オスカー・ワイルドの名言20選!発言の背景や意図も解説【原文付】

定義するということは限定することだ。

自分の限界を定めてしまうと成長しづらい

定義するということは限定することだ。
The define is to limit.

「〜は…だ」と定義してしまえばそこから抜け出すことが難しくなります。この言葉はまさにそれを言い表していますね。

何かを定義せずに限界を超えてきたからこそ、ワイルドは数々の素晴らしい作品を生み出すことができたのでしょう。

皮肉屋とは、あらゆるものの値段を知っているが、何ものの値打ちも知らない人間のことである。

価値より値打ちを知る人間でありたい

皮肉屋とは、あらゆるものの値段を知っているが、何ものの値打ちも知らない人間のことである。
What is a cynic? A man who knows the price of everything and the value of nothing.

皮肉屋な人の多くはあらゆるものの値段を知ってはいてもその値打ちや価値は知らないとワイルドは述べています。

皮肉屋な人たちは値段だけを見て、物の価値を素直に受け取れないからでしょう。様々な人々と交流があったワイルドだからこそいえる言葉ですね。

ほとんどの人々は他の人々である。

人は人の真似をして生きている?

ほとんどの人々は他の人々である。彼らの思考は誰かの意見、彼らの人生は模倣、そして彼らの情熱は引用である。
Most people are other people. Their thoughts are someone else’s opinions, their lives a mimicry, their passions a quotation.

現代ではロールモデルという言葉があるほど、人々のお手本となる人々がたくさんいます。特に若い世代では他人をお手本としている人が多いです。

悪いことではありませんが、ワイルドのこの言葉を読むと思考や情熱まで誰かの真似をして生きるのは少し不自然ですね。

男女の間では友情は不可能だ。

小さな頃の男女間の友情は貴重?

男女の間では友情は不可能だ。情熱と敵意と崇拝と愛はあるが、友情はない。
Between men and women there is no friendship possible. There is passion, enmity, worship, love, but no friendship.

この言葉に関しては賛否両論があるでしょう。ワイルドが生きていた19世紀では男女の区別が現代よりも激しく、男女の友達というはあまり考えられない時代でした。

しかし、現代では友情の在り方もどんどんと変容し始め男女の友情も垣間見えるようになっています。

軽薄な者だけが自らを知る。

本当の自分を理解していますか?

軽薄な者だけが自らを知る。
Only the shallow know themselves.

この言葉だけを聞くと悪いイメージを抱く人もいるでしょう。しかし、軽薄な者とは必ずしも悪い人というわけではありません。

私たち人間は知識がある者ほど問題を複雑に考えがちです。軽薄な人は考えが浅く真実味が欠けるという悪い面もありますが、逆にいえば物事をシンプルに捉えることができます。その分、自らをシンプルに考察できるのでしょう。

経験とは、誰もが自分の過ちにつける名前のことだ。

失敗は経験の源

経験とは、誰もが自分の過ちにつける名前のことだ。
Experience is the name everyone gives to their mistakes.

失敗や過ちをすると落ち込みますよね。しかし、このワイルドの言葉を当てはめれば失敗は経験の源です。ワイルド自身も派手な言動や服装、同性愛など様々なことをしでかしました。

いずれも当時の社会では「過ち」とされるものでしたがワイルドはこれらを「自分の経験」としてなづけたのでしょう。

すべてを知ろうとするほど私は若くない。

大切なことだけを知っていればいい

すべてを知ろうとするほど私は若くない。
I am not young enough to know everything.

若いときほど物事のすべてを知りたい気持ちが強いものですが、歳をとるにつれてそうした意欲は弱まっていきます。ワイルドのこの言葉は人間の知的好奇心の変容を表しているともいえるでしょう。

わずかばかりの誠実さは危険であり、度を越した誠実さは致命的である。

誠実さを危険視していたオスカー・ワイルド
出典:Wikipedia

わずかばかりの誠実さは危険であり、度を越した誠実さは致命的である。
A little sincerity is a dangerous thing, and a great deal of it is absolutely fatal.

19世紀末の退廃的かつ懐疑的な文学界に生きたオスカー・ワイルドらしい言葉です。退廃的とは心が荒れて道徳がないことを表しています。

それに物事を否定的に捉える懐疑的な思考も合わさったワイルドは「誠実」という言葉に対してあまり良い印象を持っていなかったのでしょう。

経験はただでは手に入らないものだ。

努力し失敗を得てこそ経験が手に入る

経験はただでは手に入らないものだ。
Experience is one thing you can’t get for nothing.

この言葉は言わずもがなですよね。経験とは努力や失敗など己が成してきたことから得られるものです。

ワイルドも奨学金を得て進学したり各地で講演会を開くなど、様々なことを行って「経験」を手に入れています。

私は単純な楽しみごとが好きだ。

単純な遊びこそ頭を休ませる良い道具!

私は単純な楽しみごとが好きだ。それらは複雑な人間にとって最後の避難場所である。
I adore simple pleasures. They are the last refuge of the complex.

知識人であり様々な名著を残したオスカー・ワイルドは常に複雑な思考と戦っていたのでしょう。

そんな中で何も考えずに没頭できる単純な遊びは自分の頭と心を休ませるのにピッタリなものだったのです。

オスカー・ワイルドの名言集や関連書籍

サロメと名言集

『サロメと名言集』とは、オスカー・ワイルドが描いた戯曲*「サロメ」の翻訳本でありワイルドの名言集です。「サロメ」の世界観にひたりつつ、ワイルド独自の名言も楽しむことができます。

オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓

オスカー・ワイルドが人々に与えた影響について詳しく解説した1冊です。ワイルドの名言とともに「人間関係」「人生」など現代人が抱える問題を紐解きながら、自分らしく生きる方法を教えてくれます。

オスカー・ワイルドとコーヒータイム

オスカー・ワイルドの孫である著者がワイルドの生涯や作品について対話形式で綴った1冊。祖父と孫が会話する形をとっているので、よりリアルなオスカー・ワイルドの生涯について知ることができます。

オスカー・ワイルドの名言についてのまとめ

今回は、オスカーワイルドの名言20選を発言の意図や背景も交えて紹介しました。光り輝く人生と暗く寂しい人生の両方を味わったオスカー・ワイルド。彼の名言には人間という生き物の思考や在り方を見直す言葉が数多くあります。

オスカー・ワイルドの作品とともに、これらの名言も心に留めてくださると幸いです。

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