【夏目漱石クイズ#3】紙幣の顔となった日本の文豪。

最終話となる第十一話の終盤で「吾輩」は飲み残したビールを飲んでしまい、酔いながら水瓶に落ちてしまい、溺れていくという結末になっております。この一文は、その溺れていく中で、念じた言葉です。

「坊ちゃん」は漱石が愛媛県尋常中学校に赴任した時の体験を基に書いた作品で、全体的に明るい作風で、漱石作品の中でも読みやすい作品となっております。

「三四郎」は九州から上京してきた学生・小川三四郎と都会の女性・里見美禰子の恋模様を描いた作品です。ちなみに主人公の三四郎は、門人であった小宮豊隆がモデルになったとされております。

「三四郎」では主人公の好きな人を兄の友人にとられ、「それから」では主人公が友人の妻を奪い、「門」では主人公が妻を奪った罪悪感を抱えながら生きていく、という一見するとつながりがあるように見えることからこれらの作品は「前期三部作」と呼ばれております。

「こころ」は1914年に朝日新聞で連載された作品で、累計発行部数は718万部以上を記録し、日本で一番売れた小説としても有名な作品です。

上部が「先生と私」、中部が「両親と私」、下部が「先生と遺書」という構成になっております。

乃木希典は日露戦争の旅順攻囲戦にの指揮を執るなど活躍した軍人であり、明治天皇のが崩御した際、妻と共に自刃し殉死しました。漱石はこの殉死に影響を受け、「明治の精神」を殉死させる意味で、この作品を執筆しました。

後期三部作は共通テーマとして「利己的な感情に振り回される」というのが存在し、各作品とも嫉妬、葛藤などが描かれております。

「明暗」は1916年に朝日新聞で連載された作品で、連載途中で漱石が逝去したため未完となった作品です。会社勤めの主人公・津田由雄と妻・お延の物語で、則天去私（小さな自分にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くこと）を描こうとしていたのではないかという学説などもあります。

雑司ヶ谷霊園に夏目漱石の墓は建立されており、この霊園には他にも小泉八雲や島村抱月といった著名人が埋葬されております。