剣豪で有名な宮本武蔵(みやもとむさし)。
- 二刀流の使い手
- 佐々木小次郎との巌流島での戦い
- 五輪書の著者
といったことは良く知られていると思います。
宮本武蔵は江戸時代の初期に活躍した剣術家であり兵法家です。その一方で、優れた作品を残した「芸術家」でもありました。佐々木小次郎との決闘や京都の兵法家・吉岡一門との戦いなど、伝説になっているエピソードがたくさんあります。また晩年には、自身の兵法を記した「五輪書」を執筆しました。
この記事では、いくつもの顔を持つ武蔵を様々な角度から研究・制作された作品を「漫画」「小説」「伝記」に分けて6つ紹介します。きっと宮本武蔵の知らなかった一面を知ることが出来るでしょう。
マンガ編
バガボンド
読んでみて
1998年から「モーニング」(講談社)で連載が開始された、宮本武蔵を主人公にしたマンガです。作者はスラムダンクで有名な井上雄彦で、原作は吉川英治の小説「宮本武蔵」。単行本で37巻まで創刊されましたが、2015年2月から休載しています。
舞台は戦国末期から江戸時代の始め。出世の夢が断たれた武蔵(たけぞう)が宮本武蔵(みやもとむさし)と名前を変え、数々の武芸者との戦いの中で成長していく物語です。巌流島での佐々木小次郎との戦いや、槍の名手である宝蔵院胤舜との死闘を描きます。
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宮本武蔵
読んでみて
「サイボーグ009」や「仮面ライダー」などで有名な石ノ森章太郎が手掛けたマンガです。こちらも吉川英治の小説をベースにしていて、宮本武蔵の一生を一冊にまとめて描かれています。バガボンドより30年ほど前に制作された作品で、バガボンドとは違う味わいがあります。
宮本武蔵の一生という壮大なストーリーと、華麗に時には激しく描かれた作画が素晴らしいです。徹底して「勝ち」にこだわり、本当の強さを追い求めた武蔵に焦点を当てます。
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小説編
宮本武蔵
読んでみて
宮本武蔵の小説といえば吉川英治の「宮本武蔵」です。今日の武蔵のイメージのほとんどは、この作品によるものでしょう。1935年に連載が始まりベストセラーとなりました。「バガボンド」の原作にもなり、80年以上前の作品にもかかわらず人気は衰えません。
作中の多くの部分が吉川の創作であり、史実とは異なります。幼名である「たけぞう」という名前や、小次郎の人物像などは吉川が作ったものです。ヒロインとして描かれている「お通」も実在しない人物でした。
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宮本武蔵
読んでみて
「竜馬がゆく」や「燃えよ剣」などで有名な司馬遼太郎が1968年に発表した長編小説です。宮本武蔵の人物像を生い立ちから丹念に追いかけ、独自の目線で描いた司馬遼太郎の新境地の作品です。伝説に登場する宮本武蔵ではなく、等身大の武蔵に焦点を当てます。
司馬遼太郎が武蔵の生家を訪ねるところからこの作品は始まります。‟有名な巌流島の戦いも実は一対一ではなかった”や、‟経済に明るく来客に丁寧に対応する”など一般に知られた情報とは違う語り口で描かれています。
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伝記編
五輪書
読んでみて
五輪書とは宮本武蔵が晩年に著した兵法書で、生涯をかけてあみ出した剣術の奥義がまとめられています。武蔵は、2本の刀を用いる二天一流の開祖として知られています。地・水・火・風・空の全5巻からなります。
戦いに勝つための兵法書として書かれていますが、人生の様々な局面を乗り越えるための「人生の指南書」としても見ることが出来ます。原文と現代語訳と解説が収められていて、武蔵の剣術にかける思いが込められています。
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宮本武蔵の水墨画 剣禅一如
読んでみて
宮本武蔵が剣術の達人だった事は良く知られていますが、水墨画を多く残した芸術家だったということはあまり知られていません。芸術家としては「二天」という名前を使用していました。
「枯木鳴鵙図」「鵜図」などは国の重要文化財に指定されています。本質を突いた飾らない画風で数々の名作を残しました。水墨画だけでなく鞍や木刀などの工芸品が、美術館などに保存されています。
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まとめ
江戸時代初期の剣豪「宮本武蔵」は、強さを求めた武者修行の末に、二天一流兵法を開き極めました。また剣の道だけにとどまらず、芸術の才にも秀でていて数多くの作品も残しています。そんな武蔵の伝説や生涯を知るための本を6冊紹介しました。
最後におすすめ本をおさらいすると、
マンガ編
- バガボンド
- 宮本武蔵
小説編
- 宮本武蔵(吉川英治)
- 宮本武蔵(司馬遼太郎)
伝記編
- 五輪書
- 宮本武蔵の水墨画 剣禅一如
以上の6冊でした。伝説上の武蔵も、ひとりの人間としての武蔵も、どちらも魅力的な人物です。まだ知らない宮本武蔵を知ってみませんか?始めて宮本武蔵に興味を持った人は、まず漫画から手を付けてみてはいかがでしょうか。