【24年1月最新】ギリシャ神話をよく知れるおすすめ本・書籍ランキングTOP15

「ギリシャ神話ってどんな神話なの?」
「ギリシャ神話について詳しく分かる本はないかな?」

ギリシャ神話について知りたいけれども、どの本を読めばよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?

ボッティチェリの描いた「ヴィーナスの誕生」

ギリシャ神話は西洋の絵画や物語、星座などのモチーフになっており、西洋文化を楽しむためにはぜひ知っておきたい神話です。ただし口承で伝わってきた神々の物語であるため、全部のエピソードがまとまった本というのは元々存在しません。

また、神々の関係が複雑で理解できないという人も多いでしょう。

そこでこの記事では、ギリシャ神話について書かれたおすすめの本を15冊、ランキングにしてご紹介します。あらすじがざっと分かるものから、星座や絵画からのアプローチ、現代との関連性を探ったものや、さらに本格的な原典に近い本まで多彩な種類のギリシャ神話本を選びました。

ギリシャ神話は人間味にあふれた個性的な神々や英雄が恋や嫉妬、名誉をかけた戦いなど度肝を抜くようなストーリーが魅力的です。壮大なスケールにすぐに引き込まれます。さらにギリシャ神話はヨーロッパ文化の源でもあるので、知っておけば西洋の絵画や星座を見る時にも今より数段楽しめるでしょう。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

15位:ギリシア神話(岩波文庫)

読んでみて

古代ギリシャの著述家であるアポロドーロスが伝える神話伝説。より原典に近い本で、天地創造からトロイア戦争あとのことまでが包括的、体系的に記されています。ただし物語的ではなく、神々の羅列や凄惨な事件が淡々と続いて資料集のようにも感じられるので、ギリシャ神話に詳しい人でないと読むのに苦労しそうです。

とはいえギリシャ神話の基礎的な知識がある人にとっては、分かりにくい部分を詳しく補ってくれる本といえるでしょう。複数の原典を読む前にもう一度さらっておきたいという人にも適しています。

みんなのレビュー

創世からはじまり、ホメロス、ギリシア悲劇の註釈で足りなかったところを埋めてくれる感じ。みっしりと情報が詰まっているので、これを単体で物語として読むよりも、他と相互補完のようにして読むのが良いのかも。神々とその末裔の所業は、それ自体が面白い。しかしそれ以上に、このような神を人が設定したということに、私は興味を惹かれる。だから、神は理不尽であるほど面白く思われる。

読書メーター

14位:ギリシア神話(新潮社)

読んでみて

著名な西洋古典学者・呉茂一さんが手掛けており、日本におけるギリシャ神話本の金字塔ともいわれる1冊です。

本書はただ物語を語るだけでなく、遺跡の紹介や神話の起源など、神話学や歴史学といった学術的見地も交えて多彩な観点から紹介しているため知識の幅が広がります。また、神々や英雄たちの性格も細部まで描かれており、彼らの人間味あふれる個性がより際立っていて面白いです。

著名なエピソードはほぼ網羅されており、あらすじだけでは物足りない、もっと深い部分も知りたいという人に読んでほしい本です。

みんなのレビュー

13位:ラルース ギリシア・ローマ神話大事典

読んでみて

ギリシャ神話を読むときについている注釈だけでは、分かりにくいという場合もあるでしょう。それを解決してくれるのが本書です。

神や英雄はもちろん、地名や文芸作品なども含め、豊富な図版と文献を引用してギリシャ・ローマ神話のすべてをカバーしています。異説も詳しく解説し、文芸作品からの引用も幅広いので教養が広がります。エトルリア人やローマ人の宗教など興味深い項目もあり、次から次へと興味がわくでしょう。

値段的には気安く買える本ではありませんが、ギリシャ神話を本格的に学びたい人は持っておけば一生使える1冊です。

みんなのレビュー

12位:イリアス

読んでみて

現在伝えられるギリシャ神話のベースとなっているのは、詩人ヘシオドスの『神統記』と『仕事の日々』、詩人ホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』という4つの叙事詩です。この4書はギリシア神話のほぼ原典に近い書といえます。

なかでも『イリアス』上下巻はトロイア戦争の末期の英雄たちの戦いと死を描いた叙事詩。読みやすいように散文に訳されています。くどいような修辞表現の連続ですが、勇士たちの戦いがリアルに伝わり、ギリシャ神話の世界が目前に広がるかのようです。

みんなのレビュー

11位:ギリシア神話(青土社)

読んでみて

ギリシャ神話の流れを知るだけでは満足できないという人におすすめです。ゼウス、アテナ、ポセイドンなど12の神々について、ルーツや語源、性格、信仰、物語などさまざまな観点から詳しくまとめられています。異説や有名でない神についても紹介しているため、ギリシャ神話についての新たな世界が広がるかもしれません。

物語的ではなく読みやすいとは言えませんが、歴史的、学術的にギリシャ神話に興味のある人にとっては知的好奇心を満足させてくれる本です。

みんなのレビュー

10位:ギリシア神話物語

読んでみて

長年、古代ギリシャの研究を重ね、関連の著作を多く発表してきた楠見千鶴子さんによるギリシャ神話本です。作者の幅広い知識に裏付けされてまとめられた本書は説得力があり、ギリシャ神話の全貌を読みとおすことができる1冊です

それぞれの物語が短くまとめられており、文章も抑えた筆致ながら生き生きとした神や英雄の姿を描き出しています。図版も多数挿入されているので堅苦しさもなく気軽に読み進められますよ。

みんなのレビュー

9位:完訳 ギリシア・ローマ神話

読んでみて

トマス・ブルフィンチは19世紀、ヨーロッパの神話や伝承をまとめてアメリカに紹介した作家です。本書はそのブルフィンチの本を底本にした訳本で、比較的新しい上下巻の角川文庫版。柔らかく平易な文章で読みやすいギリシャ神話本となっています。

ギリシャ神話の有名な神々やエピソードはほぼ紹介されており、これを読めばギリシャ神話の全体像を知ることができる1冊。挿絵やバイロンなどギリシア神話を描いた詩も記載し、その世界を想像しやすいように工夫されています。

みんなのレビュー

8位:ギリシャ・ローマの神話がよくわかる本 

読んでみて

ギリシャとローマの神話の中でも、人気のある神や英雄を66テーマとりあげて詳しくまとめています。ロムルスやアキレウスなど聞いたことのある名前がたくさんでてきますが、彼らの破天荒で個性豊かなキャラクターに驚かされるでしょう。

また、ギリシャ神話といえばはるか昔の知らない世界と思うかもしれません。しかし本書では神話のストーリーと共に、現代においてギリシャ神話とかわりのある建築物や絵画、映画、本などを紹介しており、神話の世界がより身近であることが分かります。

みんなのレビュー

これは細かい。神話の登場人物をかなり細かく紹介しています。ゲームとかファンタジー好きには耳なじみの名前も多数。意外に接点多し(笑い)

読書メーター

7位:古代ギリシャのリアル

読んでみて

ライトな語り口で古代ギリシャ人の暮らしと、ゼウス、ポセイドンなどギリシャ神話の神々のプロフィールを紹介しています。ユーモアあふれる神々の履歴書には思わず抱腹絶倒。それでいてその理由も説明しており、楽しみながら理解することができます。

面白い視点だと思ったのは、神々のプロフィールを古代ギリシャ人の観点からも示していること。あれだけ浮気性でだらしないように見えたゼウスも、じつはただの女好きというわけではなく・・・と、神々の違った姿を知ることができます。

作者の藤村シシン氏は古代ギリシャにひかれて研究し、その魅力を発信しています。古代ギリシャを愛するその情熱が伝わってくる1冊です。

みんなのレビュー

6位:名画で読み解く「ギリシア神話」

読んでみて

ヨーロッパでは「ヴィーナスの誕生」など、有名な画家たちが聖書や神話を題材にした絵画を多く描いてきました。こうした名画からギリシャ神話を読み解いた本です。絵に秘められたメッセージなども解説しており、謎解きとしても楽しめます。

子どもを食べる神の姿などインパクトのある絵画がリアル感をより高め、イメージがより膨らむはずです。また、アトリビュートやギリシャ人の生活習慣にも触れるなど、ギリシャ神話と文化の関わりも知ることができます。

みんなのレビュー

5位:一冊でまるごとわかるギリシア神話 

読んでみて

帯に90分で分かると書いている通り、ギリシャ神話のエピソードを絞ってわかりやすくまとめた1冊です。エピソードが順序だてて書かれており、ひとつを読むと次のエピソードが気になります。関連のイラストや美術作品も盛り込まれ、ギリシャ神話の世界にいざなってくれますよ。

そして、個性的な神々の人間臭いエピソードにときにはくすりと笑ったり、驚いたりしながら読み進めるうちに神話の概要を知ることができるでしょう。とにかくギリシャ神話の大まかなあらすじを知りたいという人におすすめです。

みんなのレビュー

4位:図解 ギリシア神話(歴史がおもしろいシリーズ)

読んでみて

ギリシャ神話は神々が多すぎるうえに、その関係が複雑で分かりにくいのが難点です。しかし、この本は相関図など豊富な図版を使って関係などを分かりやすく解説。この神はあの神の子どもだったのか!など意外な関係性に驚くかもしれません。

ギリシャ神話の大まかな流れをコンパクトにまとめているだけでなく、登場人物に由来する言葉や現代とのつながりなど情報量も豊富です。関係のある書物や映画作品なども紹介しているので知識欲がくすぐられるはず・・・。神々の壮大な物語をイメージしながら楽しめる入門書です。

みんなのレビュー

3位:星と神話 物語で親しむ星の世界

読んでみて

ギリシャ神話本ではありませんが、季節ごとの星座と、それぞれにまつわる神話の21の物語を紹介しています。うみへび座、かに座、しし座などは英雄ヘラクレスの冒険、みずがめ座はゼウスにさらわれた美少年ガニュメデスの話となっています。

それぞれの話がつながっているため、全部読み終えるとギリシャ神話の一部を知ることができる仕組み。イラストと星の写真も挿入されているので星座にも詳しくなります。

ギリシャ神話に興味はあるけど、全編読みとおす自信がないという人はまずは星座から楽しんでみてはいかがでしょうか。

みんなのレビュー

ギリシャ神話と星座のエピソードをコンパクトに紹介。おそらく、星座好きな子供向けなのかもしれないが、でもイラストも豊富でストーリーがわかりやすい。やっぱり丁寧に編集された本は、すっと記憶に残ります

読書メーター

2位:ギリシア神話(のら書店)

読んでみて

児童文学作家・翻訳家として活躍した石井桃子さんが、小学生や中学生を対象にまとめたギリシャ神話本ですが、大人でも十分楽しめます。子どもには刺激的な内容は柔らかく書かれており、ヘラクレスの冒険、トロイア戦争、パンドラなど親しみやすい物語が集められています。

石井さんの格調高く品の良い翻訳でスラスラ読みやすく、意外に人間臭い神様たちの姿に親しみを覚えるでしょう。資料として地図や索引もつけられており、理解を深めてくれます。1958年に出版され、その後2000年に改めて出版したという入門書にふさわしいベストセラーです。

みんなのレビュー

小学校中学年以上が対象となっているが、訳が読みやすいので、大人の私でも十分楽しむことができた。小品を前に並べ、最後にトロイア戦争とオデュッセイアを持ってくるあたりの配列もよかった。ギリシア神話を俯瞰できた気がする。これを読んで、ギリシア神話について忘れていた記憶が蘇った気がする。ずっと積読になっていたイリアスを読んでみたくなった。本の装丁もまた良し。それにしても、ギリシアの神々は奔放だなあ。

読書メーター

1位:ギリシア神話を知っていますか

読んでみて

阿刀田高さんがギリシャ神話のさまざまな物語をピックアップして小説のように分かりやすくまとめており、興味をもちながら読み進めることができます。アキレス腱やトロイの木馬など聞いたことのある話もたくさん出てきます。

難しそうに感じるギリシャ神話も、ときにはユーモアも交えて書いているためクスリと笑える部分もたくさん。時系列に読み進めたい人には適していないかもしれませんが、読み物として楽しめます。

みんなのレビュー

まとめ

今回は、神々と英雄たちが活躍するギリシャ神話についてのおすすめ本をご紹介しました。

大まかな内容が分かる本から星座や絵画からのアプローチ、さらに本格的な原典に近い本や事典など多様なギリシャ神話本を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ギリシャ神話は登場する神々が多く、その関係性も複雑なので読むのが嫌になってしまう人もいるかもしれません。初心者はざっとあらすじを学べるものから、少し知識のある人はさらに詳しいものへとステップアップしていくと抵抗が少ないでしょう。

ギリシャ神話の神々は驚くほど人間的で欲望むき出しですが、ひとたび読み始めるとその壮大な物語にぐいぐい引き込まれるはずです。さらにギリシャ神話は、現代のヨーロッパを中心とした世界の文化と驚くほどつながった部分があり、知れば知るほどその奥深さにも魅了されます。

この記事を読んでギリシャ神話本を読んでみよう、あるいはもっと本格的なものに挑戦してみようと思っていただけたら幸いです。

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