杉原千畝がよくわかるおすすめ本・書籍6選【漫画からエッセイ、小説まで】

「日本のシンドラーと言われている杉原千畝について子供が読める本はないかな?」
「杉原千畝はわかるのでもっと専門的な記述本はを探したいのだけれど…」

Amazonに並ぶ書籍を見てあまりの多さに圧倒されることはありませんか。

実は筆者も同じように感じてなかなか選ぶことができませんでした。難しすぎる本を選んでしまい、途中で読むのをやめてしまった経験もあります。今回は杉原千畝の本を読み倒して知りつくした筆者が「杉原千畝に関する書籍」を漫画からエッセイ、専門書まで選んでみました。

小学館版 学習まんが人物館 杉原千畝

読んでみて

杉原千畝について小学校3年生ぐらいの子供が読むのにちょうど良い漫画形式の本です。勇気のある外交官がリストニアで多くのユダヤ人を救ったいきさつなどが子供に理解しやすく描かれています。子供時代に感動的な本を読むことは学びが多く、人間形成の教育に役立つでしょう。

公務員の仕事、ビザや海外についての知識が得られることも勉強になりますね。また、第2次世界大戦という時代の背景も知ることができます。外務省の命令に従わずに人類愛を優先し、尊い命を救うために奔走した勇気ある行動が書かれています。多くの子供たちに必ず読んで欲しい1冊です。

みんなのレビュー

杉原千畝月間。いつ頃から青少年向けの本や教材に千畝氏が取り上げられ、どのように描かれているかを検証すべく分析中。いかにも現代のマンガチックな表現に、うわぁと思ったが、これがなかなかバランスよくまとまっていた。巻末に資料や解説も載っているし、このコマのこの絵は、あの史料に基づいているなとわかるものもあった(日本人がユダヤ難民にリンゴを配っている絵。神戸で実際にそういうことがあった)。子供向け伝記マンガおそるべし。ということは、他のコマのちょっとした表現も、出所が確かな史料がありそう。また精査してみよう。

引用:bookmeter

杉原千畝 命のビザ (講談社 火の鳥伝記文庫)

読んでみて

杉原千畝はご存知の通り、日本のシンドラーといわれていますね。実はシンドラーよりも多くのユダヤ人を救っていたことはあまり知られていません。この本は命のビザ発行の話しばかりでなく、杉原千畝本人の生涯についても語られています。

リストニアのカウナスにいたこと、行方不明扱いにされたいきさつなどが記述されていて興味深いです。素朴なイラストつきで漢字にはルビがふってある親切なつくりです。小学校上級向きの子供用である「火の鳥伝記文庫」は、巻末に関連人物伝や年表がついていて時代背景がとてもわかりやすくなっています。

杉原千畝を知らなかった大人が読んでも面白い本です。

みんなのレビュー

子ども向けと侮るなかれ。読んで正解の1冊だった。第二次世界大戦下において、ユダヤ人のためにビザを発行したことで有名な杉原千畝さん。これだけの努力家で、優秀な方だとは知らなかった。ビザ発行によって職を失ってもなお、「当たり前のことをしただけ」と思えることも素晴らしい。また、救われたユダヤ人の方々が彼を探し、イスラエルへ招き、賞を送ったことも、なんだか嬉しくて涙が滲んだ。世界では紛争や人種差別など問題はまだ山積みだけど、こうした歴史を、勇気ある行動を、これからも学びながら忘れずに生きていこうと思った。

引用元:bookmeter

素描・杉原千畝 (日本語) 単行本

読んでみて

杉原千畝についてすでに知っている人向けの本です。杉原千畝のインタビューやさまざまな資料が掲載されています。著者がリストニアなどの現地で直接得てきた情報も多いです。杉原千畝に関する多くの文献を参照しよく調べているので、より真実性のある内容といえるでしょう。

著者である小谷野裕子(こやの・ゆうこ)氏は 1946年に中国大連生まれ、その後はアメリカに住んだ経歴の持ち主です。グローバルな独特の目線で杉原千畝を語っています。杉原千畝の本を何冊も読んでいる方でさえ知りえないことが多く書かれている貴重な本です。

みんなのレビュー

第二次大戦中に赴任先のリトアニアで多数のユダヤ人に通過ビザを発給して欧州からの脱出を助けた外交官・杉原千畝氏ゆかりの場所や人を精力的に訪ね、その際に得た関係者の証言や書簡などから千畝氏の生涯や人となりを描き出そうとする著作。著者の千畝氏への強い思い入れや、こうあってほしいという千畝像が色濃く反映されている。

引用元:bookmeter

命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民

読んでみて

ユダヤ人にビザを発行した杉原千畝のことはあまりにも有名ですが、小辻節三について知らない人があまりのも多いです。ただビザを発行しても、あの時代に小辻節三がいなければ、日本に来たユダヤ人がどうなっていただろうかと考えさせられます。

日本でユダヤ人のために尽力をつくした小辻節三や様々な人々の真実が鮮明に語られています。厳しい時代の中、奇跡ともいえることを成し遂げた小辻節三の行動力には頭が下がる思いです。著者の山田/純大氏は俳優であり、小辻節三に深い感動をおぼえた異色の作家であることも興味深く、ぜひおすすめしたい本です。

みんなのレビュー

杉原千畝のことは知っていたけれど、ビザが発行された後のことは気にしていなかった。小辻節三がいなかったらせっかく発行されたビザも無駄になっていた? 最後にはユダヤ教徒になってしまうというのには驚いたけれど、誠心誠意ユダヤ人の為に尽くした人生だったからそれもありなのかもしれない。

引用元:bookmeter

日本に来たユダヤ難民: ヒトラーの魔手を逃れて 約束の地への長い旅

読んでみて

杉原千畝にビザを発行された後のユダヤ人についての記述がある文献です。日本を経由した数千人のユダヤ人たちは、周りの人々に助けられ生き残っていきました。いっぽうでホロコーストで殺されていく何百万人ものユダヤ人もいます。

著者であるゾラフ バルハフティク氏はワルシャワ出身の弁護士です。彼もまた、小辻節三氏のようにユダヤ人難民を救済したひとりでした。誰を助けるのか決断の岐路に立たされ、苦しい選択をしなければならなかった経緯が記されています。
この本を読むと、絶対にあきらめずに前に進むことの勇気や大切さを教えられます。翻訳本は読みにくいと言う方も多いですが、素晴らしい内容で最後まで読み進められる本です。

みんなのレビュー

林さんエッセイで知り読書。著者のポーランド脱出、自分も難民でありながら大勢の同胞たちの為にあらゆる手段で逃げるルートを模索された。こういう方がいたから命をつないだ方々も多くいたし、その逃避ルートに我が国が入っていたというのは初めて知りました。小辻節三氏という方も初めて知りました。いつかこの方の物語も読みたいです。にしても華僑真っ青の民族つながりはすごいですね~改めて結束力の強さ、信心深さを垣間見た気がします。何がなんでも助ける!という気迫が伝わります

引用元:bookmeter

書籍名6諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)

読んでみて

杉原千畝の優秀なインテリジェンス・オフィサーとしての諜報活動を語っている文献です。杉原千畝の真の姿とその苦悩が時系列で表されています。ほとんど知られていない日本とポーランドの情報協力についても語られていてじつに興味深い内容です。

杉原千畝が外務省に従わずに命のビザを発行したことについても、この本により真の理由が見えてきます。実際はナチスではなく、ソ連からユダヤ人を救ったという事実がこの本で初めて明らかにされました。より深く杉原千畝を知りたい方におすすめの本です。

みんなのレビュー

インテリジェンス・オフィサーとは、情報ないし諜報活動に携わる者である。真のインテリジェンス活動は、007のような派手さとは程遠く、地道に情報網を構築し、その網にかかった情報を精査して、未来を予測、さらに未来において最善な道を模索する「耳の長いウサギ」/12頁。杉原千畝はまさに傑出したインテリジェンス・オフィサーだった。本書では「6000人の命のビザ」で有名なヒューマニストとしての杉原のみならず、天才的情報通としての杉原の実像に、史料を駆使して迫る、スリリングな歴史書だ。

引用元:bookmeter

まとめ

杉原千畝に関する子供用の漫画本から始まり、専門的な書籍までの6冊をご紹介いたしました。中でも杉原千畝にまつわる小辻節三や日本に来たユダヤ難民についての書籍には感慨深いものがあります。

また、杉原千畝の諜報活動に関する書籍もありますので、ぜひ別の角度から真実の記録を読んでいただき、時代に起こったことを確かに感じ取っていただければと思います。