推理作家「アガサ・クリスティー」のおすすめ作品・本5選

アガサ・クリスティーは「ミステリーの女王」として世界的に知られるベストセラー作家であり、実に66作もの長編小説を出版しています。

「アガサ・クリスティーの本を読んでみたい」と思っても、これほどたくさんの作品があると、どの作品から読んだらいいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回の記事ではアガサ・クリスティーが書いたおすすめの小説を小説家である筆者が5冊紹介させて頂きます。名探偵が推理をする物語から、驚きのどんでん返しがある物語まで色々と取り揃えました。

そして誰もいなくなった

読んでみて

絶海の孤島を舞台にした、いわゆる「クローズド・サークル」の先駆け的存在である物語です。

とある孤島に招かれた8人の男女と2人の召使が、童話『10人の小さな兵隊さん』になぞらえた見立て殺人により死を遂げていく様子は、非常に緊迫感があります。

誰が何の目的でこんなことをしているのか?それが分かるまで目が離せません。

クローズド・サークル系のストーリーが好きなら絶対に読んでおくべき一冊です。

みんなのレビュー

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オリエント急行殺人

読んでみて

名探偵ポアロシリーズの8作目にあたる作品です。雪の影響で立ち往生してしまった、オリエント急行列車で巻き起こる殺人事件の謎をポアロが解いていきます。

殺害されるのはラチェットという大富豪で、容疑者となる乗客は全員、彼を殺害してもおかしくないような動機を持っています。

事件が起こり、探偵であるポアロが捜査を始め、容疑者を絞っていき推理をする……という王道的な推理小説だと思って読んでいたらラストで度肝を抜かれました。

乗客たちの錯綜した証言をポアロが名推理でまとめていく様子は圧巻です。

みんなのレビュー

有名な作品だが、これまで映画もドラマも見たことがなかったし、小説も今回が初読み。
雪に閉ざされたオリエント急行の中で起きた事件、被害者は誰に殺されてもおかしくない人物、この背景で面白くないはずがないのだが、登場人物の多さに初めのうちは読むのに苦労したが、覚えてくるとスラスラ読めた。ラストシーンが秀逸。映画か舞台を見ているようで、うっかり泣いてしまった。間違いなく名作だと思う。
お気に入りはドラゴミロフ公爵夫人。醜いはずなのに読んでいるうちに気高く美しく思えてくるから不思議。とても貴族らしい人物だと思う。

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ホロー荘の殺人

読んでみて

ホロー荘に招かれたポアロは、プールで血を流し倒れる男と、傍らで銃を手に立つ女という芝居のような光景を目の当たりにします。しかしそれは芝居などではなく、紛れもない本物の殺人事件だったのです。

ポアロが主人公として登場する物語ですが、どちらかというと容疑者となる登場人物たちの心理描写をメインに描いたストーリーになっています。

特に女性の恋愛心理が深く描かれているのですが、どの登場人物に強く共感するかによって読み方が変わってくるのもこの小説の面白いところです。

みんなのレビュー

アクロイド殺し

読んでみて

名探偵ポアロシリーズの3作目にあたる作品です。この作品のトリックを巡り大論争が巻き起こったのは有名な話ですね。

村の富豪が何者かの手によって殺害され、最大の容疑者である男は失踪し、事件は迷宮入りかと思われたが名探偵によって謎が紐解かれていく……という推理小説の王道的ストーリーとなっています。

しかし王道では終わらないのがアガサ・クリスティーの小説の醍醐味です。ラストの展開で衝撃を受けることは間違い無しなので絶対にネタバレなしで読んでください。

みんなのレビュー

面白かった~。よかった楽しかった。すっごく気持ちのいい読後感です♪今回も登場人物の誰もかれもがみんな怪しくて、空気は始終不穏でした。
その中に仕掛けられた真犯人への注目をそらす巧妙なアガサマジック。
これにはまんまと嵌められてしまいますね。登場人物の一人一人に不穏な影を漂わせる人格を持たせることで犯人捜しには混乱を与えられるばかりか、その分ストーリーは深みの増した人情味のある一つのドラマにもなっています。もう本当にとても素敵です。

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春にして君を離れ

読んでみて

まず、この作品は推理小説ではありません。弁護士の夫と三人の子供に恵まれ、自らをよき妻よき母だと心から思っている女性が主人公の物語です。誰かが殺害されるような事件は起きません。

主人公のジョーンは、一人旅の途中、荒天の影響で列車が止まりレストハウスに滞在することを余儀なくされます。何もすることが無くなった彼女は、膨大な時間の中で自らの人生を回想し、素晴らしいと思い込んでいた人生に疑念を抱くようになっていくというストーリーです。

性別や年齢によって読後に抱く感想がまるで違ってくると思います。人によっては心を抉られるような思いをすることになりますので、覚悟して読み始めてください。

みんなのレビュー

タイトルがとても素敵、というところから読み始めるととんでもないことになる。ある意味殺人事件より恐ろしいクリスティの名著。本当は自分が一番可愛い、独善的な主人公に嫌気がさしつつも、どこか他人事に思えないのも恐い。ここに描かれる、気づかないことの悲劇と幸福というのも、結構日常的に転がっている問題のように思う。

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まとめ

名探偵ポアロが主となって活躍する王道推理小説から、人間の心理に深く切り込んだ玄人向けの小説まで幅広く紹介させてもらいました。

アガサ・クリスティーは数多くの小説を発表していますが、どの作品もそれぞれ違った楽しみ方ができる名作ばかりです。

気になった作品があればぜひお手に取ってみてください。あなたを未知の世界へ導いてくれるはずです。

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