「レオナルド・ダヴィンチってどんな人だったの?」
「モナ・リザや最後の晩餐以外にどんな絵を描いたの?」
誰もが知る画家レオナルド・ダヴィンチについてもっと知りたい!と思う方も多いのではないでしょうか。しかし美術の本は膨大にあり、どの本を読めばいいのかわからないことも多々…
かくいう筆者がそのうちの一人で、Amazonに膨大に並ぶ書籍をかたっぱしから読みまくるという暴挙をして(それはそれで楽しかったのですが)かなり時間を要したので、本記事ではレオナルド・ダヴィンチの人柄や生涯、絵画についてよく分かる本をランキング形式で7冊ご紹介していきます。
ご自身に合った本を見つけることでさらに美術がおもしろく、楽しくなりますよ。それではさっそくご紹介します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ
読んでみて
レオナルド・ダヴィンチは誰もが知る画家でありながら、軍事技師であり解剖学者であり、天文学者でもあったまさにオールマイティな人物でした。そのような「万能の天才」が本当になりたかったものは何だったのでしょうか?その問いを通してレオナルドの素顔に迫ったのがこちらの書籍です。
イタリア文学・文化を研究している著者は、レオナルドが遺した自筆のノート研究の第一人者です。レオナルドに関する書籍も多く、こちらの1冊が気に入ったらほかの著作に手を伸ばしてみるのもおすすめです。
みんなのレビュー
著者のレオナルド論は面白い。本書も夢中で読んだ。特に中盤の岩窟の聖母を論じたくだりは凄い。多分皆そう思うように私もルーブルの方がよく出来てると思い、でもロンドンの方があと、つまりなぜ後書きの方が不出来なのかと思っていた。著者の説はそれを解決してくれる挑戦的な論考で、胸のつかえがとれたような快感を覚えた。
読書メーター
6位:レオナルド・ダ・ヴィンチ(文春e-book)
読んでみて
レオナルドが書いたとされる7200枚もの自筆ノートをベースに彼の生き様や環境を読み解いていく作品です。多分野において興味をもっていたレオナルドは未完成の作品も多いと言われていますがその理由や考察も書かれており彼の性格や人物像をよりリアルに感じられる一冊です。
こちらは上巻ですが下巻もあるため合わせて読むとさらにおもしろいですよ。
みんなのレビュー
「芸術は科学」ダ・ヴィンチの言葉。この本は、500年前の、7200ページからなる自筆ノートの解説中心ですが、内容を知り、驚嘆しました。どうしても、画家としてのイメージが強いからです。関心の的は、十分な教育も受けず成長しながらも、持ち前の想像力、旺盛な探求心で、生涯を、科学者、技術者として送ったことです。絵画はその結晶なのでしょう。目の瞳孔まで研究していたとは、度肝を抜かれました。確かに彼は天才です。こうした陰による地道な努力で、作品が誕生した経緯は、感慨深く、ますます魅了されました。下巻も楽しみです。
読書メーター
5位:レオナルド・ダ・ヴィンチ: 生涯と芸術のすべて
読んでみて
レオナルド没後500年となった2019年に出版された本となっており、新たに見つかったとされる絵画についてやレオナルドの作品の今を書いている本のため最新の情報を知りたい方にはおすすめの一冊です。著者も長年にわたりレオナルドについて研究してきた方のため没後500年の集大成との声もあるほど魅力的な本となっています。
これ一冊でレオナルド・ダ・ヴィンチという人間が分かるというほどしっかりと根拠や理由が書かれており彼の全てを知りたい方にはおススメの作品です。
みんなのレビュー
2019年時点でレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を解説した本の決定版だと思います。5400円+税の価格もさることながら、600ページ近い分量はそれなりの覚悟が必要です。
読書メーター
4位:レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き
読んでみて
レオナルドは美術だけでなく哲学、音楽、解剖学などさまざまな分野に興味を持ちあらゆる分野で才能があったとされています。一見才能の塊のように感じますがそんな彼にはいくつもの出会いと挫折があったことが分かる作品です。その挫折からどうしてすばらしい功績を残すことができたのか、彼が描いた絵画を通して分かる書籍です。
挫折を知ることでよりレオナルドの心情や性格の変化などが分かり人物像がはっきりとします。それが反映され出来上がった作品を知るのもおもしろいですよ。
みんなのレビュー
図書館本。物語のように綴られた美術エッセーであり、「人間レオナルド」の生涯を追う。 庶子だとは知らなかった。高等教育を受けられなかったということも。でも、だからこそ生きる力を得て、人の何倍も努力して類い稀な発想を得るまでになったのかもしれない。寡作なのはなぜなんだろうと思っていたが、完璧主義ゆえに完成させた作品は少ないためとわかり納得。読み応えがあった。
読書メーター
3位:レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と生涯
読んでみて
レオナルドの生涯を資料や描いた絵画から読み解いていく書籍となっておりかなりおもしろいです。従来の絵画の見方だけでなく「こうだったのでは?」という著者の考えも書かれており読者が納得したり、あるいは独自の考え方が出てきたりと考察して読むことのできる作品となっています。
また読んだ後も考えさせられる本だと思います。
みんなのレビュー
もう40年近く前に発表されたというが、レオナルド・ダ・ヴィンチについて書かれた評伝。彼の生涯と、作品、デッサン、手記、それに同時代の証言に依拠しながら、著者の見解もしっかり盛り込まれていて手応えある一冊。アカデミックな研究者からどういう評価なのかは知らないが、著者は自分の目で見る必要を教師として常に主張していたと思う。晩年の大家も、右手が動かず創作力も枯渇していたとにべもない評価を下すが、氏がダヴィンチの作品の成立過程に加える推論は妥当なものと感じた。好著。
読書メーター
2位:ペンブックス1 ダ・ヴィンチ全作品・全解剖。
読んでみて
この本はレオナルド・ダヴィンチが描いたとされる13点をあらゆる角度からタイトル通り全解剖しています。カラーページである上に入門者でもわかりやすい解説付きでこれを読んでからレオナルド・ダヴィンチの絵画を見るとまた違った見方ができ新たな発見ができるような書籍となっています。
ついつい人に教えたくなっちゃう知識もあり、レオナルドについて詳しくなるには最適の一冊です。
みんなのレビュー
全体像がコンパクトにまとまっていて,初心者には入りやすい本だった。文章も適度な量だし,絵の写真もきれい。
読書メーター
1位:イラストで読むレオナルド・ダ・ヴィンチ
読んでみて
この本がおすすめの理由は、なんといってもオールカラーのイラストがたくさん使われており分かりやすくレオナルド・ダヴィンチの生涯を書いているということ。
またイラストがありながらエピソードも数多く書かれており彼が生きた時代背景や描いた絵に対する想いなどが内容濃く書かれています。
ページ数も少なく最後まで読めるか不安という方や初心者で分かるか心配という方はまずはこの本を読んでみるといいと思います。
みんなのレビュー
『生涯』で彼の人生の歩みを知ってから読む『仕事』は、これまで見たことのある作品もまた違った見方が出来るようになる。本書では代表作を中心に、これもイラスト入りの解説で解り易く書かれている。
ディレクターの目線blog
中でも、「兵器開発」「解剖学」そして大きな円の中に大の字の裸の男の図で有名な「人体比例」などは、彼の生涯を知ってから解説を読むと、より理解が深まると思う。作品紹介も見開きを上手く使って読み易い構成になっているのも良い。
まとめ
- 入門者はイラストや写真がたくさん使われている「イラストで読むレオナルド・ダヴィンチ」や「ペンブックス1ダ・ヴィンチ全作品・全解剖。」を読むのがおススメ
- レオナルドの光の部分だけでなく挫折や苦節を知ることができる
- 没後500年経ってもなお、レオナルドが素晴らしい人物だったといわれる理由が分かる
- 本を読みレオナルドの性格や育った環境をしることでさらに絵画に対する見方、考え方が増える
今回はレオナルド・ダ・ヴィンチについての書籍を紹介しましたがやはり彼の人生は不思議で非常におもしろいです。誰もが見たことのある作品でも本をひとつ読むことでガラリと印象が違って見えますよ。
分かりやすい本から徐々に詳しく書かれたものを読んでいくのも楽しいですし、既にレオナルドに詳しい方は彼が残したノートや著者の解釈から考察して読み解いていくのもおもしろいと思います。
万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの魅力をぜひ見つけてみてはいかがでしょうか?
えっ、あ