生命の進化とは、かくも興味深いもの。その神秘に思いを馳せ、生物のロマンにどっぷりと浸りたい…。
…と思うのですが、進化の歴史を理解するには、生物学のあらゆる分野が関わるばかりか、地学・地質学や環境学、そのほか膨大な知識が必要です。
今回、簡単にではありますが、我々人類までつながる生物進化の歴史を振り返ってみました。
生命・生物の進化、その壮大な歴史に触れる足がかりとなれば幸いです。
生物史における前提知識
生物の進化は「弱肉強食」というよりも「適者生存」
「自然界は弱肉強食」という言葉を耳にする機会もあるかもしれません。これは、おおむね正しいですが進化においては正しい解釈ではありません。
強い肉食動物であるライオンが、草食動物のシマウマを倒して食べる。それ自体は「弱肉強食」と呼べるでしょう。
ですがシマウマのほうが繁殖力が高く、個体数が多いのです。種として「繁栄している」のはどちらでしょうか。
生態学には「バイオマス」という考え方があります。これは、特定の地域に生息する生物の総量を指す言葉。
先ほどのライオンとシマウマの例では「個体数」を考えましたが、こちらでは「重量の総合計」を考えます。すべてのライオンの重量合計と、すべてのシマウマの重量合計を比較したとき、シマウマのほうが大きくなります。
つまり、「弱いから食べられる」「小さいから繁栄していない」という考え方は、生命の一側面を見ているにすぎません。
環境に適応し、個体数をいかに増やせたか。それが、一種の「繁栄の指標」となっているのです。
大量絶滅と適応放散
生物種が多様になった古生代(カンブリア紀)以降、おおむね5回の大量絶滅があったといわれています。これらを指して「ビッグファイブ」と呼ぶこともあります。
有名なものが、恐竜絶滅の引き金となった隕石衝突と火山活動の活発化による白亜紀末期の大量絶滅。
ですがその有名な大量絶滅ですら、史上最大の絶滅ではありません。過去最大の大量絶滅はペルム紀末期のもので、全生命の95%以上が死滅、生物種の90%以上が絶滅したといわれています。
そして、大量絶滅には必ず「絶滅後の適応放散」がセットになっています。
大型の捕食者、小型の草食獣、穴を掘って地下で生活…といった「生物学的地位」のことを、ニッチと呼びます。大量絶滅があると、ニッチが大量に空くのです。
例えば、すでに「大型の肉食動物」という明確なニッチをもった生物種がいる場合、後から進化して該当のニッチを狙うのは難しいでしょう。既存の生物種が生物学的なライバルとなるためです。
ですが、空位となったニッチであれば、早い者勝ちで奪い取ることができます。
大量絶滅の直後には、まるでニッチのイス取りゲームのような、多様な進化(適応放散)がセットでやってくるのです。
「爆発的変化」か「ゆるやかな変化」か
進化を議論する際に問題となるのが、一気に劇的な変化が起こるのか、それとも小さな蓄積が積み重なった結果なのか、という点。
膨大な記述となってしまうので、簡単に現在主流となっている考え方だけ説明します。
それが、「外見は大きな変化が起こるが、遺伝子的な変化はゆるやかに蓄積されている」というもの。
例えば、爆発的な進化の例として挙げられることが多い「カンブリア爆発」。それ以前のエディアカラ動物群は、幅広いマットのような軟体動物が何種類も存在しているだけで、多様な形態をもっているようには見えませんでした。
それがカンブリア紀になると、奇妙な長い口があったり、トゲトゲした身体をもっていたり、変化に富む「カンブリアンモンスター」が大量に発生します。まるで、進化の爆発が起こったかのようです。
ですが遺伝子を解析する分子生物学・分子遺伝学によると、カンブリア爆発の3億年ほど前から、遺伝子の多様性は徐々に増えていたというのです。
DNAは、ただの塩基配列にすぎません。それに意味をもたせ、形質として発現させる情報のことを「遺伝子」と呼びます。そして遺伝子の発現には何らかのスイッチがあり、「その遺伝子を持っているが、形質として発現しない/する」といったことが起こりえます。
このように、「発現はしないが、所持している遺伝子」が徐々に蓄積され、大量絶滅や環境変化などのきっかけで爆発的に表面化することがあります。
遺伝子的に見れば進化はゆるやかに起こっており、形態的に見れば進化は爆発的に起こっているように見える、というわけです。
全球凍結による太古の大量絶滅
全球凍結(スノーボールアース)とは、地球の表面すべてが氷に覆われてしまう、という現象です。
かつては、地表すべてが氷に覆われると、アルベド(=地表の反射率)が高くなり太陽光を反射してしまうので、一度全球凍結したら二度と氷が解けないのでは、と言われていました。そして、そのような環境では、生物は生きられないのではないかと考えられていたのです。
現在では、温室効果ガスや地殻の活動、火山噴火などによって、全球凍結後も再び氷が溶け出すと考えられるようになりました。
特に、全球凍結の解凍には温室効果ガスが深く関わっていると考えられています。
温室効果ガスの一つである二酸化炭素の多くを、「液体」である海洋が吸収しています。海洋が全球凍結によって固体になると、火山活動で噴出した二酸化炭素を吸収してくれるモノがいないため、急激に大気中の二酸化炭素の濃度が上昇するのです。
また海底火山付近など、わずかに残った凍らない場所で生命が生き残っていれば、それらによってその後の適応放散が起こるため、全球凍結しても生物は死に絶えないと考えられるようになりました。
全球凍結は古生代以降は起こっていないようですが、それ以前にはたびたび発生し、「ビッグファイブ以前の大量絶滅」を主導していたようです。
生物進化の略歴年表
上記を踏まえたうえで、人類に至るまでの生物進化の歴史と、注目すべき出来事を年表に沿って見ていきましょう。
最初の生命が誕生。
多細胞生物が出現し、複雑な器官をもつ生物が生まれ始めました。
我々、人類の直接的な祖先にあたる最初の脊椎動物、魚類が誕生。
植物が地上に上陸。地上の酸素濃度を増加させました。
魚類から両生類が誕生。
両生類より進化し、爬虫類の祖先にあたる有羊膜類が生まれました。
現在発見されているなかで最古の哺乳類、「アデロバシレウス」が生息していた時代です。
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。全生物の95%以上が死滅し、生物種も90%以上が絶滅したとされる、観測史上最大の絶滅です。
双弓類から進化した恐竜が生まれました。
人類の祖先にあたる、最古の霊長類が出現しました。
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。「ビッグファイブ」の最後とされています。
恐竜は地上の支配から下ろされ、以降は哺乳類の時代へ移行していきます。
人類の祖先にあたる、最古の類人猿が出現。
ホモ・サピエンス(我々。現在の人類)が出現。
生物進化の具体年表
約138億年前「宇宙誕生」
なんらかの原因により、我々の住む宇宙が誕生します。ビッグバン理論やインフレーション理論で説明されるものの、詳しくは解明されていません。
約46億年前年「地球を含む太陽系の誕生」
宇宙を漂う物質が重力によって一点に集まり、太陽が誕生する。ほかのものは惑星や惑星の衛星、小惑星となった。
約40億年前「最初の生命が誕生」
最初の生命が誕生。その後、それらはバクテリア(真正細菌)や古細菌へと進化しました。
当時の地球は大気に硫酸が含まれているなど、現在の我々にとっては毒物である硫化物がそこかしこに存在する環境でした。
酸性の大気を通って降り注ぐ雨は強烈な酸性雨で、その雨が流れ込む海洋の酸性度も高かったと考えられています。
約32億年前「光合成する生物の誕生」
二酸化炭素と太陽光を使って代謝し、老廃物として酸素を発生させる「光合成」を行う藍藻(シアノバクテリア)が誕生しました。
海洋の酸性度がある程度落ち着いたことで、大気中の二酸化炭素の多くが海洋に吸収されるようになっていました。周囲にあふれる二酸化炭素と、無尽蔵に照らされる太陽光から化学エネルギーを取り出せる光合成は、大変有用な生化学反応でした。
27億年前「酸素の供給量が増える」
シアノバクテリアが大量に発生し、酸素の供給が劇的に増えます。酸素は他の物質との反応性が高く、生物の身体を侵食するため、本来は有害な「毒物」なのです。
すぐに他の物質と反応してしまうため、本来「酸素」は単体ではあまり高い濃度で存在することはできません。ですがこの時期は、シアノバクテリアの大量発生によって、酸素濃度が異例なほど急激に上昇していきました。
22億年前「全球凍結(スノーボール・アース)」
長く続く氷河期により、地球全体が凍りつく全球凍結(スノーボール・アース)に。以降も度々発生しています。
全球凍結による遺伝的な分断と閉じられた環境による変化、その解除による異なる遺伝子の混ざり合いが、進化の多様性を広げていきました。
約20億年前「大気中の酸素濃度の増加」
光合成生物によって酸素が過剰供給され、大気中の酸素濃度が増加します。
そして紫外線と酸素が反応してオゾンが生成されました。大量に生み出されたオゾンが成層圏まで押し上げられ、オゾン層ができます。
それまで太陽光に含まれる有害な紫外線は何物にも遮られず地表まで降り注いでいましたが、オゾン層が紫外線を遮る笠の役割を果たすようになります。
酸素の供給とオゾン層の笠により、生命が地上進出する環境が整っていきます。しかし、まだこの時点で陸上に生命は進出していません。
約10億年前「多細胞生物の出現」
多細胞生物が出現し、複雑な器官をもつ生物が生まれ始めました。
アメーバのような包み込むタイプの捕食ではなく、明確な「口」による捕食が行われるようになります。これにより、食べる側と食べられる側の関係が生まれました。
しかし事態はそれだけに留まりません。
食べられないように守る・戦う・逃げるといった手段を発達させたモノは生き延び、そうでないモノは食べられるようになりました。また、食べられないように創意工夫を凝らす被食者たちを捕食できなかった食べる側の生き物たちも、餓えて滅びました。
捕食器官「口」の獲得により、進化と淘汰が加速しました。
約6億年前「エディアカラ生物群の隆盛」
1メートル以上にもなる、大型の軟体動物を中心とした独特の生物群が隆盛しました。彼らの容姿は「マット」「絨毯」とも形容され、エディアカラ生物群と呼ばれています。
一見すると、大きさや形が異なるだけ「マット」を並べたような、変化に乏しい時代だったように感じます。ですが遺伝子の多様性は着実に蓄積されていました。
約5億4200万年前「古生代:カンブリア紀が始まる」
これ以前は「先カンブリア時代」とも呼ばれ、生物種はそれほど多様化していませんでした。これ以降、一気に生物の多様化が広がります。
約5億4200万年前~5億3000万年前「カンブリア爆発」
カンブリア爆発とよばれる進化の多様化が起こります。動物界における、ほとんどの「門」がここで出揃いました。分類学上の「門」はかなり基本的な、大きなくくりです。
例えば、我々人間と魚は、見た目も身体構造も異なります。ですが「門」としては、「脊索動物門」として「同じ門の仲間」なのです。
ですが、「軟体動物」や「節足動物」ほどに違っていれば、「別の門」となります。逆に言えば、それほどの大きな違いを内包できるほど「門」は根源的なくくりなのです。
その「門」が大量に出現するというのは、生物進化の歴史において大事件でした。また、多数の門が生まれましたが、生き残れず現代までに絶滅してしまった門も多くあります。
カンブリアモンスターやバージェス動物群などと呼ばれる、現代の感覚では奇怪に見えてしまうような生物が多数生まれました。
有名なアノマロカリスやオバピニア、上下逆さに復元されてしまうほど奇妙な形をしていたハルキゲニア、生態も不明な点が多いことから「謎めいた歯」と呼ばれるオドントグリフスなどがその代表です。
約4億8830万年前「古生代:オルドビス紀が始まる」
現生のオウムガイの仲間である軟体動物や三葉虫などが栄えました。特に三葉虫は繁栄しており、形も大きさも異なるさまざまな種が生まれ、水底を埋め尽くしていました。
約4億600万年前「魚類の誕生」
我々、人類の直接的な祖先にあたる最初の脊椎動物、魚類が誕生。
かつては「ピカイア」が人類の祖先ではないかと言われたこともありましたが、現在は疑問視されています。
約4億4000万~4億3000万年前頃「オルドビス紀末期の大量絶滅」
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。
詳しい原因は不明ですが、海面の急激な低下と上昇が起こったのではないかと予測されています。
未だ、生物は陸上へ進出していません。海面の変化は、全生物の生活圏を脅かす激変でした。
約4億4370万年前「古生代:シルル紀が始まる」
本格的な生物の陸上進出が始まります。初めての陸上進出は、植物であったという説も、海岸で生活し浅瀬と陸地を行き来していた動物であったという説もあります。
約4億2000万年前「植物が地上へ進出」
植物が地上に上陸。未だ大気に満ちる高濃度の二酸化炭素を使って光合成し、地上の酸素濃度を増加させました。
約4億年前頃「節足動物の上陸、昆虫の出現」
節足動物が地上へ進出。「昆虫」の出現もこの頃です。植物が地上の酸素濃度を上げたことで、動物たちは、海洋の酸素に頼ることなく定常的に陸上で生活することが可能となっていました。
約4億年前~3億6000万年頃「両生類の誕生」
魚類から両生類が誕生。肺の獲得によって、脊椎動物が陸上へ進出できるようになりました。
ですが乾燥に弱く、常に水辺や湿気を必要としていました。
約3億6000万年前「デボン紀後期の大量絶滅」
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。
詳しい原因は不明ですが、寒冷化と海洋無酸素などの劇的な環境変化が複数回発生したと考えられています。
約3億5920万年前「古生代:石炭紀が始まる」
我々が燃料として使う「石炭」のもととなった、大森林が生まれました。
当時は倒れた樹木を分解する微生物が存在していなかったため、分解されない「木」のままで堆積し、長い年月をかけて「石炭」となりました。
この時代区分を「石炭紀」と呼ぶのも、石炭が大量に産出することが由来です。
約3億年前「昆虫の隆盛と節足動物の巨大化」
昆虫を中心に節足動物が巨大化。地上に拡大していきます。
翅を広げると70センチメートルにもなる巨大なトンボ「メガネウラ」や、2メートルにもなる巨大ムカデ「アースロプレウラ」などが有名です。
この時代の濃い酸素濃度は、肺ではなく気門によって呼吸する節足動物にとって、繁栄するための必須条件でもありました。
約3億年前「爬虫類の出現」
両生類より進化し、爬虫類の祖先にあたる有羊膜類が生まれました。彼らは、ウロコで覆われた皮膚と硬い殻で覆われた卵を産むことで、両生類よりも乾燥に強いという特徴があります。
これらは2グループに分岐します。片方が竜弓類という現生の爬虫類や鳥類につながるグループ、もう片方が単弓類という我々哺乳類につながるグループです。
その特徴から、単弓類は「哺乳類型爬虫類」と呼称されていた時期もありました。
約2億9900万年前「古生代:ぺルム紀が始まる」
古生代の最後の時代、ペルム紀が始まります。
恐竜や鳥類・現生爬虫類の祖先となる双弓類や、哺乳類の祖先である単弓類が繁栄し、大型化していきました。
この時代は、単弓類(古い呼び方で、哺乳類型爬虫類)の大繁栄時代でもあります。
約2億2500万年前「最古の哺乳類が誕生」
現在発見されているなかで最古の哺乳類、「アデロバシレウス」が生息していた時代です。哺乳類でありながら、まだ卵生だったと考えられています。
哺乳類でありながら卵生であるという特徴は、現生するハリモグラやカモノハシなどに残されています。
約2億5000万年前「ぺルム紀末期の大量絶滅」
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。
全生物の95%以上が死滅し、生物種も90%以上が絶滅したとされる、観測史上最大の絶滅です。
詳しい原因は不明。史上最大の火山活動によって大規模な気候変動と環境変化が引き起こされたことが原因ではないか、とする仮説があります。
約2億5000万年前「パンゲア大陸の出現」
大陸移動により、すべての大陸が一つにつながったパンゲア大陸が出現しました。
あまりに巨大すぎるため、沿岸部の湿った大気のほとんどが大陸中心部に到達する途中で雨となりました。これにより、大陸中心部は深刻な砂漠化が起こったと考えられています。
約2億5000万年前「中生代:三畳紀」
ペルム紀末期の大量絶滅によって空位になったニッチを埋めるかのように、生物の進化が活発となりました。
約2億5000万年前~2億3000万年前「恐竜の誕生」
双弓類から進化した恐竜が生まれました。大型化しながらも勢力を減らしていった単弓類の空位を埋めるように、恐竜も大型化が始まります。
約2億2000万年前「三畳紀末期の大量絶滅」
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。
火山活動や隕石などが原因ではないかとされています。卵を生むことで乾燥に強くなった、恐竜などが生き残りました。
約2億年前「酸素濃度の低下」
この時代の地球は酸素濃度10%程度の低酸素状態でした。前の時代であるペルム紀の酸素濃度は約30%で、現代は約20%程度です。
恐竜は気嚢という器官をもっており低酸素状態に強く、逆に単弓類は低酸素状態に弱かったため、以降恐竜の隆盛が興ります。
約1億9960億年前「中生代:ジュラ紀が始まる」
三畳紀末期の大量絶滅を受け、生物の進化が活発になりました。
恐竜はさらに大型化。魚竜や翼竜も栄えました。史上最大規模の体長を誇ると考えられる、竜脚類(いわゆるカミナリ竜)もこの時代に生まれています。
約1億5000万年前「始祖鳥の誕生、あるいは鳥類の祖先の誕生」
始祖鳥は、現在では鳥類の直接の祖先であるとは考えられていません。
ただし、始祖鳥の近縁種が鳥類の祖先であることは間違いないと考えられています。
一方で、「鳥類」の分類学上の位置付けは未だに論争の的であり「どこからを鳥類とするのか。いつを鳥類誕生とするのか」は諸説あります。
約1億4500万年前「中生代:白亜紀が始まる」
中生代の最後の時代、白亜紀が始ました。恐竜が最盛期を迎えます。
もっとも有名な恐竜の一種、ティラノサウルスやトリケラトプスも白亜紀に生まれています。
温暖、湿潤なジュラ紀から気候が変化し、気温の低下や乾燥が起こり始めた地域もあったようです。そしてその環境変化に適応するように恐竜たちは、ジュラ紀の大型化傾向とは、また異なる進化の道を辿ります。
約1億4000万年前頃「被子植物が勢力を増す」
それまで主流であった裸子植物から、少しずつ被子植物が勢力を増やしてきます。
現代の我々が良く知る森や草原は、この時期に被子植物が登場するまで存在していませんでした。
植生の変化も、その後の生物の進化に多大な影響を与えています。被子植物の登場は、生物進化の歴史において大きな意味をもっているのです。
約6550万年前「最古の霊長類の出現」
人類の祖先にあたる、最古の霊長類が出現しました。
約6550万年前「白亜紀末期の大量絶滅」
「ビッグファイブ」の一つに数えられる大量絶滅が発生。現状で知られている「ビッグファイブ」の最後とされています。
隕石落下による環境の劇的な変化が原因であるとする説が有力です。
隕石落下と続く寒冷化によって、恐竜は地上の支配から下ろされ、以降は哺乳類の時代へ移行していきます。
なお、その後も寒冷地に適応した恐竜がしばらく生き延びていました。
約6600万年前「新生代:古第三紀が始まる」
中生代は終わり、新生代がはじまります。恐竜のニッチを奪うように、哺乳類と魚類が適応放散します。また、白亜紀の時点ですでに空の覇者となっていた鳥類は、さらに多様性のある進化を始めました。
なお、古第三紀はさらに暁新世、始新世、漸新世にわけられます。
暁新世ころまでは、大量絶滅を生き延びた恐竜が生息していたのではないか、と示唆される研究もあります。
約2500万年前「最古の類人猿の出現」
人類の祖先にあたる、最古の類人猿が出現。
約2303万年前「新生代:新第三紀が始まる」
新第三紀はさらに中新世、鮮新世にわけられます。現代につながる多くの動物が出現しており、鮮新世にはほとんどが出そろっています。
約700万年前「猿人の出現」
ヒトとチンパンジーが分岐。我々の祖先となる猿人が出現します。
約258万8000年前「新生代:第四紀が始まる」
第四紀はさらに更新世、完新世にわけられます。そしてこの時代はそのまま、我々の生きる時代区分でもあります。
我々が生きる現代は、地質学的には「新生代:第四紀・完新世」に分類されています。
約20万年前~19万年前「人類の出現」
ホモ・サピエンス(我々。現在の人類)が出現。
実は我々人類は、出現当時からそれほど身体的な変化はしていません。文化や知識の蓄積が、ヒトとサルとを隔てているのです。
以降は、「人類の歴史」となってくるので割愛します。
生物進化の魅力
1.「生命の神秘」に触れられるロマンがある
「恐竜」と聞いただけでワクワクしてしまうような方にとっては、「生物進化のなにが魅力的なのか」を語ることは、野暮なことかもしれません。ですがあえて言葉にするなら「生命の神秘に触れられること」ではないでしょうか。
2メートルもある節足動物、初めて陸上に上がった魚、地上を闊歩する大型恐竜の群れ。生物の進化には、想像もつかないような不思議なことがたくさんあります。
1ミリに満たない昆虫も、30メートル級のクジラも、もとは同じ「最初の生物」から進化してきた同じ「生命」。そんな不思議やロマンに触れる瞬間に、そして生命が描いてきた足跡を感じるたびに、私たちは心が高鳴るのではないでしょうか。
2.我々の生きる「現在」につながっている
恐ろしい肉食恐竜も、史上最大の大きさを誇ったサメも、ケナガマンモスも、リョコウバトも、すでに絶滅しているため見ることはできません。ですが、彼らはたしかに存在していたのです。
そして彼らは、未知の惑星や異世界ではなく、私たちが生活しているこの地球で生きていました。互いに影響しあい、存在したり、存在しなくなったりしてきたのです。
奇妙で不思議にも思える生き物が、まったくの他人ではなく、我々の良く知る隣人として存在していた。そんな「実在感」や、私たちとの意外なつながりも生物進化を知ることの魅力の一つだと思います。
まとめ
私は現在、ライターという文系寄りの仕事に就いています。ですが実は、大学では生物系を専攻していました。
そのため、生物の進化史には大変興味がありました。調べれば調べるほど生命と進化は奥が深く、今回は表面をなぞる程度の紹介しかできなかったことを悔しく思います。
ですが、生物の進化を考えるうえで肝となる部分はお伝えできはず。
これを機に、あなたが生物の進化に興味をもってくれたら、大変うれしく思います。そして面白いと感じたら、ぜひもっと深く・詳しく学んでみてください。
お
お前だれ
ぱいおまんくり
とてもすばらしいのせつめいです! がんばてください!
生物の歴史とてもおもしろい^・^
キモ
学校の授業で役立った
あざーす
あざーすじゃなくてありがとうこざいますだろ敬語を使えや
どのように役立った?