行動経済学に関するおすすめ本10選【入門者向けから上級編まで】

「知識ゼロから独学学で行動経済学を学べる本を探しているけれど、どれを読めばいいのか分からない…」
「行動経済学の理論はなんとなく知っているけれど実生活にどう生かせるのかわからない…」

行動経済学を学ぶにあたって上記のような悩みを抱えることが多いのではないでしょうか。筆者も、過去に同じような悩みを抱えたことがあります。

そこで今回は経済学部に所属している筆者がお悩みの解決に繋がるよう入門編、初心者編、実践編の三つの切り口に分けて計10冊の本を紹介させていただきたいと思います。

それでは本の紹介に入っていきましょう。

知識0でも大丈夫な入門者編

知識ゼロでも今すぐ使える! 行動経済学見るだけノート

読んでみて

行動経済学の歴史、理論、研究がわかりやすいイラストと図で解説されています。文章ではなく、イメージから学ぶことができるのが一番のおすすめポイントです。また一つのテーマを見開き1ページで解説しているので手軽に読むことができます。

行動経済学が堅苦しいというイメージを良い意味で壊してくれる1冊です。タイトルにもある通り、知識ゼロから行動経済学を学ぶ方にオススメしたい本となります。また、1冊2~3時間でスピーディーに読むことができるため、行動経済学の知見が既にある方の知識整理、復習にもピッタリの本になります。

みんなのレビュー

なぜ人は不合理な選択をするのか?読了後、街中を歩くと行動経済学があふれている。日常生活と直結するので学問というより身近な話です。ナッジ理論が特に面白い。行動経済学は本書に登場したD・カーネマンの『ファスト&スロー』を読んで興味を持ち、D・アリエリー、S・アイエンガーなどの著書で更に興味が深まった分野です。今まで学んだ事をクイズのように思い出しながら読みました。誤解して覚えていた事も発見できた。まだまだ知らない事の方が多くて知りたい欲求が高まります。

読書メーター

行動経済学まんが ヘンテコノミクス

読んでみて

行動経済学の原理をマンガで楽しく学ぶことができる魅力的な本です。23個の短編から構成されています。この本を一言で表すと、「行動経済学の面白さをマンガでうまく表現している本」です。

レストランでのメニュー選びに関わることやお年玉に関する話など誰もが一度は経験をしたことがある話題で解説されています。なので「その行動良くする!」という共感と共に、「自分の行動は、行動経済学を生かしたマーケテイングにハマっていたのか」となんだか悔しい気持ちにもなれる面白い本です。

初学者の方はもちろんのこと、学生の方にもおすすめです。この本が行動経済学や経済学の分野に興味を持つきっかけになるかもしれません。

みんなのレビュー

行動経済学の入門にはピッタリの本。漫画だからすぐ読めるし、日常のよくあるシーンを題材にしているので理解もしやすい。この本で行動経済学を初めて知ったが、こんなに面白い学問があるのかと思った。

読書メーター

予想通りに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

読んでみて

「頼まれごとなら頑張るけれど、安い報酬をもらった途端にやる気が無くなる」「同じ薬でも高く買ったほうが効く」など人間は不合理な行動をします。そんな不合理な行動をする人間の行動を予測しよう。というのが本書のコンセプトになります。

そして本書では不合理な人間の行動を予測することができれば、長続きしなかったダイエットが成功するかもしれないと言います。「行動経済学ブームに火をつけたベストセラー」と呼ばれる本書を是非手にとってみてください。

みんなのレビュー

タイトルだけでは意味が分かりにくいが、要するに『人間とは不合理な行動をする生き物だよ』という話。 デューク大学やハーバードビジネススクールの頭が良いとされている人達ですら、不合理な選択をしてしまうのは興味深かった。 個人的に一番面白かったのが、プラセーボ効果の話だった。同じ薬でも価格が下がったという事実だけで、効果が薄くなってしまうらしい。 心理学用語もほとんどなく、実験もユニークなので分かりやすくて面白かった。

読書メーター

マンガでわかる行動経済学

読んでみて

こちらも行動経済学をマンガで学ぶことができる本です。ですが、先程紹介させていただいた、「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」よりかは文が多く情報量が多いというイメージです。本書は、まず行動経済学とは?というところから始まる入門者向けの本となっています。

第5章では、実際に行動経済学がどのようにビジネスに生かされているのかが書いてありとても面白く読めます。Amazonの本の詳細のところには「フランスの曲を流すとフランスワインが売れる」興味を惹く小見出しばかりでつい読みたくなってしまうと思います。

本書は「行動経済学を知らなければあなたは絶対に損をする!!」と何度も言います。絶対に損をしたくない方、行動経済学がどうビジネスに生かされているのか気になる方はぜひ手にとってみてください。

みんなのレビュー

デアゴスティーニ社の行動経済学を用いたビジネスのヤバさに戦慄しました(笑) ヒューリスティック=問題解決時に使用される経験からくる解決法や法則、アンカリングや利用可能性、代表性といったものがありそれによって得られた判断にはバイアス(偏り)がともなうとされる 人って全然合理的ではないなと感じた、投資や交渉など生活でも活かせると考えているので実践していきたい

読書メーター

分かりやすく学べる初心者編

ここまで知識0でも大丈夫な入門者編の本を4冊紹介させていただきました。行動経済学の面白さをわかりやすくては伝えるような本が多く行動経済学により興味を持って頂けたのではないでしょうか。

次は、分かりやすく学べる初心者編を3冊紹介させていただきます。少し専門的な内容も増えますが、楽しく読むことのできる本を厳選しました。それではいきましょう!

ヤバイ経済学

読んでみて

本書は、経済学の重要なキーワードであるインセンティブと共に行動経済学を学ぶことができます。本書は、インセンティブには三つの種類があると解説します。そして「全ての人の行動の裏にはインセンティブがある」と言います。本書によると私達はインセンティブに支配されているようです。

私達人間を支配している「インセンティブ」とは一体なんなのか。インセンティブから逃れるにはどうしたら良いのか。映画化もされ大ベストセラーになっている本書を読み、インセンティブと格闘してみてください。

みんなのレビュー

社会的通念を多くのデータ分析により相関関係を明らかにし覆す。アメリカ的なネタが多かったけれどユニークな内容でした。 人間はインセンティブで動く。インセンティブには経済的、社会的、道徳的の3つがあることを知ることが出来ました。

読書メーター

経済は感情で動く

読んでみて

本書は、「経済は心理学」という持論を持つマッテオ・モッテルリーニは書いた本ですなので行動経済学のなかの「心理効果」にフォーカスした一冊になっています。

一つの心理効果がクイズ形式で解説されていて面白くスピーディーに読むことができます。心理効果の分析により「さまざまな局面でのあなたの癖と、相手の騙しテクニックがわかる」一冊です。

みんなのレビュー

どういうメカニズムで、不安や損失を感じるのかが分かりやすく書かれてあり、これを読むと日常にある合理的な判断ができなくなる(=損失を選ぶ)落とし穴に気づきやすくなる。 巷の大富豪系お金本の前段階的な感じで一緒に読むとすごくいいと思う。

読書メーター

行動経済学の逆襲 上・下

読んでみて

本書は、行動経済学の第一人者の1人である「リチャード・セイラー」の自伝です。「リチャード・セイラーが経済学の矛盾に疑問を感じてから研究を経て、行動経済学を確立していくまでの物語が書かれています。

行動経済学に魅力を感じ、ある程度の知識が付いてきたら是非読んでみてください。とても面白く読むことができると思います。

みんなのレビュー

従来の経済学の理論はあまりに合理的すぎて、非合理的な行動ばかりとる人間には合わないらしい。そこで「ヒューマン」に適した「行動経済学」という学問が出てくることとなる。ノーベル経済学賞を受賞した著者が、自らの半生を交えがながら行動経済学とはなんぞやを教えてくれる。

読書メーター

実践 行動経済学

読んでみて

先程紹介した「行動経済学の逆襲 上・下」の著者であり、行動経済学の第一人者である「リチャード・セイラー」が行動経済学について分かりやすく解説した本です。

本書は行動経済学の重要なキーワードであるナッジについて詳しく理解することができます。「ナッジ」とは簡単に言うと、強制やインセンティブに頼らず、人々を賢い選択へと導くちょっとした工夫のことです。そして、本書はその「ナッジ」を社会に取り組めば、より快適に暮らすことができると解説されています。

みんなのレビュー

生活にも活かせる上級&実践編

分かりやすく学べる初心者向けの本を3冊紹介させていただきました。インセンティブに着目していたり、心理学に着目していたりと専門的な内容になると本に個性が出てきました。

次は上級者向けの本と行動経済学の知識を実践生かす方法が書かれた本を紹介させていただきます。

ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるのか 上・下

読んでみて

人間の意思決定メカニズム・行動経済学をマスターする上で必読の書と言えるでしょう。ファスト&スローとは人間の持つ2つの思考「速い思考(無意識の思考)」「遅い思考(意識の思考)」を表しています。

ファスト&スローを読むとわかりますが、他の行動経済学の本に書いてあることの全てがこの本にまとまっているといっても過言ではありません。

著者のダニエル・カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の第一人者の1人でもあります。行動経済学のバイブル的存在である本書を是非読んでみてください。

みんなのレビュー

私の思考とは、なんと素直で怠惰なものなのだろう。一周回ってこれはこれで愛しささえある。 システム1:早い思考 自動計算された答えを導く 但し、バイアスかかってて迂闊に間違える システム2:遅い思考 システム1を監視しているが、ものぐさでよく見過ごす でも、ちゃんとすれば懐疑的な観点を発動させる “疑いは知の始まり”に通じた。

読書メーター

行動経済学の使い方

読んでみて

本書はタイトルにもある通り行動経済学の使い方が書かれています。内容は、働き方、医療健康、公共政策など多岐にわたる。大阪大学の講義をベースに書籍化されたため、他の本に比べ少し難しい内容ですが、何度も読み返すことで「行動経済学の応用力」が身につきます。

本書は、「学ぶだけではもう足りない。研究と応用が進み、行動経済学は使う段階に来ているのだ。」と言います。本書を読み行動経済学を使ってみてください。

みんなのレビュー

行動経済学の基礎知識とその使い方を、働き方、医療・健康、公共政策での各分野で説明している本である。大阪大学での講義を元に書籍化しただけあって興味深かったが、難しい内容だったため何度か前に戻って読み返した。同じ内容でも、言い方で結果が変わる、例えば、生存率90%の治療と言われるのと、死亡率10%と言われるのでは、生存率90%の方を受ける人が多い。確かに、納得がいった。このようなうまい言い方を覚えて、説明したり、説得したりする時に使っていきたい。

読書メーター

まとめ

今回は行動経済学を分かりやすく学ぶことができる本を以下の切り口で10冊紹介させていただきました。

  • 知識0でも大丈夫な入門者編4冊
  • 分かりやすく学べる初心者編4冊
  • 生活にも活かせる上級&実践編2冊

経済学はただでさえ難しいと思われがちなのに「行動経済学」となってしまっては、専門家の領域だと思ってしまう方も多いかもしれません。ですが、この記事で紹介させていただいたように、「行動経済学」は私達の生活に密接に関わっています。そしてわかりやすく学ぶことができる本がたくさんあります。

紹介させていただいた本の中で「行動経済学を学ばないと損をする」とか「行動経済学を学べばダイエットに成功する」と書いてありました。本当に損をするか、ダイエットに成功するかはわかりませんが、学んでおいても絶対に損はないと思います。

この記事で紹介させていただいた本の中で少しでも面白そうと思える物があったら読んでみてください。あなたの人生が変わるかもしれません。

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