東村アキコのおすすめ漫画11選【ドラマ化からマンガ賞受賞作品まで】

「東村アキコの漫画でおすすめの作品はどれかな・・・?」
「東村アキコの作品で漫画賞を受賞しているものはあるのかな・・・?」

近年、東村アキコの漫画はドラマや映画の原作としてよく使われています。ドラマが面白かったから他の作品も読んでみたい!と思って書店へ足を運ぶ人も多いことでしょう。しかし、東村アキコの作品は、どれもキャラクターやストーリーの癖が強い印象があり、どれから読み始めれば良いのか悩んでしまいますよね。

そこで今回は、面白くて次々に漫画を購入するうちに、いつの間にか東村アキコの作品を家に取り揃えてしまっていた筆者が、もっともおすすめする東村アキコの漫画を11冊紹介します。「マンガ賞受賞作品」「人気ドラマ化作品」「おもしろ設定作品」の3つに分けていますので、この記事を読めば今の気分にあった漫画がきっと見つかるはずです。

マンガ賞受賞作品

海月姫

読んでみて

第34回講談社漫画賞を受賞しているこの作品は、東村アキコ作品でも1、2位を争う人気漫画です。着飾ったりメイクをすることが女性にとってどういうことなのか?男性に媚を売ったり、女性に見下されないためといった話ではなく、着ている人に自信を持たせたり勇気づけてくれるものだと気づかされます。

2014年に映画化されました。制作時に原作が完結していなかったため、途中までの話で終わっていますが、逆に映画としてはちょうど良い尺となりました。蔵之介役を演じた菅田将暉は、女装は好きだが中身は男性という本質をよく理解した演技で素晴らしかったです。ファッションショーのシーンは性別を超えた美しさでした。

2018年にはドラマ化されます。映画で見られなかった先のストーリーもあり、漫画のオチの部分まで描かれ、見応えがありました。視聴率は伸び悩んだものの、蔵之介を演じた瀬戸康史の女子力の高い姿が大きな話題になるなど、SNS上でのファンの熱狂ぶりがニュースになりました。

みんなのレビュー

とても好きな終わり方をしてくれました。王子様との恋愛や結婚より、大切なものを見つけられたのは、とても素敵な事だと思います。登場人物すべて、幸せになって欲しいと思います。

honto

かくかくしかじか

読んでみて

2015年マンガ大賞第1位、そして第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した作品です。東村アキコの自伝的作品で、若かりし頃に誰もが経験するような、嫉妬と恥ずかしさと傲慢さと無知さと、そして何より根拠のない自信と怖いもの知らずの勇気が散りばめられています。

歳を重ねた人が読めば胸が痛くなるような、涙が抑えきれないような話です。中・高校生には、東村アキコという、ある意味夢を手にした漫画家が、どんな苦労と悔しさとを抱えてその地位を手に入れたのかがわかる、人生の指南書のような作品でしょう。性別年齢問わずにお勧めしたい漫画です。

みんなのレビュー

“思い出話” を決して美化することなく、笑いを交えて「作品」として仕上げた腕前にひたすら感心しました。画力のレベルの高さもさすが。師である日高先生のユニークなキャラクターと生き様が強烈で魅力的で、東村さんの作品の中でも一番好きな漫画です。
こんな師に出会えるなんて、すごく幸せだと思う。泣けて、とても胸に迫る味わい深い名作。

honto

東京タラレバ娘

読んでみて

この作品は、第6回ananマンガ大賞やアイズナー賞最優秀アジア作品賞など、数々の賞を受賞しました。30代独身女子の、普段は見たくなくて蓋をしているような生々しい声を代弁している漫画として、ある意味「怖いもの見たさ」についついページをめくってしまうという珍しいタイプの作品です。

2017年に連続ドラマとなり、2020年にはスペシャルドラマが放送されました。恋愛ドラマではありつつも、メインキャストのカップルが生まれる訳でもなく、それぞれが生きる道を全うしようともがく姿が共感を呼んだように思います。誰かを好きな気持ちを生きる糧に変えられるのは、もう若いとは言えない30代女子だからかもしれません。

みんなのレビュー

良いラストだった・・!!倫子さんたち、現状は変わらないかもしれないけど、みんなそれぞれいっぱい間違ったかもしれないけど、だからこそ前に進むことができた。というラストが良い。KEYくん含め。
根底では王道の少女マンガセオリーを押さえつつ大人の女ならではの(汚い部分やえげつない部分含め)葛藤やズルさを入れ込んだ、現代女性を象徴する少女マンガ(ポスト少女マンガ?)の名作だと思う。アラサーのお悩み相談所と化した巻末のタラレbarもえらくおもしろかった。
幸せになりたい(してほしい)じゃなくて、幸せにしたい、が大事なのかもね。
タラレバじゃなく、カラカラ。

honto

ママはテンパリスト

読んでみて

「このマンガを読め!」2009年に1位を獲得したこの漫画は、東村アキコ自身の育児の話です。子供の行動は冷静に考えるとおかしなことばかりですが、当事者である親としては、笑い話ではないほど大変なことの方が多いです。しかし日常は続く訳で、そうした時に救いになるのがこうした育児漫画で、特にこの作品は多くの親を救ってくれると思います!

また、出産や育児経験関係なくエンタメ作品として楽しめる漫画になっているところも素晴らしいです。子供を持つことに関心がない人にも、意外と親になることも面白いかも?と思わせてしまうほどのパワーがある漫画です。男性にも人気があるというのも納得できます。

みんなのレビュー

ベタな育児漫画なんて自己満足の塊だ!!とか思ってしまう私にはこの漫画はつぼ。子供を育てることに必死な感じもありつつ、「子供おもしれー!」って客観的な見方があるのがさすが東村さんだなーって思います。

honto

人気ドラマ化作品

美食探偵 明智五郎

読んでみて

江戸川乱歩に松本清張、新約聖書の内容まで顔を出す本作は、東村アキコ作品の中でも異色のミステリー作品です。レトロ調の絵柄が雰囲気を盛り上げていて、色んな意味でコテコテの世界観にいつの間にかハマってしまう漫画です。

2020年にドラマ化されました。フィクション感満載でありながら、どこか現実にもありそうな怖さを秘めたドラマになったのは、役者陣の素晴らしいほどの振り切った演技とスタッフのバランス感覚の良さにある気がします。コロナ禍での工夫された撮影も逆にドラマチックで、SNS上でも絶賛されていました。

みんなのレビュー

東村さんやはり天才!正直、推理ものとしてはトリック簡単です。ただこの漫画は食べ物繋がりの犯罪を起こす黒蜥蜴 マリアと、名探偵明智 五郎の駆け引きがメインなので余り気になりません。そして、食べ物が毎回毎回美味しそうでお腹が空きます。
余談ですが作者の東村さんは料理がご趣味だそうで、アシスタントさんやお仲間の漫画さんに振る舞う事も多いそう。

コミックシーモア

偽装不倫

読んでみて

題名からドロドロしたストーリーを想起してしまいますが、王道のラブストーリーです。2019年に杏が主演でドラマ化されましたが、意志を持った芯のある女性を好演していたのが印象的でした。

東村アキコ作品の特徴の一つに、主人公だけでなく、脇役たちも個性的で目が離せない点があります。本作も、主人公の鐘子の姉夫婦に大きなインパクトがあり、ドラマではそれを仲間由紀恵と谷原章介が演じていて、夫婦の複雑な関係性が怖いと大きな話題になりました。

みんなのレビュー

1~4巻まで読みまみた。ダブル不倫かと思いきやあー、そういうこと!だから偽装か!普通にラブロマンスやないですかいっ!!切ない。

ブクログ

主に泣いてます

読んでみて

美人が故に悩みも多い女性を主人公にした作品です。美貌を理由に愚痴を言うなど、女性同士ではなかなかに言いづらい設定を漫画にしたところが、さすが東村アキコだと感心しました。万人受けはしないかもしれないですが、十分需要のある話だと思います。

2012年に菜々緒主演でテレビドラマ化されました。東村アキコが素晴らしいキャスティングだと絶賛したように、どの役者もキャラクターにぴったりでした。そして原作の良さを上手くまとめている脚本も見事で、今は人気脚本家になっている野木亜紀子が担当している回もありました。

みんなのレビュー

ネガティブなタイトルとは正反対の全力ギャグ漫画。超絶美人でスタイル抜群な美術系モデル紺野泉。その美貌ゆえに、数々の修羅場が繰り返された絵画教室で、唯一の生徒で女子中学生緑川つねが、泉を守るためにあらゆる技を駆使する物語。いや、だいぶ違うか。
水木しげるリスペクトっぷりは、電車の中で読んでて爆笑しそうになった。電車で読むな危険。

楽天ブックス

ひまわりっ〜健一レジェンド〜

読んでみて

東村アキコの大学卒業後を描いた作品です。故郷の宮崎に戻り、漫画家を目指しているのですが、登場する父・健一が強烈なキャラクターで、これ本当に実話?と突っ込みたくなるようなエピソード満載です。しかし親族に九州男児がいる筆者としては、健一っぽい九州の男性は確かにいると思います。

この作品はテレビ宮崎開局50周年を記念してドラマ化されました。原作漫画に宮崎の日常の風景や名物がたくさん描かれているので、地方局制作だからこそ原作の面白さに更に磨きがかかったドラマになりました。脚本を俳優としても活躍している池田テツヒロ(池田鉄洋)が担当しているあたりも、テレビ宮崎の本気度が伝わってきます。

みんなのレビュー

作者、東村アキコの父を中心としたほぼ実話(ここ大事!)のギャグ漫画。とにもかくにも笑えます。どんな心の状態であろうと笑えます。東村作品の笑いの原点はこの家族やまわりの人達なのだろうな、と納得。
海月姫や主に泣いてますは置いてあるけど、健一は置いてない本屋に言いたい!これは絶対置くべき!

楽天ブックス

おもしろ設定作品

雪花の虎

読んでみて

上杉謙信が女性であったのでは?という説はそこそこ知られている話ですが、東村アキコの手にかかるともはやそれが真実とさえ思いたくなるような、魅力的な謙信が登場します。性別を超越した美しさを持ったキャラクターを描くのが上手い東村アキコですが、この作品はその本領発揮という気がします。

女性であるけれども、男性に生まれれば良かったと腐らずに、自らの生まれを受け入れながら国を思い、成長していく謙信を、とにかく応援したくなります。様々な局面での判断がカッコよく、性別関係なく上杉謙信という人間の魅力が伝わってきます。日本史が好きな人も苦手な人も楽しめる工夫がされているのも面白い歴史漫画です。

みんなのレビュー

日本史すごく苦手だからこそ手を出して読み始め、フィクションなのかノンフィクションなのか、漫画だからといってバカにできない情報量に感服。時々入る作者のざっくり説明になるほど!と。学生の時に読みたかったな。
ためになる漫画として中学の図書館に置いてもいいんじゃないかなとさえ思います。

コミックシーモア

きせかえユカちゃん

読んでみて

主人公は6年生で身長163cm、スーパーモデルになるのが夢という女の子・ユカちゃんですが、精神年齢6歳という極端な設定がすでに東村アキコらしく、これだけで一筋縄ではいかなそうな作品だとわかります。画は小中学生向けのようですが、内容は設定含め結構シュールです。

東村アキコの初連載作品だったこともあり、この後描くことになる作品の一部がちょこちょこ出てくるので、東村アキコの漫画スタイルの確立をこの作品で見られるのがとても面白いです。ファンが多い作品で、ファンの要望に応えて連載が続いたという話もよく理解できます。

みんなのレビュー

東村アキコ作品では一番好き。見た目は大人中身はコドモなユカちゃんのパワフルさが痛快。ギャグのテンションが異常に高く、当時流行ってたドラマや現象のネタも入れてくるので抱腹絶倒。常にスウェットなユカちゃんのお母さんのキャラが強烈。
貞子のその後とか気になるけどもう続編は出ないかな、残念。たまに読み切りでも掲載してくれると嬉しい。

読書メーター

メロポンだし!

読んでみて

宇宙人で、日本でアイドルになりたい男の子が主人公です。冒頭から呆気にとられるような東村アキコワールド全開の作品です。主人公のメロポンは、「ママはテンパリスト」に出てくる東村アキコの息子が成長した姿を投影したようなところもあります。メロポンのフォルムが幼児らしい姿形で、漫画家としての観察力を感じます。

基本的にギャグ漫画で笑いが止まらないのですが、それだけではないところがこの作品の魅力でしょう。子供に過度な期待をしてしまいがちな親に物申したいのでは?と思われるシーンなど、東村アキコが母として育児をする上で感じたことを投影しているようで面白いです。

みんなのレビュー

正直1巻目を読んだ時は、あ~これ2巻くらいで失速して終わっちゃう感じかなぁって思っていました。ところがどっこい、失速するどころか勢い増してますね。爆笑し通しで続刊が楽しみです。

楽天ブックス

まとめ

筆者が初めて東村アキコの世界に触れたのは映画「海月姫」でした。性別に垣根を作らない設定や、自分で壁を作って引きこもっていたオタク女子が、そのポリシーを変えることなく、自分の力で世界を広げ、輝いていくというストーリーに衝撃を受け、原作漫画を手に取りました。

少女漫画系は苦手という人にもおすすめしたいのが「かくかくしかじか」です。どんな世界でも、第一線で活躍している人にはその裏に血の滲むような努力や悲しさ、苦しさがあるものです。それを漫画という形で描いたことで重々しくなく、若年層にも響くような形で表現したことが素晴らしいと思います。

夢を追いかける若者、仕事に恋愛に結婚に悩みの多い30代前後の女性、育児中のお母さんお父さんなど、頑張っている人たちに、笑ってエールを送ってくれるのが東村アキコの漫画です。ちょっと疲れて立ち止まりたい時、不安に押し潰されそうな時にはぜひ手にとってみてください。きっと漫画の中に生きるヒントやアドバイスが見つかるはずです。

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