「終戦を知らずグアム島に潜伏し続けた横井庄一とは、どんな人だったのだろう」
「帰国した横井庄一は、何をしていたのだろう」
戦後28年もの間、グアム島で潜伏し続けていた横井庄一。「恥ずかしながら帰って参りました」という流行語や「よっこいしょういち」というギャグは聞いたことがあるけれど、それ以上のことは知らないという方もいるかもしれません。
横井庄一の帰国は、戦争の記憶が遠のき始めていた日本国民にとてつもないインパクトを与えました。28年もの間、孤独に戦い続けた彼の姿から、サバイバル精神を学びたいという方もいるのではないでしょうか。今回は、横井庄一の生き様を知ることができる書籍7冊をランキング形式で紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
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7位:グアムに生きた二十八年―横井庄一さんの記録 (1972年)
読んでみて
朝日新聞社特派記者団がまとめた、横井庄一発見から日本へ帰国するまでの10日間のドキュメンタリー作品です。発見同年の1972年に発売されたもので、横井庄一の言葉が原文そのままに載っています。
横井庄一発見当時の様子や記者が見たものがリアルタイムに記載されており、当時の人々が感じた生の声を知りたいときに参考になる一冊です。
みんなのレビュー
自分の中で「恥ずかしながら帰ってまいりました」でお馴染みの横井庄一さんブームきてて、図書館で本借りまくって読んだ。特に面白かったのが『グァムに生きた二十八年 横井庄一さんの記録』。これは横井さんが発見された昭和47年に発売されて、当時の受け答えが原文のまま載ってるのが非常に良い。
— もん (@m_o_n____a) February 24, 2019
6位:無事がいちばん―不景気なんかこわくない
読んでみて
横井庄一が2冊目に出版した書籍。過酷な条件下で生き抜いたグアム島の28年間に体験した出来事や、経験から得たサバイバル術を語ります。
帰国して10年間戦後の日本で生活し、タレント活動や選挙活動を経た横井庄一の目線から見る日本の姿が垣間見えます。今ある生活の贅沢さを顧みることができる作品です。
みんなのレビュー
【無事がいちばん―不景気なんかこわくない (C books)/横井庄一】28年もサバイバルで生き延びた人の話。今の自分の生活全てが贅沢である →http://t.co/hGrfC0Yt #bookmeter
— おね様 (@takanagu) June 19, 2012
5位:《ある戦後生まれ》の戦争論 北ボルネオ戦跡紀行 横井庄一軍曹と小野田寛郎少尉
読んでみて
当時学生だった著者の目線から見た、横井庄一が帰国したときの世間の様子と、その2年後に帰国した小野田寛郎に対する世間の反応との対比が記されています。
実際に戦争を経験していない著者が、横井庄一が帰国したときの感動と小野田寛郎が帰国したときに著者が感じた疑問をもとに、戦争論を展開する本書。第三者の目線から見た、横井庄一の様子と世間の受け止め方を知ることができる一冊です。
みんなのレビュー
無し
4位:横井庄一のサバイバル極意書 もっと困れ!
読んでみて
グアム島で28年間を生き抜いたサバイバル術を紹介する極意書。横井庄一自身が作成し、実際に使用していたサバイバル用品も紹介されています。
実際に体験した人でなければ語れないような、壮絶な出来事やそれに対する心情も詳細に記される本書。生き抜くためのノウハウだけでなく、マインドも知ることができます。飄々とした語り口で書かれていて読みやすく、横井庄一の人柄も感じる一冊です。
みんなのレビュー
なし
3位:よこいしょういちさん
読んでみて
横井庄一記念館を訪れた際に横井美保子夫人と作者との交流したことをきっかけに生まれた絵本作品。子どもでも読めるようわかりやすい言葉で書かれているので、本を読むのが苦手な人でも安心して手に取ることができます。
グアムで過ごした28年間の過酷さや横井庄一の諦めない精神が切り絵という手法により鮮やかに描かれており、横井庄一の生き様にしっかりと触れられる内容となっています。
みんなのレビュー
『よこいしょういちさん』という絵本を見つけて、こんな本が…!!と。
“あなたは、ネズミを食べたことがありますか?カエルを食べたことはありますか?デンデンムシは?”
とはじまる。
横井庄一さんのことは知っていたけれど、帰国からの生涯までは知らなかった。いい絵本だった。8月6日。 pic.twitter.com/Y7r46jBSjv— ミオ (@mio_igu) August 6, 2020
2位:鎮魂の旅路―横井庄一の戦後を生きた妻の手記
読んでみて
横井庄一の死後、妻の横井美保子さんが書き記した手記。横井庄一が戦後に送った生活と、それを支えた妻の思いがありありと描かれています。
戦前とは大きく変わってしまった日本社会を横井庄一がどう受け止め生きていったのか、どのような思いをもって生活していたのか。一番身近で支えていた妻の目に映っていたその姿を知ることができます。壮絶な28年間を過ごした、その後を知りたい人にぴったりの一冊です。
みんなのレビュー
横井美保子著『鎮魂の旅路 横井庄一の戦後を生きた妻の手記』読了。先日ふと横井庄一記念館(名古屋市中川区)に行き、奥様とお話させていただき、著作を購入させていただいた。「いかなるカン難辛苦が襲ってきても生き抜くことが人生で一番大切だ」という横井さんの人生観がビシバシ伝わってきます。
— 江口公介 (@ukokkei331) January 1, 2012
1位:明日への道 全報告グアム島孤独の28年
読んでみて
横井庄一自身が書き記した、グアム島で過ごした28年間の自伝。帰国した2年後に出版されており、当時の記憶が色褪せないままに記されています。
なぜ28年間も潜伏し続け、どのような思いで生き続けていたのか。横井庄一本人の言葉で、その真実が克明に描かれています。戦時中のリアルな様子も描かれており、その中を生き抜いた横井庄一の生き様を濃密に知ることができる貴重な記録です。
みんなのレビュー
横井庄一『明日への道』を熟読中。横井は事物の鑑定家であり、かつ自身の制作物を周到に隠す=痕跡を消す技が抜きん出ていたようだ。単なる警戒心、用心深さだけではない。それを可能にする丁寧きわまりない手技があった。
— sabaehideki (@sabhide7) December 5, 2018
まとめ
こちらの記事では、「横井庄一自身の著作」「横井庄一の身近な人による記録」「横井庄一の生涯を知った第三者による記録」という3つの切り口で横井庄一さんに関する本を紹介してきました。
サバイバルな28年間を生き抜いた横井庄一の人物像は、あらゆる人の視点から知ることができます。過酷な状況から生き延びることができたノウハウやマインド、あるいは帰国後に変わり果てた日本にも順応していった柔軟さから学ぶことは多くあるのではないでしょうか。
ぜひ、これらの本を読んで生き様を知り、横井庄一という人物を好きになってください。