世界では失踪事件や事故が数多く発生しています。これらの事件の中には、行方不明者が無事に生還したケースだけでなく遺体として発見されてしまう事例も存在しており、悲惨な結末を迎えてしまった事件もありました。
この記事では、前半で解決済みの失踪事件を、後半では未解決の失踪事件をご紹介します。失踪事件の詳細や真相、残された謎について解説していきますので。是非参考にしてください。
解決済みの失踪事件
1926年:アガサ・クリスティ失踪事件
アガサ・クリスティ失踪事件とは、1926年にイギリス出身の推理小説家アガサ・クリスティが自宅を出た後に行方不明となってしまった事件です。「ミステリーの女王」と呼ばれた彼女の失踪事件は多くのメディアの興味を引くことになり、大衆から様々な目撃情報が集まりました。
捜査上において、警察は彼女が事件に巻き込まれた可能性も視野に入れながら捜索を行います、また、不仲であった夫のアーチボルトの犯行ではないかとする推論も挙がっていたようです。
最終的に、アガサ・クリスティは無事に戻ってきました。しかし、彼女がなぜ失踪したのかはわかっておらず、失踪の理由についてファンや伝奇作家の間で様々な憶測が飛び交っています。
15世紀頃:ソニー・ビーン事件
ソニー・ビーン事件とは、15世紀頃のスコットランドにおいて発生した失踪事件であり、20年以上にわたって1000人を超える旅人が行方不明となりました。この事件に対し、国王は疑わしい者を徹底的に処刑していきましたが、一向に失踪者が減ることはありませんでした。
しかし、ある時に失踪事件の犯人から奇跡的に逃げ延びたという男が国王の前に現れます。その男の証言を元に捜索したところ、異形の者たちが旅人を襲撃して金品を奪い、人肉を食料としていたことが判明しました。
この恐ろしい事件の犯人である「異形の者たち」とは、主犯格の男ソニー・ビーンと彼の妻、そして彼らの子供たちが近親相姦を繰り返したことで形成された48人の大家族でした。最終的にソニー・ビーン一族は逮捕され、全員処刑されたことで事件は終結しました。
2014年:マレーシア航空370便墜落事故
マレーシア航空370便墜落事故とは、マレーシアから中国の北京へ向けて出発した航空機370便が2014年3月8日に消息を絶ってしまった事件です。乗客と乗員の数は合わせて239名であり、全員が行方不明となってしまいました。
専門家の見解によると、失踪した航空機はインド洋に墜落したようです。実際に、事故が発生してから1年以上過ぎた後にインド洋上で機体の破片が発見されました。その後、370便の搭乗者は全員死亡したと公式に発表され、2017年には海底捜索活動も終了しました。
この事故が発生した原因は未だにわかっておらず、機内で火災が発生した説やパイロットまたは第3者によるハイジャック説など様々な憶測がされています。
1978年:フレデリック・ヴァレンティッヒ失踪事件
フレデリック・ヴァレンティッヒ失踪事件とは、1978年にオーストラリアのパイロットであるフレデリック・ヴァレンティッヒが行方不明となってしまった事件です。彼はオーストラリアとタスマニア島の間にあるバス海峡を飛行中に失踪してしまいました。
彼は失踪する直前に「未確認の飛行機がついてきている」と報告していたようです。しかし、未知の航空機についての情報をメルボルン航空管制に無線で伝えた後に一切の連絡がとれなくなってしまいました。実は、彼はUFOの存在を熱烈に信じており、日頃からUFOに襲われることを恐れていたようです。
この事件の真相について、当局は失踪の背景にUFOの存在があるとは考えにくいとしており、彼自身が方向感覚を失って墜落したと説明しています。一方で、UFO研究家たちは地球外生命体による攻撃や誘拐の可能性をがあると主張しました。
1957年:メアリー・ジェーン・バーカー事件
メアリー・ジェーン・バーカー事件とは、1957年2月25日にアメリカで発生した失踪事件です。ニュージャージー州ベルマールに住む少女メアリー(当時4歳)が飼い犬と共に行方不明となり、広範囲にわたる捜索が行われました。
しかし、彼女は自宅付近の空き家で遺体として発見されてしまいます。彼女の遺体は空き家のクローゼットの中に閉じ込められており、当初は事件性が疑われましたが、最終的に死因は餓死による事故であると断定されました。
そのような状況の中で、彼女の飼い犬は無事に生き延びることができていました。しかし、犬が生き延びた理由を調べる必要があるとして、胃の内容物を調査するために犬は安楽死させられてしまったようです。
未解決の失踪事件
1284年:ハーメルンの笛吹き男
ハーメルンの笛吹き男とは、1284年にドイツの町であるハーメルンで起きたとされる子供たちの集団失踪事件です。この事件はグリム童話として語り継がれており、日本においても文学や派生作品などにおいて知られています。
伝承において、ネズミの大繁殖に困っていたハーメルンの町にやって来た笛吹き男は、笛の音色でネズミを集めて見事に退治しました。しかし、町の人々と約束していた報酬が支払われなかったことに激怒し、人々の大切なものを奪うと捨て台詞を残して笛吹き男は姿を消します。そして、再び現れた際に130人の子供たちを笛の音色で集めて連れ去り、二度と町に戻ることはありませんでした。
この集団失踪事件は複数人の書き手によって語り継がれて現代にまで残ったため、真相に関して不透明な点が多くあります。そのため、笛吹き男が精神異常の小児性愛者であったとする説や少年十字軍運動をしていたとする説など様々な憶測がされています。
1937年:アメリア・イアハート失踪事件
アメリア・イアハート失踪事件とは、1937年にアメリカの飛行士であるアメリア・イアハートが赤道上で世界一周飛行に挑戦した後に行方不明になった事件です。南太平洋において失踪したとされており、アメリカ海軍と大日本帝国海軍によって大規模な捜索が行われましたが、機体の破片や遺体が発見されることはありませんでした。
有識者の見解によると、彼女の飛行機は燃料が尽きてどこかに不時着水したのではないかと言われています。また、墜落した可能性もあるとみられており、機体が海底に沈んでいる場合は破片の発見すら困難を極めるだろうと推測されています。
2013年:セシルホテル失踪事件
セシルホテル失踪事件とは、2013年にアメリカ合衆国ロサンゼルスのダウンタウンにあるセシルホテルで発生した失踪事件です。この事件は後にカナダ人学生エリサ・ラムが殺害された殺人事件であることが発覚し、エリサ・ラム事件とも呼ばれています。
当時、彼女は1人でアメリカ旅行に出かけており、両親とは毎日連絡を取っていました。しかし、ある日突然連絡が途絶え、心配した両親はロサンゼルス市警察に通報しましたが、既に彼女の行方は分からなくなっていました。
最終的に、彼女の遺体はセシルホテルの屋上に設置されていた貯水槽で発見されました。しかし、彼女がどのような過程を経て貯水槽に至ったのか全く分かっておらず、事故や自殺、他殺など様々な原因が推測されましたが、現在も未解決のままとなっています。
1900年頃:アイリーン・モア灯台事件
アイリーン・モア灯台事件とは、1900年頃にスコットランドのフラナン諸島にあるアイリーン・モア島で発生した失踪事件です。この事件において、アイリーン・モア島に灯台守として常駐していた3人の男性が行方不明となりました。
事件発覚前、1隻の船が島の近くを通りがかった際に、アイリーン・モア灯台の光が見つからない上に応答もなく、何らかの異常が起きていることがわかりました。その後、島の調査が行われることになりましたが、その時には既に3人の灯台守の姿はありませんでした。また、灯台の中は整った状態であり、争った痕跡もなかったようです。
調査によると、島の西側に暴風雨の跡があったため、海に投げ出されてしまったのではないかとする説が有力とされました。しかし、3人が同時にいなくなったことを説明できる証拠が一切見つからなかったため、真相は不明のまま現在に至ります。
1988年:タラ・キャリコ失踪事件
タラ・キャリコ失踪事件とは、1988年にアメリカで発生した、タラ・リー・キャリコ(当時19歳)の失踪事件です。事件当日、彼女は大学へ行くために自転車で家を出ましたが、その後に行方が分からなくなりました。
捜査によると、彼女が最後に目撃された場所から5㎞離れた道路の脇に彼女の持ち物とみられるカセットテープが落ちており、彼女の自宅から東へ30㎞離れた地点では彼女が使っていたウォークマンの部品が見つかっています。また、自転車で走る彼女を追走するトラックの存在が目撃されており、その車両には2人の男性が乗っていたようです。
これらの情報を元に数週間にわたって捜索が行われましたが、結局彼女の行方が判明することはありませんでした。失踪からしばらくした後、拘束されて口を塞がれた若い女性の写真が発見されましたが、タラ本人であると断定することはできませんでした。
失踪事件に関するまとめ
今回は世界や海外の失踪事件10選についてまとめました。
世界では様々なケースの失踪事件が多発しており、被害者の家族や警察、ボランティアなど多くの人々による懸命な捜索が行われてきました。しかし、事件に遭ってしまった被害者の多くは現在も行方不明のままであり、決して諦めずに有力な目撃情報を求め続けています。
この記事では、中世に発生した伝説的な事件から21世紀に起きた神隠し的な行方不明事件まで数多くの失踪事件や事故についてご紹介しましたが、それらの事件1つ1つについて詳しく調べてみると失踪事件に対する理解がより深まるかもしれません。
それでは長い時間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
そこで一生の眠りにつけ。見つかるな。めんどくさい
そこで一生の眠りにつけ。見つかるな。