「最近よく目にする知念実希人の小説ってどれから読めばいいんだろう・・・?」
「どの作品もおもしろそうで選べない・・・」
2018年から3年連続で本屋大賞にノミネートされ、多くの人気作を世に送り出してきた知念実希人。
Amazonで評価を見ても、どれも高評価でどの本から読むか迷ってしまいませんか?
そこで今回は読書好きな筆者が本屋大賞ノミネート作品から、シリーズ作品、短編集まで厳選した6冊を紹介します。
ムゲンのi
読んでみて
2020年本屋大賞ノミネート作品です。眠りから目が覚めず、昏睡状態が続く奇病「イレス」の患者を受け持つ愛衣が主人公。祖母との会話から自分に秘められた能力に気づき、患者の夢の世界に相棒ククルとともに挑みます。
医療がベースになっていますが、ファンタジーでありながら、ミステリーでもあるという一風変わった作品です。上下巻に分かれていますが、それが気にならないくらい夢中になり、気がついたときには読み終えてしまいました。
物語の最後には、あなたも「ムゲンのi」というタイトルに込められた意味が分かるはずです。
みんなのレビュー
ひとつむぎの手
読んでみて
2019年本屋大賞ノミネート作品です。心臓血管外科医である平良が3人の研修医を指導する中で巻き起こるヒューマンドラマと、院内に出回る怪文書の謎を追うミステリー。
過酷な労働環境にありながら、平良の患者一人ひとりに真摯に向き合う姿勢を見て、研修医たちから尊敬されてく描写には胸が熱くなるものがあります。主人公の平良が天才ではなく、普通の人であることも親近感がわき、最後に研修医たちが平良にかける言葉には感動しました。
読めば心がじんわり温かくなる作品です。
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崩れる脳を抱きしめて
読んでみて
2018年本屋大賞ノミネート作品です。研修医の碓永が実習先の病院で脳腫瘍を患ったユカリと出会います。2人は互いに惹かれあっていきますが、ユカリは病気のことがあり、碓永を受け入れようとはしません。そんな2人のほろ苦い恋愛小説です。
ミステリーの要素も含まれており、散りばめられた伏線が後半になって回収されていく怒涛の展開には驚かされました。そして、まさかのどんでん返しと最後まで目が離せません。
読み終わってからもう一度読み返したくなるそんな作品です。
みんなのレビュー
天久鷹央の推理カルテ
読んでみて
知念実希人の代表作の一つである天久鷹央シリーズの第1巻です。統括診断部部長を務める女医の天久鷹央と彼女をサポートする小鳥遊の2人の物語。天久の天才的な頭脳と診断力で、統括診断部に持ち込まれる謎の症状を次々に解き明かします。
主人公2人のキャラが魅力的で、専門的な言葉も少ないため、かなり読みやすく、初めて医療系の小説を読む人や知念実希人の作品を読むという人におすすめの1冊です。
読めばきっと、2巻、3巻と読み進める手が止まらないこと間違いなしです。
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仮面病棟
読んでみて
外科医の速水が先輩の代わりに当直をしていたところ、病院にピエロの覆面を被った強盗が人質を連れて立てこもってしまいます。クローズドサークルとなった病院内で、徐々に明らかとなる病院の秘密と犯人の目的。そして結末は誰にも予想できない衝撃の真実を迎えます。
一晩という短い時間の中で繰り広げられる怒涛の展開には、息をつく暇もなく、最後まで一気読みしてしまいました。ハラハラドキドキすること間違いなしの医療サスペンスとなっています。
この本をおもしろいと思った人は、続編にあたる「時限病棟」もおすすめです。
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十字架のカルテ
読んでみて
精神鑑定医の影山と親友を殺されたことをきっかけにその道を志した弓削の2人が、精神鑑定という立場から事件の容疑者を診るストーリー。5つの短編が収録された連作短編集で、精神鑑定という難しいテーマの中で、心の闇を暴くミステリーとなっています。
心神喪失のため不起訴とニュースになることもありますが、その裏側で詐病かどうか精神鑑定医がどのような努力をしているのかが描かれ、今までにない視点で非常に興味深い作品でした。その人の心を見極めるために、真剣に向き合う影山と少しずつ成長していく弓削の姿には、2人を思わず応援したくなります。
短編集ということもあり、非常に読みやすい作品となっています。
みんなのレビュー
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は知念実希人の作品の中から特におすすめの作品を6冊紹介させていただきました。
知念実希人が現役医師であることもあり、医療をベースにした作品が特徴です。しかし、ただ医療だけで終わるのではなく、医療×恋愛、医療×ミステリー、医療×ファンタジーと引き出しの多さには驚かされます。
また、「仮面病棟」は2020年3月に坂口健太郎主演で映画化もされるほどの人気作で、映画も臨場感あふれる作品で素晴らしかったです。
知念実希人の作品はどの作品も面白く選ぶことが難しいですが、気になった本を一度手に取って、読んでみていただければ幸いです。