昭和天皇をよく知れるおすすめ本12選【初めての一冊から上級者向けまで】

「昭和天皇ってどんな人物だったのか知りたい・・・!」
「昭和天皇は太平洋戦争をどう思っていたの・・・?」

このように悩んでしまい、手をつけようにもなかなか手がつかない状況になっている人も多いのではないでしょうか?特に昭和天皇は現在の日本のことを知る上には必要不可欠なことですからちゃんと選ばなければいけないと思っている人も多いはず。

今回はそんな昭和天皇に関して詳しく知りたい人におすすめの書籍12選を紹介します。

初心者にも分かりやすい漫画から公式の本まで幅広く選びましたので、ぜひ参考にしてみてください。

入門者向け

昭和天皇物語 (1)

読んでみて

「小説や実録などは堅苦しくて読みづらい」と思っている人におすすめなのが小学館発刊の昭和天皇物語です。

この本では非常にセンシティブな題材を取り上げているのにもかかわらず、客観的な資料や証言をもとに『人間としての天皇』として昭和天皇を取り巻いた歴史的事件や戦争を表しています。

漫画となっており、子供にもおすすめな内容となっていますので、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

みんなのレビュー

能條さんらしい、表情に引き込まれる感じ。

乃木さんが亡くなる間際に迪宮様が発した言葉が本当なら、卓越した洞察力と人間力を感じるなあ

引用元:BookLive

昭和16年夏の敗戦

読んでみて

太平洋戦争と昭和天皇のかかわりがよくわかる1冊です。日本とアメリカの国力の差をしっかりと認識できた人物が日本にいたことや、昭和天皇が開戦に消極的だった様子がわかります。

昭和天皇そのものよりも、大日本帝国憲法における天皇の立ち位置や太平洋戦争当時の陸軍と内閣の関係などに焦点が当てられています。しかし、太平洋戦争は昭和天皇を語るうえで避けて通ることができないものなので、天皇と戦争にかかわりを整理するのにとてもよい本でした。

みんなのレビュー

1941年の開戦を巡る、陸海軍、両統帥部、政府と天皇の思惑の交錯は丁寧で面白かった。着地点として描かれる、「主体性の無い日本人」的なテーゼは今読むとさして驚かないが、初版の時点ではユニークだったのかも?

あと、党利党略で不埒に動く連中も、それはそれですごい主体的だろとも思い。。問題の所在については考える余地があるなと思った。

引用:読書メーター

昭和天皇 最後の侍従日記

読んでみて

昭和天皇の晩年の姿について、もっともそば近くに仕えた侍従長が記した日記です。昭和天皇が戦争から何十年たっても戦争責任を気にしていたことなど晩年になっても苦悩を抱えていたことが赤裸々に描かれています。

昭和天皇といえば、戦前の現人神としての姿や、終戦の「玉音放送」に注目が集まりがちですが、それは昭和という時代の3分の1の期間にすぎません。残りの3分の2を昭和天皇がどのようにして過ごしたのかを知るうえで非常に貴重な記録だと思います。

みんなのレビュー

天皇自身が戦争責任について語った記録ということで、センセーショナルな書物だと捉えられがちかもわからないが、それは内容の一部に過ぎない。天皇が70代を過ぎ、じわじわと衰えていく中で漏らした「弱音」という印象を受けた。

この本は、一組の老夫婦の老化の記録だ。天皇は「死ぬまで現役」で、心身の老化が進む中でも一挙手一投足が好奇の目にさらされながら働き続ける任務は残酷だと感じる。明仁天皇が生前退位を選択したことの意味がよく理解できた。 明仁天皇やその家族の言動に対する、辛辣な言葉のメモも印象に残る。

引用:読書メーター

中級者向け

昭和天皇の終戦史

読んでみて

太平洋戦争の終戦の時の昭和天皇の動向についてまとめられた本となっています。

実際であれば戦犯として裁かれてもおかしくない状態からどのようにして不問となったのか?
終戦後のアメリカや日本の上層部の動向などを交えながら昭和天皇が思い描いていた戦争について迫っています。

みんなのレビュー

以前の書評欄で、『明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか』板垣恭介著を、紹介したが、その本の中でとても大きな影響を受けたと紹介されていたのが本書である。
吉田裕氏はこの本を出版した時、右翼からの攻撃を予想し、暫くの間、世間から身を隠したということである。(しかし、幸いなことに事件は起こらなかった・・・)。たしかに読んでみて、右翼からの攻撃を予想させるほどの影響力のある本だと思った。
在米留学中の著者が、ワシントンの国立公文書館に通って国際検察局(IPS)の資料(主に日本の戦犯容疑者の尋問調書)に目を通しながら、綿密な構成で描き出す敗戦直後の、天皇や宮中グループ、政治家や軍人グループの動きは、実に生々しく迫力を持って描き出されている。そして、それほどの説得力を持って読者に迫るのは、如何に著者が膨大な資料を丹念に読み込み、論理的に自分の思考を忠実に辿っているからであろう。以前の書評欄で、『明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか』板垣恭介著を、紹介したが、その本の中でとても大きな影響を受けたと紹介されていたのが本書である。
吉田裕氏はこの本を出版した時、右翼からの攻撃を予想し、暫くの間、世間から身を隠したということである。(しかし、幸いなことに事件は起こらなかった・・・)。

引用元:文芸王国

昭和天皇の声

読んでみて

大日本帝国憲法において天皇は日本の全てを決定する権力(天皇大権)がありましたが、昭和天皇が実際にこの権力を使ったのはわずか3回でした。

昭和天皇は日本の全てを変えるだけの権力をどのような場面で使ったのでしょうか?この本ではそんな昭和天皇のご聖断について知ることができます。

みんなのレビュー

226事件から終戦直後に至る昭和史の中で天皇が果たした役割を周辺の群像との関わりから浮き上がらせる。黎明期の日本共産党書記長が天皇主義者となるくだりは非常に興味深い。

引用元:BookLive

昭和天皇の戦後日本〈憲法・安保体制〉にいたる道

読んでみて

この本は昭和天皇の戦後に焦点が置かれており、日本国憲法の成立、安保耐性の確立の時代に象徴天皇となった昭和天皇はどのように動いていったのかについて書かれています。

象徴天皇となって政治権力を全て奪われてしまったと考えてしまうことが多いですが、この本ではそんなことはなかったと主張しており、日本の戦後と天皇のあり方について考えを促していることもこの本の特徴となっています。

みんなのレビュー

昭和天皇と弟宮

読んでみて

昭和天皇本人に加え、秩父宮や高松宮などの視点もとりいれた本です。昭和期は、若手の軍人らが天皇親政による「昭和維新」の断行を主張する時代でした。そのため、青年将校らと対立してしまえば昭和天皇といえどもクーデタで廃位され、弟宮の誰かが次の天皇として即位するという可能性もありました。

その意味では、昭和天皇と弟宮たちの関係は緊張感をはらんだものにならざるを得なかったのでしょう。本書は、昭和初期に起きていた知られざる「皇位継承問題」を考えるきっかけになるかもしれません。そのためにも、戦前の天皇の地位に関する知識は必須です。

みんなのレビュー

皇位を継ぐことが確定している嫡子と、それ以外の弟たちとの違い。育ちの違いが考え方の違い、立場の違い、周囲の思いの違いに繋がるのか。大戦末期の、政治的に確立した皇室を目指す昭和帝と伝統に根ざした格式と権威を持った皇室を存続させようとする弟宮たちとのすれ違いなど、さまざまな歴史を経ているのですね。

この本では、皇室はこれからもこうあるべき、と頑なに主張する考え方の中で、さまざまな国民の期待の狭間でぎりぎりに生きてきた戦前、戦中、戦後の日本の皇室の歴史が、好意的にゆったりと描かれています。

引用:読書メーター

昭和天皇・マッカーサー会見

読んでみて

戦後直後のGHQの統治は後世の歴史の授業で習うよりもはるかに流動的な状態でした。日本を安定的に統治したいマッカーサーにとって、戦前の絶対的な存在である昭和天皇の動向は無視できなかったはずです。この二人の会談が現代日本の原点の一つになったのではないかと感じました。

日本における天皇の特殊性を理解したマッカーサーと、天皇制の維持や戦後の日本の在り方に対しこころくばりをする昭和天皇の動きを数多くの史料を用いて再構成した良書ではないでしょうか。

みんなのレビュー

昭和天皇とマッカーサーの会見の内容に始まる日米交渉の資料から、天皇の果たした重要な役割を明らかにする労作。新憲法の制定、米軍の沖縄駐留、日米安保、靖国問題などの根幹にある基本思想は、この会談で天皇が明確に示されている。

当時の連合国側の(特に米ソの)綱引き、マッカーサーの権限解釈など怪しい状況の中で、戦後体制が作られたということも明示されていて、特に日本の近現代史について不勉強のワッピーには大いなる啓発でした。

引用:読書メーター

上級者向け

昭和天皇実録 第一

読んでみて

昭和天皇実録は1991年から24年かけて宮内庁によって編集され、昭和天皇が歩んできた89年間と日本で一番激動の時代であった昭和時代を生き生きと記しています。

宮内庁の内部資料から昭和天皇の人柄や実績を客観的な視点で表しており、昭和天皇や昭和史を学ぶ上では外すことができない本となっています。

みんなのレビュー

※この本のレビューはありませんでした。見つかり次第追加します。

昭和天皇「理性の君主」の孤独

読んでみて

昭和天皇はイギリス留学をしていたこともあってイギリス式の立憲君主制とすべきと主張してきました。しかし、昭和時代に入り、軍部が急成長することによって日本の運命は大きく変わっていくことになっていくことになるのです。

自分の主張と日本の実情の狭間に立たされた昭和天皇について客観的な目で眺め、どんな人にも読みやすくなっており、昭和史についても詳しくなることができ天皇の実像を掴むことができる本となっています。

みんなのレビュー

昭和天皇の伝記。

幼年期からの教育内容やその方針による人格形成など、

昭和天皇自身の人となりが何に立脚しているものかを解説しつつ、

天皇自身の発言を頻繁に引用することでわかりやすく、

かつ深く理解できる一冊となっている。

特に聖断に至る経緯はそれまでの積み重ねもあり

説得力を持って受け止められる。

個人的には最後の元老、西園寺の影響力に驚かされた。

昭和史を読み解く上でぜひオススメしたい。

引用元:BookLive

昭和天皇独白録

読んでみて

文字通り、昭和天皇が戦前・戦中の出来事に関して側近に語った談話をまとめた記録です。独白録の作成者は宮内省御用掛として昭和天皇のそば近くに仕えた通訳の寺崎英成です。寺崎がまとめた記録を遺族が『文藝春秋』での公開に同意したことで世に出た作品でした。

「大東亜戦争の遠因」や「調査区爆殺事件」、「宣戦の詔書」、ポツダム宣言受諾の「御前会議」まで歴史の重要局面における昭和天皇の「独白」が記録された貴重なものです。昭和初期の歴史や太平洋戦争前後の政治について深く知りたい人にお勧めの一冊です。

みんなのレビュー

昭和天皇が自ら太平洋戦争について語った昭和史の「超一級資料」だけに読み応えがあります。親しいものに話した内輪話なのか、それとも東京裁判向けの計算し尽くされた弁明書なのか。真実は藪の中ですが、木戸からの影響が色濃い天皇の人物評や宮さま同士の微妙な感情のずれなど、興味深い独白がたっぷりあります。

天皇とマッカーサーの対談の通訳を務めた御用掛の寺崎英成氏が書き写して保存していたもので、戦時中、苦労を重ねた米国の妻子が後にその重要性に気づき、文藝春秋での発表につながったというエピソードも泣かせます。

引用:読書メーター

天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀

読んでみて

昭和天皇が立ち会った3つの焦土。第一次世界大戦後のヨーロッパ、関東大震災、東京大空襲後の東京の3つで昭和天皇がどのような影響を受け、何を考えたのか。激動の昭和初期に「万世一系」の天皇として日本の指導者とされた昭和天皇の心の内を考えさせられる一冊です。

敗戦後、日本で起きた「退位論」と昭和天皇のかかわりなども実に興味深い内容でした。しかし、研究書であるためある程度、この時代のことをよく知ってから読んだ方が理解が深まるとも感じました。

みんなのレビュー

やっぱり、近現代史は勉強しなければならないなぁ。当然、新しい知見(太平洋戦争の宣戦布告が遅れたのは在米日本大使館の不手際ではなかった)も得られる。勿論、この中身の濃い本を十全に理解したわけではない。

だから、例えば、「憲法は米国の押し付けか」という問いそのものがほぼ意味をなさないことということなど、歴史が極めて複雑で、ある意味ドラマチックであることはよく分かった。

引用:読書メーター

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事では昭和天皇に関する書籍を紹介してまいりました。

昭和天皇の評価は人によってものすごく差があり、本によって別々の視点や角度から描かれているので、どの本を読んでもとても参考になると思います。

この記事を参考に、昭和天皇や戦後の日本について詳しくなってもらえれば幸いです。