清少納言がよく分かるおすすめ本6選【枕草子を楽しく読める】

「枕草子を書いた清少納言ってどんな人だったのかな?」
「枕草子について簡単に解説してある本があったらいいけど、おすすめはどれ?」

このように思っていらっしゃる方も多いかと思います。

実は清少納言は平安貴族の一女性でありながら、その燦然と輝く感受性と機智を武器に中宮定子のオフィスで大活躍した、生粋のキャリアウーマンでもありました。

清少納言は闊達でのびのびとした性格の女性であったのか、「枕草子」の文体も比較的明快な構造で、現代人の私たちにも存外に読みやすく、その瑞々しい感性がダイレクトに伝わる名文でもあります。

この記事では、「枕草子」で有名な清少納言の意外な事実と、清少納言の魅力に迫る本をご紹介していきたいと思います。

本当の初心者の人でも読める導入書から、少し詳しく踏み込んだ内容のものを読みたい人向けの学術書まで、幅広く選びました。ぜひ参考にしてみてください。

まんがで読む古典 1 枕草子

読んでみて

NHK総合で1988〜92年に放送されていた番組「まんがで読む古典」の書籍版です。

くだけた現代語訳に生き生きとしたまんが表現がマッチして読みやすく、わかりやすい内容となっています。また、生活にまつわる細々とした文化や風習への説明も盛り込まれ、平安時代の理解にも役立ちます。

くすりと笑えるテンポの良さで、彼女の生きた時代と感性に手軽に触れたいという方には導入として大変おすすめです。初めて古典に触れるお子様から大人まで楽しめる一冊となっています。

みんなのレビュー

現代風にアレンジされており、とっつきやすかった。その点、清少納言はもっとおしとやかだのと言う人もいるかもしれないが、趣を大切にする平安時代の中で描かれる知的な感性をもつ清少納言の魅力は申し分なかったと思う。絵は可愛いし、笑いどこが随所に散りばめられており、知的な清少納言は可愛く、勉強にもなり、楽しかった。

引用元:読書メーター

平安ガールフレンズ

読んでみて

この本は、平安時代の女性作家・歌人を「誰とだったら友達になりたいか」という視点から書いた古典エッセイです。

清少納言、紫式部、藤原道綱母、菅原孝標女、和泉式部という、そうそうたる面々の人生と性格が読み解かれます。清少納言を「あるあるの元祖」と表現されているのには思わずニヤリとしてしまいます。

平安の文壇を飾った個性豊かな女性たちに親近感を抱けるようになる本書。同じクラスにいたら…職場にいたら…。今に通じるガールズトーク気分で読める本書で、仲良くなりたい平安作家が見つかるかもしれません。

みんなのレビュー

平安時代の有名女流作家5人を的確でわかりやすく現代の言葉で解説した、愛に溢れる古典エッセイ。この時代の物語が大好きなので、その作者を捕まえて「この人は承認欲求を抱えてる」「この人は中二病」とユーモアを交えて綴られるのが楽しくて仕方ない。女性の自由度が極端に低かった時代で、それでも躍動するように生きる彼女たちがいみじくも眩しい。

引用元:読書メーター

むかし・あけぼの 上 小説枕草子

読んでみて

この本は、枕草子をもとにした小説で、男性顔負けの学才を持ちながら退屈な生活を送っていた海松子(清少納言)が、その卓越した感性を認められ、出仕する様子が書かれています。

この作品における清少納言は、年若くも美しく教養豊かで朗らかな藤原定子に魅せられ、誠心誠意慕い、尽くします。定子の方も彼女を認め、そば近くで仕えさせ引き立てます。

清少納言の、家庭にだけではなく社会にも居場所を持ちたい、自分の力を発揮したい、また自分の慕う人に認められたいという願いには、多くの人が共感できるのではないでしょうか。

終盤、没落しても誇りを失わない清少納言の姿に、筆者が彼女に向ける温かい眼差しが感じられます。

みんなのレビュー

上巻は、道隆の死→道長に内覧宣旨→定子が宮中に戻るまで。清少納言の一人称で語られ、読者は枕草子の文章と歴史上の出来事を、彼女の視点に同調して自分の気持ちのように味わえます。ライトノベル並に平易で弾むように書かれつつ、人々の心の襞に分け入る深みのある文章が素晴らしい。昔読んだ田辺さんのエッセイに、空襲警報を聞きながら不思議と生死の事ではなく、ただ、美しいものを再び見ることは出来ないのだと思った、と書かれていたのを思い出しました。清少納言の想いと重なるような気がします。刹那の美しさ、その切なさ。人の愛しさ。

引用元:読書メーター

枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い

読んでみて

この本は、「枕草子」に清少納言が込めた真意と謎を解き明かそうとする内容です。

紫式部がその人物像を酷評していたにもかかわらず、そして道長陣営の敵であった定子に仕えていたにもかかわらず、「枕草子」は歴史の表舞台から葬り去られませんでした。

本当に清少納言は紫式部が評したような傲慢で嫌な女であったのか、それとも…。本書ではその真相が語られます。

時代に翻弄された清少納言が最後まで守り抜こうとしたものはなんだったのか。なぜ枕草子は書かれたのか。

ミステリー小説のように語られる本書に次々にページをめくってしまい、知的好奇心をくすぐられました。紫式部との対比も興味深かったです。

みんなのレビュー

枕草子は定子の下命により献上された。定子のため、定子に捧げた作品であると述べる。執筆が本格的になったのは、定子が長徳の政変によって出家した後の頃。絶望的な状況にあった定子の心を慰め、幸福に満ちた定子後宮の姿を書き留めたと考えると作品の読み方が変わる。定子は闇の中であっても枕草子を読んで笑ったりときめいたりしたことだろう。初段の「春はあけぼの」であれば、たなびく紫雲は世の泰平の兆しであるとともに、定子その人だという解釈も素敵だと思った。悲劇に終わった一条天皇と定子の愛と『源氏物語』冒頭の結びつきに驚いた。

引用元:読書メーター

清少納言 (人物叢書)

読んでみて

この本は、枕草子研究の第一任者、岸上慎二名誉教授による清少納言伝記です。枕草子が軸となるため、枕草子論をも多分に含む充実した一冊です。

親類縁者についても史料を丁寧にひもとき、清少納言の性格や体型にまで言及しているところも興味深いです。

この本は、2002年に故人となった先生の著作ですので、一部表現などにやや時代を感じるかもしれませんが、随一の学術的伝記であることに疑いはありません。

清少納言の人物像に迫りたい人にお勧めしたい一冊です。

みんなのレビュー

資料が少ない為枕草子、清少納言集等に基づいて推測を加えながら論を進めている。外面が良く自分に甘いっとの辛口コメントが面白い。下級貴族から宮廷へ出仕出来た喜びが、中宮定子亡き後の侘びしい人生を支えていたようである。和歌を得意とする父親を持ちながら、和歌を捨て随筆で自己の世界を築いた反骨精神も出生に影響している推理は興味深い。

引用元:読書メーター

枕草子(上) 新潮日本古典集成 第11回

読んでみて

この本は、日本の古典文学の専門家の知識と知見の集大成がこの「新潮古典文学集成」シリーズの一冊です。

原文が紹介されている本は他にも多々ありますが、このシリーズは用語の注釈が細やかに書かれており、現代語訳が原文と違う色で部分的に記載されていて読みやすく、古文を読んだことがなくても挑戦しやすい編集となっています。

大学の文学部の図書館にも所蔵されるような専門的な本ですが、近年リニューアルされて価格が下がり、手に取りやすくなった点も嬉しいところです。

原典に触れて清少納言の文体を直接じっくりと味わいたい、と思われた方にはがおすすめの一冊です。

みんなのレビュー

学生時代に購入、折りに触れ読み返す一冊です。今回は「むかし・あけぼの」を再読したことが契機で。萩谷朴先生、尊敬してます。現代語訳も解説も読み応えあって、素晴らしいと思います。お気に入りはやっぱり第一段の”春は、あけぼの。”そして、第三十四段の”木の花は~”の”桜は、花びら大きに、葉の色濃きが、枝細くて咲いたる。”の件、清少納言はどんな桜を観てこれを書いたんでしょうか?ゆかしいです。第百三十六段の”いはでおもうぞ”の件は中宮定子の心中を思うと、涙が出ます。古今六帖の”心には下行く水の~”大好きなお和歌です。

引用元:読書メーター

まとめ

いかがでしたか。清少納言と彼女の書いた「枕草子」への理解と興味が深まる本を、六冊ご紹介しました。

  • 清少納言のことや枕草子の内容を手軽にざっくりと知りたい人は、「まんがで読む古典 1 枕草子」
  • 清少納言をはじめとする平安時代の文壇女性に親近感を抱きたい人は「平安ガールフレンズ」
  • 時系列の小説仕立てで自然に清少納言の生き様や心や誇りを感じ取りたい人は「むかし・あけぼの」
  • 枕草子に込められた清少納言の真の意図を知りたくなった人は「枕草子のたくらみ 『春はあけぼの』に秘められた思い」
  • 学術的に確かな清少納言の伝記を押さえておきたい人は「清少納言 (人物叢書)」
  • 枕草子の原典を読み込み、その筆致の美しさを直に感じ取りたい人は「枕草子(上) 新潮日本古典集成 第11回」

どの本を読んでも、清少納言の闊達自在で今にも通じる精神は千年の時を飛び超えて、あなたに囁きかけてくれることと思います。

この記事がご参考になり、清少納言との良き出会いのきっかけなれば幸いです。

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