毛利元就をよく知れるおすすめ本6選【伝記や解説書、小説や漫画まで紹介】

「毛利元就って有名な人物だけど、どんな武将だったんだろう?」
「毛利元就は何をした人なのか、なぜ有名なのか詳しく知れる本を読みたい」

毛利元就は、現在の広島県にあたる安芸の毛利家に次男として生まれ、小規模な国人領主に過ぎなかった毛利家を有力な戦国大名にした人物です。

当時、毛利家の周囲には、尼子氏や大内氏といった有力な戦国大名が存在していましたが、元就は知略と駆け引きを尽して格上の相手とも戦い、着実に版図を増やしていきました。毛利家は、明治維新で活躍する長州藩の祖となった大名で、元就はその基礎を築いた人物なのです。

ここでは、優秀な策略家だった毛利元就について知ることのできる本を、伝記、解説書、小説、漫画に分けて紹介していきます。

伝記

毛利元就 「猛悪無道」と呼ばれた男

読んでみて

元就の生涯を解説した本で、初心者向けの本なので内容も読みやすく理解しやすいです。しかしながら大事なポイントはかなり詳しく深ぼって書いてあります。

元就の政治や軍事に関わるエピソードに対して、「吉田郡山合戦は籠城戦ではなかった?」「毛利は陶晴賢の主殺しに荷担していた?」といった謎をテーマに分析していきます。

元就に関するエピソードも豊富に紹介されていて、元就のことはよく知らないという人でも興味をもって読み進めることができると思います。元就について知りたいと思った時の最初の1冊としておすすめの本です。

みんなのレビュー

魔術のようにあれよあれよと領土を拡大していった謀将というイメージで語られることが多いが、当然ながら地道な努力、決死の戦い、乾坤一擲の大博打、更には過ちや誤りも重ねながら、天運を最大限に味方につけて戦い抜いた結果の中国制覇な訳で、更には当時の中国地方及び中央政府の情勢もあっての大出世(ただし誰もが元就に成れる訳でもない)であった。本自体は、元就の生涯について丁寧な考証で書かれていて、信憑性の薄いエピソードも断りをつけた上で紹介していたりして、兎に角わかりやすく読みやすかったという印象。

読書メーター

知将・毛利元就―国人領主から戦国大名へ

読んでみて

毛利元就の生涯を描いた自伝で、ページ数をおさえて凝縮して書かれているので、サラっと元就の一生を学ぶことができます。毛利家の置かれた状況や当時の世界情勢なども説明されていて、元就が戦略家としていかに優れていたかも理解できるでしょう。

他にも、資料に関する解説や新説の紹介などもあるので、とても読みごたえがあります。元就に興味をもったら最初に読んでほしい本です。

みんなのレビュー

信長秀吉家康と違い、人気がある割に入手しやすい手頃な研究書や評伝が少ないのが戦国大名&武将である。しかし本書には満足。一見大した事がなさそうに見えて実は面白いという良書。毛利元就74年の生涯を最新の研究成果を元にコンパクトにテンポ良く書いた評伝である。元就と言えば家康と並び称される苦労人だが、そういう伝説の怪しさもあっさり解明。幼少期の元就から所領を横領し君臨した井上一族(後に元就に滅ぼされる)の罪は、どうやら濡れ衣らしい。しかし国人領主から戦国大名への変化過程では重要な事件なのだ。面白かった。

読書メーター

解説書・研究書

毛利元就 武威天下無双、下民憐愍の文徳は未だ

読んでみて

毛利氏の研究者として有名な著者が、元就の領地拡大や領国経営の方法について論じた研究所です。当時の史料を読み解きながら、「法制」「経済」「意識」という3つのポイントから、元就がこれほど飛躍することができた理由を分析します。

出てくる史料には現代語訳も併記されているので、古文や漢文は苦手という人でも抵抗なく読めるでしょう。少し難しいところもありますが、着眼点の新しさもあるので、学術書はあまり読んだことがないという方にもぜひ読んでもらいたい本です。

みんなのレビュー

毛利元就の最新評伝。副題の「武威天下無双、下民憐愍の文徳は未だ」とは、尼子を倒した毛利の山陰での悪評を忌憚なく伝えた医師・曲直瀬道三の言葉。著者は元就の地元広島大学の教授だが、いやぁ…この本難しかった(笑)。伝記というよりも毛利の統治とルールに関する研究書である。元就贔屓なので何とか読んだ。無論つまらない訳ではない。元就の隆元への家督譲渡の背景には、家来への報償が滞って評判を落とした事の打開であるとか、元就と隆元の私信中に出て来る家来の悪口だとか(笑)、新知見も多く満足。また時々拾い読みしたい。

読書メーター

戦国大名毛利家の英才教育: 元就・隆元・輝元と妻たち

読んでみて

毛利家に関する研究書なのですが、毛利元就ではなく元就、隆元、輝元ら子供たちを生んだ元就の妻たちにスポットを当て、毛利家の家族関係や元就の家族観について解説する本です。元就はとても筆まめな人だったので、妻たちとの間にもたくさんの書状を残しています。

本書では、そうした文書を丁寧に見ていくことで、元就が妻や子供のことをどう考え、どう接していたのかを明らかにしていきます。元就に限らず、戦国大名の家族関係に着目した本は珍しいため、当時の家族の在り方についても知ることができるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

なし

小説

毛利元就(山岡荘八歴史文庫)

読んでみて

毛利元就を主人公にした小説で、幼少時代の元就から戦国大名として頭角を現していく姿が描かれます。小説ですので、事実と異なるところや脚色されているところもありますが、毛利元就に関する基礎的な知識を学ぶのには最適です。

毛利元就が斬新な戦略によって、尼子、大内といった周辺のライバルたちと渡り合っていく姿が描かれるので、読んでいて爽快感があります。

その代わりに、合戦の描写は少し淡泊で、どちらかというと元就の戦術や戦略にスポットを当てた作品になっています。毛利元就に興味をもった人に最初に読んでほしい小説です。

みんなのレビュー

元就には8.9才の時、既にお杉の方(父親の妾)に絶対的な愛情をいだかせ、家臣にもその才能を予感させるものがあったという。父親が死に、お杉が元就をかくまうところから物語は始まるのだ。昔は早熟だったにしても、頭角を現す人物はやはり小さい時から何かが違うものなのだろうなあ。 先の話がとても楽しみ。

読書メーター

漫画

戦国人物伝 毛利元就 (コミック版 日本の歴史)

読んでみて

漫画で日本の歴史を学べるシリーズの戦国武将にスポットをあてたうちの1冊で、毛利元就の生涯を扱っています。弱小領主の家に生まれた元就が、ライバルである大内氏、尼子氏を破って中国地方の覇者になっていく様子を、いろいろなエピソードを交えて子供時代から丁寧に描いていきます。

漫画なので、手軽に読むことができて元就に関する基本的な知識を学ぶことができるおすすめの1冊です。元就に興味をもったら、ぜひ最初の1冊として手に取ってみてください。

みんなのレビュー

山口に住んでいながら長門国と周防国に分かれていたことを知りませんでした。建築に人を埋めて人柱にしたりや長州の家紋が毛利家からきてることも。 ざっくりとした感じのマンガですが、何も知らない人からすると丁度いい本だと思います。毛利元就の知的で戦略的なところや、別け隔てなく人と話をし情報を得て教養的な人物であったことなど 勉強になりました。

読書メーター

まとめ

毛利元就は、名前を知らない人はいないくらいに有名な戦国武将ですが、実際にどのような人物であったかといわれると、あまり知られていません。ですが、小さな国人領主だった毛利家を有力な戦国大名に成長させた元就は、間違いなく傑物だったといえます。

ここで紹介している本を読めば、稀代の戦略家だった元就の功績を深く知ることができるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。以上、毛利元就に関する本のまとめでした。

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