「人類の歴史がわかるような本に興味があるけれど、全部難しそうに見えて手が出せない…」
「人類史の勉強をしてみたいけど、何から読み始めたらいいのか分からない」
人類の歴史を綴った本というと何となく難しいものを想像してしまい、読みたいと思っていても気後れしてしまうのではないでしょうか?
そこで今回の記事では人類史に関するあらゆる書籍を読み尽くした筆者が、今まで読んだ中でも特におすすめの書籍を7冊、ランキングにしてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:人類5000年史
読んでみて
紀元前3000年から現代まで、人類の5000年に及ぶ長い歴史を5冊の新書にまとめた、今までになかった歴史本です。2022年現在、第4巻まで出版されています。上に表示した第1巻では、紀元1年ごろまで解説されています。
5000年を5冊にまとめるシリーズなので、1冊だけでも情報量が多いです。濃い読書を楽しみたい方にうってつけでしょう。著者・出口治明は実はライフネット生命保険株式会社の創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学の学長を務めています。
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6位:反穀物の人類史―国家誕生のディープヒストリー
読んでみて
農業革命をメインテーマに、人類が築き上げてきた文明や国家に疑問を投げかける書籍です。狩猟生活を長らく続けてきた人類はいかにして国家を作り上げたのか、それは単に定住や農耕の効率が良いというものではありませんでした。
人類は動物を飼いならし、更に農耕によって植物を飼いならし、最後には国家によって人間そのものを飼いならした…という衝撃的なことが書かれています。内容的にはやや複雑ですが、農耕の観点から人類史を描いた本は珍しいので、より深く人類史を学びたい人におすすめです。
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人類文明の歴史をこういう角度から見通すとは、面白い。国家や文明に馴化、適応させられたのが現代人というのは正しい指摘かも。文明側から恣意的に「野蛮」に分類されてきた人々の多くが、実は文明側から自由になった人達だったりとか、刺激的で示唆的。
引用元:honto
5位:暴力の人類史
読んでみて
人類史の中でも「人間の暴力」に焦点を当て、先史時代から現代までの人類の歴史を辿っていく書籍です。暴力の歴史を統計やグラフで表し、過去の時代と比べ現代がどれほど平和なのかを論理的に分析しています。
現代が平和であるという事実は、過去を知らなければ実感をすることはできないのだと痛感します。人類が誕生してから現代に至るまで、どのような平和化のプロセスを経たのかというところは読んでいて非常に面白いです。
みんなのレビュー
戦争・暴力を統計として見ていけば、時代とともに確実に減少しているという。我々が今生きている現代が最も暴力的である、と思いがちな、感覚的には受け入れにくい主張だが、出てくる数値・グラフには説得力がある。膨大な考察の中には感情的にすぐには首肯しづらいものもあるが(死んでるが量が減ってるからいいだろ、という見方。第二次大戦における日本の捉え方など)、俯瞰の高度が高ければ細部は見えにくくなるのは致し方ない。内容、物理的に実に重厚だが下巻も読む。
引用元:honto
4位:絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか
読んでみて
人類の中で生き残ったのは私たち「ホモ・サピエンス」のみです。ではネアンデルタール人を始めとする他の人類はなぜ絶滅してしまったのか?をテーマに、主に先史時代に焦点を当てた書籍です。
自分の種族のことなのに知らないことばかりで新しい発見や驚きがあります。難しい部分は分かりやすい例え話にするなど文章に工夫がしてあるので、知識がなくても楽しく読める内容になっています。
みんなのレビュー
新書に挑戦してみよう、ということで読んでみた本です。それまでに片手で数えられるほどしか新書を読んでいませんでしたが、とてもわかりやすかったです。
引用元:honto
人間は特別。自分が人間に生まれたせいなのか、昔からそう思っていました。でも、何故なのかはよくわからない。そんな疑問を解決してくれたのがこの本です。
人類の進化についてほとんど無知だった自分でもサクサクと読み進められたので、是非読んでみてほしいです。
3位:日本人の起源 人類誕生から縄文・弥生へ
読んでみて
こちらの書籍では日本人の人類史を最新の人類学をもとに考証しています。人類は遠く離れたアフリカ大陸からどのように日本列島に辿り着いたのかということから、倭国大乱から日本という国が確立されたところまでの歴史が書かれており、日本人のルーツを知ることができます。
まだまだ謎が残されている日本の人類史ですが、この一冊で今現在判明している部分はほぼ全て分かるようになっています。世界の人類史ではアジア大陸への言及が少ないため、日本の人類史が知りたい人にはこちらがおすすめです。
みんなのレビュー
本書は、日本人のルーツを最新理論を用いて再検証した画期的な一冊です。内容は、「太古の狩人たち――旧石器時代の日本列島人」、「人類の起源と進化」、「アジアへ、そして日本列島へ」、「日本人起源論――その論争史」、「縄文人から弥生人へ」、「倭国大乱から日本人の形成へ」から構成されており、読み応えは十分で、日本人の祖先とその渡来過程が非常によく理解できます。ぜひ、多くの方々に読んで頂きたい一冊です。
引用元:honto
2位:銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎
読んでみて
世界にある五つの大陸で人類は異なる文明を発展させていきました。祖先は同じであるはずなのに、なぜ世界各地での文明発達には違いが生じたのか?をメインテーマに人類史を追う書籍です。
1万3000年にわたる人類史を紐解いていく本書籍は、上下巻合わせて約800ページの大ボリュームです。なかなか気軽に読めるタイプの本ではないのですが、その分人類史の深いところまで学ぶことができます。
みんなのレビュー
人類史上での大きな出来事を取り上げた書。なぜ、ヨーロッパ大陸に発生した文明が、現在の覇者となりえたのか、何が重要であったのか。平易で読みやすい。日本やアジアの扱いについて、もうちっと言及があるとなおよかった。
引用元:honto
1位:サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福
読んでみて
『サピエンス全史』は人類史を学ぶ上で外せない一冊です。「なぜ我々人類があらゆる生物の中で頂点に立つことができたのか?」という疑問を「他の生物とは違い“虚構”を信じる力があったからである」という視点で読み解いていきます。
過去の人類たちは何を思い、何を信じ文明を作り上げてきたのかということが分かります。『サピエンス全史』は、これまでにない考え方とユーモアに富んだ文章が話題を呼び、全世界で1200万部を超えるベストセラーとなっています。
みんなのレビュー
今自分の生きてる現代の見方が変わった。
引用元:Book Live
何百万年も人間は食物連鎖の中間ぐらいにいたのに、急にそのピラミッドの図から抜けて他のどの動植物より力を持った。
で、それだけじゃなくて人間は、地球や他の生態系にとって一番脅威の存在になってしまった。
自分達が楽しむために他の生態系、地球のことなど気にせず好き放題。
どれだけ今の時代が特殊か、客観的に見れたのが良かった。テクノロジーがここまで発達して10年でどんな世界になるか誰も想像がつかん。それが逆に楽しいなとも思った。
多くの人がビジネスマンは読むべきって言ってる理由がわかった。この本は今の自分たち人間、地球の歴史の全体像をつかむことができる。
まとめ
人類史に関する本を6冊紹介させてもらいました。気になる本は見つかりましたか?
とにかく人類史の全体的なことが知りたいという人には『サピエンス全史』がおすすめです。上下巻で非常に長い内容ですが、これ一冊で人類7万年の歴史を知ることができます。
人類史の全体構造を掴んだ上で特定の人類史にスポットを当てた書籍を読んでいくと、より深く人類の歴史というものが分かってくるのではないかと思います。
ぜひこの機会に人類の歴史の本を読んでみてください。