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濃姫が活躍するおすすめ小説10選【信長との恋愛を描いた作品も紹介】

「濃姫が主役の楽しい小説が読みたいな・・・!」
「有名な歴史小説で濃姫が出てくる作品はどれだろう・・・?」

戦国時代を舞台にした小説は山のようにありますが、どの作品に濃姫が登場するのか、題名を見ただけでは全く見当がつかないですよね。濃姫は史料がほとんど残っていなく名前も正確なことはわからないため、「濃姫」「於濃の方」「帰蝶」「胡蝶」など、作品によって呼び名もまちまちなのも、わかりにくい理由の一つです。

そこでこの記事では濃姫に関する小説について、「濃姫と信長の恋愛を描いた作品」「濃姫が活躍する作品」「意外と知られていない濃姫が登場する作品」という3つのカテゴリーに分けて10冊紹介します。短編も長編も、フィクションの度合いも様々なものを選んだので、きっと読みたい濃姫の小説が見つかるはずです。

濃姫と信長の恋愛を描いた作品

戦国姫ー濃姫の物語ー

読んでみて

小学生女子に絶大な人気がある「戦国姫」シリーズのうちの一冊で、本作はシリーズの中でも特に人気があります。濃姫が織田信長のことを一番よく理解していて、苦しむ信長を濃姫が深い愛情で支えていることが物語全体から伝わってきます。信長も濃姫を大切にしていることがわかるので、素敵な夫婦関係です。

戦国時代の女性たちは、政略結婚や身内同士の争いなど、今の私たちからは想像もできない運命の残酷さにもめげることなく、強く生きています。そうした姿が小学生女子にはとてもカッコ良く映るのでしょう。

みんなのレビュー

私は、麒麟がくるを見て、あけち光秀が好きになったので、濃姫の物語に出てくるとは思わなかったので、そこから濃姫が大好きになりました。濃姫が信長をだきしめているところが好きです。跡継ぎを産めない悔しさがつたわってきました。ふじさき先生の文章がとてもわかりやすいです。

集英社みらい文庫

帰蝶さまがヤバい(1・2巻)

読んでみて

タイトル通り、本当に「ヤバい」帰蝶さまでした。織田信長と帰蝶の夫婦関係は、その舵取りを帰蝶が握っているような状況で、信長の影が薄くて心配になるほどです。帰蝶については史料がほとんど残っていないので、こんな話の展開も面白いと思います。

恋愛歴史小説と銘打っていますし、表紙からももっと恋愛色が強い話かと思って読みましたが、信長と帰蝶はどちらかというと同志のような関係で、子供のいない夫婦でこうした関係性を築くことは現代でもよくある気がします。

みんなのレビュー

簡単にいうと「麒麟がくる」の明智光秀が主人公ではないバージョン。そんな感じなので帰蝶様が信長と二人三脚で仲良く戦国大名やってます。可愛い口調でさっくと「殺します」と言いのける帰蝶様は、色々ヤバい。でもそこがいい。
吉川英治先生や司馬遼太郎先生たちの本格時代小説もいいけど、たまにはこういうノリも良いと思う。

読書メーター

濃姫孤愁

読んでみて

戦国時代の大人な恋愛を描いた短編集です。濃姫を描いた短編は表題作のみ一作が収められています。

濃姫は、父である斎藤道三と夫の織田信長が敵対関係になるかもしれないという状況下にいるからこそ、思い悩むわけです。そうした歴史的背景がきちんと説明されている本作は、濃姫の愛情の複雑さも理解できます。

みんなのレビュー

単語などが難しく、読むのに時間がかかってしまったが、ストーリーは面白かった。政治がからんでしまう政略結婚では、人を純粋に愛することは難しいのかもしれない。短編の二編も、少女達の恋心、戦場で愛する人を失う悲しさ、せつなさが描かれていてよかった。

読書メーター

濃姫が主役として活躍する作品

ドナ・ビボラの爪(上・下)

読んでみて

帰蝶と織田信長、帰蝶の守役であった熙子とその夫である明智光秀をめぐる歴史ミステリー小説です。この4人の関係性から、明智光秀の謀反となる本能寺の変を面白い角度で見ることができます。本能寺の変についての史実というよりも、そのわかっていない真相をユニークな仮説で紐解くさまを楽しんで欲しいです。

この作品に出てくる帰蝶は、外見が不細工である設定になっていますが、上巻では信長との信頼で結ばれた夫婦関係が美しいです。下巻では一転してミステリー色が濃くなります。題名の意味も含めて、謎がどんどん解決されていく展開に目が離せません。

みんなのレビュー

面白すぎて2度読み。本能寺の変、快川紹喜の件とかフィクションとは思えない位辻褄があって、しっくりくる。信長が天下統一を成し遂げられなかった理由も。帰蝶が信長の側で生きてたら…と思わずにはいられませんでした。

読書メーター

帰蝶

読んでみて

本能寺の変について、帰蝶の立場から見た歴史小説です。帰蝶が本能寺の変後も生きていた可能性が、残された史料によって指摘されているので、この物語のアイデアもありかと思います。戦国時代に生きた女性は確かに意志の強い人が多いですが、もちろん弱さも抱えていたでしょう。それをこの作品では描いています。

徳川家康が、正室築山殿と嫡男信康を自刃させた背景に、織田信長の命令があったと歴史では知られています。しかしこの作品ではその真相は家康側の、浜松と岡崎の対立にあったものであり、信長は家康に利用されただけという解釈をしていました。これも面白かったです。

みんなのレビュー

戦国ものが帰蝶からみた展開で大変おもしろかった。特に妻として、義母として女として、その生き方と振舞いが史実どうりかどうかより、すごく読んでいてひきこまれた。

honto

岐山の蝶

読んでみて

帰蝶の、女性としての一生に主眼を置いた作品です。歴史の解説はさらりとしているので、歴史の説明が苦手という人にもとても読みやすい小説になっています。女性は政治の道具として扱われることの多かった時代に、帰蝶は一人の自立した女性の人生を歩みたいと奮闘します。

この作品の中での帰蝶は、従兄弟の明智光秀に思いを寄せているという設定です。本能寺の変も、そういった前提で考えると、教科書的な事実とは違った視点で見ることができます。ちょっとユニークな帰蝶の作品が読みたい方におすすめです。

みんなのレビュー

斎藤道山の娘で、織田信長の正室・帰蝶(濃姫)の生涯を描いた1冊。帰蝶の経歴が史実的に不明点の多い事を活かして(?)かなりフィクション色強めです。帰蝶が自分の生き方を見つける為に、信長の元を離れて京の都で商い修行をする展開や、さらにその修行先の女店主・おきよが帰蝶の生き別れの姉だったりと、なかなか大胆な設定です。
そして、帰蝶、おきよ、信長、(明智)光秀の“男女4人恋物語”的な要素も・・。女性が自らの意志で生きる事の難しい時代に、“自分の生き方”を模索した帰蝶とおきよ。このような描かれ方も新鮮ですね。

honto

意外と知られていない濃姫が登場する作品

国盗り物語(1〜4)

読んでみて

斎藤道三・織田信長・明智光秀を中心として、有名な戦国武将たちが次々と登場して活躍していく、司馬遼太郎の傑作小説です。司馬遼太郎は、描きたい歴史事件のその背景をしっかり説明してくれますが、今回も明智光秀が本能寺の変を起こすまでの過程を、信長と光秀の関係性だけでなく、道三と信長の関係性にまでさかのぼって描いているので、その点が特徴的です。

濃姫は脇役の一人ではありますが、登場回数は多くないものの、本能寺の変まで「美しく利発な女性」として存在感があります。本作は1973年のNHK大河ドラマ原作ですが、濃姫役には当時21歳の松坂慶子が抜擢され、その美しさは大きな評判となりました。

みんなのレビュー

斎藤道三からの国盗りの流れを、信長と明智光秀が引き継いでいる。特に、光秀がクローズアップされて描かれており、信長の傘下に入り重要な武将まで階段を上がっていく過程での心情変化の模写が素晴らしい。また、保守的な光秀を通して、信長の革新性も再認識することができる。徳川家康と細川幽斎の振る舞いも面白い。司馬遼太郎の本は満足度が高い。

honto

織田信長(1〜5)

読んでみて

うつけで破天荒だけれども冷静沈着で頭がキレる織田信長という、多くの人が抱く「織田信長像」の王道をいく小説です。山岡荘八は司馬遼太郎よりもエンターテインメント色が強くて読みやすく、歴史好きなら小学生でも十分楽しめます。横山光輝がこの作品を原作に漫画として出版しているものもおすすめです。

また、濃姫が大活躍しているのも本作の特徴です。発言が可愛らしく、信長との夫婦関係もこうだったら良いなと思うような理想の二人という感じで、いつまでも見ていたくなります。本作で織田信長が好きになる人も多いようですが、同時に濃姫ファンも増えるというのも頷けます。

みんなのレビュー

歴史に嵌るきっかけとなった本です。他にも読みましたが、信長は山岡版が一番です!泣いた。帰蝶とのやり取りや関係がとりわけ好きです。最後のシーンの、帰蝶がじっと信長を見ているところがすき。

honto

下天は夢か(1〜4)

読んでみて

織田信長の実像に迫っているとして出版当初は大きな話題になった本作は、信長の世に出る前の尾張時代からを描いています。司馬遼太郎や山岡荘八の描く世界がドラマっぽくて苦手という人には、よりノンフィクションに近い本作をおすすめします。

濃姫も、斎藤道三の死後に信長から離縁されて実家の明智家に戻るという設定になっています。信長の最期まで続く、多くの小説で描かれる濃姫と信長の美しい夫婦関係とは、当時の常識から考えればあり得ないものなので、本作はそういう意味でもリアルです。

みんなのレビュー

全4巻読了。 本願寺との講和、武田家滅亡を経て、どんどん神のような存在になる信長。 部下からしたら、片時も神経を休める暇がない。 中国地方で大戦果を挙げる秀吉とは対照的に、重要な役目から外され始める光秀の対比が、分かり易く描かれている。 信長の実像に迫った傑作だと思う。

読書メーター

流星ーお市の方(上・下)

読んでみて

織田信長の妹であり、浅井長政に嫁ぎ、戦国史上一番有名な3姉妹を産み育て、柴田勝家に再び嫁いで自刃するという壮絶な生涯を送ったお市の方が主人公の作品です。とはいえ、お市の方を通して見る織田信長像がとても新鮮で、歴史は見方を変えるとこんなに印象が変わるものなのかと驚くほどです。

この作品で濃姫は、お市の方が浅井家に嫁ぐ前に、女性として戦国時代を生き抜く方法を教えます。受け身ではなく、主体的に生きる女性として描かれるお市の方がひたすら格好良いです。長政との愛憎乱れる関係性は、切なくもあり尊いものでもある気がします。

みんなのレビュー

壮大な話だった。歴史小説特有の、あの堅苦しい雰囲気は一切なく、ただただひたすら強くあろうとした一人の女性が健気で、心打たれた。戦国時代に対して抱いていたイメージ(偏見)も払拭されたと思う。特に、この時代の女性の立場や夫婦関係に関して。ラストシーンは圧巻。

読書メーター

まとめ

濃姫は、斎藤道三の娘であり、織田信長の妻であり、さらに明智光秀の従姉妹という設定まで乗っかってくることもある、戦国時代としてはかなり特殊な血の繋がりを持つ女性です。しかし残されている史料が少ない分、濃姫に対するイメージは作家に委ねられることが多く、様々な濃姫が存在します。

筆者にとって濃姫は、山岡荘八の「織田信長」に出てくる姿が一番印象的です。実際がどうであろうと、織田信長とは色々な意味で最強の夫婦であって欲しいと思ってしまいます。そこには男女の性を超えた、人間としての敬う心がお互いにあるように感じるからかもしれません。

濃姫を描いた小説を通じて、戦国時代の歴史を違う視点で楽しむのはもちろん、夫婦関係のあり方についてもぜひ考えてみて欲しいです。

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