歴史漫画おすすめ人気ランキングTOP50【完全保存版】

天の果て地の限り

読んでみて

『天の果て地の限り』は、天武天皇の妃で万葉集にも歌が収録されている額田王(ぬかたのおおきみ)を主人公にした歴史漫画です。1巻で完結しているので、歴史漫画初心者の人も手にとりやすいでしょう。

飛鳥時代、中大兄皇子(後の天智天皇)と大海人皇子(後の天武天皇)は美しく賢い少女・後の額田王に出会います。兄弟はどちらも額田王に惹かれていくのですが、同時に世の中を治める覇者となる野望ももっていました。

彼らからの愛に揺れる額田王もまた、時代の激動に呑まれていき…三角関係という恋愛漫画ではありがちなテーマですが、歴史を絡めると壮大な物語となるのが面白いところです。

みんなのレビュー

https://twitter.com/bungei_tosho/status/1060281982834241536?s=20

たむらまろさん

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蝦夷を制圧するため2度に渡って征夷大将軍に任じられた坂上田村麻呂。教科書には必ず登場する人物ですが、どういう人物だったのかまであまり知ることがありません。ユキムラの『たむらまろさん』は、名前だけはよく知られている坂上田村麻呂を描いた歴史漫画です。

先ほどご紹介した『阿・吽』などとは異なり、描かれているのは坂上田村麻呂の「ゆるい」日常です。桓武天皇に振り回されがちな田村麻呂の毎日をゆるいコメディタッチで描いています。田村麻呂が金髪で青い目をしているという斬新な設定も面白いです。

みんなのレビュー

応天の門

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灰原薬の『応天の門』は、平安京で起こる怪奇事件を、在原業平と菅原道真のコンビが解決していく歴史漫画です。サスペンス要素が強い作品ですが、監修に東京大学史料編纂所の本郷和人が携わっていて、平安時代の風俗や文化も細かく描写されています。

平安時代は鬼や物の怪の存在が信じられていて、怪奇事件もそのような「異形のもの」が起こすとされていました。稀代のプレイボーイ・業平と学問オタクの道真、正反対の2人が絶妙なコンビネーションを発揮して事件を解決していきます。次第に藤原氏と伴氏の権力争いにも巻き込まれていき、歴史漫画としてもしっかり楽しめる魅力たっぷりの作品です。

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ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録

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鎌倉時代といえば、仏像彫刻の名作が多く生まれた時代でもあります。『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録』は、仏像やそれらを彫る仏師たちが大活躍する歴史漫画です。

平泉の地で自分の半身を失うことになってしまった少年仏師・想。半分人間、半分は仏として生きていくことになったのですが、彼には神仏を呼び覚まし、ともに戦う力が秘められていました。

奈良・東大寺に突然起こった異変を前に、想の秘められた力が目を覚まし…仏像や仏師が戦う前代未聞のファンタジーです。

みんなのレビュー

https://twitter.com/morimori_zinia/status/1294228590876221440

雪花の虎

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1968年に登場した上杉謙信女性説を見事に漫画で表現したのがこの作品です。戦国乱世を戦った謙信が女性であったという根拠も紹介されていますから、納得して読み進めることができるはずです。

謙信が女性だったというのはとても夢があるため、歴史ものに慣れていない人もワクワクするでしょうが、この作品では女性が男性として生きることの辛さのようなものもキチンと描かれています。

謙信の母や兄の思いを考えると、ただワクワクする物語としては片付けられない作品です。読む人の年代によって、胸に残る部分が違うのではないかと思います。

みんなのレビュー

謙信が女で何か不都合でも??と思える本。 国や家を守り、強くする、という結果が出せるなら、 性別は関係ない。 東村さんの独特なチャチャも、進むほどクセになる感じ。

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ふたがしら

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江戸時代、盗みを生業とする赤目一味に加わっていた弁蔵と宗次が主人公です。

一味の頭目が息を引き取るときに、後は頼んだと託された2人でしたが、証人がいなかったために、頭目には別の人物が据えられます。納得できない2人は、でっかいことをやるために一味から離れ、日々は流れます。そして2人は年を取りました。

互いの考えも変わっていき、いつしか2人は並んで人生を進んでいけなくなります。これは誰でも仕方のないことだとわかっているはずですが、何とも寂しい気分にさせられます。舞台が江戸時代であることで、余計に2人の姿が心にしみるような気がします。

みんなのレビュー

https://twitter.com/himinoooo/status/1294816146257043456?s=20

天涯の武士~幕臣小栗上野介~

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司馬遼太郎に明治の父と評された人物がいました。彼の名前は小栗上野介。彼は最後の勘定奉行として洋式軍隊の整備や横須賀製鉄所の建設を行いましたが、名前はあまり知られていません。

そんな小栗を主役に据えたのがこの作品です。最後まで幕府への忠誠を貫いた小栗ですが、彼の行ったのは、世の中の動きに応じた斬新な政策だったことがわかるでしょう。

後の世に影響を与えるほどの力を持っていながら、小栗は結果的には新政府軍によって処刑されてしまいます。長い間彼の功績は隠されていましたが、この作品により再び光が当たるかもしれません。

みんなのレビュー

坂本竜馬…勝海舟。 土方歳三近藤勇。 数多の英雄がいた中、あまり物語にならない人がいた。 小栗上野介…勝や竜馬と同じ開国してこそ日本が他国の植民地にならないと考え、気付いた人です。 ぜんぜん難しく無く面白いです。 勝との実力を認めて いるからこその微妙な仲が面白いです。 ぜひ一読を!!

コミックシーモア

風光る

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幕末の京都で兄と父の敵を討つために、性別を偽って壬生浪士組(後の新選組)に入隊する少女・富永セイの物語です。

自らの命を救ってくれた沖田総司とは後に夫婦となりますが、それまでには長い時間がかかっています(なにしろ連載期間が20年以上と長いです)。読者とともに、セイも成長してきたのかもしれないと感じる作品です。

結局沖田は結核で命を落としますが、その後も健気に女手1つで息子を育てるセイの姿にはきっと誰でも感動するはずです。今でも女性にとても人気がある新選組。その魅力を存分に味わえる作品です。

みんなのレビュー

【所蔵】内容を殆ど忘れているので再読しました。初版は1997年!時は幕末、文久3年(1863年)。神谷清三郎(富永セイ、実は女子)が壬生浪士組に入隊するところから。他の新選組関連の作品によく出てくる井上源三郎が全然記憶になくて、「風光る」に出ていたっけ?と思ったら出ていました(笑)。「風光る」の沖田総司はとにかくおちゃめで可愛くて厳しくて優しくて野暮天で(笑)。意外だったのは沖田さんが芹沢鴨のことを大好きだったんだということ。どの隊士もみんな魅力的に描かれていて、やっぱり「風光る」面白いわぁと思いました。

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大正の献立 るり子の愛情レシピ

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この作品を読むと、大正時代にはすでに洋食や中華料理が生活に入り込んでいたことがわかり、とても感心します。

現在私たちが食べているものとほとんど変わりないものが食卓に並びますが、当時はまだ冷蔵庫もガスコンロも普及していません。そんな中で、丁寧に料理を作っている新婚のるり子にはとても驚かされるし、好感が持てます。

読んでいると、普通の家の料理が恋しくなってきます。家にいる機会が増えている今だからこそ、家で食べるものをもう1度大切にしたいと思えます。大正時代の食生活は、現在の私たちの基本になるのかもしれません。

みんなのレビュー

洋食、中華が庶民に広がっていく大正時代。かまどでの調理、冷蔵庫もない時代に今、何気なく食べられている料理を作るのは大変だったのだろう。ハヤシライス、コロッケ、ホットケーキ、焼売などが出てくる。1つずつ手作りで手間暇をかける、愛情のスパイスもいっぱいだろう。たまにしか食べられないが、逆に美味しさを実感できたことだろう。「幸せ探しの名人」いい言葉だなあ。熱海に旅行に出掛けるが、大正時代SLで五時間かあ。熱海が当時、新婚旅行先になるのがわかる。ロールキャベツ、クリスマスなどもあったんだなあと改めて知る。

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大正野球娘。

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スポーツに打ち込む少女たちは、今なら特別な存在ではありません。しかし大正時代に野球を始めるというのが、どんなに大変なことだったかこの作品を読むとわかります。

女性に学歴は不要、主婦として家に入るべきという当時まかり通っていた考えに反発して、野球を始める主人公の小笠原晶子と鈴川小梅。メンバーを集めるところから苦労をしますが、彼女たちの姿を見ていると自然に応援する気持ちが湧いてきます。

晶子や小梅のような先輩がいたからこそ、ここまで自由で平等な社会が作られたのだと実感できる作品です。

みんなのレビュー

表紙絵に威圧されて敬遠していたが、読んでみると意外とおもしろい。可愛いイラストではないにせよ、大正時代ということを考えれば、ありえない絵柄じゃない。話は原作寄りだが、決してそのままではなく、独自の世界観を構築している。小ネタも多く、顔芸でも楽しめる。……まぁ、結局何が言いたいかというと……たまちゃん可愛いよ!と。そして、ここでも胡蝶のルックスが別人だよ!と。

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孔明のヨメ。

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中国の歴史物でもこんなに気軽に読める作品があったのかと驚きました。キャラクターもかわいいし、4コマ漫画なので本当に初めて中国の歴史に触れる人でも問題なく読むことができます。

どこが史実でどこが創作なのか気になるところですが、この作品で確実に三国志の登場人物が覚えられるはずです。広くて深い中国の歴史への入り口としては最適ではないでしょうか。

天下の諸葛孔明をラブコメに登場させるとは、作者は実に三国志が好きなようです。気軽に読めて作者の三国志への愛が感じられるので、読んだ後は心が穏やかになるのを感じます。

みんなのレビュー

三国志ほとんど知らないのに読みましたが問題なく面白かったです。変わり者同士でスピード結婚した孔明さんと月英さんのほのぼの日常生活に和みました。ちょっと(?)世間とずれたお嬢様で工作が得意な月英さんすごく可愛い。孔明さんはひょうひょうと穏やかな青年でちょっと本心が分かりづらい人でしたが月英さんを畑に連れて行ったり少しずつ心を許しているのが行動で見えてきてきゅんとしました。弟君と彼女さんもかわいい。おとうさんもかわいい。

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黄土の旗幟のもと

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17世紀の中国・明の圧政に対抗して起きた「李自成の乱」を取り巻く人々の物語です。主人公はこの乱を起こした李自成(りじせい)の参謀となった李戴之(りたいし)です。

李戴之は明の役人でしたが、私財をなげうって民を助ける思いやりのある男でした。最初は国への反乱など考えもしませんでしたが、国を脅かす根本に気付き、反乱への参加を決意、李自成の仲間になります。

国に仕える役人としての自分と圧政に苦しむ人々との間で揺れる李戴之の心の動きをじっくりと味わえる作品です。読んでいると現在の中国の抱える問題が重なって見えてきます。

みんなのレビュー

明王朝末期、圧政に苦しむ民は小規模な反乱を繰り返していた。その中で一際大きな義軍の一団は李自成を頭領として明王朝を倒そうとしていた。「出来うる限り血を流さずに」という理想と現実に挟まれるその一団のブレーンの苦悩が描かれる活劇風風俗譚…かな?紅娘子がまさに紅一点で素敵。段々影薄くなってるけど

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虹色のトロツキー

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昭和初期、日本とモンゴルのハーフ・ウムボルトが満州の大学に研修生としてやってくるところから物語が始まります。ウムボルトは幼い頃、両親を殺されており、自分も記憶を失っています。

記憶を取り戻し、アイデンティティを確かめたい一心で、彼は亡き父が加担していた「トロツキー作戦」に自ら飛び込んでいきます。

アジアの理想の国という名目で建国された満州。実際にそうではありませんでしたが、この作品では、満州にも多くの人々が生きていて、その思惑も交錯していたことがよくわかります。ウムボルトの行く末がとても気になり、スリルも感じられる作品です。

みんなのレビュー

太平洋戦争という表現で括られている感じもするが、日本の軍国主義は大陸で何をやろうとして、実際には何をどこまでやったのかに本質があるのかもしれない、という気はする。中国は国軍、共産党、満州、モンゴルの思惑が入り乱れているし、日本軍も複数勢力の派閥争い。ロシアの野心。欧米の帝国主義的主張。軍事力に物を言わせながらの世界レベルの外交だったのかもしれない。このマンガには今のところ出てこないが、満州の馬賊も大暴れしていた時期。欲望はもっとどろどろしていたはずではなかろうか。が、読ませるマンガだ。と、エラソに言う。

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星間ブリッジ

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新しい環境に必死に慣れ、国籍が違う友だちのために言葉を覚えようとする少女。これだけを見れば現代にもありそうな話ですが、決定的に違うのは、どれだけ仲良くなっても、2人は戦争に引き裂かれることです。

昭和初期に上海租界に渡った少女・ハルと中国人の少年シンの物語は最初、ほのぼのと始まりますが、このときにはすでに中国の人たちが日本人へ向ける冷たい視線が描かれており、暗い予感を覚えます。

長い歴史を考えるとつい最近の出来事なのに、私たちは都合の悪いことをすぐに忘れてしまいます。ずっと忘れないために、ぜひ読んでおきたい作品です。

みんなのレビュー

長崎から上海租界へと渡った幼いハルと中国人のシンとの交流が可愛らしいのに、戦争が始まる前から冷え込む両国の雰囲気に傷つくハルが見ていられない。これからの展開が怖いですがハルやシンのこれからが気になります。面白い。

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シュトヘル

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現代の日本の男子高校生が女性戦士に憑依して、モンゴル軍と戦う物語です。舞台は13世紀始めのモンゴル。女性戦士はシュトヘルといい、仲間をモンゴル軍の配下であるツォグ族に皆殺しにされたために、復讐のチャンスを狙っています。

西夏という国の兵士だったシュトヘルは、西夏の文字をモンゴルから守ろうとしている少年と出会い、旅を始めます。この旅でシュトヘルがどう変わるのかのも見どころです。

征服するためには、その国の文字まで奪うのかとモンゴルへの憤りを感じるとともに、シュトヘルは復讐できるのか、西夏の文字は守れるのか、とてもワクワクする作品です。

みんなのレビュー

「皇国の守護者」コミック版の躍動感と迫力ある画風で伊藤氏の他作品を読みたくなり購入。期待どおり精密かつ躍動感にあふれた作品だった。13世紀モンゴルと現代日本の繋がり等々これからどう話が展開するのか楽しみ。

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ヒストリエ

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紀元前4世紀の古代ギリシャでアレキサンダー大王の書記官・エウメネスの波乱万丈の人生を描いた作品です。

街の有力者の息子として育てられたエウメネス。実は奴隷の子どもであったことがわかり、故郷を追われます。しかし持ち前の聡明さで次々と難局を乗り切り、アレキサンダー大王の父に見出され、後には書記官となるのです。

世界最大の帝国を作った人物がアレキサンダー大王です。作品を読むうちに、この人を支えるのは影で世界を動かすのと同じだとわかります。自らの智力だけで、人生を突き進み、世界を動かすエウメネスから目が離せなくなる作品です。

みんなのレビュー

面白すぎる…!歴史ものが好きな方なら、ハマること間違いなしの作品。この作者ならではの独特のペースと見せ方で、アレキサンダー大王の書記官エウメネスの生涯を描く。この独特の見せ方とキャラクターがいいんだなぁ。自分は賢いキャラクターに魅力を感じるので、この作品はドンピシャです。ネカフェやスーパー銭湯にあると何度も読んでしまう…って、購入しろや、自分。手塚治虫文化賞マンガ大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、受賞作品。乞う、続巻。

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我が名はネロ

読んでみて

紀元1世紀、ローマ帝国で皇帝になったネロの即位から自殺までの物語です。

暴君として有名な皇帝ですが、即位してしばらくは名君と言われていました。なぜ暴君になったのかが、この作品を読むことで理解できます。

当時はまだ新興宗教のような存在だったキリスト教についても書かれていますが、宗教はネロを救うことができなかったようで残念です。結局、ネロに対する不満が国内で爆発、反乱が起き、最後は自殺へと追い込まれます。

この作品を通して、ネロが抱えていたさまざま問題を知ると、暴君ネロはもっと親しい存在になるはずです。

みんなのレビュー

演じていることが前提の劇場のような王座で、暴君役に染まっていくネロを、ずっと側で見ていた奴隷剣闘士レムス。だんだんお兄ちゃん目線になってタイトル回収しちゃうのが切ない。…ネロはその顔で、父親に殴られたことがない的なセリフを言うの、反則ですよ…?

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アルカサル-王城-

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14世紀のカスティリア王国(後のスペイン王国の中核となっている)に実在したペドロ1世の生涯を描いた物語です。

少年時代から孤独な人生を送っていたペドロ1世。さまざまな裏切りにもあった彼は権力を取り戻し、冷酷で決して裏切りを許さない「残酷王」になります。そして自国を強国へと押し上げるために、とことん戦います。近隣諸国とはもちろん、異母兄とも戦うため、当時は国も自分も守るのは大変だったたことがわかります。

後には太陽が沈まない国と言われたスペイン帝国ができる前には、こんな国があり、王がいたのだと感心できるでしょう。

みんなのレビュー

コミックと侮る勿れ、読むのに知力体力がいる。14世紀イベリア半島を舞台にした、カスティーリャ王ドン・ペドロの中世戦国時代を駆け抜けた一生。近隣諸国とひたすら戦をし、休戦をし、同盟を結び、かと思ったらまた戦う…物語はその繰り返しの中に嫡男と庶子、王妃と愛妾の愛憎劇を絡めて展開する。貴族も大変だが、勝手に荒らされ略奪される町の人も大変だ。ドン・ペドロとマリアの場面は微笑ましくほっとする。青池先生の解説も面白い。衣装や甲冑、軍馬、軍隊の一人一人の細かいところまで描き込んで、描くのはほんとうに大変だったろう。

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イノサン

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フランス革命の時代、死刑執行人として生きた一族の物語です。実在したシャルル=アンリ・サンソンという人物が主人公になっています。

彼ら一族の存在がなければ、フランス革命はあり得ませんでした。死刑を通じて医学の発展にも貢献した彼らでしたが、死神と蔑まれたのもまた事実でした。

現代の日本でも死刑を執行する役目には大きなストレスがあることが知られています。シャルルの苦悩は大きく私たちに何かを訴えかけてくるでしょう。「ベルサイユのばら」とは正反対の立場から眺めるフランス革命に、たくさんのことが学べるはずです。

みんなのレビュー

18世紀、「自由と平等」を望み、現代社会の出発点となったフランス革命。その闇に生きたもう一人の主人公シャルル-アンリ・サンソン。彼は、パリで死刑執行人を務めるサンソン家四代目の当主。その過酷な運命に気高く立ち向かった“純真”を描く、歴史大河の開幕。──無料版を拝読。フランス革命を取り上げた漫画は数多いが、死刑執行人から見るフランスというのは初めて。とはいえキリスト教徒に人殺しは罪深い。名誉ある家柄とはいえ、死神とも言われる家督を継ぐには乗り越えなければならないハードルが高すぎる。

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ルードウィヒ・B

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手塚治虫の遺作であり、歴史的にも重要な音楽家だった、ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを主人公にした作品です。手塚治虫は音楽にも造詣が深く、中でもベートーヴェンが最も好きな音楽家だったそうです。

ベートーヴェンだけでなく、彼を憎む因縁の敵役フランツも登場します。この存在で一層物語に興味が湧き、ワクワクさせてくれます。

作品は彼が完全に聴力を失う前に終わっていますが、聴力を失ってから彼がどう生きたのかも読んでみたかったし、フランツとの関係もどうなったのか、今も気になっています。これはあとを引く力を持った作品です。

みんなのレビュー

また手塚の未完に行きあたった。しかも何作かある急死前に連載していたもののうち、最後に雑誌に掲載された遺作。ボリュームもある音楽もの。主人公はベートーベン。ベートーベンの名『ルードウィヒ』に因縁のある若き貴族に立ち向かい、その貴族とやっと和解できかけたところで終わってしまったのが悔やまれる。このあとの展開としては、幼い頃にこの貴族から受けた暴行が原因で時々耳が聞こえなくなるベートーベンは、完全に聴力を失ったはずで、そこまで読みたかった。ベートーベンがどう生きたかを手塚作品のなかで知りたかった。

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劇画ヒットラー

読んでみて

歴史的な人物は善悪のレッテルを貼られることが多いです。アドルフ・ヒットラーはその良い例でしょう。しかし水木しげるはヒットラーを善とも悪とも決めつけていません。だから読者は、彼がどうしてあのような行動に走ったのかを冷静に考えられます。

美術大学を目指していた彼が受験に失敗したこと、愛した女性が姪だった(しかも後に自殺している)ことなど、少しずつ人生が道をそれて行く様子がが淡々と描かれており、誰もがヒットラーになる可能性を示しているように感じられます。

自分でヒットラーを判断したい人が読むべきだと思います。

みんなのレビュー

第一次大戦・第二次大戦の勉強を始めてみたら、ヒトラーやホロコーストのことが気になったので、Amazonで評価の高かったこちらをまず読んでみました。情報量が多くて全ては理解できなかったけど、画家を目指したが美術大学に入学できなかったこと、姪のことを愛したがその姪が自殺したこと、など、そういったことまでかなり詳しく書いてありよかったと思います。

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栄光のナポレオン-エロイカ

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苦労して成し遂げたフランス革命でしたが、結局反乱が絶えず、パリの街は落ち着きを取り戻せません。国の内外から攻撃されるフランスを守るために、反乱を鎮圧していたナポレオンは自らが皇帝の座につくことを決意します。

皇帝になり、ヨーロッパの制服を目論むナポレオンから人々の心は離れ、破滅への道が始まります。

フランス革命で政治は民衆のためのものだとわかったのに、そのことはすぐに忘れられてしまったようです。この作品を読んだ方が良い人が、今もたくさんいるように感じられます。

みんなのレビュー

ベルばら後のフランスをナポレオンの興亡を通して描きます。第1巻は、1795年のヴァンデミエールの王党派暴動の鎮圧からジョゼフィーヌとの婚約まで。フーシェ、タレイラン、ベルナドット将軍といったキーマンが続々登場し、アラン、ロザリー、ベルナールといったベルばらメンバーが脇を固めます。それにしても、天才的な戦略家ナポレオンは女性を見る目は全くなく、大真面目のうぶな男(現代社会だったらストーカー的な偏愛)だったとは意外です。また、家族の幸せのためなら何でもやるというフーシェの不気味さには目が離せません。

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カンタレラ

読んでみて

15世紀末のイタリアに実在したチェーザレ・ボルジアを主人公にしたファンタジックな物語です。枢機卿(カトリック教会での教皇の最高顧問)の父と囲われていた女性の間に生まれたチェーザレ・ボルジア。

父が法王の座のために、命を悪魔に売ったため、若くして悪魔に食い尽くされる運命でしたが、チェーザレは悪魔と共存する道を見つけ生き延びます。

その後チェーザレは悪魔とともに成長しますが、この作品を読んでいると神と悪魔のどちらが人間に必要なのかと考えてしまいます。現代の道徳観など通用しない、ルネサンス時代の空気を感じられる作品です。

みんなのレビュー

歴史にその名を残す優雅なる悪魔、チェーザレ・ボルジアの華麗な生涯に、魔法などファンタジー要素を織り込んだちょっと変わった話。タイトルのカンタレラ (cantarella) はボルジア家が暗殺に用いた毒薬の名前です。実父は聖職者で、法王になるための野心から実子の魂を悪魔に売ってしまうような最低な奴。チェーザレに纏わりついている魔物の正体は?

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ヴラド・ドラクラ

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15世紀中頃、オスマン帝国とハンガリーという2つの大国に挟まれた弱小のワラキア公国(現在のルーマニア南部)に即位したヴラド3世が主人公の物語です。

彼は串刺し公と呼ばれ、吸血鬼ドラキュラのモデルとしても知られているため、この作品を怖いもの見たさで読む人もいるかもしれません。確かに残酷なシーンもありますが、注目して欲しいのは、自分の国を守ろうとして戦うヴラドの姿です。

現在、オスマン帝国に抵抗したヴラドは見直され、ルーマニアを守った英雄だと考えられています。自分よりも大きなものに向かっていく姿には、いつだってワクワクします。

みんなのレビュー

歴史物において絵が上手いのはめちゃくちゃアドバンテージだと思う。上手ければ上手いほど情緒が増す その点でヴラドドラクラは覇権取れるレベルで上手い。ただ政治モノなので大河ロマン的なのを期待してる人にはウケにくいのかも その分チェーザレみたいなのが好きな人には刺さる刺さる 串刺し公だけに

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エマ

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1890年代のイギリスでは厳格な階級社会が存在していました。その社会の中で出会ったメイドのエマと貿易商の跡取り、ウィリアムの恋の物語です。

恋愛ものですが、人々が階級に縛られていた時代についていろいろと考えさせられます。同時期の日本でも同じようなことがあったはずですが、舞台をイギリスに移すことで、落ち着いて物語を味わえるような気がします。

作品を読んでいると、現在私たちの間には階級はなくても、代わりに溝があるのだと気が付きます。現在もエマとウィリアムのように苦労をしている恋人たちがいるに違いありません。

みんなのレビュー

ヴィクトリア朝のイギリス、ロンドン。貴族と市民との間には深い深い溝がある時代。出会ってしまった貴族のウィリアム氏とメイドのエマの恋の物語。恋の物語なのに浮ついた感じがなくこれは人気が出るさね。「君の事はあまりよく知らないけど、立ってる時の雰囲気が好きだ。動き方が好きだ。ゆっくり話す話し方がいい。高すぎない声もいい。-何よりも顔が好きだ」ウィリアムの友人ハキムのような積極さがあればまた違うんだろうけどね。「英国はひとつだが中にはふたつの国が在るのだよ」父上の固さを見るといたしかたないかと思ったり。

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薔薇王の葬列

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15世紀の後半、イギリスの王朝はヨーク朝からテューダー朝に移ろうとしていました。シェークスピアの史劇をもとに、ヨーク家のリチャード3世を主人公にしたのがこの作品です。

シェークスピアの史劇で、テューダー朝の敵役のイメージが先行するようになったリチャード3世は「悪魔の子」と呼ばれることもありました。この作品では両性具有として描かれており、それが一層存在感を強め、私たちを惹きつけます。

現在、彼は兄とヨーク朝を守るために戦った正義感の強い人物として語られるようになっています。この作品でリチャード3世の真の姿を感じられるかもしれません。

みんなのレビュー

まだまだ始まり。中世イングランド。「悪魔の子」と言われるヨーク家の三男「リチャード」を両性具有の設定で描かれる、薔薇戦争時代。正に血で血を洗う戦い。母から徹底的に忌み嫌われるのがリチャードが辛い。父からの信頼は嬉しいが、リチャードとの約束で撤退しないというのもキツいところ。リチャードと引き合うヘンリー六世は、不思議ちゃん。

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マリー・アントワネットの料理人

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16世紀フランスの王妃、マリー・アントワネットのお抱え料理人に日本人がいたというのが、この作品の設定です。

料理人・磯部小次郎は、料理の腕を極めるために日本を飛び出し、マリー・アントワネットに仕えます。この作品での彼女は、堅実な存在として描かれています。

小麦粉の高騰でパンが不足するなら、低価格の小麦粉で作れるお菓子を食べようと提案した彼女は誤解されてしまいますが、作者はその真意を汲み取り、この作品に生かしたのかもしれません。

マリー・アントワネットの最後が辛いと感じる人は、この作品で心を癒やすと良いでしょう。

みんなのレビュー

『マリー・アントワネットの料理人』には日本文化万歳作品の卑小さはない。それは主人公の小次郎が日本人離れしているためである。小次郎はサムライを体現した人物として描かれるが、そのサムライは現実の日本には存在しない海外から偶像化されたサムライ像である。小次郎の料理が当時のヨーロッパの料理水準よりも優れていたとしても、それは小次郎個人の才覚である。自民族中心主義の偏狭さなく楽しめる作品である。

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狼の口~ヴォルフスムント~

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現在のスイス、アルプス山脈でドイツとイタリアを最短距離で結ぶ峠は、交易のために大切な場所でした。しかし、14世紀始め、オーストリアのハプスブルク家によって狼の口と呼ばれる関所が作られ、密行する者は残虐に処刑されます。

これに近隣の闘士たちが集結、英雄ヴィルヘルム・テルの息子をリーダーに反乱を起こし、おびただしい血が流れます。一度は退けられたハプスブルク家ですが、その後200年に渡り、スイスを諦めなかったといいます。

読むのが辛くなるシーンも多いですが、交通の要となる小さな国の辛さや覚悟の歴史が伝わってくる作品です。

みんなのレビュー

素晴らしい漫画を読んだ。ヴォルフラムが死んだ以降はエピローグ風に始まった割に長く、蛇足かと思ったが読み終えてみると必要な要素であったと思う。スイスにはあまり興味が無かったが一気に興味が湧いてきた。歴史を題材にする漫画はこう言う風に知識欲を掻き立てるモノであって欲しい。そう言った意味でも素晴らしい漫画だった。野暮かもしれないが白土三平、カムイ伝の匂いを感じた。

読書メーター

まとめ

いかがでしたか?読みたい漫画は見つかったでしょうか?

今回紹介した漫画は世の中に出ている歴史漫画のごく一部ですが、それでもどれも間違いなく面白い漫画ばかりになっているかと思います。

是非気になる漫画を手にしてみてください。

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