村上隆をよく知れるおすすめ本6選【芸術論から展示図録まで】

あなたは今、世界的な現代美術家・村上隆について興味をもち、関連書籍を探している最中かもしれません。そんななか、こんなお悩みをもつことはありませんか?

「どんな本を読んだらいいんだろう…」
「専門知識がないと、芸術関連の本は無理かなぁ…」

そのようなお悩みを解消すべく、この記事では村上隆にまつわるおすすめ書籍を6冊、ご紹介します。

これらすべて、美術展に行ったり、書店の芸術コーナーを見て回ったりする著者が、ぜひ読んでいただきたいと思うものばかりです。

今回は芸術論、展示図録という2つの切り口でご紹介します。どれも村上隆の人物が色濃く反映されたものであるため、彼を深く知りたい方にはうってつけです。

村上隆の芸術論が知れる書籍4選

村上隆完全読本 美術手帖全記事1992-2012

読んでみて

1992年~2012年の20年間、美術誌『美術手帖』に掲載されてきた村上隆の特集を、800ページ超の大ボリュームでまとめた本です。村上隆の作品や考え方にじっくり触れたい方には、ピッタリの一冊といえます。

エキセントリックとも受け取られがちな彼の発言の背景を推察できるため、物事をより深く捉えようと考えるようになりました。また、20年もの時間をかけて、その思想・実践方法が変化しているかどうかが分かり、芸術の楽しみ方に「時間」という要素が加わります。

みんなのレビュー

1992年からの村上隆の軌跡。現代美術として作品の素晴らしさに加えて、本来作家が語らない会社やオークションなど現代美術の裏側まで知ることが出来ます。映画制作のリスクが懸念されます。

引用元:読書メーター

芸術起業論

読んでみて

芸術家・村上隆誕生の軌跡を知ることができる一冊です。すべての人はアーティストであると同時に起業家であると述べているなど、経営的な視点で芸術を語る点には新しさを感じました。

本書で述べられていることは本人の実体験に由来しており、そのエピソードもまるで小説のようにドラマチックで、読む者を飽きさせません。と同時に、壮絶な苦労の様子が語られていくなかで、自分の普段の頑張りが本当に100%のものかどうか、見つめなおすきっかけにもなってくれます。

総じて、美術家はもちろん、一般の人にとっても考えされられる部分が多いです。

みんなのレビュー

村上隆がひたすらかっこいい。 時代との接点。日本人としてのプライド。日本の文化を信じきれなかった美術業界への批判。コミュニケーションとは。マネーの業について。 一見、難解そうな話でも村上隆の真っ直ぐな思いとアートを通して確信に迫る素晴らしい図書。

引用元:読書メーター

芸術闘争論

読んでみて

芸術家志望の若者だけでなく、「好きなことで生きていく」という志向の人には必読の一冊だと感じました。やりたいことだけをやっていてもそれで食べていけはしないという現実を、本書は突きつけてきます。

どんなものが誰に評価されるかという分析・戦略は、想像していたアートの世界とはだいぶ違うようです。世界的アーティストとして活躍している著者だからこそ、その言葉には抗いようのない重みが伴います。

このように本書には、表現者としてのキャリア形成を考えるうえで、重要なことが詰まっていました。

みんなのレビュー

創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」

読んでみて

芸術家に必要なのはデッサンの上手さでしょうか?それとも独創的なセンスでしょうか?

世界で戦えるほどに突出するためには何が必要なのか、どうして必要なのかを情熱的な言葉で綴っているのが本書です。本書からは、「執念」とよべるほどの意志を感じ取ることができます。

そして、夢を叶え、成功することは生易しいことではないのだと気づかされます。これはあらゆる分野に通ずる話であり、特にこれから社会に出る若者に読んでもらうべきなのではないか、そんなふうに思えてなりません。

みんなのレビュー

世界で活躍する現代アーティスト村上隆氏のビジネス書。 第一線にい続けるには、芸術にもビジネスセンス(マネジメントやマーケティング、ブランディング)が、それ以前に社会常識と覚悟が重要という話。 芸術家であろうと求められるものはこの世に存在するすべての職業人(アスリート、もの書き、政治家、経営者etc)と何ら変わらない。 巻末の、ドワンゴ川上量生氏との特別対談は頷くこと多々。最近大きな違和感を覚えている「日本人の過剰な平等意識」はまさに「答えの見つけにくい時代には正論が流行する」が表出しているに違いない

引用元:読書メーター

村上隆の作品がわかる展示図録2選

村上隆のスーパーフラット・コレクション

読んでみて

こちらは2016年に横浜美術館で開催された、「村上隆のスーパーフラット・コレクション-蕭白、魯山人からキーファーまで」の展覧会図録です。展覧会そのものも、絵画から彫刻、映像、その他諸々ありとあらゆるもののオンパレードといった趣でした。

そして同時に、その図録もとにかく「すごい…」としかいいようがないほどのボリュームです。そこからは、混沌とした展示会のエネルギーを凝縮したかのような凄みを感じます。

もはや単なる「コレクション」という言葉では収まらない、村上隆の生き様を表したかのようなものに思えます。

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なし

リトルボーイ―爆発する日本のサブカルチャー・アート

読んでみて

2005年にニューヨークのジャパン・ソサエティー・ギャラリーで行われた、「リトルボーイ展」のカタログで、日本のサブカルを体系的にまとめた意欲作です。日本の戦後史とサブカルチャー、ポップカルチャー、アートの結びつきが語られており、私達が享受する文化の背景にはたくさんのものが潜んでいることを実感できます。

「リトル・ボーイ」という表題は、広島に落とされた原爆の名であり、日本のサブカルチャーと関わっているという記述は、否が応でも私たち日本人の目を引く内容でした。

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まとめ

これまでご紹介した本をみると、村上隆という人物の哲学が垣間見えるようですね。

今回の記事では、芸術家・村上隆をより知ることができる本、以下の6冊について解説してきました。

  • 『村上隆完全読本 美術手帖全記事1992-2012』
  • 『芸術起業論』
  • 『芸術闘争論』
  • 『創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」』
  • 『村上隆のスーパーフラット・コレクション』
  • 『リトルボーイ―爆発する日本のサブカルチャー・アート』

これらの本を読むことで、現代アートやサブカルチャーに対する理解を深めることができるでしょう。そしてそのときこそ、村上隆の世界を覗いてみる絶好のチャンスではないでしょうか?

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