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アンクルトムの小屋とは?あらすじや時代背景、与えた影響などを解説

「アンクルトムの小屋ってどんな話なの?」
「アンクルトムの小屋が戦争の引き金になった理由が知りたい!」
「著者ストゥが込めた想いが知りたい!」

アンクルトムの小屋にまつわるこんな疑問を持ってあなたはこの記事を訪れたのではないでしょうか?

19世紀中期に発売された小説アンクルトムの小屋

アンクルトムの小屋は黒人奴隷トムの数奇な人生を描いた小説で、アメリカのハリエット・ビーチャー・ストウが19世紀中期に執筆した作品。当時アメリカで年間売上30万部、日本でも和訳が出版されるほどの大反響振り、150年以上が過ぎた今もなお語り継がれる不朽の名作です。

しかし小説は一度読んだだけでは話の内容を忘れてしまったり、再度読み返すのも正直めんどくさいと思いますよね。また、アンクルトムの小屋を読まずにあらすじが知れたらと思っている人もいるはずです。この記事では小説アンクルトムの小屋のあらすじはもちろん、時代背景や執筆後の影響、戦争の引き金といわれる理由まで網羅的にご紹介していきます。

語り継がれる名作アンクルトムの小屋の世界をのぞいてみましょう。

アンクルトムの小屋のあらすじ・内容

アンクルトムの小屋は、黒人奴隷トムの数奇な人生を描く小説です。

日本で発売された小説アンクルトムの小屋 和訳版

黒人のトムがセレビィ家に仕えるところから話は始まります。素直で優しい老人トムは、セレビィ家に奴隷として仕え献身的に働いていました。子のジョージとは親友の仲、「アンクル・トム」と呼ばれながら幸せな毎日を送っていました。

そんなある日、家主のセレビィ氏が事業に失敗しトムは奴隷商人に連れていかれることになります。親友のジョージは連行中のトムを追いかけ「僕が必ず君を買い戻すからそれまで待っていてくれ!」とトムに誓いを立て二人は離れ離れに。

連行される船内で過度に働かされる黒人奴隷の姿にトムは心を痛めながらも、セントクレア家の娘エバと仲良くなります。とある航海中、トムは川に落ちたエバを救出しセントクレア家へ仕えることになります。

川に落ちたエバを救出するトム

アットホームなセントクレア家で、トムは幸せな日々を取り戻しました。その暮らしぶりをジョージに手紙で綴るほど嬉しかったのです。

しかしそんな幸せなも長くは続きませんでした。仲良しのエバが病に倒れ、その後エバを追いかけるようにセントクレア氏がけんかの仲裁に巻き込まれ急死してしまいます。2人の死去からセントクレア夫人が黒人たちの主となりますが、冷酷な夫人は仕えていたトムたち黒人を奴隷商人に売り飛ばし、トムはセントクレア家を去ることに。

次の主となった綿栽培の農場主は、日々トムを足でつかい仕事の遅い女奴隷に綿花を分けてあげたトムを半殺しにするほど非情な男。受けた暴行から心身共に疲れ果てていたトムでしたが、奴隷仲間から持ちかけられる脱走計画は断っていました。

「いつかジョージが僕を買い戻しに来てくれる」そう思うとつらい日々も乗り越えられたからです。ジョージが助けに来てくれる未来に希望を見出していました。しかしある日、女奴隷が農場の脱走に成功。農場主は脱走の原因をトムになすりつけ、怒りのあまりトムを殴り殺してしまいました。

農場主から暴行されるトム

トムがこの世を去った日、成人したセレビィ家のジョージは誓いを果たしに農場へ訪れます。以前トムが送ってくれた手紙を頼りに、やっとの思いでトムに会いに来れたのです。「ようやくトムを買い戻せる!」ジョージの胸は躍っていました。

ところが、再会したトムはすでにこの世を去っていました。トムの亡骸を抱えながらジョージは悲しみに暮れ、止まらない涙を流しながらトムを埋葬し別れを告げました。

アンクルトムの小屋に著者ストウ夫人がこめた想い

アンクルトムの小屋を執筆したハリエット・ビーチャー・ストウ

アンクルトムの小屋は、著者であるストウ夫人の黒人奴隷への悲しさと奴隷制度撤廃の祈願が詰まった小説です。執筆のきっかけとなったのは、黒人奴隷のリアルを垣間見たできごとがきっかけでした。

黒人奴隷のリアルと奴隷制度撤廃の祈願

1900年代前半のアメリカ黒人奴隷の様子

19世紀前半のアメリカでは、多くの黒人が奴隷として働かされていました。黒人に人権はなく、物を扱うかのように黒人が日々売り買いされたのです。

ストウ夫人は、父親の学校で先生をしていたストウ教授と入籍し幸せな結婚生活を送っていました。とある日、ストウ家で雇っていた黒人少女の悲鳴が聞こえ台所に行ってみると、白人の男性が少女を家の外へ引きづりだしているのを目撃します。

どうやら白人男性は家から逃げ出した少女を連れて帰ろうとしていたようです。ストウ夫人は少女の今の主人は私であると伝えましたが、奴隷逃亡法の下では元々の主人が奴隷の所有者、止められる筋合いはないと言われ少女の泣き叫ぶ声を聞きながら連れて行かれてしまいました。

この出来事をきっかけに、ストウ夫人は奴隷制度への怒りと悲しさを募らせます。「なんとしても奴隷制度をやめさせたい」という想いがアンクルトムの小屋を執筆させたのです。

アンクルトムの小屋が「南北戦争の引き金」といわれる理由

1860年代にアメリカで起こった奴隷解放をめぐる「南北戦争」の様子

アンクルトムの小屋が「南北戦争の引き金」といわれる理由は、当時のアメリカが抱えていた奴隷解放問題とアンクルトムの小屋の反響が理由としてあげられます。

それぞれ解説していきますね。

奴隷解放問題を抱えていたアメリカ

19世紀前半のアメリカ南北は、推進する経済政策の違いから黒人奴隷の意向に違いがありました。北部は黒人奴隷の解放が富に繋がると考え保護貿易による国内産業の発展を推進、一方南部は黒人奴隷の労働力を基盤に大量の綿花を栽培する自由貿易によって富を築いていました。

黒人奴隷を解放すれば南部の経済基盤は崩れてしまうため、黒人奴隷解放を望む北部とは隔たりがあったわけです。またこの頃、アメリカ合衆国大統領に就任したエイブラハム・リンカーンが黒人奴隷の解放を主張したことから南部は危機感を募らせ、その後北部への攻撃を皮切りに南北戦争の勃発に至りました。

アンクルトムの小屋が年間売上30万部の大反響

アンクルトムの小屋は、アメリカ南北の奴隷解放をめぐる抗争を背に発売された小説でした。ストウ夫人の想いが詰まった渾身の小説は、発売直後から飛ぶように売れ年間売上30万部の大反響、奴隷解放へ世論を傾かせ奴隷制を擁護する人々からは批評を受けるなど当時のアメリカに大きな影響を与えました。

当時の反響を後にエイブラハム・リンカーン大統領は、著者ストウ夫人との面会で「あなたがこの大きな戦争を引き起こしたのですね」と伝えたほど。このようにアンクルトムの小屋は、奴隷解放問題を抱えるアメリカに大きな影響を与えたことから「南北戦争の引き金」になった小説といわれる作品となったのです。

アンクルトムの小屋を読みたいあなたへ

「もう一度アンクルトムの小屋を読みたい!」
「アンクルトムの小屋を読んでみたい!」

と思った人もいるのでは?

せっかくならこの機会に小説を読み直す、または一読してみたいですよね。アンクルトムの小屋をじっくり読みたい人は文庫、絵を見ながら柔らかい文章で読みたい人は絵本がおすすめです。気になる人は以下から飛んでみてください。

文庫で読む

絵本で読む

アンクルトムの小屋に関するまとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事ではアンクルトムの小屋のあらすじや時代背景、与えた影響まで網羅的に解説しました。南北戦争の引き金になった小説といわれるほどに、アンクルトムの小屋は当時のアメリカが抱える奴隷解放問題に大きな影響を与えた作品であり、何より著者ストウ夫人の奴隷解放への祈願がこめられた作品だったのですね。

アンクルトムの小屋の話を忘れてしまったらぜひまた見に来て参考にしてください!
今もなお語り継がれる名作があなたの人生をより豊かにする日を願っています。

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