アメコミを原作としており、世界中に大勢のファンを抱えるヒーロー映画、マーベルシリーズ。2008年からスタートしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最大の特徴は、作品同士がクロスオーバーしていく連作形式で制作されていることです。
単体の映画としても上質なエンターテインメントであり、しかもそれがほぼ同一の世界観のなか連綿と続き物語を形作っています。各作品群は「フェーズ」という段階で区切られており、これまで23作が公開され(2019年9月現在)ました。
そして、ついに22作目である『アベンジャーズ/エンドゲーム』によって、10年におよぶマーベル映画の連作シリーズは一つのエンディングを迎えます。続く23作目のスパイダーマン『ファー・フロム・ホーム』にて、「フェーズ3」も完結。
加えて2020年以降、次なる「フェーズ4」の構想が示されています。膨大な作品数なので、見逃したり忘れてしまっていることも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、マーベル・シネマティック・ユニバースのフェーズ3までの時系列を、作品公開の順に紹介しています。マーベル・シネマティック・ユニバースの世界を理解し、または思い出して、楽しんでいただける一助になれば幸いです。
マーベル・シネマティック・ユニバースの魅力
1.映画一つひとつが重厚な大作
著名で実力のあるキャスト、最高のCGやエフェクト、大規模なロケによる臨場感のある撮影、そしてそもそも、人気の根強い原作の使用料などなど。
MCU映画は、一作だけでもとんでもない制作費用がかかっています。それによって生み出されるのは、子供だましではない、本気のヒーロー映画。
すべてが一流の制作陣によって作られており、一つひとつが「大作級」の作品群なのです。
2.クロスオーバーによって世界観の深みが増していく
どの作品を切り取って見ても、MCU映画は良質な楽しみを与えてくれます。ですが、原作の設定やキャラクター名をこっそり使っていたり、ほかのMCU作品とのクロスオーバーがあったり、事前知識をもっているとさらに深く楽しむこともできます。
作品数が増えていくごとにクロスオーバーは増えていき、長い間追いかけてきたファンが「今のは○○のあの事件か!?」と膝を打つ、というような場面が増えていきます。
そんな場面を経験したとき、まるで自分がMCUの秘密に気づいたような、MCUの世界がそこにあるかのような、ワクワクした気持ちになるのです。
MCU映画を見る際に知っておくべき前提知識
この世界には、さまざまな出自・スーパーパワーをもつ超人や勢力が存在している
高度な技術力をもつ者、超人的な肉体をもつ者、特殊能力をもつ者、魔術を使う者……この世界には、さまざまな背景をもった勢力が存在しています。
例えば、億万長者で優れた発明家でもあるトニー・スターク。彼はその豊富な資金と技術力によって戦闘スーツを製作し、「アイアンマン」となります。
あるいは、事故で大量のガンマ線を浴びた科学者ブルース・バナー。彼はその身に怒りの化身ともいえる緑の怪物「ハルク」を宿してしまいます。
そして彼らヒーローたちにはそれぞれ、倒すべき敵や困難が立ちはだかります。MCUは、一つの世界に複数のさまざまな勢力が存在しており、彼らが織り成す群像劇であるともいえるでしょう。
フェーズ3までの「最強の敵」はサノス
この世界では、宇宙にもさまざまな勢力や組織が存在しています。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々は宇宙で活動しており、キャプテン・マーベルは宇宙を飛び回って活躍しているスーパーヒロインです。また、ソーのいるアスガルドは高度な科学力をもった星系であるため、ある意味で彼らは「宇宙人」と呼ぶこともできるでしょう。
サノスはそのなかでも、強靭な肉体をもつ「タイタン人」。そしてタイタン人のなかでもサノスは特に強力で、前述のパワーとスピードが特徴であるハルクよりも力があり、天才科学者たちよりも知識・策謀に優れています。
そんなサノスは、生命が文明を発達させ、際限なく増えていくことを懸念しています。その結果、宇宙中で増えた生命が資源を食い荒らし、いつか「生命そのものが立ち行かなくなるときが来る」と考えているのです。
それを防ぐために、サノスは「全宇宙の生命の数を半分にする」ことによって、資源や食料と生命とのバランスを保とうとして考えています。極めて歪んで狂気に満ちているものの、彼は彼なりの正義をもって、「生命のために」戦っているのです。
彼は手始めに、自身のタイタン星を制圧し、「生命を半分に」しました。公平に、貧富の分け隔てなく、無作為に選んだ1/2の人々を虐殺したのです。
故郷のタイタン星に行ったことと同じように、侵略した星々にも同じことをしてきました。その過程で、従えた星の出身者やサノス自身の信奉者を集め、強大な勢力を築いています。
このように、宇宙規模で力をつける超人的な敵と、いかにして戦うのか。エンドゲームまでの22作をかけて、そんな話が展開していきます。
「インフィニティ・ストーン」の行方がカギ
宇宙の誕生とともに概念やエネルギーが結晶化し、「インフィニティ・ストーン」と呼ばれる特殊なモノが発生しました。ストーンと名がついているものの、石や鉱物というわけではありません。
インフィニティ・ストーンは全部で6つ。
- 力を司るパワー・ストーン。
- 空間を司るスペース・ストーン。
- 現実を司るリアリティ・ストーン。
- 魂を司るソウル・ストーン。
- 時間を司るタイム・ストーン。
- 精神を司るマインド・ストーン。
それぞれ、我々常人であれば触れるだけで身体が消滅してしまうような、大変危険な存在です。もしこの6つのインフィニティ・ストーンがサノスの手に渡ってしまったら、「指を鳴らすだけで」全宇宙の生命を半分消し去るという行為も、簡単に完了してしまうでしょう。
このインフィニティ・ストーンの在り処はどこなのか。誰が手にしているのか。そして、どのように守るのか。映画の展開が進むにつれて、そのような「インフィニティ・ストーンの話」が中心となります。
マーベル・シネマティック・ユニバースの公開年表
ここからは、映画の公開を時系列順に追いながら、各映画の紹介を行っていきます。なお、各本編のネタバレになるような重要な部分は触れずに示しています。
すでに見たという方は内容を思い出すきっかけに、未見の方は下記をヒントに見る作品を決めるきっかけにしてみてください。
マーベル・シネマティック・ユニバースの早見年表
ここからは、映画の公開を時系列順に追いながら、各映画の紹介を行っていきます。なお、各本編のネタバレになるような重要な部分は触れずに示しています。
すでに見たという方は内容を思い出すきっかけに、未見の方は下記をヒントに見る作品を決めるきっかけにしてみてください。
### マーベル・シネマティック・ユニバースの早見年表
フェーズ1の1作目。
自社の兵器がテロ組織に渡っていることを知ったトニー・スタークは、「アイアンマン」となって戦いを挑みます。
巨大な緑色の怪人「ハルク」へと変身してしまう体質となったブルース・バナー博士。
秘密を知られないように、各地を点々とするブルースを、「ハルクへの変身能力」を我が物にしようとする勢力が付け狙います。
神の国アスガルドの王子、ソー。しかしその力ゆえに傲慢さに歯止めが利かず、ついに父である神々の王オーディンは、ソーを人間の世界へ追放してしまいます。彼から最強武器ムジョルニアをも取り上げて…。
貧弱な青年スティーブ・ロジャースは、極秘実験「スーパーソルジャー計画」へと参加します。キャプテン・アメリカとなった彼が戦うのは、秘密結社ヒドラ。
突如として、世界を侵略軍チタウリが襲います。軍の司令官は、ソーの弟ロキ。
国際平和維持組織「シールド」の長官ニック・フューリーは、世界中からヒーローを招集し、アベンジャーズを結成してこれに対抗します。
フェーズ1の集大成的な作品です。
地球出身のピーター・クイルは、宇宙をまたにかけてお宝漁りを生業にしています。
あるとき、宇宙の命運を握るモノを手に入れ、恐ろしい勢力から追われる身となってしまいました。
個性豊かな面々とチームを組み、強大な敵と渡り合います。
恐怖に心を犯されたトニー・スタークが発案した、「ウルトロン計画」。
ですが、それを可能にした超技術の根底にあったのは「ロキの杖」でした…。
何をやってもうまくいかないスコットのもとに舞い込んできたのは、身長1.5cmへと縮小するヒーロー「アントマン」になる仕事!
この作品から、MCUの最終局面となるフェーズ3がスタートします。
アベンジャーズを国際組織の管理下に置くという案が提出されました。
それをめぐって、トニー・スタークと、スティーブ・ロジャースが対立します。
大事故に巻き込まれた天才外科医ドクター・ストレンジ。
そんな彼を救ったのは、現代医学では説明がつかない「魔術」でした。
ノリで結成されたチーム、ピーター・クイルたちガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。
あるとき、ピーターの父を名乗る人物が現れますが…。
トニー・スタークからスカウトされた学生ヒーロー、ピーター・パーカー。
トニーに認められようと、ピーターは少し背伸びして、ヒーローとして事件解決に乗り出すのでした。
ワカンダの王位と守り神「ブラックパンサー」の称号を継いだティ・チャラは、祖国の掟と平和を守るための戦いを始めます。
全宇宙の生命を半分にするというサノスを野望を阻止するため、アベンジャーズが再び集結しました。
超人的なパワーと飛行能力を備える女性、ヴァース。ヴァースが自身の過去を知り、「“アベンジャー”ズ」設立の秘密が明かされる重要な物語です。
フェーズ1からフェーズ3までの集大成ともいえる作品です。
最強の敵サノスの手によって、全宇宙の生命が半分にされてしまった世界。しかし、極小の量子の世界からアントマンが帰還したことで、ある可能性が提示されます。
マーベル・シネマティック・ユニバースの具体年表
フェーズ1の1作目にして、記念すべきマーベル・シネマティック・ユニバースという壮大な試みの最初の一歩。
巨大軍需企業スターク・インダストリーズの社長であるトニー・スタークは、商談中にテロ組織に拉致されてしまいます。しかし、天才発明家でもあったトニーは、拉致されながらも秘密裏に強化戦闘スーツを開発。
自社の兵器がテロ組織に渡っていることを知った彼は、「アイアンマン」となって戦いを挑みます。
実験の事故に巻き込まれ、大量のガンマ線を浴びてしまったブルース・バナー博士。致死量をはるかに越えるガンマ線の影響で、巨大な緑色の怪人「ハルク」へと変身してしまう体質となってしまったのです。
ハルクとなった彼は、恐ろしい怪力とスピードを得る代わりに理性を失い、怒りのままに周囲に破壊を撒き散らしてしまいます。
秘密を知られないように、なによりも「怒り」によってハルクに変身してしまわないように、各地を点々とするブルース。そんな彼を、「ハルクへの変身能力」を我が物にしようとする勢力が執拗に付け狙います。
自らがアイアンマンであることを公言してしまったトニー・スターク。個人が強力な兵器をもつことを米国政府や軍部は快く思っておらず、スーツを没収しよう働きかけてきました。
そしてトニーをライバル視する武器商人ハマーも、独自の戦闘スーツの開発を始めています。そんななか、トニーに恨みをもつ謎の男が彼を強襲します。
神の国アスガルドの王子であり、無敵の力を誇るソー。しかしその力ゆえに傲慢さに歯止めが利かず、ついに父である神々の王オーディンは、ソーを人間の世界へ追放してしまいます。彼から最強武器ムジョルニアをも取り上げて……。
人間たちと触れ合うことで、本当の強さを学びはじめるソー。しかし時を同じくして、神の国ではソーの弟ロキが陰謀をめぐらせて暗躍しはじめていました。
物語の始まりは1942年。貧弱な青年スティーブ・ロジャースは、身体能力が不足していたため軍に入ることができませんでした。
しかし折れない強い心をもっていたことが認められ、極秘実験「スーパーソルジャー計画」へと誘いを受けます。キャプテン・アメリカとなった彼が戦うのは、戦争を影から操る秘密結社ヒドラ。
突如として、世界を侵略軍チタウリが襲います。軍の司令官は、ソーの弟ロキ。
国際平和維持組織「シールド」の長官ニック・フューリーは、世界中からヒーローを招集し、アベンジャーズを結成してこれに対抗しようとします。
アイアンマン、ハルク、ソー、キャプテンアメリカ、そしてブラック・ウィドウとホークアイ。手ひどい侵略に対する復讐者(アベンジャーズ)となって、彼らヒーローが結集。
フェーズ1の集大成的な作品です。
物語はフェーズ2へ。
アベンジャーズの戦いで、異星からの侵略を辛うじて退けた地球。トニー・スタークは「侵略の恐怖」に怯える日々を送り、とうとう心を病んでしまいます。取り憑かれたように新スーツの開発に没頭し、心身ともに疲れ果てていくトニー。
そんな彼を、謎のテロ組織の長マンダリンが襲います。
アベンジャーズでの戦いで、弟ロキと対決したソー。そんなあるとき、神の国アスガルドに闇の勢力が襲い掛かかります。壊滅的な被害を受けたアスガルド。
残された最後の希望は、アスガルドの、ソーの、そしてアベンジャーズの「宿敵」ロキでした…。
これまで幾度となく世界を戦ってきたキャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース。しかし、そんなスティーブも、ブラック・ウィドウも、そしてシールドの長官ニック・フューリーですらも、シールドから命を狙われてしまいます。
一体何が起こっているのでしょうか。そして、彼らの前に立ちはだかる暗殺者、ウィンター・ソルジャーとは…。
地球出身のピーター・クイルは、あるとき宇宙船にさらわれ、地球を離れるハメに。それ以来彼は、宇宙をまたにかけてお宝漁りを生業にし、“スター・ロード(自称)”となったのです。
あるとき、一攫千金のために「オーブ」を手に入れます。それは実は宇宙の命運を握るモノで、恐ろしい勢力から追われる身となってしまいました。
身体改造を受け、アライグマのような見た目になってしまった「ロケット」
樹木の姿をした、植物の力を操る巨漢「グルート」
美しき暗殺者「ガモーラ」
純真で考えが足りない、パワーファイター「ドラックス」
そんな個性豊かな面々とチームを組み、大胆にかつ軽妙に、強大な敵と渡り合います。
侵略への恐怖に心を犯されてしまったトニー・スターク。彼はあるとき、優れた人工知能によって平和維持を行う「ウルトロン計画」を発案します。
ですが、それを可能にした超技術の根底にあったのは「ロキの杖」。量産されたウルトロンは、人類を「平和への敵」とみなして暴走を始めてしまいます。
仕事を失い、家族も離れていったスコット。何をやってもうまくいかない彼のもとに舞い込んできたのは、怪しげなスーツの着用実験の仕事でした。
かつてトニー・スタークの父ハワード・スタークと袂を分かった天才科学者ハンク・ピム博士。そんな彼が生み出したピム粒子の力で、身長1.5cmへと縮小するヒーロー「アントマン」になる仕事だったのです。
この作品から、MCUの最終局面となるフェーズ3がスタートします。
アベンジャーズによる戦いは、望むと望まざるとに関わらず、世界へと影響を与えていました。そんななかで、アベンジャーズを国際組織の管理下に置くという案が提出されます。
その案をめぐって、賛成派のトニー・スターク=アイアンマンと、反対派のスティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカが対立。シビル・ウォー(内戦)というタイトルのごとく、アベンジャーズが内部分裂を起こし、2勢力に分かれて激突します。
高慢な天才外科医ドクター・ストレンジ。そんな彼が、大事故に巻き込まれ「神の手」とも言われた指を動かせなくなるケガを負ってしまいます。
元の高慢さゆえに、能力も金も地位も失った彼の周囲からは、次々と人々が去っていきました。そんな彼を救ったのは、現代医学では説明がつかない「魔術」です。
指を直すために魔術の世界に飛び込んだドクター・ストレンジでしたが、いつしか、抗えない“闇の勢力”との戦いに巻き込まれていきます。
ノリで結成されたチーム、ピーター・クイルたちガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。
ロケットの悪戯で惑星一つを丸ごと敵に回してしまい、総攻撃を受けて逃げ回ることに。そんなチームを助けてくれたのはピーターの父親を名乗る人物エゴ。
本当に父親なのでしょうか? なぜ今、このタイミングで現れたのでしょうか? その謎が、銀河をめぐる大きな戦いへつながっていきます。
ソーの姉にして、アスガルド王家の秘密でもある死の女神ヘラ。あまりにも強く、しかも殺戮を楽しむ彼女は、危険視されて長く封印されていたのです。
オーディンの力が弱まり、封印から解き放たれた彼女は、アスガルドを襲います。ヘラは、自分の前に立ちはだかる弟=ソーの、無敵の武器ムジョルニアをもあっさりと破壊してしまいました。
打ちのめされたソーでしたが、ロキにハルクも加えて、型破りのチームを結成し対抗します。
今作の原題「ラグナロク」は、「マイティ・ソー」のもととなった北欧神話における重要な出来事。ラグナロクで語られたような、アスガルドの命運を握る大きな戦いが始まります。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカで突如トニー・スタークからスカウトされた学生ヒーロー、ピーター・パーカー。彼はトニーからもらったスーツの力で、スパイダーマンとして、人々の「親愛なる隣人」としてローカルに活動を始めます。
しかし、ピーターはアベンジャーズとともに戦った興奮が忘れられない様子でした。そんななか、『アベンジャーズ』でのチタウリの侵略で持ち込まれた異星技術を悪用する「バルチャー」が現れ、悪事を働き始めます。
トニーに認められようと、ピーターは少し背伸びして、ヒーローとして事件解決に乗り出すのでした。
アフリカの奥地に、特殊鉱石「ヴィブラニウム」を基盤にした超科学文明を築く国、ワカンダがありました。
強力なヴィブラニウムが悪人の手に渡れば、恐ろしいことに使われてしまう。そのため、ワカンダは鉱石と技術を世界から隠し続けてきたのです。
犯罪組織ヒドラの攻撃によって、父であるワカンダ王を失ってしまったティ・チャラ王子。ワカンダの王位と守り神「ブラックパンサー」の称号を継いだティ・チャラは、祖国の掟と平和を守るための戦いを始めます。
ついに正体を現し、インフィニティ・ストーンを集め始めたサノス。全宇宙の生命を半分にするというサノスを野望を阻止するため、アベンジャーズが再び集結しました。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々、ドクター・ストレンジ、ブラックパンサー、スパイダーマンも加えて、史上最強・最悪の敵に立ち向かいます。
うだつの上がらない最小ヒーロー、スコット(=アントマン)と完璧なヒロイン、ホープ(=ワスプ)。彼らに「サイズ変化」の能力を与えるピム粒子とその製法をめぐり、争いが勃発します。
そんななか、自在に物体をすり抜ける能力をもつ“ゴースト”が現れ、縮小化した「ピム粒子のラボ」をまるごと奪ってしまいました。
超人的なパワーと飛行能力を備える女性、ヴァース。ハラ星で対テロリストのエリート部隊に所属する彼女でしたが、なぜか過去の記憶を失っていました。
あるとき、任務中に強敵との戦いから地球へと不時着するヴァース。ヴァースが自身の過去を知り、「キャプテン・マーベル」になる、そして「“アベンジャー”ズ」設立の秘密が明かされる重要な物語です。
フェーズ1からフェーズ3までの集大成ともいえる作品です。
最強の敵サノスの手によって、全宇宙の生命が半分にされてしまった世界。失った痛みを受け入れ始める者、抗う者、受け入れきれずに病んでしまう者…アベンジャーズたちの道も、すでに異なるものに別れていました。
しかし、極小の量子の世界からアントマンが帰還したことで、ある可能性が提示されます。
ドクター・ストレンジが1400万605通りの未来の中から見つけ出した、たった一つの「勝利の可能性」を目指して、物語は再び動き出すのです。
サノスとの戦いで、世界は大きな代償を払っていました。それはヒーローたちも例外ではありません。
ピーター・パーカー=スパイダーマンは、失ったモノの大きさと向き合いながらも高校生活を送っていました。そんな彼が夏休みにヨーロッパを旅行しているとき、国際平和維持組織シールドの元長官、ニック・フューリーが現れます。
そして異次元から訪れたというミステリオと引き合わせ、地球に異次元からの危機が迫っていることを知らせるのでした。
エンドゲームで一応の完結を見せたMCUの、次なる展開を感じさせる作品です。そして、フェーズ3の最終作でもあります。
ここまでが、2019年10月現在に公開されているマーベル・シネマティック・ユニバースのすべてです。
なお、テレビシリーズとして『エージェント・オブ・シールド』や『エージェント・カーター』なども放映されています。
それらもあわせて補完することで、より深くマーベル・シネマティック・ユニバースの世界観を掘り下げることができるでしょう。
まとめ
私はヒーローものの作品が大好きで、国産・海外産に関係なく親しんでいます。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見た際の感想は、「10年間、シリーズを追いかけてきて良かった」というものでした。
一方で、壮大な作品群が一旦の完結をみせたことに、喪失も感じていました。
ですが続く『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では次なる展開が早々に示され、すでにフェーズ4の作品が大変楽しみになってきています。
さすが、ヒーローものの元祖たるアメコミをいくつも生み出してきたマーベルだな、と関心しました。
なるべく核心的なネタバレは避けて紹介してきたので、これから未見の作品を見るという方は、ぜひ「どれから見るか」の参考にしてみてください。
アベンジャーズ/エンドゲームを見た後には、おそらくファンであれば全作品を、もう一度見直したくなっているはず。そのための手がかりにもお使いください。
これ以降に続くマーベル作品でも、みなさんが作品世界に入り込みながら楽しめることを願っています。