「漢字の成り立ちについて詳しく知るには、どんな本を読めばいいんだろう」
「子どもが漢字の成り立ちを知りたがっているけれど、簡単に学べる本はどれかな」
漢字に興味を持ったとき、漢字全体の意味や部首一つ一つが持っている役割を知りたくなりますよね。漢字の成り立ちについて学べば、どうして我々はこんな形の文字を使っているのか、その意味をより深く理解することができるでしょう。
この記事では、様々な視点で文字の歴史について学んできた筆者が、漢字の成り立ちの本を探している方へおすすめのものを紹介します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:漢字の成り立ち 『説文解字』から最先端の研究まで
読んでみて
こちらの本は、漢字の成り立ちに関する過去の研究論文を掘り下げ、最新の研究と比較して解説しています。漢字ひとつひとつの成り立ちだけでなく、歴史や文明の中での文字の役割といった分野まで詳しく知りたい方へおすすめの一冊です。
学術的で非常に濃い内容ですが、漢字の成り立ちの基本である「象形文字」「会意文字」などの説明もしっかりとあり、専門的な知識がなくても読みやすいものとなっています。
みんなのレビュー
漢字の成り立ち: 『説文解字』から最先端の研究まで (筑摩選書) 落合 淳思 https://t.co/itWxrTGBHh
漢字の字源研究は部外者には重箱の隅つつき的に思えて今まで目をそらしてきたのですが、これは面白い。白川静らの研究の欠陥をどんどん上げていって「最新研究が30年停滞している」と喝破。
— uroak_miku (@Uroak_Miku) November 23, 2018
6位:絵で読む漢字のなりたち
読んでみて
こちらの本の最も特徴的な点は、視覚を通して伝わってくる強烈なインパクト。カテゴリ別に漢字を取り上げ、それぞれの成り立ちにまつわる少々ショッキングな歴史的エピソードを学べます。
目で見て分かる図解付きなので、多少難解な内容でもすっと頭に入ってきますよ。漢字一つ一つの持つ物語や部首の持つ意味に興味がある方は、きっとこの本に夢中になります。
みんなのレビュー
金子都美絵『絵で読む漢字のなりたち』読中。漢字を使う我々は絶対読んだ方がいい一冊。というか、絵を鑑賞してほしい。一目でわかる成立本。面白いよ。 pic.twitter.com/SxNC7004VN
— とんと (@tonto5656) May 26, 2019
5位:図説 漢字の成り立ち事典
読んでみて
こちらは、膨大な量の文字の成り立ちが一つ一つ図解されている本です。とにかく取り上げている漢字の量が豊富で、辞典のような感覚で使えます。
「山」「川」といった漢字の成り立ちなど、目で見てすぐに文字の形を理解することができる内容がメインです。小中学生の教科書に載っているような知識をおさらいしたい大人にも、ぴったりの一冊ですよ。
みんなのレビュー
無し
4位:白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい
読んでみて
こちらの本は、文字の成り立ちの第一人者である白川静さんの見解を、イラストを用いて分かりやすく書いたものです。漢字の成り立ちに関する意外な知識が、たくさんの驚きや納得をもたらしてくれます。
身近で簡単な漢字を深く掘り下げているため、分かりやすく面白く、しかし詳しく学びたいという方へおすすめ。大人だけでなく子どもも一緒に楽しめる難易度なので、安心して読み進められますよ。
みんなのレビュー
小山鉄郎著、白川静監修『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』
これを紹介せずして私が大学に通うことなどできましょうか。著者が白川静先生に直接取材して作り上げられた今作。挿絵入りで非常に楽しい!複雑で難しそうに見える漢字の世界には一体何が隠されているのか。覗いてみませんか!?— おきゅーん (@ithijosei) June 30, 2010
3位:白川静博士の漢字の世界へ
読んでみて
こちらは、小学校で習う漢字一つ一つの成り立ちが解説された本。文字の成り立ちの第一人者、白川静さんの独特の言い回しをそのまま採用し、子どもたちの漢字教育を充実させる目的で書かれました。
実際に福井県の小学校では教材として使用されており、子どもたちの漢字への学習意欲が高まったというデータが存在しています。子どもに楽しく漢字を勉強させたい場合や、簡単な漢字の成り立ちを手軽に知りたい大人に向いている本です。
みんなのレビュー
平凡社の 『白川静博士の漢字の世界へ』 が中々面白い。福井県ではこれを教材にしてるらしいけど、確かに漢字好きなるかもなぁ…という内容です。白川漢字への入門書としても使える、ホントぱらっと見るだけでも楽しい仕上がりです。山川教科書みたいに流行らないかな。
— 四向居(ALI) (@shimukai) March 7, 2011
2位:白川静文字学に学ぶ 漢字なりたちブック
読んでみて
小学生が学校で習う漢字の成り立ちを、学年別に分けてまとめている本書。読み方や画数、用例などを網羅しており、漢字辞典としても使えます。
小学生が読むことを前提としているため、イラストや説明文がとにかく分かりやすいです。大人はもちろんのこと、子どもの漢字への興味関心を育てたいなら、このシリーズを買っておけばまず間違いありません。
みんなのレビュー
『白川静文字学に学ぶ 漢字なりたちブック』
漢字に秘められたもともとの意味を、「絵+古代文字+なりたち」でわかりやすく解説されています。
私自身も新たに知ることもあり、興味深いです。太郎次郎エディタスから出版された佐藤学、里見実、遠山啓などの教育学の本を読んできました。 pic.twitter.com/HimZzL6xTL
— 山下洋輔(柏市長候補2021/無所属/元教員/柏まちなかカレッジ学長) (@yosukeyama) August 4, 2021
1位:漢字なりたち図鑑 形から起源・由来を読み解く
読んでみて
この図鑑は、小学生が学校で習う漢字に加えて、日常生活でよく目にする常用漢字1223字の成り立ちを収録しています。漢字の量も多い上に、図鑑なのでイラストによる解説が分かりやすく、成り立ちにまつわるエピソードもしっかりと掲載。
また、漢字を「動物」「体」「仕事」といったテーマに沿ってまとめており、ぱらぱらとめくるだけでも感覚的に意味が分かりやすいです。初めて漢字の成り立ちを勉強する人から、あらゆる漢字の成り立ち一覧が欲しい人まで、大人も子どもも楽しく学ぶことができますよ。
みんなのレビュー
漢字なりたち図鑑: http://t.co/Kyfuy6gMZ7 この本素敵すぎっ!!!(*’ω’*)かわいい!漢字かわいい!!
— さとる (@3t06) April 12, 2015
まとめ
この記事でおすすめした本はすべて、次の3点を満たしています。
- 漢字の成り立ちについて楽しく学ぶことができる
- 大人が読んでも十分に面白い
- 初心者にもやさしい
文字の成り立ちや歴史、意味を知ると、普段何気なく使っていた言葉に意識が向くようになります。今までできなかった漢字の読み書きもぐっと得意になり、文章の作成やコミュニケーションの上達にも繋がるでしょう。
ぜひ自分に合った解説本を手に取り、漢字の奥深さと面白さを堪能してくださいね。