犯罪には色々なものがありますが、その中でも「美人局(つつもたせ)」という手口は昔からある手段といえます。しかし現在はネットの普及に伴い、美人局の手口も広がってきているようです。
そこでこの記事では、最近起きた美人局事件を、有名人が騙された事件も含めて10選紹介していきます。
この記事を書いた人
フリーランスライター
フリーランスライター、高田里美(たかださとみ)。大学は日本語・日本文学科を専攻。同時にドイツ史に興味を持ち、語学学校に通いながら研究に励む。ドイツ史研究歴は約20年で、過去に読んだヨーロッパ史の専門書は100冊以上。日本語教師、会社員を経て結婚し、現在は歴史研究を続けながらWebライターとして活躍中。
そもそも美人局とは?
そもそも「美人局(つつもたせ)」とは、男女が共謀して恐喝または詐欺を行う行為をいいます。一般的には夫婦で行うことが多く、妻に「カモ」になる男性を誘惑させ姦通し、行為の最中や終わった後に夫が現れて因縁をつけ金品を奪う行為をいいます。
典型的な美人局の手口は?
現在における美人局の手口は主に以下のようなものが挙げられます。
- 出会い系などのSNSで知り合った女性から部屋に誘われ、衣服を脱ぎ行為を行おうとしたところで女の仲間の男が登場して脅す
- 呼び出されてラブホテルなどに入るところを写真で撮られ、後日脅しの材料にされてしまう
- SNS等で知り合った女性と待ち合わせしているところを、仲間の男が待っており金品を奪われる
恐喝された時に加害者が18歳未満であった場合は、淫行条例・児童福祉法・児童買春・児童ポルノ法などの法律に触れる可能性があります。そのため被害者は被害にあっても被害届や告訴状を出すこともせずに、そのまま泣き寝入りすることが多いのです。
また現在はいわゆる「おやじ狩り」と呼ばれる未成年たちが仕掛ける事案も報告されており、何かおかしい、女性が積極的に性行為を求めてくるときは注意が必要です。
美人局に合った場合の対処法
まず一番良いのは、美人局事件に巻き込まれないようにするのが一番良い方法です。しかし万一、美人局に巻き込まれてしまった場合は、何よりも弁護士・警察に相談するのが一番です。一度恐喝が成功すると、何度も何度も脅され続けてしまう結果となります。
万一被害者側の方にも法に触れる不安がある場合は、一度弁護士に相談してみると良いでしょう。弁護士は守秘義務があるために、情報を漏らさずに話を聞いてもらえます。
美人局の有名な事件10選
2007年:長井秀和美人局事件
お笑いタレントの長井秀和さんが、フィリピンで美人局被害にあっています。長井さんはフィリピンで声をかけてきた日本人男性と行動を共にして、コンビニでこの男性がフィリピン女性2名に声をかけたことから事件が起こったそうです。
4人で居酒屋に行った後、意気投合してホテルへ。しかし長井さんは「良くない」と思い10分くらいで帰ったそうです。しかし後日数人のフィリピン人男性が長井さんたちを拘束して連れていき、「拘束すれば長くなるが、お金を払えば出してやる」と言われお金を支払ったといいます。その後日本の警察に連絡し、振込先の口座を凍結してもらったそうです。
2013年:西武美人局事件
現在、東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍中の涌井秀章選手は、西武ライオンズで活躍していた頃に女性関係のトラブルを起こしています。涌井選手はお店で知り合った女性とお店以外の接客サービスを要求するも、請求通りのお金を払わなかったそうです。
そこで事実を暴露すると脅迫されますが、支払いをしなかったために暴露されています。有名人に多いトラブルで、莫大な金額を請求し支払わないとなるとスキャンダルとして売り込んで、取材広告費を貰うという構図のトラブルが起こってしまうのです。
2015年:大阪市美人局事件
大阪市に住んでいる飲食店経営の男たち4名が、30代の司法書士の男性に10代の女性と関係を持たせ、「ヤクザが家に来て、家をめちゃくちゃにするぞ」と脅して5000万を騙し取り逮捕されています。
実際は暴力団関係者と絡んでおらず、脅し文句として「ヤクザ」を利用した新手の美人局事件といえます。近年は収入源が増えているために、本物のヤクザによる美人局事件は減少傾向にあるそうです。