「枕草子って結局どんな内容なの?」
「古典は難しくて読む気になれない…。」
枕草子は中学校や高校の古典の授業でも多く取り扱われている随筆です。
枕草子は平安時代中期にかけて活躍した清少納言によって書かれた、日本最古のエッセイといわれています。この随筆の中では当時の平安貴族の暮らしぶりや考え方が詳細に書かれていて、現代を生きる私たちにも共感できる部分が多くあります。
しかし古典ということもあり、上記のような思いを抱える方も多いのではないでしょうか?
この記事では、枕草子の内容や雰囲気を感じられる初心者向けの本から、現代語訳と原文・解説が記載されている上級者向けまで、おすすめの本を7冊ご紹介します。ランキングにしてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:こころきらきら枕草子~笑って恋して清少納言
読んでみて
『枕草子』の意訳を通して清少納言がどのようなことを感じ、考えていたかを知れる1冊です。随筆(エッセイ)は、著者の体験や知識をもとにその思いや考えをまとめたものを指します。清少納言の随筆『枕草子』には、宮廷での暮らしの中で彼女が何を感じ、何に喜びを見出していたかが描かれています。
こちらの書籍は『枕草子』全文が載っているわけではありませんが、現代の私たちの感覚でも共感しやすかったり元気をもらえたりする箇所が選り抜かれています。上品で美しいイラストや装丁も手に取りたくなりますね。時空を超えた清少納言のインタビューなども収録されている、楽しい書籍です。
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6位:枕草子 能因本
読んでみて
枕草子能因本は能因法師という人が書き記した枕草子の写本です。
枕草子は清少納言直筆のものが残っているというわけではなく、後世に受け継がれているのは中身を写した写本と言われています。現代に出版されている枕草子の主流は藤原定家が写したとされる三巻本です。そのため、能因本は出版されている本の中でもかなり珍しいものと言えます。
三巻本と能因本は細かな文章の表現方法などが異なるので、この本は枕草子の三巻本を既に読んでいる方が読むと、今まで読んできたものとはまた違った表現で内容を楽しめる上級者向けの本です。また、本書には枕草子関係図や年表もついていて、時系列も分かりやすく把握できるのが魅力の一つですね。
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5位:枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
読んでみて
枕草子ビギナーズ・クラシックスは枕草子の内容が現代語訳から原文、解説という順番で記載されていて、本文に近い形で枕草子を読めます。この本は枕草子そのものと同じく日記調で短く内容が綴られているので、脚色や要約なしで古典そのままの文章を楽しみたい方におすすめです。
また、この本の原文は全てふりがながついているので、現代語訳だけでなく原文から自分で訳してみたいという場合にも読みやすい作品となっています。さらに、内容は全段ではなく枕草子の中でも有名な段を抜粋していて、解説で内容の補足もされているので古典の勉強をしたい学生にも向いている本です。
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4位:むかし・あけぼの
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むかし・あけぼのは枕草子をベースに書かれた上下巻に分かれている長編小説です。枕草子の原文は日記になっているので、それぞれのエピソードがバラバラで読んでみると、清少納言の実際の生活がどんなものだったか想像しにくいという難点があります。
この本は、そんな枕草子の内容を史実に基づいたフィクションの物語と共に繋げている本です。そのため、小説の内容は全段を扱っているわけではなく架空のエピソードもあります。
しかし、中身は史実や様々な文献を参考にして書かれているので、原文や現代語訳よりも滑らかに読めて分かりやすく宮中の生活を体感できる作品です。
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3位:すらすら読める枕草子
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すらすら読める枕草子は枕草子の全ての段が載っているわけではなく要点だけをまとめて、再編されている枕草子のダイジェスト版の本です。中身は物語ではなく枕草子の内容を各テーマごとに分類していて、原文の一部と現代語訳、当時の清少納言はどんな気持ちで原文を綴ったのかが解説されています。
そのため、この本は枕草子はちょっと長すぎて読むのが難しいから要点だけ知りたいという方や、面白い部分だけ読んでみたいという方におすすめの本です。
また、同シリーズでは方丈記や徒然草などの他の三大随筆も出版されています。
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2位:本日もいとをかし!!枕草子
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本日もいとをかし!!は内容のほとんどが漫画で、枕草子の内容が現代的な表現でざっくりと書かれています。そのため、まずは枕草子の大まかな内容が知りたいという人や、現代語訳版に挑戦したけど難しすぎて分からなかったという人におすすめです。
また、内容は女性同士の本音と建前や恋愛事情などの、思わず「あるある!」と思ってしまうエピソードが沢山盛り込まれています。このような理由から、この本は現代を生きる女性にも共感できる部分があるので、古典に興味のない方でも楽しめる作品です。
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1位:枕草子―まんがで読破―
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枕草子ーまんがで読破ーは、枕草子の内容に添いながら当時の清少納言の生き様を歴史的背景を織り込みながら描いた漫画本です。清少納言は知性的で弁が立つ強い女性という印象を抱かれることも多い人物ですが、この漫画ではそんな清少納言も1人の女性として悩み一生懸命に仕事をこなす姿を見ることができます。
また、この本では清少納言の上司である定子やその周辺の人物も感情豊かに表現されているので、清少納言だけでなくその周辺の人物との関係性についても知りたい方におすすめの本です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では、清少納言「枕草子」が分かる書籍を7冊、ランキングにしてご紹介しました。
一口に枕草子と言っても漫画から小説、現代語訳付きのものまで様々な作品が出版されています。そのため、枕草子の雰囲気が知りたいのか、内容や当時の時代背景が知りたいのかなど自分の目的に合わせて本を選ぶとより分かりやすい本を選べるのでおすすめです。
枕草子は古典ということもあって敬遠されがちですが、作者である清少納言の考え方は現代にも通ずるところがあり親しみ深い作品でもあります。この記事をきっかけにたくさんの方が枕草子に興味を持っていただければ幸いです。