「コナン・ドイルの書いた推理小説を読んでみたいけれど、どれがオススメなの?」
「小説だけじゃなくて、コナン・ドイル自身のことももっと知りたいな」
アーサー・コナン・ドイルは、19世紀末に活躍したイギリスの作家で、大人気少年探偵マンガの主人公の名前の元ネタにもなった人物です。彼の生み出した名探偵シャーロック・ホームズの名前は、推理小説に興味のない人でも一度は聞いたことがあるでしょう。
ドイルは、現代に続くミステリー作品の基礎を築いた人物であり、他にもSFや歴史小説などを執筆し、多様な才能を発揮しました。
ここでは、コナン・ドイルの小説から、彼自身のことを学べる本まで、コナン・ドイルを知ることのできる本をおすすめ順のランキングにしてご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
7位:コナン・ドイル―ホームズ・SF・心霊主義
読んでみて
コナン・ドイルにはいくつもの顔がありました。シャーロック・ホームズの生みの親、SF小説家、眼科医…さらに大英帝国の愛国主義者で「霊魂の不滅」を説く心霊主義者としての顔はあまり知られていないかもしれません。ドイルにはスピリチュアル関連の著作もあり、第一次世界大戦後は体調が悪化する中でも心霊主義の布教に努めていたようです。
こちらの書籍では、さまざまなコナン・ドイルの顔とその波乱に満ちた生涯を紹介しています。1991年の書籍で古いものではありますが、彼の人生と人となりに興味がある方はぜひ読んでみてください。
みんなのレビュー
ドイルが心霊主義に傾倒した理由がよく分かりました。出自、教育、時代背景など、ドイルという人物がどんな人間だったのか、多面的に述べてあります。ホームズ物しか私も読んでいませんでしたが、その他の作品も読んでみたいです。
引用元:読書メーター
6位:名探偵ホームズとドイル―ヴィクトリア時代の一つの人生、二つの履歴書
読んでみて
ドイルのシャーロック・ホームズシリーズの熱狂的なファンは、シャーロキアンと呼ばれます。シャーロキアンは、ホームズを実在の人物として扱い、ドイルの書いた60篇の事件が起きた正確な日付やモデルとなった場所の特定など、ホームズに関することを研究しています。
そんなシャーロキアンの1人である筆者によって書かれたこの本は、コナン・ドイル自身と彼が生み出した名探偵ホームズのプロフィールを比較しながら描かれたドイルの伝記です。ドイルの一生を知ることによって、彼がどのようにしてホームズというヒーローを生み出したのかが見えてくるでしょう。
名探偵の生みの親、ドイル自身について知りたいという人にオススメのコナン・ドイル入門書です。
みんなのレビュー
コナン・ドイルのイメージといえば、もちろん『シャーロック・ホームズ』の作者だということだが、ギアナ高地をモデルにしたSF小説の『失われた世界』を書いたこと、そして晩年は心霊主義に傾倒し、コティングリー妖精事件では妖精写真を本物と断定したことなどは知っていた。この本を読んで、ドイルがこれほど多岐にわたる活躍をしたことに驚き、さらにドイルの生きた時代のイギリス社会についても知ることができた。ホームズ物は子供向けホームズ本を読み、大人になってTVドラマを観ただけなので、もう一度‘大人の目’で読んでみたくなった。
ブックメーター
5位:アーサー・コナン・ドイル北氷洋日記
読んでみて
若き日のコナン・ドイルが船医として捕鯨船に乗り込んだときの体験を本人によるスケッチを交えてつづったもので、タイトルの通り日記形式の本になっています。
小説ではありませんが、まだ作家でなかった頃のドイルの文章に触れることができ、ドイル自身がどのような人物だったのかを理解する手掛かりになります。
ドイルの目を通して当時の捕鯨船の様子が生き生きと描かれていて、歴史的な資料としても、ドイルの人生を知る上でも貴重な1冊といえます。
みんなのレビュー
4位:ドイル傑作集(3)恐怖編
読んでみて
コナン・ドイルといえばホームズが一番有名ですが、じつは怪奇作家としてもたくさんの作品を発表しています。この本は、ドイツの傑作集の中の1冊で、怪奇小説ばかりを集めた短編集となっています。
ドイルの書く怪奇小説は、ただ怖がらせるようなものではなく、最後にどんでん返しのようなオチがあったり、ミステリーのような要素ももっています。怖さに加えて、ラストまでどんな結末になるかわからないドキドキ感を味わうことができるのでオススメです。
同じシリーズでミステリー編、海洋奇談編も出ていて、こちらのほうもオススメです。
みんなのレビュー
改めて、あの時代にこんなSF小説を書いていた、コナン・ドイルの創造力に驚く。しかも面白い。特に「大空の恐怖」の異世界観に魅了されました。「ブラジル猫」の息詰まる攻防もいい。
ブックメーター
3位:失われた世界(光文社古典新訳文庫)
読んでみて
コナン・ドイルによるSF長編作品。変人として有名なチャレンジャー教授は、南米に絶滅動物たちの暮らす場所が存在すると主張し、それを探すため、アマゾンの奥地へと探検に出かけるというストーリー。
1912年に発表されたとは思えないような、現代でも通じそうなアイデアの作品です。この当時にこれを書いたドイルは、ミステリーだけでなく、作家としてとてつもない才能を持っていたのだと思わされます。
ドイルのSFは初めてという方に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。
みんなのレビュー
正しい冒険小説である。突っ込みどころがあっても娯楽なのだからこれでいい。SF的設定や探検部分をもっと膨らませられるのにと思うが、これも古典的作品の味わいといったところか。作品を支えているのは人物造形と人物の絡み合い。ここがしっかりしているから面白い。「ジュラシックパーク」「猿の惑星」の着想元らしいが、何か別の既視感。失われた○○…ギアナ高地…洞窟。“地底人クルピラ”じゃないですか、藤岡隊長!コナン・ドイルも、伝説の転がり落ちてくる丸太は思い浮かばなかったか。
ブックメーター
2位:バスカヴィル家の犬(創元推理文庫)
読んでみて
シャーロック・ホームズの長編作品のなかでも、バスカヴィル家の犬は、一番有名で評価も高い作品です。ホームズの長編作品は、2部構成をとっていて、前半部で事件が描かれ、後半部では過去の出来事が描かれ、犯人が事件を起こすに至った動機が説明されます。
つまり、後半部にはホームズもワトソンもほとんど出てこないということになり、事件や謎解きもありません。この点が、初心者がホームズの長編を読むときのハードルなのですが、その点、バスカヴィル家の犬は、長編の中で唯一、2部構成をとっておらず、最初から最後までホームズやワトソンの活躍が見られます。
ストーリーも、魔犬伝説をもつ富豪一家で起きる連続殺人をホームズが解き明かすという長編シリーズのなかでも屈指の面白さです。
みんなのレビュー
シャーロック・ホームズの長編3番目であり、60編すべての中でも1,2を争う作品が、この『バスカヴィル家の犬』である。俺は今までに20回以上、色々な本で読んできたけれど、今回は創元の新版で読んでみた。いやはや、さすがである。とりあえず読もうよ、うん。それしかないってば。ホームズとワトスンの二人が、ロンドンから離れた土地バスカヴィル家の謎を解く、ってだけでもうねえ。コナン・ドイル、流石である。
ブックメーター
1位:シャーロック・ホームズの冒険(創元推理文庫)
読んでみて
コナン・ドイルといえば、やはり、一番有名なのがこの作品、名探偵シャーロック・ホームズの活躍する一連のシリーズでしょう。ドイルの書いたホームズの登場する長短編は全部で60本。これは、ホームズマニアから聖書になぞらえて「聖典(Canon)」(ドイルの名前のConanのアナグラム)と呼ばれています。
シャーロック・ホームズの冒険は、ホームズの短編集の中で一番はじめに発行されたもので、12本の短編がおさめられています。ホームズ作品は長編と短編がありますが、初めての方には短編のほうがオススメです。1つ1つが短いので、サクサク読めて、推理小説の金字塔、ホームズの魅力を味わうことができるでしょう。
「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「オレンジの種5つ」といった有名な作品もたくさん収録されていて、ホームズシリーズ最初の1冊としてオススメです。短編集は全部で5つあるので、ぜひ他のものも読んでみてください。
みんなのレビュー
シャーロック・ホームズシリーズの魅力は何と言ってもホームズとワトソンのコンビに尽きる。ちょっと皮肉めいた感じながら鋭い観察力で相手の真実をあっさりと突き止めるホームズと、真当な常識人だが誠実で好奇心旺盛なワトソンというコンビがすばらしい造形だ。話の展開もさすがに上手い。『ボヘミアの醜聞』はアイリーン・アドラーの最後の逆転が、『青い柘榴石』はドタバタ喜劇の様な展開が、『くちびるのねじれた男』は思い込みを覆す様な真相が面白い。他『まだらの紐』『赤毛組合』も楽しめた。
ブックメーター
まとめ
コナン・ドイルといえば、やはりシャーロック・ホームズです。最初はホームズシリーズの本を読んで、その世界にどっぷりと浸ってみてください。きっとあなたもホームズのファンになるはず。
さらに興味の湧いた人は、ドイルのSFや怪奇小説、伝記なども読んでみてはいかがでしょうか。 あまり知られていないドイルの一面が分かると思います。
以上、コナン・ドイルに関する本のまとめでした。