「世界史でオススメの参考書が知りたい」
「レベル別で参考書を選びたい」
「共通テスト(旧センター試験)に対応している参考書は?」
この記事をご覧のあなたはそのような疑問を持っているのではないでしょうか?世界史は単に各国の歴史を覚えると点数が取れるという科目ではありません。各国史を勉強し、それを横につなげる同時代史の視点や地図の活用をすることではじめて共通試験(旧センター試験)や難関大の入試問題に対応することができます。
今回は世界史勉強法のポイントや参考書を基礎編・共通試験(センター試験)編・難関大受験編に分けた紹介についてまとめます。
世界史を勉強するうえでのポイント
各国史の流れを整理する
世界史と日本史が共通しているのは、過去から現在に向けての時間的な流れです。古い順番からその国の歴史をたどり、物事の順番を整理するのは歴史学習の基本中の基本といってよいでしょう。
中国史、ヨーロッパの主要国(イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・ロシアなど)、イスラーム世界、独立後のアメリカなど世界を大きく動かした各国の通史を覚えるのが世界史学習のスタートラインとなります。
同時代史に強くなる
世界史と日本史の大きな違いは、横断的な出題が多いことです。たとえば、17世紀前半といえば、ヨーロッパでは30年戦争、中国では明の滅亡と清の中国統一、日本では江戸幕府の開始などがあります。それらを同じ時代の出来事と判定できるようにならなければ、共通テストで得点することはできません。
基礎で整理した各国の歴史を、今度は輪切りにして同じ時代におきていた出来事として横断的に見ることができれば、共通試験で高得点を取ることが可能となるでしょう。
地図や資料集を活用する
世界史では単に出来事を時代順に覚えればよいわけではありません。「どこで」というのがとても大事になります。ファショダ事件といわれて、それがアフリカで起きた出来事だとわからなければ、ファショダ事件が起きた場所を地図上から選ぶ問題には正解できません。
世界史は出来事の順番という時間的な把握と、どこでおきたかという空間的な把握を結び付けることがとても大事な科目といえます。
世界史おすすめ参考書:基礎編・入門編
大学受験らくらくブック
この参考書の特徴
この本の一番の特徴は、煩雑な流れを単純化し、しかも、漫画にしていることです。世界史は登場人物が多く、似た名前であることもあるので、絵と一緒に覚えるのは効果的です。
また、細かな年代暗記よりも歴史の大まかな流れを把握したいときには漫画はとても役に立ちます。出来事の因果関係や背景、各国の差や利害関係などは文字よりも絵にした方がとらえやすいのかもしれません。
みんなのレビュー
なぜこんなに面白く歴史を学べる本にレビューがないのか?おそらく受験生をターゲットにした本だから、レビューを書く社会人は手に取らないのであろう。歴史を学びなおしたい人にはうってつけの一冊である。帝国主義やナショナリズムといったイメージしにくい単語をストーリーとしてイメージで理解できる素晴らしさ。漫画ほどわかりやすく表現できる教材はないであろう。ぜひ学校の教材として取り入れてほしい。おそらく現代の教育機関は、漫画は娯楽であるという固定概念にとらわれて導入しないであろう。大事なのは興味を引き出すきっかけづくり。
読書メーター
大学入試 マンガで世界史が面白いほどわかる本
この参考書の特徴
著名な登場人物にスポットを当て、各国史を中心にまとめた参考書です。古代・中世・近代・現代という時代区分よりも、各国の歴史を縦割りで学習することを重視している点が他の世界史漫画との違いといえるでしょう。
各国の歴史がつかみやすいという長所の反面、ヨーロッパのように近隣諸国が互いに関係しあっている地域やそもそも取り上げられていない東南アジアなどや独立戦争以前のアメリカ、アフリカなどの扱いを考えるとこれ一冊で大丈夫とはいいがたいです。あくまで、主要国の歴史を整理するためと考えたほうが良いでしょう。
みんなのレビュー
世界史にまだまだ疎い私からすると、一段階敷居を低くしてくれる素晴らしい本だと思いました。
読書メーター
高校とってもやさしい 世界史
この参考書の特徴
初心者向けの書き込み式参考書です。書き込み式の長所は、自分の知識の穴を見つけやすく、書き込めなかった場所を集中的に覚えることができる点です。短所は、一度書いてしまうとただの参考書になってしまい、弱点補強に使いにくくなることです。
この短所を補うには、赤字で書いて赤シートで書くか、そもそも書き込まず別の紙に書くことです。そうすることで、この本飲みやすさや弱点探しの機能を残しつつ、知識の整理をすることができます。ノート系参考書であるということをしっかり踏まえると活用しやすくなるでしょう。
みんなのレビュー
書いてあることは悪くないけど 高校受験とか、覚えるためにやるならやめた方が良い。 物凄くイマイチ。 図面とかは良いんだけど、暗記しようと思って、しっかり何回か復習するべきだけど、 書き込みって書いてあるため書き込んでしまうとあまり覚えられない。 流れを理解するのも、簡単なように作られてるけどやはりそこは世界史であるため理解しようと思って読まないと難しい。 山川スピードマスターのように、受験のために何度も復習するぞって買うなら良いけど、 書き込んでしまうと高校受験には一切役に立たない
読書メーター
タテから見る世界史 パワーアップ版
この参考書の特徴
世界史の基本である各国史を「タテ」と表現し、その徹底を図った参考書です。タテの歴史を「通史」といいますが、各国の通史理解は同時代史理解の大前提です。ヨコの歴史を学ぶ前にタテを整理すべきだという著者の考えはとても理解しやすい参考書に繋がっています。
半面、ある程度の知識が入っていることが前提なので、基礎編・入門編ではありながら、発展的な内容を多く含んでいる点に注意が必要です。
みんなのレビュー
受験用に買ったナビゲーターである程度全体を掴んでいたおかげもあってか、すんなり話が入ってきて分かりやすかったです。これは受験用ではなく個人的に世界史を好きになったのでついでで買っていたのですが、本番時間つぶしに読んでいたら試験にめっちゃ出たので結構要点まとまってるのではないかと思います。読んでて良かったと受験的には思いました。個人的には見やすいし付録の冊子は持ち運びが楽なのでいつでも見れるのが魅力的だなと感じました。
読書メーター
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
この参考書の特徴
今までの参考書にありがちだった年号暗記や教科書内容の羅列といったわかりにくさを改善したという点で画期的な参考書です。地域や主役となる国を固定する方法は世界史を理解する上でとても有効だと思います。
地図や関係図、概念図などを豊富に用いているのもとても良い点です。文章がとてもわかりやすいので受験生が使うという点でもとても良いのではないでしょうか。
みんなのレビュー
わかりやすい!世界史って、高校でとらなかったから、中学生レベルしか知識がなかったけれど、かなり、学べた。これで、ヨーロッパ文学とか、西洋美術とかも、もう一回触れてみたくなった。きっと、もっと知識面で理解できるはずだ。積読になっていたのが、もったいなかった。
読書メーター
世界史おすすめ参考書:共通試験(センター試験)対策編
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書[経済編]
この参考書の特徴
前作の『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の続編で、経済にスポットを当てた参考書です。大学受験で経済史はかなりのウェイトを占めます。単純暗記では得点が難しく、しっかりと理解が必要です。
地図や概念図を重視している点は前回と同じで、前回の読者にとってはとてもなじみ深い構成となっています。もちろん、経済史だけが苦手でこの本を買ったとしてもわかりやすい説明なのでとても参考になります。ある程度得点できるようになった受験生がさらに得点をアップさせたいときにオススメの参考書です。
みんなのレビュー
復習も兼ねて購入。世界史を横のつながりで考えた教科書もあまりないので、興味深く読めた。一つ一つの出来事を切り取って考えず流れで説明するので、バブル経済等をとっても「なるほどね!」となるように書かれている点は評価できる。 投資銀行を「儲け話を持ってくる人」と括ってしまうのは流石に大雑把すぎるかなとは思いましたが(苦笑)
読書メーター
大学入学共通テスト 世界史Bの点数が面白いほどとれる本
この参考書の特徴
共通試験(旧センター試験)対策の定番中の定番で、「0からはじめて100までねらえる」シリーズの世界史版です。共通試験対策に特化しているだけあって、この内容をしっかりと覚えることができれば、確かに共通試験で高得点を狙うことができるでしょう。
良くも悪くも、典型的な世界史の参考書なので世界史が苦手と感じている人にとってはとっつきにくさがあるかもしれません。基本編・入門編を読んで、世界史に対する苦手意識を弱めた後でサブ教科書として使うのが適切ではないでしょうか。
みんなのレビュー
上本町で読んだ本。このシリーズの世界史は参考書として活用しなかった記憶がある。「必要な情報を整理する」ということが重要と書かれている。時系列や背景を理解しながら人物名などを覚えていく必要がある。ユグノー戦争やプロイセン辺りはあまり覚えていない内容だった。古代と19世紀は苦手な印象がある。アニメキャラのようなイラストだった。
読書メーター
ヨコから見る世界史 パワーアップ版
この参考書の特徴
基本編・入門編で掲載した『タテから見る世界史 パワーアップ版』とセットで売り出されている参考書です。共通試験は各国の通史であるタテを理解してもそれだけでは得点できません。3世紀の世界、12世紀の世界といった「ヨコ」にあたる同時代史の視点が必要不可欠だからです。
例えば、13世紀の世界といわれたときに、モンゴル帝国、鎌倉幕府、大空位時代、マグナ=カルタが同じ時代だと思い浮かべることができるでしょうか?そういった知識を整理するにはうってつけの参考書です。「タテ」「ヨコ」セットでの利用がオススメです。
みんなのレビュー
タテヨコ揃えて完成される参考書。試験直前期におさらいとして読むとかなり得できます。実際、当日持って行って休み時間に読んでいましたがマジで出題されてビックリ。読んでて良かったと心底思いました。なので(学校によるかもしれませんが)出題率は高いかもしれないですね。持ち運び楽ちんな別冊は携帯必須ですね!個人的にプチ情報的な話も面白かったので好きです。何より見やすい!
読書メーター
世界史おすすめ参考書:難関大受験編
NEW青木世界史B講義の実況中継(1)
この参考書の特徴
世界史参考書の定番中の定番といってもよい「世界史実況中継」です。話し言葉で書かれているので読みやすいのですが、かなり細かな内容までふれています。ただ、難関大学につきものの論述問題に対応するには、最低限でも実況中継レベルは頭に入れておかなければなりません。
今回紹介しているのは第一巻ですが、本編だけでも全4巻と大ボリュームです。正直、共通試験や中堅大学で必要な知識以上内容なので、この本を活用するのは難関大を受けるか、より詳しい内容を知りたいかに限られるでしょう。
みんなのレビュー
余計なことや間違ったことが書かれていて大事なことが書かれてないみたいなレビューをみるけど、それは山川の一問一答や用語集と照らし合わせて赤字になってるところをこの本に自身で注釈したうえでさほど重要でないと思われる部分は読み飛ばせば良いっていうか、本書は世界史に触れる下地を作る(流れを摑む)ための本だと割り切ってるからさほど気にならない。むしろ無味乾燥とした教科書に比べて、青木先生が『世界史』という原材料に塩胡椒を振ってみんなが食べられるように味付けしてくれてるから、世界史の勉強が楽しく思えてくるまである。
読書メーター
荒巻の新世界史の見取り図
この参考書の特徴
この参考書は全部で3巻構成です。13世紀までと13~19世紀、19世紀末から現在までの3部構成と考えてよいでしょう。「点を取りたい」ではなく、「歴史を学びたい」人に対して書かれたと述べられている通り、単なる暗記用の参考書と一線を画しています。
それだけに、基礎知識がない状態や同時代史の把握が不十分な受験生にとっては「宝の持ち腐れ」となりかねない内容です。難関大学の入試につきものの論述問題に対応する思考力を身につけるにはうってつけの一冊です。
みんなのレビュー
3巻構成の上巻。本書は受験参考書であるが、ある意味で受験参考書を超えた本である。まえがきには、受験参考書として本書単体では不足と書かれている。それは、本書が試験に出る用語を漏らさず羅列するスタイルではなく、事象の相互関係や概念の説明などにページが割かれているからである。上巻は文明=文字=歴史の成立からモンゴルがユーラシア大陸を征服する13世紀まで。各地域に誕生した文明がヨーロッパ世界(西欧・東欧)、イスラーム世界、東アジア世界という3つの世界に統合されるという枠組みで13世紀までの歴史を説明している。
読書メーター
詳説世界史研究
この参考書の特徴
大学受験の世界史の参考書としては決定版といってよいほどの内容です。とても体系的で、入試に関することで網羅されていないことはほとんどありません。写真・コラム・補足資料などどれをとっても十分です。
しかし、そのことは同時に内容が多すぎることにもつながりかねません。この本の内容を丸暗記するのではなく、わからないことを調べるための辞書的な役割として使うのが望ましいのではないでしょうか。
みんなのレビュー
山川の世界史教科書をベースに、より細かい事象まで記述がなされている。高校時代世界史を最も得意とした身としては非常に楽しく読めた。グローバル・ヒストリーという観点から地域間の繋がりにも力点が置かれているのだが、前近代に関して言えば「大文明圏」の記述は多くなされる一方で東南アジアなど「周縁」地域はぶつ切りの記述という印象を受ける。また、近現代の記述に関しては国民国家の枠組みに回収されて記述がなされているよう感じる。
読書メーター
まとめ
今回は世界史のオススメの参考書についてまとめました。基礎・入門編は基礎知識の入力と各国史(通史)を中心としたものを扱いました。共通試験(センター試験)編は、基礎と四季の修得を前提に同時代史を攻略するための参考書をとりあげました。
最後に取り上げた難関大対策は、知識の暗記・整理というよりも論述が中心となります。思考力を問われる難関大対策にふさわしい参考書をとりあげました。今回の記事を読んで少しでも「そうだったのか!」と思っていただけたら幸いです。