「角田光代ってどんな本を書いている人なの?」
「作品がたくさんあってなにから読んで良いかわからない…。」
複数の賞を受賞し、映画やドラマにもなるほどの作品を多く手がけた角田光代の本ですが、いざ読もうと思うとこのような悩みを抱えてしまう方も多いのではないでしょうか?あまりにも、出版している本の数が多いと書籍選びの段階で挫折していしまいそうになりますよね。
今回はそんな角田光代の代表作を、短時間で読める短編から賞を受賞した作品、映画化した作品まで6冊ご紹介します。是非、書籍選びの参考にしてください。
初心者におすすめの短編集
おまえじゃなきゃだめなんだ
読んでみて
おまえじゃなきゃだめなんだは9つの物語を収録した短編集です。一番最初の約束のジュエリーと言う話は5話に分かれています。それぞれの物語は1、2ページほど話が完結するので角田光代の作風を手短に知りたい方におすすめです。
この本はこれから結婚をする恋人たちのアクセサリーにまつわる話や、離婚を決めた二人の話など現実的で大人向けの内容となっています。そのため、読むと登場人物に共感する部分も多く、読んでいると懐かしさや切なさを覚える作品です。
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トリップ
読んでみて
トリップは高校生や主婦など一見普通に見える何でもない人々の日常の一コマを描いた短編集です。そのため、この本はまずは短時間でサラっと読める作品から始めたい方におすすめします。
この作品の登場人物は、みんな端から見るとどこにでもいるような人物に見えますが駆け落ちに失敗していたり、違法な薬にはまっていたりとそれぞれ異なる闇を抱えています。この本は文章を通してそんな普通そうに見えて普通ではない人々の心の隙間を覗くことができる作品です。
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賞を受賞した代表作
八日目の蝉
読んでみて
八日目の蝉は平成19年から20年にかけて本屋大賞を含む3つの賞を受賞した角田光代の代表作の一つで、平成23年には井上真央が主演で映画化もされています。
この本の物語の内容は、不倫相手の子供を誘拐した女性の逃避行を描いたサスペンスです。作中では誘拐犯の女性希和子と連れ去られた子供である薫の生活が細かく描写されていて、まるで本当の親子のような印象を受けます。やがて成長し育ての母親と産みの母親、二人の母親の間で葛藤する薫はどんな答えを出すのか、母親とは何なのか考えさせられる作品です。
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対岸の彼女
読んでみて
対岸の彼女は平成16年に直木賞を受賞した角田光代の長編小説です。この小説には家庭を持ち専業主婦として過ごす小夜子と未婚のまま仕事に打ち込む葵の2人の主人公が登場します。作中では家庭に入って生きる女性と仕事に生きる女性の立場の違いからなる価値観のズレ、家庭と仕事を両立する難しさ、女性同士の友情と対立を描いていて女性なら共感できる部分も多く存在するのが魅力です。
2人の主人公は充実していて申し分のない生活を送っているようにも見えますが、それぞれに苦悩や葛藤があり女性としての生きづらさを抱えています。そのため、この本は登場人物に自分を重ね合わせて今の立場を見直すきっかけにもなる作品です。
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映画化された本
愛がなんだ
読んでみて
愛がなんだは平成31年に映画化された角田光代の恋愛小説です。
私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ
この作品では尽くすタイプの女である主人公を中心とした男女の三角関係が描かれています。主人公であるOLのテルコは何よりも恋愛を優先する性格で、片思いのマモちゃんの誘いを断る出来ない女性です。しかし、当のマモちゃんは一生懸命尽くしてくれるテルコよりもサバサバ系のすみれの事が好きで、すみれはマモちゃんなんて眼中にありません。
この本は、ただ相手に尽くすだけでは好いてもらうことはできない恋愛のもどかしさが緻密に描かれいて、今まさに恋愛に悩んでいる女性におすすめの作品です。
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紙の月
読んでみて
紙の月は平成26年に宮沢りえが主演で映画化された長編サスペンスです。この小説の内容は銀行の契約社員として働いている真面目な女性の梨花が、あるきっかけから不倫を始め多額のお金を横領してしまうというのが大まかなストーリーとなっています。
この物語は、ほんの少しのきっかけで道を踏み外してしまった梨花や数百万もの借金を抱えた大学生、買い物依存症の同僚などお金に振り回される人々がリアルに描写され、読み進めるたびにハラハラするのが魅力の一つです。また、物語を読み終えるとお金は使われるものではなく使うものだということを再確認させられる作品でもあります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。角田光代は恋愛小説からサスペンスまで様々な作品を手がけていますが、今回はその中でも有名な書籍を6冊ご紹介しました。
角田光代の作品は登場人物の心情や仕草がリアルに描写されていて、共感を覚えることも多く心に刺さる作品も多く存在します。さらに、リアルな描写から読み終えると自分の中で新たな気付きを得られたり、自分自身を見つめ直すきっかけになるのも角田光代の本の魅力の一つです。
また、今回ご紹介した作品の中には映画化されている者もあるので、ぶ厚い本を読むのが苦手な場合には映画を見てから原作を読むことをおすすめします。この記事で多くの人に角田光代の本を手に取ってもらえれば幸いです。