「ファンタジー小説を読みたいけれど、どんな本を選べば良いかわからない」
「大人でも楽しめるファンタジー小説はないかな?」
書店や図書館に行くと、様々なファンタジー小説が棚に並んでいます。児童書に分類されていることも多いので、大人が読んでも面白いのか疑問に思う人もいるかもしれません。
この記事では、子どもの頃からファンタジー好きで元図書館司書でもある筆者が、ファンタジー小説を探している大人の方に向けておすすめ本を紹介します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:獣の奏者 I 闘蛇編
読んでみて
『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズで有名な上橋菜穂子さんの作品。ハードカバーは全4巻で、文庫本もあります。
主人公エリンの母は戦闘用の獣「闘蛇」の世話をしていましたが、闘蛇が何頭も突然死した罪を問われて処刑されました。エリンは蜂飼いのジョウンに育てられ、天を翔ける「王獣」の医術師を目指すようになります。そしてエリンは王国の運命に翻弄されていくことに……。
架空の獣の飼育方法や、獣と暮らす人々の文化的背景などが緻密に描かれていて、ファンタジーながらリアリティのある物語。孤独な少女エリンが、獣や周りの人達との絆の中で成長する様子に感動します。
みんなのレビュー
『獣の奏者(闘蛇編)』上橋菜穂子
何度もウルッとしてしまいました。命の尊さに、別れと出会いに、寂しさと優しさに。命と多様性が描かれる世界観がたまらないなあ。言葉の一つ一つに生命力を感じて心が震える。この感覚は上橋さんでしか味わえないですよね。本当に好きな作家で作品です。#読了 pic.twitter.com/f0dvBU5yQl
— ひなた│読書垢* (@hinata_book_) February 6, 2022
6位:月の影 影の海 (上) 十二国記 1
読んでみて
過去にアニメ化もされた人気の「十二国記」シリーズ、本編第1作。
女子高生の陽子は、ケイキと名乗る男に異世界へ連れて行かれます。男とはぐれた陽子は異形の獣に襲われ、訳も分からず戦うことに……。多くの苦難を乗り越えて、陽子は生き延びることができるのでしょうか?
上巻はとにかく主人公が酷い目にあうので、読んでいるのが辛いです。しかし、なぜこんな目にあわないといけないのか?続きはどうなる?と気になって、ページをめくる手が止まりません。この巻の辛さに耐えてこそ「十二国記」は面白いので、ぜひ頑張って読んで欲しいです。
みんなのレビュー
小野不由美 「十二国記 月の影 影の海」 読了
感想…読み終わって後悔しました。
なぜ、もっと早く手を出していなかったのか、と。
話題になっていたので結構期待して読んだのですが予想以上の面白さ。
人として生きていく上でどう生きていくのか。
主人公が大切なことに気づかせてくれます。 pic.twitter.com/ZgcfhXUmpB— 詩歌@読書垢 (@Honzuki_) October 26, 2019
5位:西の善き魔女1 セラフィールドの少女
読んでみて
『空色勾玉』などの「勾玉」シリーズで知られる荻原規子さんの作品。「勾玉」は和風ファンタジーですが、本作は西洋風の世界が舞台です。
荒野の天文台で暮らす少女フィリエルは、舞踏会の日に亡き母の首飾りを受け取ります。その宝石をきっかけに、女王の後継争いに巻き込まれいくフィリエル。さらに天文台に引きこもっていた父が失踪して……?
フィリエルを含め、登場する女性キャラクターがとても魅力的。男性陣との恋模様にもキュンとします。やや少女漫画的ではありますが、軽い気持ちで読めるので長編ファンタジーに慣れていない方におすすめです。
みんなのレビュー
西の善き魔女 1 セラフィールドの少女 https://t.co/QRb02c9t9L
物語の始まり!にしては結構いろいろなことが起きていた…。ルーンの境遇、フィリエルの孤独には胸が痛む。
初読時はルーンばかり見てたけどユーシスもカッコイイ見事な騎士!
―めでたしめでたしの結末まで、きっとがんばっていけるわよ— うゆ (@uyuuyuns) July 12, 2020
4位:魔法使いはだれだ
読んでみて
「大魔法使いクレストマンシー」シリーズの1作。このシリーズは各巻が独立した話になっているので、この1冊だけ読んでも十分面白いです。
舞台は魔法が禁じられている世界。「このクラスに魔法使いがいる」という謎のメモに、寄宿学校の生徒達はパニックに陥ります。魔法使いは、見つかったら火あぶりになってしまう……!魔法使いだと疑われ追いつめられた子ども達が、古くから伝わる呪文を唱えてみると?
作者のダイアナ・ウィン・ジョーンズは『ハウルの動く城』の作者として有名。この話はハウルの世界観よりも現実に近く、ミステリーの要素もあるので、現実離れした設定が苦手な人におすすめです。クセのあるキャラクターが多く、学園ものとしても楽しい本です。
みんなのレビュー
クレストマンシーシリーズ『魔法使いはだれだ』読了
おもしろかったー!やっぱり魔法使いはいいぞ
クソガキしかいねぇな!って思って読んでたけど、だんだん愛着がわくから不思議
あとクレストマンシーおじさんかっこいい— モスノ (@rainygirl0308) March 7, 2016
3位:バーティミアス サマルカンドの秘宝 上
読んでみて
「バーティミアス」3部作の1作目。
ロンドンで修行中の魔術師ナサニエルは、師匠に隠れて妖霊のバーティミアスを召喚しました。その目的は、自分を辱めたエリート魔術師サイモンに復讐するため、サマルカンドの秘宝を盗むこと。まだヒヨッコ魔術師のナサニエルと、5010歳のベテラン?バーティミアス……凸凹コンビの冒険物語。
ナサニエル視点の話と、バーティミアス視点の話が交互に描かれます。バーティミアスのコントのような語り口が面白く、何度もお腹を抱えて笑ってしまいました。現実世界と似ているけれど魔法が当たり前にあるロンドン……という舞台設定にワクワクします。
みんなのレビュー
バーティミアス3部作を読了。こんな面白いファンタジー小説を読んでなかったことを後悔する。子供の頃に読んでいたら間違いなくゾッコンだったに違いない。映像としても漫画になっても面白いだろうにどうしてなってないのか。魔術師と悪魔が蔓延るロンドンやプラハを世界に唯一無二の物語があった。
— oh@ (@iraken) May 25, 2020
2位:ダレン・シャン1 奇怪なサーカス
読んでみて
ダークファンタジー「ダレン・シャン」の第1巻。
奇怪なサーカスのチケットを手に入れた、主人公の少年ダレン。ショーに出ていた毒蜘蛛に魅せられたダレンは、その蜘蛛を盗んでしまいます。ところが、そのせいで親友の命が危険に……!親友を救うため、バンパイアと取引をした少年の数奇な運命とは?
グロテスクなシーンが多いので、嫌悪感を持つ人もいるかもしれません。しかし、ラストの展開を読めばその印象は覆ることでしょう。なぜ作者の名前とタイトルが同じなのか、という謎は12巻で明らかになります。老若男女問わずおすすめできる超大作です。
みんなのレビュー
▪ダレン・シャン Ⅰ ―奇怪なサーカス―
ダレン・シャン【借り本/図書館/児童書】
(2020/12/09 読了)ドキドキハラハラする展開。
奇怪なフリークショーもワクワクしたし
吸血鬼と駆け引きをするシーンは
疾走感があって面白かったです◎#読書 #本 #児童書 #ダレン・シャン pic.twitter.com/gXdfxWdSih— 夢乃*趣味垢🧶 (@yun_chocco) December 13, 2020
1位:ハリー・ポッターと賢者の石
読んでみて
言わずと知れた世界的ベストセラー。今さら?と思われるかもしれませんが、世界的大ブームとなった作品をまだ体感していないのなら、ぜひ一度は読んでみてください。
両親を失ったハリーが魔法学校に入学し、闇の魔法使いを討ち果たすまでの物語がここから始まります。箒に乗って空を飛んだり、魔法生物と戦ったり……正にファンタジーの王道。孤独だったハリーが親友と出会い、頼もしい大人たちに導かれて成長する様子は、大人の方が感動するでしょう。
日本でも舞台が上演される『ハリー・ポッターと呪いの子』では、ハリーの息子アルバスが主人公となっています。ハリーの両親や子どもの世代にも、そして脇役の1人1人にも物語があることが素晴らしく、シリーズを通しておすすめできます。
みんなのレビュー
『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング著
流石ベストセラーファンタジー、最初から最後までずっと面白かったです。映画よりもハリー達3人が問題児で笑いました。スネイプ先生の反対呪文の所が大好きです。まだあと6巻あるので魔法の旅を楽しみたいと思います#読了 #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/vQ2v7C4MF5— とうふ (@tofu__silk) October 6, 2021
まとめ
こちらの記事では、大人も楽しめるファンタジー小説として、日本や世界で人気のシリーズ作品をご紹介しました。どの本も少年少女が主人公ですが、大人が感情移入できる深い話ばかりです。
想像力をかきたてる、幻想的な世界観が魅力のファンタジー小説。異世界の話だったり、日常に潜む不思議な出来事だったり、様々なタイプのものがあります。ファンタジーに苦手意識がある人も、意外とハマってしまう作品に出会えるかもしれませんよ。
この記事をきっかけに、もっとファンタジー小説を好きになってもらえたら幸いです。