アメリア・イアハートとはどんな人?生涯まとめ【性格や死因、名言も紹介】

アメリア・イアハートの生涯年表

1897年 – 0歳「アメリカで生まれる」

アメリカのカンザス州で生まれる

赤ちゃんの頃のアメリア

アメリア・イアハートは、アメリカのカンザス州・アッチソンで生まれました。家はドイツ系の裕福な家庭でした。

アメリアの父親は弁護士の仕事をしており、長期の出張で家を出なければならないことがよくありました。母親も仕事に同行していたため、両親が不在の間、アメリアは2歳年下の妹と共に祖父母の家に預けられていたそうです。

祖父母の家庭も裕福であり、アメリアは庭付きの広い家で自由に遊びまわりながら育てられました。

1903年 – 6歳「世界初のフライト成功」

ライト兄弟

ライト兄弟のフライトが成功する

アメリア・イアハートが6歳の頃、ライト兄弟が世界初のフライトに成功します。空気よりも思い機体を空に飛ばせるというのは、当時は衝撃的な出来事でした。

ライト兄弟の功績は新聞などで大々的に報じられました。アメリアも父親を通してライト兄弟のニュースを聞かされていたそうです。

1914年 – 17歳「第一次世界大戦が勃発」

看護助手をしていたアメリア

看護助手として働く

1914年から1918年にかけて繰り広げられた第一次世界大戦において、アメリアは看護助手として働きました。

アメリアが勤務していたのはカナダのアメリカ陸軍病院でした。

1921年 – 24歳「初の飛行機を購入」

ネタ・スヌークとアメリア

飛行訓練を受ける

大学を1年で中退したアメリアは、ロサンゼルスで前々から憧れのあった飛行士の訓練を受けます。アメリアの飛行教官となったのは、女性パイロットであるネタ・スヌークでした。

飛行場に来ていたアメリアは、ネタ・スヌークに対して自ら「飛び方を教えて欲しいです」と声を掛けたのだそうです。アメリアと両親は、飛行訓練を受けるのなら同性のパイロットがいいと考えており、ネタ・スヌークは教官としてぴったりの人材でした。

ネタ・スヌークは、空中での1分を1ドルとして支払うという条件で、アメリアに訓練をつけます。ネタ・スヌークいわくアメリアは初めから才能に秀でていたわけでなく、訓練当初はあまり良い腕前では無かったのだそうです。

飛行訓練を受ける

飛行訓練を受けた後、アメリアは初めての飛行機を購入しました。

その頃には、アメリアとネタ・スヌークの間には友情が芽生えており、いつしか報酬なしで飛行訓練をするようになります。ネタ・スヌークはイアハート一家とも親しくなり、頻繁に家に出入りするような間柄になりました。

ネタ・スヌークとは1年間ほど飛行訓練を共にし、アメリアは自身の飛行技術を磨きました。

1924年 – 27歳「飛行士を目指すが…」

飛行機に乗るアメリア

飛行機を売ることに

ネタ・スヌークとの飛行訓練を機に大空の虜になったアメリアは、飛行士を目指すため、当初予定していた大学への進学を取りやめます。また、婚約者との縁談も破談になりました。

曲技飛行を習得するなど順調に飛行技術を磨いていったアメリアでしたが、家庭の事情により飛行機を売らなければいけなくなります。その後、アメリアは家のためにソーシャルワーカーとして働きました。

1928年 – 31歳「転機が訪れる」

大西洋横断飛行の共同パイロットに抜擢

アメリアに転機が訪れたのは、1928年4月のことでした。仕事をしていたアメリアのもとに、ジョージ・パットナムという男性から一本の電話が入ります。ジョージはアメリアに対し、計画中の大西洋横断飛行の共同パイロットになってほしいと依頼をしたのです。

こうしてアメリアは、ウィルマー・スタールズが操縦する飛行機に同乗することになりました。大西洋横断は見事成功し、アメリアは同乗者ではありましたが、女性で初めて大西洋を横断飛行した人物になりました。

アメリア、再び空へ

大西洋横断飛行の成功により、アメリアの名前は一躍有名になりました。その頃から、アメリアは再び飛行機で空を飛ぶようになります。

女性パイロットだけの飛行レース「パウダー・パフ・ダービー」で3位になるなど、優秀な成績をおさめました。

1931年 – 33歳「アメリアの結婚」

アメリアとジョージ・パットナム

ジョージ・パットナムと結婚する

オートジャイロで最高到達高度記録を達成したアメリアは、ジョージ・パットナムと共に単独で大西洋を横断飛行する計画を立てていきました。

共に計画を立てる中で徐々に仲を深めていった二人は、ジョージ・パットナムからのアプローチによって結婚します。飛行機で空を飛ぶことが第一だったアメリアにとって、飛行に対する理解のあるジョージは良いパートナーだったといいます。

1932年 – 34歳「大西洋単独横断飛行に成功」

ロッキード・ベガ

女性初の大西洋単独横断飛行

1932年5月、アメリカの飛行士チャールズ・リンドバーグと同じ単独飛行ルートを、アメリアも飛び立ちます。アメリアが操縦したのはロッキード・ベガという真紅の飛行機でした。

リンドバーグと同じようにパリへ着陸する予定でしたが、風の問題でアメリアはアイルランドのロンドンデリーに着陸します。トラブルはあったものの、アメリアは女性初の大西洋横断飛行に成功しました。

この功績を称えられ、アメリアはアメリカやフランスなどから様々な栄誉ある勲章を授与します。また、リンドバーグと同じ飛行ルートの単独飛行に成功したことから、”ミス・リンディ”の愛称で親しまれました。

ロッキード・ベガの真っ赤な機体と女性パイロットの組み合わせは実に印象的で、チャーミングな笑顔と共にアメリアは国民からの人気を獲得します。

アメリカ大陸単独飛行

大西洋横断飛行に成功した3ヶ月後の8月、続いてアメリアはアメリカ大陸単独無着陸飛行に挑戦します。ニュージャージー州を出発したアメリアは、翌日にロサンゼルスに着陸し、見事飛行を成功させました。

1935年 – 37歳「更なる飛行記録を樹立」

歓迎を受けるアメリア

ハワイからカリフォルニアへ

1935年1月、アメリアはハワイからカリフォルニア州への単独飛行に成功します。この頃には、アメリアの人気は絶大なものとなっていました。

1937年 – 39歳「アメリア・イアハートの失踪」

ロッキード・エレクトラ

赤道上世界一周飛行へ

1937年5月、アメリアはナビゲーターのフレッド・ヌーナンと共に、かねてより計画を立てていた赤道上世界一周飛行へ飛び立ちます。アメリアは世界一周飛行の成功率を五分だと読んでおり、パートナーとなるヌーナンの心配をしていたといいます。

アメリアが操縦したのはロッキード・エレクトラという旅客機でした。本来は客を乗せるための機体ですが、世界一周飛行のために改造が施されました。

カリフォルニアを発ったアメリアは、太平洋を横断し6月にニューギニア島に到着します。世界一周飛行は順調に進んでおり、達成まで半分を切っていました。

そしてアメリアたちは、7月の初めにハウランド島を目指して再び飛び立ちます。しかし、アメリアがハウランド島に到着することはありませんでした。

アメリア・イアハートの失踪

アメリアは「燃料が不足している。通信が聞こえません」という通信を最後に消息を絶ちました。その日の天候は雨で視界が悪く、島が発見しづらかったのではないかと推測されています。

大規模な捜索活動

アメリカの政府は、アメリアとヌーナンの失踪の知らせを受け大規模な捜索を開始しました。捜索に投じられた金額は400万ドル、当時のドルの価値は現代の10倍以上でした。

巨額の資金を投じて行われた捜索でしたが、二人の遺体はおろか機体の残骸すら見つけることはできませんでした。アメリカは遺留品が流れ着くことを想定し、日本海軍に協力を要請し、日本もそれに応じました。

しかし、第二次世界大戦において日米間の衝突が始まったことにより、アメリアの捜索は完全に打ち切られました。

1940年 – -歳「アメリアのものと思しき骨が発見される」

カリフォルニアにあるアメリアの銅像

ニクマロロ島で遺骨が発見される

アメリアの失踪から3年後、無人島であるニクマロロ島でキャンプの跡と女性の遺骨と見られるものが発見されます。遺骨は医師によって鑑定されますが、その後紛失していまいます。

2018年 – -歳「アメリア・イアハート失踪の謎を巡って」

現代も続く遺骨についての議論

ニクマロロ島で発見された遺骨については、様々な議論がなされました。ヨーロッパ人の白人女性である説、男性である説、そして、アメリア・イアハート本人であるという説…現代でもアメリア・イアハート失踪の謎を巡って研究が続けられていますが、確固たる真相は出てきていません。

なお、ニクマロロ島で発見された骨がアメリア・イアハートのものである可能性が高いと指摘されたのは、2018年とかなり最近のことです。

今後更に科学技術が発展していけば、いつかアメリア・イアハート失踪事件の謎が解明される日が来るのかもしれません。

アメリア・イアハートの関連作品

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アメリア・イヤハート はじめて大西洋横断飛行に成功した女性パイロット

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【衝撃】眠れなくなる謎の失踪事件6選

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アメリア 永遠の翼

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ナイトミュージアム2

日本でも大ヒットした映画「ナイトミュージアム」シリーズの2作目にアメリア・イアハートが登場します。ナイトミュージアムは、スミソニアン博物館の展示物に命が吹き込まれ動き出すというストーリーになっています。ファンタジー映画なのでフィクションとしてのアメリア・イアハートのキャラクターが楽しめます。

関連外部リンク

アメリア・イアハートについてのまとめ

現代でもパイロットというと男性をイメージする人が多いと思います。アメリア・イアハートが生きた時代は今よりも80年以上も前なので、女性のパイロットというのは非常に稀有な存在だったのではないかと思います。

今回アメリア・イアハートの生涯を記事に書き起こし、大空に魅せられ空を飛ぶことに生涯を捧げた彼女の生き様に改めて感銘を受けました。

アメリア・イアハートは、失敗することより何も成し遂げずに老いていくことを何よりも恐れていたといいます。失敗を恐れず、何事にも挑戦していく彼女の生き方を今後は見習っていきたいと思います。

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