【24年11月最新】武田信玄をよく知れるおすすめ本ランキングTOP13

「武田信玄ってよく聞くけど、実際は何をした人なの?」
「武田信玄について学びたいけど、分かりやすい本がどれかわからない!」

武田信玄は、歴史の教科書はもちろん、大河ドラマにも取り上げられるほどの偉人ですが、名前を聞いたことがあるだけという人も多いのではないでしょうか。せっかく学ぶなら、武田信玄のことについて分かりやすく面白く書いている本を選びましょう。

この記事では、武田信玄について知りたい人におすすめの書籍をランキング形式で13冊紹介します。初心者の人でも読みやすい漫画から、詳しい内容に踏み込んだものを読みたい人向けの小説や資料まで、幅広いジャンルから選びましたので自分に合う本がきっと見つかります。

ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

13位:甲陽軍鑑

読んでみて

甲陽軍鑑は長篠の戦いの直前に成立したと考えられている本で、武田家重臣の高坂弾正が語った内容だとされます。武田信虎時代の話や信玄の領土拡大などについて様々なエピソードが書かれた本です。

甲陽軍鑑自体が戦国時代に書かれた本なので決して読みやすくはありません。しかし、当時の武将たちの息遣いをリアルに感じたい方ならとても面白く読み進めることができるでしょう。

みんなのレビュー

全文ではなく、前半の四分の一程度しか収録されていないのが非常に残念に感じるくらい、とても面白い内容でした。信玄公だけでなく、上杉謙信はもちろんのこと、北条早雲や織田信長、徳川家康の話と多彩な武将の話を取り揃えている印象です。

どれもが優れた武将とはどういうものかをわかりやすく語ってくれているエピソードで読みごたえがありました。

新君主である勝頼とその周囲にいる長坂、跡部への諫言の部分も多々ありつつも、武将のエピソードが生き生きと描かれているので、戦国武将が好きな人なら誰でも楽しめると思います。

引用:読書メーター

12位:武田信玄: 芳声天下に伝わり仁道寰中に鳴る

読んでみて

世間によく知られた「戦国大名としての武田信玄」だけではなく、一人の人間としての武田信玄の実像に切り込んだ作品です。残された歴史資料から、武田信玄の実像に迫ろうとしたといってよいでしょう。

この本では武田信玄の教養人としての一面を垣間見ることができます。今まで知られてきた武田信玄を違った切り口で見てみたい方にお勧めです。

みんなのレビュー

武田家の研究者が武田信玄のことを書いた本。信玄の実像をなんとか伝えようとする作者に感謝。 信玄の棒道を否定したり、治水事業もそこまで大きくない、金山衆は自立していたと世間で言われている信玄の業績を否定している。

では何が凄かったのかと言うと、信玄時代は甲斐の人々にとってバブル時代であること。甲斐の領内で戦をしないで他国から富を勝ち取ってことで領内の人達が豊かになったこと。

信虎・勝頼は甲斐で戦争したことになったけど、信玄はしていないことが良かったのではないだろうかと作者は主張している。

引用:読書メーター

11位:武田信玄(歴史文化ライブラリー)

読んでみて

戦国大名としての武田信玄の全体像に迫ろうという作品です。武田信玄の国内政治や軍略などについて事細かに分析を加えています。

テレビ番組などで良く取り上げられる「信長包囲網」や信玄の上洛作戦など戦国大名武田信玄の華々しい活躍を見ることができるでしょう。政戦両略に長けた武田信玄についてよく知りたい方にお勧め。

みんなのレビュー

「あとがき」にもあるように、単なる年代記風の信玄伝ではない。「軍事と外交」「武田信玄の内政」「家臣団編成と軍制」の三本柱で著者独自の信玄像を描いた好著。

戦国大名といえば、合戦ばかりに光が当たるが、かれらは敵と戦ってばかりいたわけではない。税や法、治水、まちづくりなど、信玄の内政について多くのページが割かれている。

残念ながら読み手の側の知識不足のため、十分な理解が得られなかった箇所もあるが、全体的にとても興味深く読めた。エピローグにあたる「戦国史の中の武田信玄」が最も刺激的。

引用:読書メーター

10位:戦国人物伝 武田信玄 (コミック版日本の歴史)

読んでみて

子供向けの漫画ではありますが、武田信玄の生涯についてわかりやすく解説されています。父信虎との対立や弟信繁とのきずななど、武田信玄の家族についても知ることができます。もちろん、上杉謙信との川中島の戦いについても触れられています。

あまり複雑なことは書かれていませんが、武田信玄のライフヒストリーを簡潔にたどるにはちょうどいい本ではないでしょうか。

みんなのレビュー

父との確執、弟との絆、宿敵・上杉謙信との戦いなど、風林火山の旗のもと、無敵の武田騎馬隊を率いた武田信玄の生涯を描く学習まんが。図書館本の割に新装版なので期待したが、やはり子ども向けは子ども向け。1武将の生涯を描くにはボリューム不足。

受験勉強や大人向けには巻末の解説で知識を補い、気が向くなら別の本で更に深く知るなど入門編として読むと良い。私的には家系図や登場人物の相関図などがあるともっと読みやすかったと思う。

引用:読書メーター

9位:角川まんが学習シリーズ 日本の歴史7 戦国大名の登場

読んでみて

この本は武田信玄というより、戦国時代の日本全体を描いた作品です。信玄個人の伝記もとても面白いのですが、一歩引いて、戦国時代というものを客観的に理解するのに良い作品です。

武田信玄や上杉謙信は、戦国時代という大きな渦の中でどのように行動してきたのか。全体の大きな流れをつかみたい方にお勧めです。

みんなのレビュー

室町時代から戦国時代。応仁の乱のあと、天皇も幕府も信頼出来ない状況から、下克上が起こったのを初めて知った。守護大名、守護代が力をつけて、我こそはと自分の領地を増やし力を誇示するようになる。

その中でも上杉謙信は異質で、自分の欲で戦うのではなく、日頃懇意にしている守護大名などから助けを求められて戦に出陣していく。しかもそれでほとんど負け無し。

川中島の合戦で武田信玄と五度の決戦をし勝ち負けがつかなかったが、それによりお互いに尊敬しあうようになる。戦友としての友情は素晴らしいものだと感じた。

引用:読書メーター

8位:決戦!川中島

読んでみて

武田信玄と上杉謙信が争ったといわれる川中島の戦いを、7人の作者がそれぞれの見解で描いている作品です。歴史上でも有名なライバル同士の対決を描いているので、歴史ファンにとってはたまらない内容になっています。最強VS最強のぶつかり合いなので臨場感があって、読んでいて川中島の戦地にいるような感覚になります。

7人の見解を学ぶことができるので、308ページというボリュームにも納得できます。また、短編集といった構成なので自分の好きな章から読むことができるので、本が分厚くても読みはじめる時のストレスは感じにくいです。

みんなのレビュー

歴史作家が両軍の武将の視点で描く競作シリーズ第四弾!

最強と言われた戦国大名同士が激突。信玄率いる武田軍と謙信指揮する上杉軍の大会戦で、付き従った武将たちが見たものとは! 戦国最強対決の「瞬間」に、七人の作家が参戦。大好評「決戦!」シリーズ第四弾!

引用元:ebook

7位:武田信玄と勝頼―文書にみる戦国大名の実像

読んでみて

武田信玄とその息子・勝頼の文書を読み解いて、その人柄や滅亡に至るまでの経緯を描いた作品です。東京大学の史料編纂所に勤める鴨川達夫教授が、実際の中世史料を読解・検討している作品なので、古文書分析の研究所として評価されています。

前半では古文書を細かく読み解いて事実を抽出し、後半では信玄の軍略について著者の見解を述べています。語り継がれている通説とは違った武田家の実態を見ることができるので、歴史学の上級者におすすめの本です。

みんなのレビュー

歴史の研究にあたって、古文書を読み解くことがいかに重要かということと、それが簡単にできるものではないことを改めて実感させられる一冊で、最近読んだ日本史関連の本の中では、もっとも面白い一冊でした。

引用元:Sicanbre

6位:武田信玄―伝説的英雄像からの脱却

読んでみて

武田信玄の従来の伝説的な英雄としてのイメージを取り払おうとしている作品です。信頼できる一次史料を参考にして、冷静に淡々と「一介の戦国大名」として武田信玄を扱っているので、信玄の一般的なイメージを抱いている人にとって新鮮で有意義な本といえるでしょう。

著者はあとがきで、武田信玄のイメージは江戸時代に描かれた『甲陽軍鑑』の影響が大きく、本作も完全に『甲陽軍鑑』から離れることができたわけではないと述べています。それほどまでに、一般的な武田信玄像は虚実が混ざっているものだと痛感することができます。

みんなのレビュー

タイトルの通り、従来まで伝説的見地から語られることが多かった武田信玄の人間像に学術的見地から客観的に迫っていく。当時の時代背景に関する研究成果を踏まえた上でそこから真実の信玄の姿を解き明かしていくスタンスは一般の読者にも十分読みやすい。良書。

引用元:book live

5位:武田信玄 謎解き散歩

読んでみて

戦国最強と呼ばれる武田信玄は実際どんな人だったのか…、家族や家臣、当時のライバルたちから見た武田信玄の人となりを描いた作品です。巷にあふれている彼の史実は虚実が入り混じっていますが、真の姿をできる限り紐解いていくことに注力しています。

タイトルにもある通り、武田信玄が生きた戦国時代を気軽に散歩するような感覚で読み進めることができ、使われている写真もすべてカラーなので歴史書が苦手な人にもおすすめです。

みんなのレビュー

研究者が各章の執筆を担当。その結果、文庫とは思えない程の充実した内容に仕上がっている。お得感満載。各項目も2~4ページと適度な量で、興味をもった項どこからでも読める。武田信玄初心者にもオススメ。

ブックメーター

4位:武田信玄(講談社文庫)

読んでみて

吉川英治賞や菊池寛賞を受賞した津本陽が描く武田信玄です。ともすれば、単なる悪役に描かれかねない父の信虎や引き立て役になりがちな信濃の諸豪族たちにもスポットを当てた作品です。

信玄に二度の敗北を味あわせた北信濃の村上義清や、信玄にとって思いのほか長引いてしまった川中島の戦いなどの様子がよくわかります。いままでとちょっと違った武田信玄の生涯を知りたい方にお勧め。

みんなのレビュー

武田信玄と川中島は切手も切れない関係だが、そこであまりにも時間を費やし過ぎ、天下が遠退いて行ってしまったのでしょう。この巻の後半部分を読んで、そう感じました。中巻以降も同じようになるのでしょうか?

引用:読書メーター

3位:武田信玄 (講談社漫画文庫)

読んでみて

新田次郎原作の武田信玄を横山光輝が漫画化した作品です。横山光輝といえば『三国志』をはじめ歴史ものの漫画かには定評があります。この作品でも、横山作品の魅力である生き生きとした人物描写がみられます。

第1巻では若き日の信玄の苦悩が描かれます。父親の追放という負い目を背負いながら、家臣をまとめるため信濃勢と戦いを繰り広げる様子が眼に浮かぶようです。本格的な信玄の漫画を読みたい方にお勧めです。

みんなのレビュー

若い晴信が父を駿河へ追放し、混乱に乗じて侵攻してきた諏訪氏・小笠原氏などの信濃勢との攻防が中心。信虎と晴信の両方からの依頼を天秤にかける今川氏のように、一筋縄ではいかない相手との緊迫した駆け引きが面白い。

また、外交や合戦では優れた才能を見せる一方で、女に夢中になってしまう若さの残る晴信がいい。敵役の人物にもそれなりの花道も用意され、いわゆる「子供向けマンガ」とはまったく異なる奥が深い作品。さすが新田先生&横山先生と言いたい!

引用:読書メーター

2位:風林火山(新潮文庫)

読んでみて

2007年のNHK大河ドラマに選ばれた『風林火山』の原作小説です。この作品は武田信玄に仕えていた軍師・山本勘助の半生を描いています。自分の命を狙って武田家に士官を申し出た勘助を召し抱え、次第に信頼関係を結んでいくという武田晴信(後の信玄)の懐の深さが描かれています。

主人公は武田信玄ではありませんが、軍師として常にそばに仕えていた山本勘助から見た、主君としての武田信玄の姿を想像することができます。甲州から領土を広げようとする山本勘助や武田信玄を、英雄としてではなく等身大の人間として描いています。

みんなのレビュー

井上靖の作品は、初めて読むが、昭和30年の作品とは思えないくらい、今読んでも色鮮やかな作品。 登場人物の心象風景が手に取るように分かる。 武田家のために、命を懸けて仕えた、軍師・山本官兵衛。 官兵衛を信頼し、何事にも動じなかった武田信玄。 信玄を愛し、最期まで信玄を信頼していた由姫布。 それぞれが、三者三様に戦国の世を駆け抜ける。

引用元:読書メーター

1位:武田信玄(文春文庫)

読んでみて

1988年にNHKで放送された大河ドラマ『武田信玄』の原作です。武田信玄の旗になぞらえて、風の巻・林の巻・火の巻・山の巻といった4作構成の歴史小説になっています。戦国最強というイメージが強い武田信玄の負け戦や敗走する姿も忠実に描くことで、思わず感情移入してしまうほど武田信玄の人間くささを表現している作品です。

駿河一帯を統治していた今川義元を牽制しながら、甲州から諏訪・信濃へ領土を広げようとする武田信玄の活躍が作品を通して描かれています。現在の日本地図と見比べて読み進めると、彼が奔走した舞台が分かりやすくなります。また、作者が山岳小説を得意としていたことから、山や気候の様子が細かく書かれた川中島の戦いや桶狭間の戦いは臨場感たっぷりです。

みんなのレビュー

以前読んだことがありましたが、すごく楽しめていたのに、最後まで読んでいなかったので、再読。 やっぱり面白い。読みやすく、流れに不自然さがないのがよい。武田信玄を好きになったのはこの小説を読んでからだったはずで、それを再認識。

引用元:読書メーター

まとめ

この記事では武田信玄について取り扱っている本を13冊紹介しました。

どの本も、通説で語られている武田信玄の戦国最強というイメージは本当なのか?という世間の疑問を、史料を参考にすることで解き明かそうとしています。小説でも、百戦錬磨の偉大な人物というより、甲斐を治めようと奮闘した人間的な戦国大名として描かれています。

これらの本を読めば、武田信玄がどういう人で、何をした人だったのかを知ることができます。ぜひこの記事を参考にして、武田信玄が生きた戦国時代の雰囲気を味わってみてください。

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