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司馬遼太郎のおすすめ本・小説6選【戦国編と幕末編】

司馬遼太郎って名前は聞いたことあるけど、どんな本を書いた人なんだろう…」

「今度映画化される作品の原作者の司馬遼太郎って誰だろう」

歴史小説の第一人者として知られる司馬遼太郎。「竜馬がゆく」「燃えよ剣」など、数多くの小説を手掛け、NHKの大河ドラマでは原作となった本数が最も多い作家でもあります。

しかし、どの作品がどの時代を取り扱ったものなのか、どの作品から読むべきなのか、つい悩んでしまいますよね。筆者も最初にどれから読むべきなのか、図書館で悩んだことがあります。

そこで、今回は小学生時代から司馬遼太郎の本を読み続けてきた筆者が、「戦国編」と「幕末編」の2つの切り口からおすすめの本を6冊ご紹介いたします。

戦国編

国盗り物語

読んでみて

司馬遼太郎が雑誌「サンデー毎日」にて1963年8月から1966年6月まで連載していた作品。「新史太閤記」・「関ケ原」と合わせ、「戦国三部作」と呼ばれ、その序章にあたる作品です。戦国時代の下克上で大名まで成り上がった「斎藤道三編」と、その道三の娘である帰蝶を嫁に迎え、道三亡き後天下布武を目指した「織田信長編」の二部構成となっています。

「道三編」では、謀略を張り巡らせ、時には民衆をも騙していく道三は、まさに「蝮」と恐れられたイメージ通りの人物として描写されているのが印象的です。また、「信長編」では信長を主人公にしつつも、その家臣である明智光秀の目線で描かれていて、「天下統一」という夢を前に散っていった人々の人間模様がうまく描写されていて、とても読みやすい作品です。

みんなのレビュー

織田信長が小さいときにうつけ者と言われているのは知らなかった。歴史に名を残す人の共通点は、その時代の常識にとらわれないということ。考えてみれば、当たり前だ。常識的なことしかしないような人は普通の人だもんね。常識的にふるまうことが、空気を読むことが、周りに合わせることが、そういうことに頑張ろうとすることはとても無駄なことなんだと国盗り物語を読んで感じる。 織田信長編では主人公の生き様というよりは、淡々と事実が書かれている感じがする。斎藤道三編の方が道三という人の魅力が伝わって好きだなあ!

https://bookmeter.com/books/571413

功名が辻

読んでみて

司馬遼太郎が、1963年10月から1965年1月まで各地方新聞にて連載した作品。女性が主人公の作品で、長浜城主から土佐藩主にまで出世した武将・山内一豊と、その一豊を支えた妻である千代の物語。信長・秀吉・家康の天下人が絡みながら、千代が不器用な夫・一豊をうまく出世へと導く描写がとても面白いです。

妻が旦那の生活を支えることを表した慣用句「内助の功」のモデルになったとされる千代と一豊。作中では、「こんな男がなぜ後に土佐二十四石の太守までになったのか、著者も書きながらふしぎでならなくなる」と司馬遼太郎に書かれるほど、目立つ武将ではなありません。しかし、読み進めていくうちに、その誠実さから愛着が湧いてくるような人物だったのでは、という印象を持ちました。

みんなのレビュー

司馬遼太郎さんの作品を久しぶりに読みました(本作は再読)。大河ドラマにもなった「功名が辻」、言わゆる、山内一豊の一生を描く痛快伝記物です。「跳ぶが如く」や「坂の上の雲」とはまた違い、いい意味で非常に軽く読めてしまいます。実際の山内一豊は、もっと頼りがいがあり、思慮深く、しっかりした人物だったと思いますが、妻の千代の賢妻ぶりを強調するがためか、だいぶ素直で、あまり自分の頭で考えない人に描かれてます。それがまたいいですねえ。司馬遼太郎さんもこの人物が大好きなんじゃないかな。

https://bookmeter.com/books/575513

箱根の坂

読んでみて

1982年6月から1983年12月まで「読売新聞」にて連載されていた作品。室町時代末期から戦国時代にかけて、関東一円にその勢力を誇った「後北条氏」。その初代当主である伊勢新九郎こと「北条早雲」を主人公にした物語。

「下剋上」の代表格として足軽から大名へとなりあがった早雲について、司馬遼太郎はあとがきにて「日本の社会史において重要な画期であり、革命とよんでもいい」と評価しております。作中ではあまり歴史の授業では語られない「応仁の乱」について描かれています。その戦乱の悲惨さと虚しさは、現代の戦争の悲惨さに通ずる物があるかもしれません。

みんなのレビュー

学生時代に読んで、再読。司馬遼太郎の晩年の小説。上巻は北条早雲の京都時代の話。資料がないからか、創作が多いと見られ、伸び伸び書いている。北条早雲て、応仁の乱の時代の人かと改めて実感。

https://bookmeter.com/books/523046

幕末編

竜馬がゆく

読んでみて

「産経新聞」夕刊にて1962年6月21日から1966年5月19日まで連載していた作品。薩長同盟成立の立役者である坂本龍馬を主人公にした物語で、それまで一般的にはあまり有名ではなかった坂本龍馬を世間に定着した作品でもあります。

土佐弁で、周囲と比べてどこか子供っぽい愛嬌を持つ龍馬は、非常に愛着が持てるキャラクターです。司馬遼太郎も、資料を追っていくうちにその人物像に興味が出たと、「司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅」にて述べられています。龍馬を通して幕末の動乱、そして、変わりゆく日本を追体験できる作品です。筆者もこの本をきっかけに、龍馬と司馬遼太郎を好きになりました。

みんなのレビュー

初の歴史小説に挑戦。意外と会話文が多くて読みやすい。歴史の知識が皆無でも引き込まれる内容。 学問ができず、出来損ないと呼ばれていた竜馬が志をもって上京し、数々の出会いを経て青年へと成長していく様子がわかる1冊

https://bookmeter.com/books/579749

燃えよ剣

読んでみて

『週刊文春』誌上で、1962年11月から1964年3月にかけて連載された作品。「バラガキ」と呼ばれた新撰組・鬼の副長こと「土方歳三」の生涯を描いた物語。2020年には岡田准一さん主演で映画化されることが発表されております。

遼太郎は土方について、「芸術家が芸術そのものが目標であるように、喧嘩そのものが目標で喧嘩をしている」と評し、作中でも新撰組として、そして旧幕府軍として戦いなど、臨場感溢れる描写で登場します。また、新撰組の近藤勇・沖田総司など隊士同士のやり取りも軽妙で、歴史初心者の方でも読みやすい一冊となっています。

みんなのレビュー

新選組副長・土方歳三の生き様。目的に向かって脇目も振らず獣のようにまっすぐ走り続ける土方歳三という不器用でカッコいい男が丹念に描かれていてとてもよい。周囲の環境がどんどん変遷していっても変わる事がない近藤/沖田との関係がすげー好きです。下巻も楽しみ

https://bookmeter.com/books/577894

翔ぶが如く

読んでみて

『毎日新聞』朝刊にて1972年1月から1976年9月まで連載されていた作品。「維新の三傑」と呼ばれた大久保利通と西郷隆盛の生涯を描いた物語。征韓論・明治6年の政変など、歴史をある程度知ってる人じゃないと少し難しい用語や思想が入っているので、「竜馬がゆく」などを読んでから、こちらを読むことをお勧めします。

他の作品と違い、政治色の強い作品として描かれているのも特徴的です。近代国家として「強い日本」を作ろうとした大久保と、武士が生きるために戦い抜いた西郷。どちらもその強い信念が描かれていて、「国家」というものについて考えさせられる作品です。

みんなのレビュー

『竜馬がゆく』に続き、本書に突入。中心となるのは、西郷隆盛と大久保利通。征韓論について、この巻では、多く割かれている。征韓論を推す西郷には、2つの理由がある。明治維新が大した武力を使わずに構築され、肩透かしを食らった上に、士農工商の廃止で身分も奪われた薩摩をはじめ志士へのガス抜き。そして、日本を国民国家とすることができた革命の思想輸出。 だが、朝鮮を攻めれば、欧米諸国が攻め入ってきて、ポーランドや清国の二の舞になるかもしれない。大久保は、征韓論を潰そうと模索する。

https://bookmeter.com/books/567000

まとめ

司馬遼太郎のおすすめ作品6冊をご紹介してきました。読んでみたいという作品は見つかりましたか?

歴史小説というと、専門用語や人物が多く登場するから読みにくいという印象を受けやすいジャンルです。上記の中で「翔ぶが如く」は、明治という時代、日本の近代国家への成り立ちについて、など、歴史の授業が苦手な人であれば挫折してしまいます。

そのような時は、「竜馬がゆく」「国盗り物語」といった、教科書に載っている人物を取り扱った作品から読み進めるのがおすすめです。例えば、織田信長を中心に、光秀や秀吉、家康との関係性などをたどっていくと、次に秀吉、次に家康について…というような人物チャートを描きながら進めると、人間関係などが整理しやすくなります。また、そこに、その人物が関連する事件などを紐づけると、その人物が何をした人物かというのが明確に分かり、読みやすくなるかと思います。

「司馬歴史観」と評されるように、その大部分は創作なのではないかと言われています。しかし、「この人物は、実際にもこのような人物だったのでは」と思わせてくれるのが、司馬遼太郎作品の魅力です。司馬遼太郎をきっかけに、歴史を好きになってみてはいかがでしょうか。

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