「孟子って名前は聞いたことあるけれど、どんな人だったんだろう?」
「中国の昔の思想書は難しいそうだけど、初心者でも挫折しない本はないかな?」
中国の儒学者である孟子は、儒教の祖である孔子と並び称される重要な人物です。孟子の思想のなかで最も有名なのが人間の本性は基本的に善であると説く「性善説」。
孟子の著作である思想書「孟子」(書物の場合「もうじ」と読みます)は、儒教において最も重要な4つの正典の1つに数えられています。「五十歩百歩」という言葉は孟子の言葉で、今でも私たちの生活に根付いているんです。
この記事では、そんな原著「孟子」とその解説本、孟子自身を知れる伝記や漫画、名言集などさまざまなジャンルから孟子を知れる本を紹介していきます。7冊をランキングにしてまとめました。ぜひ読みたいと思える一冊が見つかるでしょう。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:孟子 全訳注
読んでみて
思想書「孟子」の全文の書き下し分と現代語訳が書かれている本で、これ1冊で孟子のすべてを学ぶことができます。しかし、訳者による解説は、巻末のもののみで、1つ1つの文章に対する解説はありません。そのため、書かれている文章に対する理解や学習は自分自身でやらなければなりません。
この本は、孟子の文章を読みたいという人のためのもので、内容の解説をしてほしいという初心者には向いていません。孟子は初めてという人にはちょっと敷居が高いと思いますが、入門書を読んで、孟子についてもっと詳しく知りたいと思った人にはおすすめの1冊です。
みんなのレビュー
良い本です。孟子が文庫でまとめて読めます。原文・読み下し文、現代語訳、そろっています。ただ、現代語訳が説明調で、付け加えていることも多いため、原文の文学的な味わいはあまりありません。この訳は、読む助けにはなるけれど、精密ではない。もともと、古い本の復刻文庫化なので、新注訳があれば、と願う。
引用元:読書メーター
6位:孟子(岩波新書)
読んでみて
孟子の生涯を追いながら、彼の思想を解説していく本です。孟子に関する本はたくさんありますが、ほとんどは、著作についての解説本で、孟子自身の生涯にまで触れた伝記的な性格の本書は珍しいといえます。
若い頃から壮年期まで、その時期に孟子がどういった思想をもっていたのかという変遷がわかり、それらの思想が生まれた経緯などもわかります。孟子に対する理解をより深めたい人におすすめの1冊です。
みんなのレビュー
金谷氏の本は読みやすい。よく考えて読者にわかりやすいように書いている。ご自身でもしっかり咀嚼されたうえで読み手にうまく伝えようとしているからであろう。本書は孟子の内容というより、生き方に焦点を当てていて、伝記的な要素もある。孟子を読むにあたり、読み逃すことのできない本である。良い悪いの評価はできない。しかし、読むべし。
引用元:読書メーター
5位:「孟子」一日一言
読んでみて
孟子の名言をまとめたもので、1年間、1日に1つずつ孟子の言葉を学んでいくことができます。1つ1つの言葉について、原文と現代語訳が書かれてあり、文章量も少ないので、すぐに読めます。この本は、吉田松陰の講義録をもとにしているため、松陰による孟子の解釈が書かれているのも特徴です。
孟子の言葉の中には、現代にも残っている有名なものがたくさんあります。この本を手に、今年は1年を孟子とともに過ごしてみるのはいかがでしょう。
みんなのレビュー
先月より購読を始めた月刊誌「致知」の購読記念で贈呈された。本書の原典は、野山獄に投獄された吉田松陰が獄内の囚人たちと「孟子」の勉強会を行ったときに使った講義録「講孟劄記(こうもうさっき)」である。人徳の根本である仁の考え方をはじめとして義・礼・忠・孝の徳目が例え話で分かりやすく説かれている。難解な漢語を平易な言葉でわかりやすく伝えようとする松陰の教育姿勢も感じ取れる。折に触れてまた開いてみたい一冊。
引用元:読書メーター
4位:孟子 (中国の思想)
読んでみて
ビジネスマン向けの孟子の解説書です。わかりやすい現代語訳で、孟子の思想について学んでいくことができます。内容的には原著の半分ほどで、すべてをカバーしているというわけではありませんが、孟子に関する重要な部分を学び、全体像をつかむのにはおすすめです。
孟子の思想の代表である性善説や、五十歩百歩、自暴自棄など現代でも使われる言葉のなかに、じつはたくさん孟子の言葉が残っているということがわかり、読めば新しい発見があるでしょう。
みんなのレビュー
孟子って誰?っていう人でもわかるようにやさしく書いてくださっている本。当然のことだが、数千年生き残っている文章なので、噛めば噛むほど味が出ることばかり。とりあえず二回読んだが、まだまだ読みたい。また、古臭いと思う人もいるでしょうが、これはプラトンの対話篇なんかもそうだけれども、議論の進め方として参考になるところもあったりして、下手なハウツー本よりよほど使える。さらに、自分の発言の後に「孟子も言ってるしね(キリッ」と付け足すだけで説得力が増すという効果も期待できるかも笑
引用元:読書メーター
3位:「孟子」は人を強くする
読んでみて
Q&Aで孟子の思想を易しく学んでいくことができる新書です。「万物に共通する正義なんてありっこないでしょう」「家庭や家族なんて必要なんですか?」「どうすりゃ人とうまく付き合えますか?」など、現代の多くの人にあてはまるような質問に対して、孟子の出す回答が解説とともに書かれています。
初心者でも抵抗がなく、非常にわかりやすく読めるので、入門書としておすすめです。
みんなのレビュー
かなり噛み砕いた現代語に訳していて、分かりやすい説明でした。孟子は、職務遂行できなくなれば辞職するべきとか、諌めても聞かない指導者は替えるべきとか、現代に必要なことを現代よりも厳しく述べていると思えました。仁義のない君主は賊なので討って良いとかは、さすがに現代では無理ですが。
引用元:読書メーター
2位:マンガ 孟子・大学・中庸の思想
読んでみて
マンガでわかりやすく孟子の思想を学んでいくことができる本です。初めて孟子を勉強する人というで、なるべく難しい文章も読みたくないという人におすすめの1冊。
孟子の他に儒教の重要な正典である「大学」「中庸」もカバーしているので、孟子だけでなく儒教について広く浅く勉強することができるのもポイントです。孟子について深く学ぶ前に、まず全体像を把握しておきたいという方にもおすすめの本です。
みんなのレビュー
孟子の事を知りたくて購入。 松陰さんに影響を与えた方は、どんな人だったのか? 儒学ですので、孔子から影響を受けてます。 孟子は、孔子の高弟の角弟の門人です。つまり、直弟子ではないが、間接的に学んでるので、師事した事になると。 内容は、現代人が読むべき内容で 特に、自分の心について書かれている事が多く 人に求める前にまずは自分の心を正す。 国を修めるには、最終的には個人(自分)の心であると。 行動プランは 「心を磨き、至誠を尽くす為、”物事の道筋を極め” 知行合一を実践し続ける」です。
引用元:読書メーター
1位:孟子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
読んでみて
孟子の思想書「孟子」を初心者向けにわかりやすく解説してある入門書です。孟子のなかでも代表的な部分のみを抜粋したものですが、初めてでも挫折しないわかりやすさと癖のない解説になっています。
孟子の解説書は、いくつも出版されていますが、解説の内容に著者の孟子に対する意見が強く出ていたりする本もあります。その点、本書の解説は、偏りがなく、孟子に興味をもった人が最初に手にとるのにぴったりの本です。
みんなのレビュー
孟子の言行録、「孟子」から抜粋し、読み下し文、原文、解説を付す。孟子は孔子の逝去後百年余り後の時代に現れ、後年儒教の中で孔子に次ぐ「亜聖」と位置づけられた。論語はいろいろと触れることが多いが、孟子はそれほど知らなかったので楽しみに読んだ。性善説、四端説、王道論・革命是認論、民の声を天の声の表れと捉える見方等、興味深い。天の時・地の利・人の和、壟断、私淑、草莽の臣、似て非なるもの、往く者は追わず・来る者は拒まず等の言葉は孟子由来というのも面白い。
引用元:読書メーター
まとめ
孟子の思想は原文が漢文のために、一見難しそうに見えますが、現代にも通用する名言がたくさんあります。まずは漫画やわかりやすい入門書から手にとってみてください。
人間の心や精神についてどうあるべきか論じたものも多いので、悩んだときに読んでみるといいでしょう。以上、孟子に関する本のまとめでした。