【泉鏡花クイズ#2】ファンタジー小説の礎を築いた小説家。

熱海を舞台にした作品「金色夜叉」。この像は、金色夜叉の1シーンで主人公・貫一が許嫁であるお宮を蹴るシーンを模したものです。

鏡花と同じく石川県金沢市出身であり、同じ学校の同窓生であった徳田と鏡花は仲が良かったのですが、紅葉の死後、違う派閥へと傾倒し、次第に二人は不仲となってしまいました。

島崎藤村、田山花袋など、ありのままを描写した文学「自然主義文学」が流行し、徳田は自然主義派へと傾倒しました。このことを、鏡花は快く思わず、互いに喧嘩するなど険悪な関係になりました。

代表作に「山月記」などがある中島敦は、このエッセイにて「日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。」と評しております。

永井荷風は鏡花作品を高く評価し、自身が主宰する文芸誌「三田文学」に鏡花作品を掲載するなど様々な好意を受けたそうです。

谷崎とは1920年ごろに知り合い、共に鳥鍋を食べに行ったことがあるそうです。その際、半煮えを好んだ谷崎に対し、鏡花は「ここからは私の領分だから手を出すな」と、鍋の領土を決めて食べたという逸話が残っております。

同人誌「白樺」に参加していた里見は、鏡花を師と仰ぎ、「鏡花全集」の編纂にも携わりました。また、徳田との仲を取り持とうとした時期もありました。

里見弴の兄であり、代表作に「カインの末裔」などがある有島は、里見と共に兄弟で「白樺派」に参加しておりました。

里見弴と水上瀧太郎が発起人となったこの会合は、一円出すと一銭のおつりが返ってくることから「九九九会（会費が九円九十九銭だから）」と呼ばれておりました。この会合の模様は、「九九九会小記」という作品に記録されております。

「高野聖」は1900年に発表された作品で、その幻想的な世界観と鏡花作品特有のテンポいい文体で人気を博した作品です。