カエサルとクレオパトラの関係は?子供はいた?出会いから結末までを紹介

カエサルとクレオパトラの関係は?

映画『クレオパトラ』(1963)より

お互いに政治のトップに立っていたカエサルクレオパトラ
出会いのきっかけも政治的な思惑によるものでした。

クレオパトラの生涯をみると終始、政治的な意図をもってカエサルといった権力者を虜にしていたようです。

一方、カエサルは最初こそ政治的な思惑はあったものの、あとになるとクレオパトラにのめり込んでいったようです。それは、クレオパトラがローマを訪れた際にクレオパトラの彫像を建てさせたといった逸話からも分かります。

カエサルとクレオパトラの出会い

紀元前49年頃、カエサルはエジプトを訪れます。それは内乱で争いエジプトへ逃れたポンペイウスを討つためです。

ちょうどその頃、クレオパトラは弟であり夫でもあるプトレマイオス13世にクーデターを起こされファラオの座を追われていました。

その状況を見たカエサルはエジプトへ貸しを作るチャンスと捉え、プトレマイオス13世とクレオパトラの和解を提案します。

これに対してクレオパトラは自身とエジプトの未来をカエサルとローマに賭けることにし、カエサルの元に訪れます。この時の逸話として、クレオパトラは自身を絨毯にくるませて贈り物としてカエサルの元に届けさせた、という話は有名です。

お互いに政治的な思惑があって出会ったわけですが、カエサルはたちまちにクレオパトラに魅了された、とも言われています。

自身を絨毯にくるませたのには色々な意味があった?

自身を絨毯にくるませてカエサルの元に送らせたクレオパトラ。

現代でいうところのドッキリのような形式ですが、当時のエジプトでは賄賂を絨毯にくるんで贈る風習があったそうです。ここから「自らを捧げる」という意味もあったのではないか、とも言われています。

聡明で人を魅了することにも長けたクレオパトラですから、衝撃的な出会いを演出してカエサルを虜にする思惑もあったのではないかとも言われています。

カエサルとクレオパトラの間に愛はあったのか?

お互いの政治的な思惑がきっかけで出会ったカエサルとクレオパトラ。2人の間に愛はあったのでしょうか。

おそらくカエサルは、もともと女好きな一面もあるためクレオパトラのことを愛していたと思います。しかし、クレオパトラはやはりカエサルの権力が目当てだったようです。

クレオパトラは、カエサル暗殺後のカエサルの後継者であるアントニウスたちの対抗勢力(カエサルを暗殺した勢力)を支援したり、その支援した勢力が敗北すると、アントニウスを魅了して虜にしてしまったりと、カエサルに対して想いがあったようには捉えづらい行動をしています。

当時の愛の形と現代の愛の形は違いますから、その中にも愛はあったのかもしれませんが、クレオパトラは女王としてエジプトを守るために権力を利用していたのは間違いなさそうです。

カエサルとクレオパトラ、二人の最後は?

カエサルは結局、その野心の大きさから元老院に警戒され暗殺されてしまいます。カエサル暗殺後、後ろ盾を失ったクレオパトラはエジプトへ帰国します。
その後、クレオパトラはあろうことかカエサルを暗殺した勢力を支援するも、カエサルの後継者アントニウスに敗北し出頭を命じられます。

ここで終わらないのがクレオパトラのすごいところです。クレオパトラは出頭した場でアントニウスを魅了し虜にしてしまいます。

その後、アントニウス・クレオパトラ連合軍とオクタヴィアヌス(カエサルの姪の息子)の軍と戦争が勃発。この戦争の最中、アントニウスは「クレオパトラ死去」の誤報を受け絶望し、自害してしまいます。そのくらいクレオパトラにのめり込んでいたんですね。

戦況が悪く、後ろ盾すら失ったクレオパトラは毒蛇に自身を噛ませて自害しました。彼女の最後の願いはアントニウスと同じ墓に入ることだったと言われており、全く愛がなかったとは言えないようです。

カエサルとクレオパトラの子供はどうなった?

カエサルとクレオパトラは愛人関係でしたが、2人の間にはカエサリオンという子供がいました。

カエサリオンはクレオパトラが自害するきっかけとなった戦争の相手であるオクタヴィアヌスの手によって殺されています。カエサリオンが生きているとカエサルの後継者となるため、仕方がないことだったのかもしれません。

ちなみに、クレオパトラとアントニウスとの間に生まれた3人の子供はアントニウスの前妻によって養育され、中でもクレオパトラ・セレネと名付けられた女の子は北アフリカのヌミティア王国の王のもとに嫁ぎ、幸せに暮らしたそうです。

カエサルとクレオパトラに関するまとめ

カエサルとクレオパトラ、2人の関係について見ていきました。

権力を利用していたクレオパトラと利用されていたカエサル、というクレオパトラが悪女のようにも見える内容でした。

しかし、クレオパトラは聡明な人であったことや、最後の願いがアントニウスと同じ墓に入ることだったりする点から、権力ばかりを利用する冷徹な悪女というわけではないことが分かります。王女として国を守ることを最優先した結果だったのではないかと思います。

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