明治時代がよくわかるおすすめ漫画作品9選【王道や名作、変わり種まで紹介】

「明治時代が描かれたおすすめの漫画を知りたい・・・!」
「漫画で明治時代のことがわかるの・・・?」

明治時代は44年あまりと長いため、いろいろな面を持っています。それをすべて知るのは大変なことですが、漫画ならあらゆる方向から明治という時代を眺めることができます。

明治を舞台にした漫画作品は数多くあるため、今回は私が選んだ9作品を3つに分類して紹介していきます。

  • 明治はどんな時代なのかを楽しく学べる漫画
  • 別の視点から明治を見つめて、新しい発見ができる漫画
  • 事実から明治の重さが味わえる名作漫画

どれも明治の人たちが生き生きと輝いている作品ばかりですから、読むと明治時代にもっと親しみが持てるようになるはずです。

有名な偉人の話だけではなく、一般市民がどんなふうに明治を生きたのかがわかるようになれば、歴史はもっと面白くなりますよ。

明治はどんな時代?漫画で楽しく味わおう!

るろうに剣心 明治剣客浪漫譚

読んでみて

幕末に人斬りとして恐れられた男・緋村剣心が、人を切らずに悪に立ち向かっていく物語です。

あくまでも人を切らずに悪に立ち向かう剣心には、次第に仲間が集まってきます。その様子には時代物が好きではない人もつい惹かれてしまい、明治という時代にすんなりと入り込めると思います。

アニメや映画になったことで、もうおなじみのストーリーかもしれませんが、これは明治という新しい時代に、新しい生き方を探している人々の話でもあります。かなり重い場面もありますが、懸命に生きる人々の姿には清々しいものを感じるはずです。

みんなのレビュー

懐かしい。ジャンプ黄金期の名作の一つ。この手のものにありがちな幕末ではなく、時代を明治に設定したのは今見ても斬新で新鮮。登場人物がとても丁寧に描かれてるのが良い。それぞれの立場で登場人物に感情移入し、仲間や家族の大切さを気づかさせてくれる。少年マンガとしては終盤は結構重い?が、大人になって読み返すとより納得。

読書メーター

ゴールデンカムイ

読んでみて

日露戦争で戦い、不死身の男と言われるようになった杉元佐一の物語です。

かつてゴールドラッシュに湧いた北海道で、莫大な埋蔵金の話を聞きつけた杉元は、アイヌの少女と手を組んでそれを探し始めます。最初から気が抜けない展開なので、夢中になって読み続けるのは間違いありません。

私たちが話題にする戦争は、第二次世界大戦のことが多いです。でも、この作品を読むことで、明治時代にも過酷な戦いがあったこと、北海道にはアイヌの人たちがいて、その犠牲の上に日本が成り立ったという事実を再確認できるでしょう。

どんな過酷な状況でもたくましく生きる杉元たちのたくましさを感じれば、自分にも力が湧くのがわかるはずです。

みんなのレビュー

面白い要素がもりだくさん!それぞれの登場人物たちが命を懸けて金塊のありかを探るので、残虐なシーンがかなり多くて最初は怯んだが、それ以上にストーリーや杉元とアシリパのやり取り、アイヌ文化が面白い。特にアイヌの文化を全然知らなかったのでとても興味深く読んだ。杉元がチチタプ(リスのひき肉)を食べるシーンでは、杉元の表情が何ともいえない。アシリパのこと信じ切れてないけど、彼女の圧におされて口に入れてて。食文化の違いがあると実際食べてみるまで信じられないけど、食べるとだいたいおいしいよな…。

読書メーター

一の食卓(はじめのしょくたく)

読んでみて

この作品は壬生の狼の異名を持っていた斎藤一と主人公の少女・西塔明がパン屋で一緒に働くという設定です。とんでもなく奇想天外な話かと思いきや、明治の日本で新しい文化に出会い、それを取り入れつつ、懸命に生きる人々の姿が胸を打ちます。

登場人物に明治維新を先導した人物も多い上、当時はパンが薬として扱われていたなどの逸話もあるため、知らず知らずのうちに明治がどんな時代だったのかがわかります。

歴史にもしも(if)はないとよく言われますが、斎藤一がパン屋にいるのは楽しく、夢中になります。激動の時代を生き抜く西塔明も応援したいです。

みんなのレビュー

激動の江戸時代が終焉を迎え、新たに始まった明治時代。女性ながらにパン職人を目指す明と、元新選組の斎藤一こと藤田五郎が新たな時代を生きるif系のお話。当時のパンが薬として出回っていた事等、歴史や風俗も含めて興味深い作品です。そういえば幕末って言葉は当時無かったらしいですが、いつから使うようになったのかな…。

読書メーター

別の視点から明治を見つめて、新しい発見をしよう!

ふしぎの国のバード

読んでみて

この作品は、イザベラ・バードというイギリス女性の目線で見た明治時代の日本を描いています。

当時のイギリスは日本に比べるとかなりの先進国だったはずです。だから、バードが見た日本は、現代の私たちが明治の日本を見ているのと似た状態に思えて興味深いです。

この作品を読むと、少し視線を変えるだけで、明治時代に今まで思っていたのとは違う側面があることに気が付きます。バードは実在の人物で、職業は冒険家です。私たちも冒険家として明治の世界を味わってみましょう。きっと新しい発見ができるはずです。

みんなのレビュー

大変興味深い内容でした。明治初期の日本の様子がイギリス人の主人公視点で描かれているので、日本人主人公だとどうしてもデフォルメされがちな部分が「本当にこうだったのかもな」という生々しい描写になっていて良かったです。 現代日本人から見てもふしぎの国。 ちょっと気になるのは、主人公のバードさんが「数々の冒険をしてきたツワモノ」にあまり見えないこと…「無謀と思われるような旅でもこなしてしまう」と言われて納得してしまうような強そうなバードさんも見てみたいです。まだ一巻しか読めていませんが、続刊も楽しみ。

読書メーター

八雲百怪

読んでみて

日本に帰化して小泉八雲という名前で生活していたラフカディオ・ハーン。彼がある村で祭りに遭遇したことをきっかけに、次々と不思議な事件に巻き込まれます。

小泉八雲は明治になって新しい文化が入ってきたことで、切り捨てられそうになっていた日本の民話や伝説などを残そうとしてくれました。読んでいると、あらためて彼の日本への暖かな視線をありがたいと思わずにはいられません。

八雲のおかげで日本は西洋の真似をするだけでなく、自分たちの文化を失わずに済みました。この作品で私たちはもう1度日本の姿を見つめ直せるはずです。

みんなのレビュー

シリーズ第三作目ではあるけれども、ぐっとマイルドに読みやすくなった印象。これは、主人公小泉八雲さんの人柄のなせる業か?茅の輪の話が地味に怖かった。民俗学が好きで、こういった話も良く読むが、かつて行われたそれにはちゃんと意味があるのだから只単に物珍しいというだけで手を出すべきではないな。ちゃんと畏敬の念を持たねば。

読書メーター

めしあげ!!~明治陸軍糧食物語~

読んでみて

軍隊に入って兵隊になる、この行動を今の私たちは、いつ死ぬかもわからない危険な行動だと考えるかもしれません。しかし主人公・千歳は食べるため、つまり生きるために軍隊に入り、日露戦争を体験します。

私たちの祖父母や曽祖父母の時代には、このような人がたくさんいたのだと考えると衝撃を覚えます。そして、この作品を読むと、食べることの力と人間の生命力の強さがわかります。

この漫画を読むと、私たちは日露戦争の違った面を見ることができるはずです。難しいことは置いておいて、千歳の食べるものがとても美味しそうに感じます。これだけでも読みがいがある作品です。

みんなのレビュー

コミック第2巻。日露戦争、南山の戦い。ロシア軍の機関砲で甚大な犠牲を払いながらも、なんとか敵を追い払う。食べ物も大切だが、それ以上に水の貴重さがよく伝わってくる。次なる目標は旅順要塞の攻略。乃木希典大将を軍司令官に第三軍が編成される。乃木大将の長男は南山の戦いで戦死。本巻では野戦病院での患者食のレシピも紹介されている。戦地に汁粉が売られていたとは意外。おいしさは言葉では言い表せないものがあっただろう(史実として正確かどうかは不明)。次に進みたいが、まだ刊行されていないようだ。

読書メーター

事実から明治の重さを味わおう!

天の血脈

読んでみて

主人公の安積亮が明治36年に史跡調査の一員となり、大陸に渡るところから話が始まります。

その後も安積は古代史の研究に携わり、大陸の古代国家と日本の皇室との関係を解明しようとします。その姿からは明治になり新しい国となった日本にとって、国の成り立ちを明らかにするのが大切な仕事だったことが理解できるはずです。

また、安積の夢を借りる形を取って、古代の日本も作品に登場します。古代から近代、そして現代までの日本の姿を見ることになった安積。彼が今の世の中を見たらどう感じるのか、興味が尽きない作品です。

みんなのレビュー

安彦良和一流の歴史絵巻が、日露戦争開戦前夜の満州で、日本と大陸の関係、そしてそれに巻き込まれる人々の姿をスペクタクルに描きます。好太王碑文の発掘現場を介して、神宮皇后の時代(古代)とリンクしながら「日本の外征の時代」を語るのは、なかなかに興味深いものがあり、とりあえず4巻まで一気読み…。問答無用に「悪」と見なされていた「アジアへの外征」を、客観的に検証することがやっと許される時代になったのかもしれません。でもまあ、全体の感想は完結の後ってことになるのかな…。(^_^)

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陽だまりの樹

読んでみて

日本が大きく揺れ動いた幕末から明治にかけての時代。女にだらしない遊び人の蘭方医・手塚良仙と正義感が強く真面目で幕府への忠誠心に篤かった伊武谷万二郎の友情の物語です。

彼らの姿を見ていると、変わり行く時代の中で何を信じて生きるべきかがわかるような気がします。この作品は今のような時代にこそ、読まれるべきではないでしょうか。

そして主人公の1人、手塚良仙が原作者の手塚治虫さんの曽祖父だということが作品に深みを与えています。明治という時代は現在につながり、大きな影響を与えていることが納得できる作品です。

みんなのレビュー

電子版で読了。想像以上に面白く、読みふけってしまった。幕末から明治にかけて国が大きく動いた時代は、妙な活気にあふれている。それにしても、名の残る残らないに関わらずなんと数多くの傑物が生み出されたのだろうか。良仙と万二郎の友情にときめき、涙し。巻き添えを食らうように、人生を翻弄された女性たちに思いを馳せた。

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日露戦争物語

読んでみて

日露戦争の日本海海戦作戦参謀の秋山真之が主人公です。司馬遼太郎の小説・坂の上の雲でもおなじみの人物ですが、第1巻ではその少年時代が丁寧に描かれています。

明治になり、没落する士族が多かった中、決してくさらずひねくれずに前向きに生きる真之の姿には好感が持てます。同時に明治は文明開花に象徴される、華やかなだけの時代ではなかったこともよくわかります。

この作品の登場人物たちは、誰もがフロントランナーであるという気持ちで生きていた様子がうかがえます。現代では考えられないこの生き方にきっと新鮮な驚きを感じ、明治時代を見直すはずです。

みんなのレビュー

この作品には”だんだん”(ありがとう)と言いたい。とても面白かった。それだけに、中途にしての連載終了は残念。初めて読んでいた頃は刊行途中だったため、これから全刊通して読んでみたい。1巻は明治7年(1874年)、秋山真之(淳五郎)6歳の頃から始まる。日露戦争は明治37年(1904年)だからまだまだ先です。淳五郎の兄、信三郎がカッコ良すぎ。「人に、上も下もない」「誇りがあるけん、こらえるんじゃ」クールだけど弟を学校に通わせるために勉強し、教師を経て軍人となった兄。とどめの見開き1コマ「わかっとる」には惚れた。

読書メーター

まとめ

たくさんある明治時代を舞台にした漫画作品を、3つに分類して紹介しました。

  • 明治はどんな時代なのかを楽しく学べる漫画
  • 別の視点から明治を見つめて、新しい発見ができる漫画
  • 事実から明治の重さが味わえる名作漫画

どれか一つを選んで読むのも良いですが、いろいろな方向から明治時代を眺めてみましょう。その方が、明治という時代に親しみが持てるはずです。

明治時代は私たちが生活する現代と江戸時代を結ぶ大切な時代です。明治時代がよくわかると、歴史がもっと面白くなりますから、ぜひ漫画で明治時代に親しんでください。

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