登山漫画のおすすめ15選を紹介【ほのぼの日常系や恋愛系、シリアス系まで】

「本格的な登山漫画が読みたい!」
「山に行く時間がないので雰囲気だけでも楽しみたい」
「登山漫画を読みたいけれど、ガチガチな漫画じゃなくてゆるい漫画が読みたい」

この記事を読んでいるあなたはこのようなことを思っているのではないでしょうか?「山ガール」という言葉が流行り、登山がブームになってから数々の登山漫画が生まれました。しかし、一口に登山漫画と言っても山岳救助やゆるい登山、エッセイなどさまざまなジャンルがあり、どれが面白いのかわからなくて迷ってしまいますよね。

そこで今回は登山好きな筆者が次の5つの切り口に合わせて、15作ほど紹介させていただきます。

  • ほのぼの日常系
  • 青春恋愛系
  • エッセイ系
  • 本格系
  • シリアス系

どれも登山の魅力について描かれた素晴らしい作品ばかりですので、ぜひ参考にしてください。

ほのぼの日常系

山と食欲と私

読んでみて

2016年に刊行された登山グルメ漫画。主人公は27歳の会社員で、山ガールと呼ばれたくない自称単独登山女子です。彼女は美味しい食材をザックにつめて、今日も1人で山を登り、登山グルメを楽しみます。

山の上でキャンプ飯を楽しむ、一見するとなんでもないような内容に思えますが、登山やキャンプの勉強になる漫画です。なんといっても、主人公が山ごはんを美味しそうに食べる姿がたまりません。

読んでいるとお腹が減ってくるうえに、実際に登山で作ってみようかという気持ちになります。山ごはんをより楽しみたい方は一読すると、レパートリーが増えるかもしれません。

みんなのレビュー

ヤマビヨリ

読んでみて

2011年刊行のオムニバス形式の漫画です。人生のターニングポイントで悩む女性たちが主人公の短編集で、女性たちが登山を通して悩みに向き合います。

恋愛や就職、結婚など人生の節目節目で出てくる悩みに夢中になって読んでしまいました。人生で行き詰まったときに読み返したくなる漫画です。また、登場人物の山ファッションが可愛らしく、ついついそちらにも目がいってしまいます。

女性が主人公ということで、登山好きで悩みのある女性におすすめの作品です。

みんなのレビュー

高尾の天狗と脱・ハイヒール

読んでみて

2015年刊行の高尾山が舞台の山漫画です。主人公はアラサーOLの御岳ノリコ。少しわがままな性格から彼氏にふられ、近場の高尾山へ傷心旅行に出かけることに。会社帰りのスーツとハイヒールという山登りには不向きな格好で登っていると、かわいくて小さな天狗と出会います。

冒頭だけ読むと恋愛漫画のように見えますが、実態は癒し系山漫画です。初詣やお花見、ビアガーデンなど高尾山の魅力を余すことなく描いています。登山漫画としてはかなりゆるい部類で、小天狗の聖にとても癒されます。高尾山が好きな方にはおすすめの漫画です。

みんなのレビュー

青春・恋愛系

ヤマノススメ

読んでみて

2012年に刊行されたほのぼの&青春登山漫画です。高校生になったあおいが、小学校以来の幼なじみ、ひなたと再会し一緒に山へ登るようになり、登山を通して人間的に成長していくというストーリーです。

舞台は飯能ですが、富士山や高尾山、谷川岳などあちこちの山を登りにいきます。

登山初心者のあおいが主人公なため、登山を始めるさいに持っていく物に悩んだり、トラブルにあったりする場面や自分なりの楽しみを見つけ、楽しんでいる様子も描写されています。そのため、登山をしたことがない人でもサクサクと読めるでしょう。

筆者は登山経験者ですが、「そういえばこんなこともあったなぁ」と思い出しては懐かしい気持ちになりました。主人公が人間関係に悩む場面もありますが、全体的に明るいストーリー展開なので、山登りの気分を味わいたいけれど遭難とか重たい話はちょっと、という方にもおすすめです。

みんなのレビュー

ハイジと山男

読んでみて

2015年刊行の恋愛登山少女漫画です。派遣社員だった主人公ハイジが亡き祖父の山小屋を訪ね、そこで働くという物語です。ハイジは山小屋の仕事を通じて、山のルールや厳しさを学んでいくお話。

内容は、恋愛要素の混じった登山少女漫画です。少女漫画と聞くと楽しくゆるい登山ストーリーをイメージするかと思いますが、山については結構真面目に描かれています。主人公は山について本当に何も知らないため、人によってはイライラするかもしれません。

登山に興味のあり、山についてある程度真面目だけれどゆるく描かれている漫画を読みたいという女性におすすめの一冊です。

みんなのレビュー

小屋使った少女漫画。山小屋のルールと女の子の頑張りを見る。便利じゃない中、山小屋の大変さとありがたさが分かるかな。自然はそこにあるから人の都合じゃないから美しいのかもしれない。山小屋の立場から聞くとキツい一言や勝手なと感じるセリフが分かる。気をつけないと。

読書メーター

山を渡る

読んでみて

2018年刊行の青春登山漫画です。伝統ある三多摩大学の山岳部ですが、新入部員が入らなければ廃部。ベテラン部員にとっては拠点を失う危機です。しかし、入ってくれた新入部員は全員山登り初心者かつ運動が苦手な人ばかりでした。

そんな新入部員を抱え、果たして山岳部は存続できるのか、という物語です。

読んでみて印象に残ったのは、ベテラン山岳部員の登山へかける熱意でした。まだ誰も登ったことのない山を登りたい、という気持ちは山を愛する者にとって共通の願いだと思います。

また、学生特有のお金がないところや、新入部員を積極的に囲いこむところが共感すると共に笑いました。作者は山を知っており、また丁寧に取材もされているため、かなりリアルに近い内容です。本格的な登山漫画を読みたい方や山岳部だった方におすすめの漫画です。

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エッセイ系

あした、山へ行こう!日帰り山女子のすすめ

読んでみて

こちらは2010年刊行の登山エッセイ漫画です。クライミングや沢登り、テント泊など登山経験豊富な著者が、登山について初心者向けに描いています。

内容は、登山をしたことがない人向けの簡単なものとなっています。装備やコースの選び方についてわかりやすく描かれており、これから登山したいなと思っている人の背中を後押しするような本です。

そして、筆者が登山を始めるきっかけになった本でもあります。まったく山登りをしたことがない人向けの解説なため、登山に興味があるけれど、どうしようかなと悩んでいる人にぜひ読んでほしい一冊です。

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山登りはじめました 目指せ!富士山編

読んでみて

2009年刊行の登山エッセイ漫画です。運動音痴でインドア派、さらに小心者で体力も根性もなしと、なぜ登山にハマったのかわからない方が作者です。そんな作者が描く山登り体験エッセイは、運動音痴だけど登山が気になるという人の背中をそっと押してくれます。

高尾山や富士山とメジャーな山での体験が楽しそうに綴られており、自然と自分も登山に行きたいなぁと思える内容です。また周辺観光やグルメも楽しんでいるので、それらも合わせて楽しみたいと考えている初心者におすすめの一冊です。

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人生山あり谷口

読んでみて

2015年刊行の登山エッセイ漫画です。自然を愛する独身女性漫画家が四苦八苦して山へと登りつつ、人生について考えるエッセイ。

正直、最初の高尾山編からツッコミどころ満載です。かなり無謀な登山を繰り返しており、山の厳しさがよくわかる漫画になっています。もちろん、山の良さについても描かれていますが、ここまで「この登山には絶対参加したくない」と思ったのは初めてでした。

しかし本編の最後には、心を動かされる場面があり、タイトル通りの一冊です。順風満帆とはいかないところが面白いです。

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本格系

読んでみて

2005年に刊行した、山岳救助がテーマの登山漫画です。登山漫画と言えば『岳』と言われるほど有名な漫画で、実写映画化もしました。主人公は国内外を問わず数々の山を登り、たくさんの救助現場を経験してきた無類の山好き嶋崎三歩。

そんな三歩と救助チームが、山岳救助のプロとして成長していく物語です。救助がメインな漫画のため、凄惨で残酷な場面もあります。しかし、山を通して描かれる人間ドラマに不思議と気分が前向きになる漫画です。登山へ行けない日に読んでほしい一冊です。

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K

読んでみて

1993年刊行の本格登山漫画です。ヒマラヤを舞台に「K」と呼ばれる日本人男性が、救出不可能とされる遭難事故で登山家として活躍するという物語。

雪山のリアルな様子が高い画力で描写されており、とてもリアリティのある漫画です。登山の過酷さや厳しさが感じられます。また、専門用語の簡単な説明があるため登山知識も得られます。

本格的な登山漫画を読みたい方におすすめの一冊です。

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神々の山嶺

読んでみて

2006年刊行の伝説的な本格登山漫画です。登山漫画としては一風変わっており、主人公は山を登らずカメラマンとして、登山に生涯をかけた男を撮影するという立ち位置です。

山登りに取り憑かれた男に物語の焦点が当たっているため、ストーリーは人間1人の人生が詰まった濃厚なものとなっています。画力も素晴らしく、美しく荘厳な山々の景色には胸を打たれます。山好きもそうでない人も楽しめる一冊です。

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シリアス系

孤高の人

読んでみて

2008年刊行のリアル&シリアスな登山漫画です。今でこそ単独行は珍しくありませんが、昔は登山と言えばグループで登るのが常識でした。単独で登ろうものなら怒鳴られるレベルです。

この漫画は、そんな山岳界の常識をひっくり返し、単独行で数々の登攀記録を打ち立てた登山家、加藤文太郎がモデルです。

この漫画の内容は、一言で表すなら人間不信になるレベルのリアルすぎる人間ドラマです。文太郎氏の登山に対する真摯な精神と生々しい人間ドラマに胸が苦しくなります。ドロドロとした人間関係を読みたい方には最もおすすめの漫画です。

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しずかの山

読んでみて

2010年刊行のシリアス風味な登山漫画です。山岳ガイドの日本人、高遠静がさまざまな人と関わるストーリーです。

登山の描写についてはちょっと気になる点もありますが、人間関係や山がリアルに描かれており引き込まれる展開になっています。ミステリー要素もあるため、山についてよく知らないけれどゆるくない登山漫画を読んでみたいという方におすすめです。

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岳人(クライマー)列伝

読んでみて

1991年刊行の本格登山漫画です。海外の山が舞台となっており、世界一の標高を誇るエベレストやエベレスト以上の登頂難易度を持つK2を登る男たちのドラマを描いています。

特にエベレストの話には胸を打たれる作品です。途中までは順調だったエベレスト登山でしたが、突如変わった天気により雪崩が発生。他の隊員は全滅してしまい、2人だけで山頂へアタックをかけることになります。極限状態で描かれる2人の絆は胸を熱くし、応援したくなりました。

みんなのレビュー

まとめ

おすすめの登山漫画について15冊紹介しましたが、読みたい作品は見つかりましたでしょうか?

基本的に登山は標高が高くなればなるほど、そして天候が悪く気温が低いほど厳しい環境下に置かれます。生きるか死ぬかの状況は、人間の美しさも醜さもさらけ出します。だからこそ、私たちは登山を舞台にした物語に引かれるのかもしれませんね。

同時に、登山は達成感や自然の美しさ、仲間との絆も深く感じられます。本記事で紹介した登山漫画が、そんな登山の魅力を知る一歩になれたら嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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