刑務所の場所の決め方とは?基準や服役までの流れをわかりやすく解説

何かしら罪を犯すと刑務所に服役することになりますが、刑を受ける刑務所はどのように決まるのでしょうか?

現住所で決まるのか、犯罪を犯した場所で決まるのか、もしくはそれ以外に規定があるのか、など様々な疑問があるかと思います。そこでこの記事では服役する刑務所の決め方を紹介します。刑務所に収監されるタイミングや流れも併せて解説していきます。

この記事を書いた人

フリーランスライター

高田 里美

フリーランスライター、高田里美(たかださとみ)。大学は日本語・日本文学科を専攻。同時にドイツ史に興味を持ち、語学学校に通いながら研究に励む。ドイツ史研究歴は約20年で、過去に読んだヨーロッパ史の専門書は100冊以上。日本語教師、会社員を経て結婚し、現在は歴史研究を続けながらWebライターとして活躍中。

受刑者が服役する刑務所の場所の決め方とは?

最寄りの検察庁から指示が出る
出典:検察庁公式ホームページ

実刑判決が確定したり執行猶予の取り消しが確定すると、最寄りの検察庁から刑務所へ収監されて刑に服します。しかしすぐに服役刑務所が決まるわけではありません。ここではどのような基準で服役場所が決まるのかを解説します。

具体的な基準は未公表

指標の区分表
出典:平成26年番犯罪白書

結論をいうと、服役する刑務所を決めるための基準は存在するものの、「どのような事柄がわかったら〇〇刑務所」といったような具体的な基準は未公表です。ただし受け入れている人の特性は公表されているので、指標によりある程度は予想がつくようです。まず服役が決まってから10日間の間に、下記の項目の調査をします。

  • 精神状態
  • 身体状況
  • 育成歴・教育歴・職業歴
  • 暴力団などの加入歴
  • 非行歴・犯罪歴・犯罪性の特徴
  • 家族等の生活環境
  • 職業などの適性・志向
  • 将来の生活設計
  • その他に刑を執行する上で参考になりそうな事情

この調査は面接で聞いたり、裁判の記録を見ながら行われています。調査場所は「刑の執行が始まった場所」です。そして一定の受刑者や、一定の事件を起こした人は「調査センター」がある刑務所に移送され、詳しく調査されます。調査センターがある刑務所は、

  • 札幌
  • 仙台
  • 東京
  • 名古屋
  • 大阪
  • 広島
  • 高松
  • 福岡

の8つです。調査センターでの調査は一般の調査と同じですが、期間が概ね55日と一般よりも長く設定されています。調査センターでの調査が終わると、受刑刑務所に再移送されるのです。

調査により場所を選択

受刑地は調査結果の指標に対応した刑務所になる
出典:法務省公式ホームページ

面接や裁判記録を基に調査が完了したら、受刑地を決めていきます。全国には77か所刑務所があり、それぞれ役割が異なっています。それぞれの刑務所には符号がつけられており、符号が多く対応している刑務所に受刑しやすい仕組みです。符号は以下の通りです。

  • W:女性
  • F:日本人と異なる処遇を必要とする外国人
  • I:禁錮に処される者
  • J:少年院の収容を必要としない少年
  • L:執行刑期が10年以上ある者
  • Y:26歳未満の成人
  • M:精神障害者
  • P:精神上の疾患または障害のあるもの
  • T:専門的処遇を必要とするもの
  • S:特別な養護的処遇を必要とするもの
  • A:犯罪傾向が進んでいない者
  • B:犯罪傾向が進んでいる者
Wikipedia

これらを踏まえて受刑地を決めます。そのために特性でどこの刑務所になるかは、ある程度まで絞り込めるようです。Aの犯罪傾向が進んでいない者、Bの犯罪傾向が進んでいるものでわけられます。大まかにいうとA指標は初犯、B指標は二回目以降(暴力団関係者も)です。これらの指標を基に収容が可能な施設を絞り込んでいきます。なお、指標表記がある施設を書いた法務省の資料を下記に掲載しているので参考にしてください。

条件さえ合えば地元の場合も?

地元の刑務所になる可能性もあるが、基本的に受刑者の希望は通らない

受刑者の中には「親族に会いたいからできれば自分の住所から近いほうが良い」などの希望も出されるそうですが、条件さえ合えば地元の場合も考えられます。ただし、決して受刑者の希望のためではなく、たまたま条件が合った場合といえるでしょう。

受刑者の噂を聞く限り、希望通りの受刑先になったと聞いたことがないという評判がほとんどです。非公表なので確証はありませんが、地元での再犯を減らすためにあえて離れた刑務所に決めているのではとも噂されています。

刑務所の場所が決まるタイミングは?

決まるまでの期間は確定房というところで過ごすらしい

いつ頃刑務所が決まるのかのタイミングですが、調査が完了した時点になります。調査は最低でも2週間かかり、最長だと2か月にも及びます。決まるまでの間は確定房というところに入り、簡単な軽作業をしながら、刑務所が決まるのを待っているのです。

そして決定すると移送は前日の朝に知らされます。前日は移送のために準備が行われ、移送当日にどこの刑務所に行くのかわかるそうです。移送後決まった刑務所で、本格的に刑に服します。

受刑者の刑務所が決まるまでの流れ

受刑者が更生するために場所も非常に考慮される
出典:法務省公式ホームページ

服役する刑務所の決め方を解説しましたが、ここでは受刑者の刑務所が決まるまでの流れを解説していきます。

刑が確定後面接を行う

このときに刑務所のような集団生活となる
出典:4travel.jp

裁判で有罪が確定した後、拘留中の人はそのまま拘留先で受刑者となり、拘留されていなかった場合は一度自宅に帰宅し、最寄りの検察庁から検察庁への出頭命令が出てからの身体拘束となります。

そして一般的に最初に服役した刑務所で、まず10日ほど調査します。その後実際に服役する刑務所に移ってからの調査が20日ほどあり、これらの調査を刑の初めから概ね2か月以内には終わらせることになっています。

大阪刑務所、分類センターは刑務所内にある
出典:Wikipedia

まず26歳未満の人は一旦分類センターに送られ、そこで分類審査をします。ただし必ずしも26歳以下が分類センターに行くとは限らないようです。26歳以上は拘置所で分類審査し刑務所に移送というパターンが多いといいます。例えば関東なら、府中刑務所で分類といったケースもあるようです。

刑が確定した時点で受刑者となるので、この時点で頭を剃り服装も刑務作業服となります。そして簡単な刑務作業をしながら、社会での自分の履歴を書いたりして待つのです。また独房から雑居房に移ることになり、大部屋に6名と刑務所に似た環境になります。そしてスケジュールも刑務所にそった時間の流れを過ごすことになるのです。

26歳以上は新入り工場に配属

徹底的に刑務所生活の基礎を叩き込まれるらしい
出典:CHARLIE`S CINEMA&PLAY SALON

移送待ちの間、26歳以上の初犯の人は新入り工場というところに移されます。ここは新入り受刑者に刑務所の基礎を叩き込む場所です。ここでも刑務所と同じように、「私語すること」「自由に歩くこと」が禁止されており、移動の際も掛け声を合わせた全体行進をしたりと行動訓練がメインとなります。

駆け足の行進と歩行の訓練とかなり体力的にも肉体的にも厳しいものとなりますが、新入り訓練工場の態度も評価の内に入るために、一生懸命訓練を受けることが必要です。

26歳未満は分類センターへ

分類センターはあまりの厳しさに逃げ出してしまう人もいるらしい

26歳未満で短期刑の場合は、刑務所に入る前に分類センターというところに入ります。別名「泣く子も黙る分類センター」といわれており、とにかく厳しいところで有名な場所です。分類センターで数日を過ごしますが、二度と刑務所に戻りたくないと思ってもらうことが目的であり、あまりの厳しさに逃げ出す人も出てくるといいます。

ここでの活動は、一日行進の訓練や入浴の練習、大声で番号や氏名を何度も言わされる、軍隊のような筋トレなどです。そして刑務官からは1日中罵声を浴びせられます。ただし分類刑務所を経た受刑者は、若干仮釈放率が高いともいわれているようです。ここで刑務所の1日の流れを覚えていきます。

受刑先が決まったら刑務所まで移動

移動は手錠に繋がれて一般の公共機関を利用する

移送が確定したら、新入り工場雑居房から移送前の部屋に移り、工場には行かずに移送の準備をします。そして当日の朝にどこの刑務所に決まったのかが知らされるのです。

移送で他の刑務所に移る際は、私服に着替えます。そして刑務官に付き添われながら手錠をかけられ、通常の公共機関で移動するのです。移動手段は電車だったり、遠いと飛行機の場合もあります。通常の公共機関なので、一般の人たちと一緒に乗って移動していくのです。

刑務所の場所の決め方に関するまとめ

この記事ではどの刑務所になるかの基準や、どれくらいで服役先が決定するのかなどを解説しました。筆者の感想は、非常に細かく分類されることにより、より更生に力を入れやすいようにという工夫が感じられました。色々な条件を踏まえた上で服役先を決めているという新しい事実も知り、とても驚いています。これらのシステムが功を奏し、犯罪が減っていくことを祈るばかりです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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