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写真の歴史がよくわかるおすすめ本・書籍6選【入門から上級まで】

「写真の歴史ってどんな感じなんだろう・・・!」
「写真史がまとまっている本ないかな・・・?」

Amazonに並ぶ書籍を前にこのようにお悩みではないでしょうか?そこで今回は筆者の手元にある「写真の歴史に関する概説書や新書、読みやすい専門書」などの中から面白く読める写真史に関するおすすめの本を選びました。

趣味で始めた写真ですが、いつしか研究の域に達したわたしがお届けします。面白いだけでなく何かしら得るところのあるものを選んでいますので、書籍選びの参考までにご覧ください。

入門者向け

20世紀写真史

読んでみて

写真が誕生したことで写真が人間の精神や社会にどのように影響を与えて、それがまた写真表現に相互作用をもたらしたかを世界の名作写真の紹介とともに知ることができます。

写真論だけではなく都市論にまで踏み込み、近代のアメリカやヨーロッパの社会情勢や都市の様子を、写真と文章で表現しているのでわかりやすいです。その一方でセルフポートレイトなどの写真表現を通じて、人間の生々しさを撮ってきた写真家たちが紹介されています。

こんな人におすすめ

  • 世界写真史を現代までピンポイントで知りたい人
  • 欧米の社会情勢を踏まえて写真史を知りたい人

みんなのレビュー

19世紀半ばに写真が生まれて以降、現代までの写真史を転換期のポイントや思想、社会環境などを含めた形で纏めた本。アジェなど初期の写真家のスタンスや技術的な状況なども視野に入れているため、周囲に気を配りながら、サクサク読める。

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カラー版 世界写真史

読んでみて

写真の発明から、写真表現への発展を現在のデジタルカメラに至るまでコンパクトにまとめた世界写真史の本です。広告写真や報道写真ではなく、芸術写真に特化して知りたい方には世界写真史の入門書となっています。

美術出版社の美術史シリーズの中でも、カラー版世界写真史は作品と印刷がマッチしていて美しいですね。巻末から索引もできるので、辞典としての機能もあります。そこは他の写真史の本にはない美術史シリーズの便利な点です。

こんな人におすすめ

  • カラー写真を見ながら世界写真史を知りたい人
  • コンパクトな写真辞典が欲しい人

レビュー

写真は科学技術の発展と一体となって変化してきました。現在のSNSにおける万人といってもいいほどの規模で写真が公開される時代を迎えています。そんなこの時点で写真の過去を知ることも意味があると思い、読んでみました。一読して感じたことは、「芸術性と時代性」がキーワードになるのかなということでした。巻末には年表もあり非常に詳しい文献リストもあります。これによってさらに知識を深めることができます。

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中級者向け

日本写真史を歩く

読んでみて

幕末・明治・大正・昭和と時代ごとに活躍してきた人物を中心に、日本写真史を知ることのできる本です。日本人としてぜひ知って欲しい写真史を179点の収録写真とともにドラマチックに描かれています。

日本写真史を知りたくても、写真史は欧米中心にまとめられている書籍が多いので、なかなか情報を得にくいですね。この本は大勢の情熱によって写真が記録媒体から芸術へと成長していく様を、大河ドラマを見ているかのように読み進められる良書です。

こんな人におすすめ

  • 日本写真史の近代以前を知りたい人
  • 時代背景も含めて日本写真史を知りたい人

挑発する写真史

読んでみて

対談形式の類を見ない写真史の本です。写真家金村修氏の得意とするスナップショットを中心としたセレクトで、世界と日本の写真家を紹介しています。特に日本の写真家や写真業界については詳細な内容があります。

写真史を通じて語られる金村修節の写真論を、写真評論家のタカザワケンジ氏が持論も交えつつ上手くまとめています。紹介されている写真家たちの魅力だけではなく、金村修氏の魅力が存分に発揮された本です。

こんな人におすすめ

  • 対談集を読む感覚で世界と日本の写真史を知りたい人
  • 金村修氏の写真への考え方を知りたい人

レビュー

写真に限らず歴史を把握するには、多少偏った見方でも首尾一貫したものをまず身に着け、その後自分なりに修正してゆく方法が効率的だと思います。その意味で本書は写真の歴史を、モダニズムの勃興を起点として時代を特徴づける10のテーマに分節して全体を俯瞰しやすくしていること、また、対談形式のため二人の考え方や体験が活かされて非常に読みやすいこと、更には親切な注が随所にあることなどから最初に接する写真史としてもお勧めです。個人的には、写真作品だけで勝負しようとした写真作家たちの、苦闘の歴史が興味深いエピソードを交えて語られ、歴史と同時に個々の写真家の人間的な魅力に惹かれました。

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戦後写真史ノートー写真は何を表現してきたか

読んでみて

戦後を代表する写真家たちの写真とともに1945年から1991年にかけての日本写真史を知ることが出来る本です。彼らは写真だけの表現にとどまらず、なぜそのような写真を撮るに至ったかの思想面についても知ることができます。

敗戦を経験したことが写真家の精神や姿勢にどのように影響を与え、日本写真界がどう変容していったのかがわかりやすいです。特に短命の伝説的写真誌『プロヴォーク』の以前以後で、写真家たちの世界観が変わっていく様子は鮮明で、読みながらその時代を疑似体験できます。

こんな人におすすめ

  • 日本の戦後写真史を知りたい人
  • 戦後の写真家の思想を知りたい人

レビュー

写真家と現実世界との関わりを重視する1954年生まれの日本写真史研究者が、覚書として1992年に書いた新書本。第一期(1945-55年)には、カメラ雑誌が復興し、編集者の見解を正確に視覚化することを第一義とした名取洋之助、社会的リアリズムを標榜した土門拳ら、写真家の主観を軽視する流れが主流だった。しかしそれに対抗する短命の主観「主義」写真運動の中から、第二期(1955-65年)に活躍するVIVO世代が登場する。彼らは敗戦により大きな精神的転換を経験した世代であり、映像(物語ではなく)重視、「考える主体」としての写真家の姿勢、「人間不在」の感覚により特徴づけられる。続く第三期(1965-75年)には、多木浩二らによる短命の『プロヴォーク』誌が反体制運動の高揚を背景に、既成の言語により捉え切れない現実の断片を視角により再統合することを目指し(確からしさの世界から不確かさの世界へ)、「アレ・ブレ・ボケ」の画面を定着させる。同時期に価値体系の混乱を背景に、日常の何気ない事象を醒めたまなざしで捉える荒木経惟らの「コンポラ写真」(社会的テーマ不在の私的記録性)も流行し、また『カメラ毎日』を舞台に若きコマーシャル・フォトグラファー達が活躍した(エディトリアル=技巧的な映像重視)。しかしエディトリアルの演出臭が敬遠され、コンポラの私写真が内閉化する中で、旅による異化作用や失われつつある民俗を重視する流れも現れる。第四期(1975年以降)の「シラケの季節」には、(収益を度外視した)ミニ・マガジンや自主ギャラリーが族生し、意味(外的対象・内的動機)よりも表層(絶対純粋写真)を重視する傾向が顕著となり、世界と自己との関係をより柔軟に捉え直す方法論(世界の転移・変形・構築)や、ミックスト・メディア化(現代美術との交流)、海外に拠点を置いて活動する写真家の増加が見られる。代表的写真家達の思想的背景は分かるが、技術革新の分析(カメラ付き携帯等)は稀薄。

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上級者向け

日本写真史 1945-2017 ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性

読んでみて

イギリス在住のキュレーターで、20世紀から21世紀における日本美術、写真の研究者レーナ・フリッチュが「西洋」の視点で日本写真史を解き明かした概説書です。日本人が選んでもこのチョイスになるだろう、というほど見事な選定で読みがいがあります。

こんな人におすすめ

  • 日本写真史の全容を掴みたい人

レビュー

大判で上質紙、300ページ近いボリュームと、書名に相応しい内容でした。
ヨーロッパからみた「日本の写真」の多様性、という副題が付けられていますが、日本人が選んでも妥当と思われる正統派の選定でした。


逆に意外性が少ないラインナップだったと言えるかもしれません。 報道写真家の草分けであり、グラフィック・デザイナーの才能をもった名取洋之助の1932年のシリーズ「日本の宿屋」が最初に目に飛び込んできました。戦前の作品です。土門拳や木村伊兵衛を語る上でも名取洋之助の功績は外せません。

田沼武能の「屋上の踊り子(1949年)」も印象に残る名作です。田沼武能は木村伊兵衛のお弟子で、この見事なルポルタージュ・フォトは、社会史や風俗史の観点から見ても貴重な写真だと思っています。

木村伊兵衛の作品も凡庸な風景写真やありきたりの肖像写真では全くありません。計算して撮っているのでしょうが、何気ないスナップ写真にしか見せないところに技が潜んでいるのかもしれません。木村伊兵衛写真賞という写真界を代表するような栄誉の元になった方ですから、当然その作品もまた格別の魅力と凄みを放っていました。

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最後に

いかがでしたでしょうか?写真史に関する書籍を紹介しました。

どの本を買えば良いか分からなかったら、2冊目で紹介した「カラー版 世界写真」を手にとってみてはいかがでしょうか。

情報量も豊富で、読みやすく包括的に学べると思います。以上、写真史の書籍をまとめました。

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