「美術初心者でもピカソのすごさが実感できる本を教えてほしい!」
「ピカソ本人や絵に興味があるけど、美術の専門書は難しそうだから読むのはちょっと…」
ピカソについてもっと知りたいけれど、本は難しそうだから…。きっとそんな風にためらっている人は多いと思います。しかし、たとえアートに関する知識がなくてもピカソについてわかる本があるとしたら、読んでみたいですよね?
そんなあなたに向けて、本記事ではピカソの生涯や絵についての解説本をランキング形式で9冊ご紹介しています。読めばピカソの歴史や、技術的な絵のスゴさ、さらには鑑賞ポイントまで網羅的に知ることができるものばかりです。
本当の初心者の人でも読める画集や入門書から、少し詳しく踏み込んだ内容の学術書まで、幅広く選びました。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
9位:ピカソ(講談社学習コミック)
読んでみて
「文章が苦手…。だけどピカソについて知りたい!」という人は、こちらの漫画でピカソの歴史を追うことができます。
ピカソ幼少期の頃や、代表的な作品がどう生まれたかなど、ピカソを知るうえで外せないエピソードをギュッと凝縮して漫画に描いています。
漫画にすることで、ピカソの人柄やそれぞれのエピソードの背景がより鮮明に理解できるのが魅力です。文章が苦手な人はもちろん、よりピカソのイメージを膨らませたい人にもぜひ読んでほしい1冊です。
8位:ピカソ
読んでみて
ピカソやその周辺の人々とも親交のあった美術評論家・瀬木慎一氏による評論書です。生前のピカソと、彼を取り巻く重要人物から話を聞いて生み出されたこちらの本は、常人では理解できないほど深くて鋭い考察がされています。
ピカソの愛すべき人柄、奔放な女性関係、ゴッホら有名な芸術家との比較など、生々しくもピカソを知るうえで外せない情報がぎっしりです。ピカソ初心者から脱却するうえで必読の1冊です。
みんなのレビュー
ピカソの展覧会を初めて日本で開催し、長年に渡る親交があった著者だからこそ書けるピカソの人柄や人間関係、そして苦悩。彼が常に前衛でい続けられたこと、数々の名作の裏側が垣間見れた。
引用元:読書メーター
7位:ピカソ (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
読んでみて
タッシェンの「ニューベーシックアートシリーズ」は、アーティストの伝記と作品が楽しめるドイツ生まれの美術全集です。全96ページでボリュームは少なめですが、図版の質がよく手軽に巨匠の作品を楽しめます。
ピカソといえば絵画作品を連想する人が多いかと思いますが、彫刻作品も数多くあります。こちらの画集では絵画や彫刻のほか、スケッチや作品のための習作なども見ることができるのでおすすめです。
みんなのレビュー
ピカソはまず見なければはじまらないというのは本当で、見ていればピカソが何をしていたか、各々自分なりにある日突然大悟の瞬間が訪れるだろう。決して難解ではない。
引用元:読書メーター
6位:ゲルニカ ピカソが描いた不安と予感
読んでみて
「ピカソといえば『ゲルニカ』」といっても過言ではないほど有名な絵画「ゲルニカ」。こちらの本はこれまでご紹介した本とは異なり、その「ゲルニカ」だけに焦点を絞ったことで、違った角度からピカソの魅力を知れる本になっています。
ピカソという天才が名作「ゲルニカ」を創造していく過程から、完成した後までをさまざまな視点から分析することで、総合的に「ゲルニカ」を考察しています。
ただ、美術に慣れていない人には難しい内容も多く含まれますので、美術の入門書や他のピカソ関連本に目を通したうえで読むことをおすすめします。
みんなのレビュー
素人には名画にすら見えない絵画が、どうしてピカソの代表作ともいえるほど有名になったのか。なぜ価値があるとみとめられたのか、ピカソはどんな思いでこの絵を描いたのか。本書では、《ゲルニカ》の制作過程も見ながら、これらの疑問を明らかにしてくれます。
引用元:はてな
5位:もっと知りたいピカソ 生涯と作品
読んでみて
こちらの本は「ピカソの入門本」としてAmazonレビューでも4.7の高評価を獲得しています。ピカソの人生を幼少期から時代順に追っているので、彼の人格がどのように形成され、どう作品に影響していったのかをゼロから理解できます。
個性的な画風で有名なピカソ。では、あの独特なタッチはどのように生まれたのでしょう…?そういった気になる疑問について「ピカソが過ごした時代背景」「ピカソに影響を与えた人物」など多くの視点から読み解くことで、初心者にもわかりやすい解説書に仕上がっています。
ただ残念ながら絵はほとんど掲載されていません。しかし、ピカソという人物をゼロから学ぶ人には、最もハードル低く読める解説書といえます。
みんなのレビュー
ピカソの生涯を知ることができた。キュビズムを完成させるまでの道のりや苦悩も知ることができた。91歳まで生きて、生涯創作し続けたピカソはすごいと思う。物事を極めるってすごい。
引用元:読書メーター
4位:ピカソ (おはなし名画シリーズ)
読んでみて
「おはなし名画シリーズ」は、児童書でありながら大人も子どもも楽しめる本格的な美術全集です。1人の芸術家の生涯を辿りながら、作品を鑑賞することができます。
8歳の少年ピカソが描いたデッサンから、「青の時代」「キュビズム」など次々に変わっていく画風、そして最晩年の90歳で描いた自画像まで大充実の内容です。子ども向けのわかりやすい表現で解説されているので、「美術のことは何もわからない…」という人にもおすすめできます。
みんなのレビュー
3位:ピカソ 型破りの天才画家
読んでみて
児童書の文庫シリーズとして人気のある「講談社青い鳥文庫」から、ピカソの伝記が出版されました。ピカソの生涯を子ども向けにわかりやすく描いているのですが、大人が読んでも面白いです。
世界恐慌や度重なる戦争など、大激動の20世紀を生き、たくさんの作品を残したピカソ。巨匠と呼ばれる彼の人間としての側面を描いたストーリーは、私たちが知るピカソという存在を立体的に浮かべ上がらせてくれます。小学生向けの児童書なので、お子さんと一緒に読んで感想を語り合うのもおすすめです。
みんなのレビュー
2位:西洋絵画の巨匠 ピカソ
読んでみて
こちらの本は大型のピカソ画集であり、ピカソの絵をとても綺麗な画質で鑑賞することができます。
ピカソを知るには、まず彼の絵を見ることから始めましょう。こちらの本はピカソの絵を高画質で見られるだけでなく、初心者の人にもわかるように1点ずつ丁寧な解説を入れているため、美術に慣れていない人にもおすすめです。
一般的にこういった画集は価格が高いのですが、こちらはお値段も3,500円程度とお手軽です。ピカソの絵を知るならば最初に見ておきたい1冊となっています。
みんなのレビュー
暗幕のゲルニカが第二次世界大戦前後のピカソにスポットライトを当てているので、彼の生涯の作品を通して見てみたくなりました。また「ゲルニカ」がA4サイズ4枚分の大きさで収録されていて、細部まで観賞するのにちょうど良かったです。読んだと言うより、解説を見ながら作品を観賞した本です。
引用元:読書メーター
1位:青春ピカソ
読んでみて
『太陽の塔』などを代表作にもつ、日本を代表する芸術家・岡本太郎氏によるピカソの評論本です。
岡本氏が20代になる手前でパリに留学へ行ったとき、ピカソの絵と出会い、人生を揺るがすほどの衝撃を受けた冒頭から物語に引き込まれます。その後の解説も「さすが天才、見る視点が秀逸!」と感じてしまう面白さです。
日本で天才と称される岡本氏に「天才である」と豪語されることで、いかにピカソが偉大なのかがわかります。「本当にピカソって凄いの?」と少しでも疑問が残っている人におすすめです。
みんなのレビュー
岡本太郎からみたピカソへの讃歌。圧倒的存在のピカソへの憧れともどかしさを感じる。
引用元:ブクログ
そしてセザンヌ、ピカソを見て涙する岡本太郎の青春体験を読むことで時代を創る芸術家なんだなと、凡人である自分と違うなと思わずにいられない。
まとめ
最後にこの記事についてまとめます。
- 画集を見ることで、ピカソの絵がどのようなものかがわかる
- 入門書や児童書・漫画では、ピカソの人柄や技術の高さが学べる
- ピカソ評論家の瀬木氏、現代美術家の岡本太郎氏の視点からピカソを見ることで、「いかに凄かったか」を実感できる
- 代表作「ゲルニカ」の考察本から、ピカソの異次元な創造力を垣間見れる
美術の世界は難しい用語も多く、とっつきにくく感じる人も少なくないでしょう。しかしピカソという「人物」から入ることで、面白さを理解しやすくなります。
世界にはピカソのような魅力的な芸術家がたくさんいます。ぜひ今後も美術の世界を探求し続けてみてください。