然たる敗北者だ。
「知恵や知識で他人に優越感を抱く者は、れっきとした人生の敗北者だ」と断じている名言です。他人より秀でている知恵や知識を恥じるのではなく、それを振りかざして他人に優越感を抱くことが恥ずべきこととしています。誰かにマウントを取られた時に、この言葉を胸に秘めておくと傷つかずに済むかもしれません。
人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ
人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ。
これは言葉通り、「生きている中で失敗というものはない」という名言です。人は人生の中で、大なり小なり数え切れないくらいの失敗を重ねます。それを失敗ととらえるのではなく、目標のための通過点・出来事ととらえれば、人生には成功体験しかなくなるという、ポジティブな言葉です。
坂本龍馬の名言に関するまとめ
坂本龍馬は、幕末の日本を変えようと懸命に動き、その念願を成し遂げた日本史の重要人物の一人です。彼だからこそ、紹介した15個の名言が重みのある言葉として残っているのです。龍馬が生きた時代とはまったく異なる現代の生活でも、通用する名言が数多くあります。
もし気に入った名言があれば、座右の銘として使ってみるのもいいのではないでしょうか。